うちのトコではとは、もぐらによる商業漫画作品である。通称はうちトコ。
元々はWeb上で公開されていた漫画作品であり、そちらは四国四兄弟を名乗っている。本項目では纏めて記述する。
概要
簡潔に言えば「47都道府県の擬人化作品」である。但し、ステレオタイプ的なイメージ重視でキャラ設定を行ったため、実際の各都道府県の様子を十分に反映しているとは限らず、あくまで「フィクション」であると作者が断り書きを入れている。
作者のもぐらは愛媛県在住であり、元となるweb掲載時での作品名が「四国四兄弟」であったことからも分かる通り、最初は四国4県がストーリーの中心となっていて、本州・九州・北海道・沖縄の他43都道府県キャラはオマケ程度の扱いだった。その後、次第に日本各地を題材としたネタが多くなっていった。
そして商業化の話が浮上した際、47都道府県をまんべんなく書くことがその条件として出されたため、商業本のタイトルは「四国四兄弟」ではなく「うちのトコでは」とされることになった。単行本は飛鳥新社より刊行されている。単行本にはそれぞれ読み切り漫画が掲載されており、1巻では神戸淡路鳴門自動車道を、2巻ではよさこい(YOSAKOI)、3巻では石見銀山、4巻では大曲花火大会と地方病について描いている。
また、2011年には作者の旅行エッセイとして関西地方の3キャラ(京都、大阪、神戸)を用いた「見とこ、行っとこ、トコトコ関西」が刊行。その後も続巻「見とこ、行っとこ、トコトコ四国」「見とこ、行っとこ、トコトコ東京」「見とこ、行っとこ、トコトコ東海」がJTBパブリッシングより刊行されている。
キャラクターについて
基本的に、都道府県名がそのまんまキャラの名前として利用されている(後述の例外除く)。
「1県につき1キャラ」が原則であるが、兵庫県と岐阜県については例外で、1県に複数のキャラが割り当てられている。共に明治9年、地理的要件が合わない所が政策で強引に合併されられて成立した県であり、「統一した県民性」というのを見いだせないのがその理由とされている(が、同じような条件にある山形県・福島県・新潟県・長野県・静岡県・京都府・福岡県については1キャラにまとめられている)。
なお「岐阜」は多数キャラであるが全て「岐阜」の名で呼ばれるのに対し、「兵庫」は5人のキャラに全て名前が付けられている。兵庫県を構成する主な令制国の名(播磨・但馬・丹波・淡路)がそれであるが、「摂津」地域のキャラについてはその地域の代表都市である「神戸」の名が付けられている。
また、関東地方は全て(たぶん)男性キャラ、近畿地方は逆に全て(たぶん)女性キャラとなるなど、地域ごとに一定の「まとまり」が存在する。作者のサイトでは以下のように各地域グループへ名前がつけられている。
登場都道府県
- 東北地方・・・「東北家族」
- 青森
東北メンバー・北海道ならまだしも、それ以外の地域では人見知りが発動して逃げる霊感少年(霊感は恐山の影響)。ただし、西部在住の彼は比較的陽気な性格。 - 岩手
東北のお父さんポジション。落ち着いた性格で、秋田や青森に懐かれている。 - 宮城
東北一の都会を自称するだけあって美形。だが、仲間意識も強いため、下手に浮いて独りぼっちになりたくない。肩に乗っかっている猫は田代島。 - 福島
真面目で誠実な青年。作中では大阪との絡みも多い。褒め殺してるけど。アナウンサーには向いていないが、合唱が得意という設定もある。 - 秋田
躁鬱がデフォな和服美人。酒が強い上に、飲むとテンションが上がるため、無自覚に相手を飲み潰す。
4巻読み切りでは花火話の主役…なのはいいが、他主役キャラに比べて顔芸豊富に。どうしてこうなった。 - 山形
真面目でしっかりした東北のお姉さん。こちらも和装で登場することが多い。
- 青森
- 関東地方・・・「関東七カ国協議会」
- 茨城
怒りっぽい理系人間。主な仕事は東京を叱り飛ばすこと(綱吉時代から続いている)。これは茨城の三ぽい(怒りっぽい、忘れっぽい、飽きっぽい)を反映したもの。WEB企画ではゴスロリ着せたロボを遠隔操作してみせた。 - 栃木
割とおっとりした青年。しかし、割と食わせ者な一面も。 - 群馬
からっ風が悩みの青年。新しもの好きで車好き。運営もギャンブル気質。栃木とは仲がいい。 - 埼玉
東京さんが大好きな少年。サッカー以外は普通の性格。一応、彼もショタポジション。 - 東京
展開次第では国の代表にもなる首都。萌えヲタでWEB企画では大暴走しては茨城や関西女子チームに怒られる。今でこそ標準語を使っているが、江戸時代は江戸弁全開だった。 - 千葉
山がない(地理的な意味で)青年。地方旅行ではたまに痛い目に遭う。茨城と埼玉はライバル。富士額のねずみがいるテーマパークを所有している。 - 神奈川
ナルシストでオシャレ大好きな青年。カッコイイ=正義。ただし、静岡・長野・山梨の前では素に戻る。また、ナチュラルに褒める為、各キャラを絶叫させたり、赤面させている。
- 茨城
- 中部地方・・・「ハイツ中部」(甲信越、北陸、東海)
- 山梨
たまに関東の会議に参加する貴族風の青年。たまに関東入りを打診されるが、「ジャニーズ集団に入るのはちょっと・・・」という理由でためらっている。
4巻では地方病話の主役に抜擢。こちらはシリアスな展開で頑張った。 - 長野
本名は信濃(信州)。論理的に物事を考えるマジレッサー。どんなことも理論的に考えることを好む。その為、乙女心など、機敏な部分をわかっていない。 - 石川
おぼっちゃま気質の少年。色々とやらかしては富山さんに説教される…が改善される気はゼロ。雪国のくせに雪の対策がなっていないのもネタにされている。 - 福井
したたかな眼鏡男子。商売人としてうまい具合に隙間を見つけて、銭を稼ぐ。事実、WEB企画ではボッタクリに近い商売を成立させている。 - 新潟
分類に困る県。ミニスカ女子高生で関東入りを目論んでるが、その願いは叶っていない。恋心も近くにいるのがマジレッサーなので、成熟する気もない、かわいそうな女の子。 - 富山
石川のオカン的な存在の和装女性。キッチリしているが、石川さんで苦労すること、多数。なお、冬の雷を聞くと、ごはんのことを考える(これは「冬の雷=鰤起こし」という考えから)。 - 静岡
ちびまる子ちゃんみたいな合法ロリ。ただし、性格はばあさん。神奈川とは昔からの付き合いで、過去も色々と知っている。東京曰く「地形と気候を体に反映させるなら、静岡さんは巨乳ロリ」。 - 愛知
美形のビジネスパーソンだが、性別はご想像にお任せ(作者談)。堅実な商売人で、東海+三重相手ならジャイアニズムが発動しやすい。 - 岐阜
わらわらいる(地域によって特性が冗談抜きでバラバラなのを反映した結果だとか)。東海と鹿児島にはなついているが、東海から離れるほど懐きにくい。
- 山梨
- 近畿地方・・・「近畿かしまし娘」
- 三重
東海なのか、関西なのかわからない巫女さんくノ一。愛知の胃袋を握っている。本人にもその自覚はあるが、この作品では関西・時々東海のキャラとして扱われている。 - 滋賀
京都並み(それ以上?)に腹黒い近江商人な眼鏡っ娘。甲賀を抱えているため、彼女もニンジャとして活動可能。実際に作中でも身代わりの術を披露している。 - 京都
古い歴史が自慢の古都。今でも日本の中心は京都と信じており、天皇さん返上の為、今日も精神的に東京をいびる。だが、マリオのコスプレするなど、関西らしいお茶目さも備えている。 - 奈良
本当に関西かと思われるほどゆったりしている少女。悩みの種は都市開発しようとしたら歴史的資料・遺跡が出土されること。場合によっては破壊するけど、それはそれ。 - 大阪
サービス精神旺盛な浪速娘。貧乳だが、東京的にそこが萌えらしい(が、忠実にフィギュア化したらどつかれた)。最近は福島に褒め殺されかけてる。 - 和歌山
元・御三家お膝元。千葉と徳島とは姉弟(兄妹)のような関係。愛媛とはライバル(みかん的な意味で)。 - 兵庫・・・特例により、5地域のキャラに別れている。
- 三重
- 中国地方・・・「中国寄合会」
- 岡山
教育重視の頭脳派。そつなくこなす仕事人だが、若干天然気味。あー、「燃えろ岡山」の垂れ幕を消防署に掛けるのは色々と洒落にならないのでやめたほうが…。 - 広島
武闘派を脱したい行動派。しかし、仁侠映画の影響とヤンキー風の見た目が災いして誤解されることも。愛媛と関わるとダブルボケになりがちで、こちらでは可愛くなる。 - 鳥取
おとなしく、内気な少年。めったに怒らないので、周囲から心配されている。設定外見年齢は9歳。 - 島根
見た目は若いが言動は爺さんなため、周囲から老人扱いされている。10月は神様が集まるため、粛々と過ごす。
コミックスではある事情から2巻以降、裏表紙に登場する他、3巻読み切りでは主役に選ばれた。 - 山口
理論上、納得できると素直になる青年。リアリストなせいかもしれない。
- 岡山
- 四国地方・・・「四国四兄弟」
- 九州地方・・・「九州一族」
- 大分
「よだきぃ」が口癖の無気力青年。水不足の際は温泉貴族ぶりを発揮し、周囲から羨ましがられた。 - 宮崎
けーでー主義な少年。こちらもボケ側のポジション。が、九州男児らしくいざとなったら…。 - 熊本
典型的な肥後もっこすとして描かれている青年。地下水が豊富だが、故に地下鉄が作れない。最近はあのキャラのおかげで懐が潤っているんだとか。 - 鹿児島
平時はほけーっとしているお兄さん。しかし、火がつくとムキムキな武闘派へと変貌。厳しいが、その分優しい理想の上司タイプでもある。 - 佐賀
自虐的な性格の青年。後ろの髪は干潟。呼子のイカなど、よく見たら名産があるのに、本人にその自覚がない。なお、平地が多いので女体化して、地形を反映させたら華奢貧乳になる…らしい。 - 長崎
海外の影響を受けたと言われているキャラ。福岡とは仲がいいが、佐賀とはあまり仲が良くないので、そのことで福岡に諌められることも。 - 福岡
九州の紅一点である姉御。豪快、かつサービス精神が旺盛な女性で、頼りになるという声も多い。一方で、周囲の男子が男子だからなのか、結構チョロい部分も…。
- 大分
- 他の地方
作者によると「性別はご想像にお任せします」とのこと。([1][2]
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関連動画
関連商品
飛鳥新社「うちのトコでは」シリーズ。2015年4月現在、4巻が刊行されている。
JTBパブリッシング「見とこ、行っとこ」シリーズ。2015年4月現在、4巻が刊行されている。
外部リンク
関連項目
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