レイとは、漫画「北斗の拳」およびコミックバンチ連載中の「蒼黒の餓狼 -北斗の拳 レイ外伝-」、読みきり作品「北斗の拳 レイ外伝 華麗なる復讐者」の登場人物である。
概要
南斗六聖拳の一つ南斗水鳥拳の伝承者であり、義星を宿星に持つ。
義星とは人の為に生き命を懸ける宿命を持つ星である。
黒の長髪であり、かなりの美男子。服装次第で野盗が女性に間違えるほど。
しかし、身長185cmを女性と間違えるとはモヒカンもモヒカンである。世紀末だから仕方ない。
アニメ版では長髪で美男子と言う設定は同じだが、髪の色は水色になっている。
「シャオ!」と言う特徴的な掛け声、敵が切り裂かれる際の派手な演出、二枚目的なキャラクター、
熱い生き様(死に様)により屈指の人気を誇る。
南斗水鳥拳
レイの使う南斗水鳥拳は、指や手刀による斬撃を主とし、時に真空波を纏って恐るべき切れ味を持つ。
名前の通り美しく舞う水鳥の動きを模している技がいくつもあり、南斗聖拳で最も華麗であると言われる。しかしその実態は、比類なき威力を誇る残虐非道の必殺拳である。
南斗水鳥拳には足技が存在しない様子。少なくとも現在まで、基本的な体術による蹴りなどを除いて「南斗水鳥拳の足技」は原作にも「蒼黒の餓狼」にも登場していない。
しかし、脚による跳躍から発生する技も多く(妖星のユダいわく「南斗水鳥拳の奥義はその華麗な足の動きにある」)、そういう点では脚が重視されているとも言える。
レイ個人に限っては足技主体である流派「南斗白鷺拳」の伝承者・シュウと親交があるため、「南斗白鷺拳の足技」をいくつか習得しており、「蒼黒の餓狼 -北斗の拳 レイ外伝-」にて使用している。
なお、南斗水鳥拳は外部からの破壊を主目的としつつも華麗な動きを持つ柔剛併せ持つ拳であるが、レイの師父であり先代伝承者であるロフウは剛の拳の使い手であり、彼の使う水鳥拳は剛の拳のみを使うスタイルにアレンジされていた。ロフウから拳を伝授されたレイでは柔剛併せ持つ本来のスタイルに戻っている。
- 南斗虎破龍(なんとこはりゅう)
北斗神拳奥義「聖極輪」の合図を受け敵を欺く際に使用した技。同じくその際にケンシロウが使用した「北斗龍撃虎」と対応しており、双方とも技の前に異様な構えを取る。
原作ではどこからどこまでが技だったのかが曖昧であったが、北斗の拳(アーケード)では南斗虎破龍の構えをしてからレイがケンシロウとの拳のやり取りをしたシーン(殴られる→耐えつつ相手に突きを繰り出す)を元にして、スーパーアーマーを付けながら突きを連打する技として実装されている。
北斗無双では伝承奥義(三國で言う「無双乱舞」戦国で言う「無双奥義」ガンダムで言う「SP攻撃」みたいなもの)のひとつとして使われ、一定時間自身の防御力を強化することができる。 - 飛燕流舞(ひえんりゅうぶ)
修行時代のレイが、上空を舞う鳥をスライスした技(と思われる)。上空に舞い上がり真空波を放つ。非常に優雅に舞う美しい技で、ユダの逆恨みを買う原因になった技である。
「蒼黒の餓狼」では跳躍し相手を飛び越しざまに背中を一瞬で切り裂く技であり、非常に華麗。師・ロフウと伝承者を争った、柔の拳としての南斗水鳥拳のレイの師匠とも呼べるリンレイの得意としていた奥義。
ゲームでは空中でのみ出せる、真空波の飛び道具を放つ技になっている。
無双では伝承奥義のひとつとして使われ、前方の敵を蹴り上げ、着地とともに周囲に衝撃波を放つことができる。 - 朱雀展翔(すざくてんしょう)
原作ではアニメにのみ登場した技。上空に舞い上がりながら斬り付ける。 - 断己相殺拳(だんこそうさいけん)
南斗究極奥義。水鳥拳の名を冠していないため、南斗聖拳に共通する奥義だと思われる。
原作では技が出る前にラオウのマントに阻まれ不発に終わったため「相打ち覚悟で挑む技らしい」と言う事しか分かっていない。
ゲームでは飛び上がってから「飛燕流舞」の強化版の飛び道具をばら撒く技になっている。
無双では真・伝承奥義(三國4の「無双覚醒」使用中の無双乱舞みたいなもの)Lv.2として使われた。飛び上がって回転したのち闘気を溜め、着地とともに手刀を振り下ろし衝撃波を発生させる技になっている。 - 飛翔白麗(ひしょうはくれい)
南斗水鳥拳奥義。ユダとの決着をつけた技。
華麗に上空へ舞い上がり、そのまま相手に向けて2つの手刀を一気に振り下ろす。飛燕流舞以上に華麗で美しい技であり、対峙していたユダは闘いの最中であったにも関わらず心を奪われてしまっている。
原作ではダムの流水で足が封じられたため、水面を手で叩いて宙返りをするような形で跳躍した。「蒼黒の餓狼」では身動きの取れない空中にいるところを師・ロフウに狙われた際、空中を手で叩いてその場からさらに跳躍を行った。「北斗の拳 レイ外伝 華麗なる復讐者」では足による跳躍が自由に出来る状況であったが、同様に手からジャンプを行っていたため、宙返りをする部分から技に入っているのだと思われる。
ゲームではレイに一撃必殺奥義として実装されている。手を使った逆さ跳躍からの宙返りはしないが、白鳥の姿を模して敵に両の手刀を振り下ろす動作は同じである。
なお、技名の読みは上記では「ひしょうはくれい」と書いてあるが、これは原作漫画での表記による。
ゲーム等でもおおむねこれに準じてあるが、「蒼黒の餓狼」でレイがこの技を使用した際は「ひしょうびゃくれい」とルビが振られている。
無双では真・伝承奥義Lv.1として使われた。宙返りジャンプから両の手刀を振り下ろす技だが、心霊台後(白髪ver)ではその後さらに前方に衝撃波が飛び、広範囲を攻撃できる技になっている。 - 南斗鶴翼迅斬(なんとかくよくじんざん)
技名はゲームより。ゲームにおいて、空中で両手を広げて突進しながら斬り付ける技。
原作にはこの名前の技は登場していないが、恐らく対ユダの直前にけしかけられた部下をすれ違いざまに切り刻んだ技だと思われる。
後にケンシロウも水影心によってコピーしている技。
無双では伝承奥義の一つとして使われ、縦回転による突進で敵を切り裂くことができる。 - 南斗撃星嚇舞(なんとげきせいかくぶ)
技名はゲームより。ゲームでは上昇しながら上に向かって突きを繰り出す、いわゆる昇龍拳。
原作にはこの名前の技は登場していないが、恐らくユダが上空から「死ね!虫けらのように!」といいつつ繰り出した突きと交差する形で繰り出され、ユダの顔に傷をつけた対空の一撃の技だと思われる。 - 南斗凄気網波(なんとせいきもうは)
技名はゲームより。一度に大量の細かい真空波の飛び道具を前方に飛ばす。
原作にはこの名前の技は登場していないが、恐らく牙一族との闘いの最中にケンシロウと闘う羽目になった際、ケンシロウに対して繰り出したが全てかわされ、背後の大岩を網の目状に切り裂くに終わった技だと思われる。
無双では伝承奥義の一つとして使われ、周囲の敵を真空の刃で切り裂くことができる。
世紀末での生き様
核戦争が起こり世が荒れ暴力が支配する時代になったが、義星の男であるレイは暴力に走る事は無く、平和を望んでいた。
だがレイが村を留守にしている時に、何者かが両親を惨殺するとともに結婚を目前に控えていた妹・アイリを誘拐してしまう。
虫の息だった両親が最後に残した手がかり「胸に七つの傷を持つ男」を頼りに、復讐の意志だけで生きていく事になる。
世紀末は、レイの南斗水鳥拳を持ってしても、たった一人で生き抜くには厳しい時代であった。
そのためレイはある時は野盗の集団に取り入り、ある時はそれを裏切って敵対勢力に寝返り、本来の義星の輝きを忘れた生き方をせざるを得なかった。
そんな生活を繰り返しているある日、取り入っていた牙一族からマミヤの村へと潜入する事を命じられる。命じられたとおり、用心棒として村への潜入に成功したレイであったが、そこでケンシロウと出会う。
バットには「悪党のツラ」、リンにさえも「あの目は人を助けるような目じゃない」とまで言われ、そしてそれを体現するかのごとく、ケンシロウの圧倒的強さを目の当たりにしてあっさり牙一族を見限り、寝返る。
ケンシロウ自身も「自分の損得でしか動かない男」との評を下していたが、たった一人の弟を惨殺されるも村人の前では村のリーダーとして表情一つ変えず、しかし裏では泣き崩れるマミヤの姿を目にし、レイは自ら牙一族の殲滅に乗り出す。
同じく牙一族の討伐に来ていたケンシロウと共闘し一時は優勢に立つも、牙一族は人質としてアイリが手の内にある事を明かす。アイリを人質に取られて逆らえないレイはケンシロウと闘うことを強いられるも、機転によりアイリを取り戻すと共に牙一族の撃破に成功。
アイリを取り戻した後は憑き物が落ちたように復讐に凝り固まった表情は消え、本来の義星の輝きを取り戻し、ケンシロウとの友情のために生きて行く。
ケンシロウが自分も「胸に七つの傷を持つ」事を明かしても、レイは「アイリを連れ去った本人だと言っても俺は信じない」と即答した。
秘孔新血愁
ケンシロウがマミヤの村を離れている時に、ラオウの部隊がマミヤの村に侵攻してくる。
ケンシロウへの借りを返すためレイはラオウに挑むが、ラオウは馬を降りることすらせず、闘気だけでレイを圧倒。
倒して勝つ事が不可能だと判断したレイは南斗究極奥義・断己相殺拳で相打ちを狙うが、逆に秘孔・新血愁を突かれて敗北してしまう。
秘孔・新血愁とは、突かれると3日間の間苦痛に悶え苦しんだ後、全身から血を吹き出して死ぬという秘孔。
その後ケンシロウが駆けつけケンシロウとラオウの闘いが始まるが、レイは己の身に迫る死をも忘れてケンシロウをの身を案じ、必死に闘いを止めようと叫ぶ。
ユダとの対決
レイは同じ南斗六聖拳の一人・南斗紅鶴拳のユダとも浅からぬ因縁を持つ。
世が荒れ南斗六聖拳が割れた際、戦乱を好むグループに走ったユダと平和を望むグループに残ったレイとでは南斗の男としての立場の対立もあったが、それ以上に個人的な対立、そしてマミヤを巡る対立があった。
修行時代より、ユダは美しさへの執着が極めて強く、そのために華麗な技を持つレイに対する嫉妬と逆恨みが激しかったが、ユダ自身はレイが美しい男である事を認めようとせず、部下には自身が最も美しい男であると言う事を強制し、レイは「義星はピエロの星」などと見下す言動を繰り返していた。
これだけだったらユダの一方的な確執であったが、レイが愛した女・マミヤがかつてスタンプ・ザ・UDを受けた女であった事が判明。「この刻印のせいで私は女を捨てて戦う道を選んだ」と語るマミヤを受けて、レイはマミヤの過去を断ち切るためにユダを倒す事を決意したのであった。
一方ユダは、レイがかつて自らの元を逃げ出したマミヤを愛していると知り、自分が最も美しい男であるのに邪魔な存在・レイを最大の屈辱を与えた上で葬ろうと画策。レイがラオウによって秘孔・新血愁を突かれ余命がいくばくも無い事を利用し、策略によってレイとの対決を回避、失意のうちに新血愁の効果によって砕けて死んで行くように仕向けた。
何とか手立てを探そうとするレイやケンシロウであったが、ラオウに突かれた秘孔新血愁は解除する手立ての無い強力な秘孔だった。トキによれば唯一対応している秘孔・心霊台もたった1日程度の延命にしかならない上に、新血愁を遥かに上回る激痛に耐え抜かなければならないとの事であった。
しかしレイは迷わず心霊台を突いてもらう事を選ぶ。レイは部屋の外まで響き渡る絶叫を上げながら、髪が全て真っ白に変わるほどの激痛にのた打ち回るが、「苦痛に耐えられなかったら」とトキから前もって渡されていた自害用の劇薬を使う事も無く、激痛を耐え抜いて1日の生を得る事に成功した。
ユダはレイの肉体が砕け散っている頃を見計らってマミヤの村に攻め入るが、その前にレイが立ちはだかる。
ゲームでのレイ
全キャラ中で唯一3段ジャンプが可能な上、南斗狂鶴翔舞(バリア)や飛燕流舞(飛び道具)を使う事で擬似的にもう1段ジャンプ(滞空)も可能。ドラゴンボール状態になるトキに次ぐほどの機動力を持つ。
加えて殆どの地上技をジャンプキャンセル出来るため、地上技→低空ダッシュ攻撃→地上技の連携が非常に強力。固め性能もさることながら、投げを含めた何かの技が刺さればそこから延々とコンボを繋ぎ、バニシング>ブーンループでも百烈でもドリブルでも、少量のゲージで相手の体力を8~10割削りきるコンボが入る。
バスケやバニコンによる火力が高すぎて星取りから一撃必殺技と言う流れが少ないが、星取り性能や一撃必殺技の性能も別に悪い訳ではない。研究が進んだ今ならば通常のコンボに星取りをきっちり組み込む事も出来るルートも確立されている。
防御面でも無敵時間を持つ昇竜(南斗撃星嚇舞)、スーパーアーマー付きで相手の暴れやガーキャンを狩りながら攻撃出来る南斗虎破龍等痒いところに手が届く技が全て揃っている。
その性能はバランスでも器用貧乏でもなく、器用万能。さらに、性能に加えて割とお手軽でありながら即死に加えて筐体のフリーズ(厳密にはコンボが終わらなくなってリセットするしかなくなるだけであるが)すら引き起こす可能性のあるバグ技・バグ昇竜の存在も判明し、存在自体がバグとまで言われたトキに次ぐ、人によってはトキと同等・トキを抜いてレイが最強キャラだとする人も居るほど。実際、二度目の闘劇決勝戦で初代覇者紅の豚が操るトキを破り、見事優勝したのはK.I操るレイである。
また性能面以外でも、レイの一撃必殺技だけ相手キャラ限定の特別演出が2種類もある(対マミヤ、対ユダ)、相手の服を裂いて七つの傷を探す動作を模した通常投げのボイスも相手によってきちんと変わる(ジャギの「目が弟に似ている」は弟本人であるケンシロウに使っても同じ事を言う等)、色々と開発陣に愛されているらしいキャラ。
しかしここまで開発陣から露骨なまでに強化されてはいるが、当然ながら弱点も存在する。まず第一にしゃがみ喰らい時の硬直が長い為しゃがみレイ限定の永久コンボがあるほど。(レイ同キャラ戦やラオウ・トキなど)また、ケンシロウ程ではないが空中の食らい判定が見た目よりも大きい(通称隠れメタボ)のでレイ限定の即死コンボが開発され、場合によってはノーゲージからバスケというのも日常茶飯事。例え下位キャラとは言え一発を持っているキャラとの対戦時には気が抜けない。
余談
- レイのモデルは奇面組の一堂零という説があったが嘘らしい。
- アニメ「ハイスクール奇面組」では、一堂零がレイの姿になるシーンがある(但し二等身)。ここからの勘違いだろうか…
- 「蒼き流星SPTレイズナー」の世紀末編の登場人物「ル・カイン」は、髪の色や服装以外はレイそっくりなうえに、声優は塩沢兼人である。谷口守泰の趣味が駄々漏れした結果らしい
- 「北斗の拳」を題材にしたゲームの中でもすこぶる評価の低いバンプレストのSS/PS版には、南斗水鳥拳を使う女性キャラ「ザキ」が登場する。原作後なのにトキが生きてる世界なんだからレイも生きてた事にすればよかったのに。
- レイの名言「てめえらの血は なに色だ―――っ!」は、様々な作品でネタとして使用されている。
- 東方緋想天に登場するキャラクター・射命丸文が、AC北斗の拳におけるレイの技に似た技をいくつか持っている。
詳しくは射命丸文の項を参照。
歴代担当声優
- 塩沢兼人(TVアニメ版 他)
- 千葉一伸(格闘ゲーム版)
- 三木眞一郎(真救世主伝説 北斗の拳)
- 植木誠(DS版ゲーム)
- 原沢勝広(激打3)
- 子安武人(北斗無双)
- 岸尾だいすけ(DD北斗の拳)
- 鳥海浩輔(イチゴ味)
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関連項目
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