講談社問題とは、講談社に関連する問題のことである。
尚、キングレコードや一迅社などの子会社の関与があればそこに触れた上で記述する。
講談社の関係者による問題
講談社の関係者による不祥事はWikipediaに書かれているのでここではニコニコで取り上げられる問題やWikipediaに記載が減っている問題を中心に取り上げる。
「フライデー」襲撃事件
- 1986年12月8日、講談社「フライデー」の契約記者がビートたけし(以下たけし)と交際中であった女性に取材拒否を理由に全治2週間の怪我を負わせる。(この件は後に罰金10万円の判決が下される。)翌日、この事に激怒したたけしがたけし軍団を率いて講談社を襲撃した事件である。
- 女性への暴行以前にもフライデーはたけしに対するしつこい取材があったことや、問題となった記者が移籍前の小学館の記者として接触しており、フライデーが責任を小学館に押し付けていたことも一因となっている。
- たけし及びたけし軍団の行動は決して良いものではないが、フライデーのやり方そのものにも問題があるとして過激な取材が問題視されるようになった。その結果、写真週刊誌は人気を落としていく。
- この事件以降たけしは講談社とは確執を起こすことは全くないにも関わらず、フライデーは襲撃犯の一人だった東国原英夫が宮崎県知事に当選した際に暴力知事という記事を掲載した。
- つまり、最初に事を起こしたのはフライデー側であり、根に持っているのもフライデー側である。
「金田一少年の事件簿」盗作問題
- 講談社「週刊少年マガジン」に連載されていた「金田一少年の事件簿」のエピソード「異人館村殺人事件」にて、トリックが島田荘司の「占星術殺人事件」(同社刊)と酷似している問題。文庫版以降の単行本では冒頭でこの件について触れられている。
- 金田一少年の事件簿のトリックはその多くが編集者(樹林伸)が発案しており、問題視されるいようになってからは原作者表記を変更、初期の原作者である金成陽三郎は原作者を離れ集英社で活躍するようになった。
- 問題になった時期がドラマ化されて以降で島田荘司は占星術殺人事件の映像化を望んでいないことから収録されたVHSは以降そのエピソードをカットして収録された。表向きには廉価版発売に合わせての再構成である。(尚、アニメ放送は問題になった以降であるが、事件そのものの残虐性やアニメ化されなかった別のエピソードの問題点となった恋愛面での展開に共通点があるためこの問題をクリアしてもアニメ化されなかった可能性が高い。)
「GTO」ドラマ続編消滅問題
- 講談社「週刊少年マガジン」に連載されていた「GTO」のドラマ(反町隆史版)の第2弾が消滅した問題。
- 1998年に第1作が放送され、テレビスペシャルと劇場版が1999年に放送・公開され、2000年に第2作が放送される予定であった。が、講談社が反町隆史のすっぱ抜き記事を載せたため所属事務所の研音が第2作をなかったことにした。
- 当時はアニメ展開も並行していたが放送時間移動と共に視聴率で苦戦しており、ドラマとの相乗効果も得られなくなったことから第2作が放送されるはずだった2000年に終了している。
- ドラマ版は途中より原作と離れた展開になっており、原作の流れを組んだドラマ化は2012年のリメイクまで待つことになる。また、反町隆史版のGTO新作までは2024年と劇場版から25年も待つことになった。
「ブラックジャックによろしく」移籍問題
- 講談社「モーニング」で連載されていた「ブラックジャックによろしく」が連載を中断、その後ライバル社である小学館「ビッグコミックスピリッツ」で続編が連載されることになった問題。
- 原作者の佐藤秀峰先生は本作が看板作品にも関わらず原稿料がモーニングの他の作家の平均よりも低いことが判明し、原稿料のアップを要求。その他にも取材資料の誤りやネームのセリフの改変の問題もあった。要求は通ったものの、今度は講談社が韓国の出版社に2次使用を無断で許可し、それがネットに流出する事態が起こる。更なる原稿料のアップと印税のスライド制を要求するが交渉が決裂してしまう。
- その後、小学館が要求通りの原稿料アップと印税のスライド制を行うことでライバル会社である小学館での連載となった。
- 本作においては最終巻のカバーイラストの件やAmazonのKindle配信、また、原作者としても海猿のメディア化などでのトラブルが起きているが、中でも講談社との関係が悪化を極めており講談社で連載されていた分は無料配信を行っている程である。
「コミックボンボン」休刊問題
- コミックボンボンは講談社が出版していた児童漫画雑誌でコロコロコミック(小学館)とライバル関係にあった。
- 1990年代前半まではライバル関係といえるほどの人気を維持していたものの、1997年にアニメが放送されたポケットモンスターのブームにより差が広まった。また、同時期に4年近く続いたガンダムのTVシリーズが終了したことも原因となっている。(ちなみにポケットモンスターのメディア展開は当初は講談社に持ち掛けていたが講談社側が断っており、次号予告でポケモンの付録をつける予定がなかったことにしたこともある。)
- この時期から編集長が交代し、王ドロボウJING、おきらく忍伝ハンゾー、ロックマンシリーズなどといった連載陣が編集長の一存で次々と打ち切られ読者離れを引き起こす。ロックマンシリーズにおいてはエグゼシリーズにおいてアニメのスポンサー料を渋ったためにコロコロに移籍することになる。
- これらに対するテコ入れとして人気作品であったメダロットやサイボーグクロちゃん、へろへろくんといった看板作品をアニメ化するも、後者2作品は制作会社が倒産してしまい、サイボーグクロちゃんに至っては打ち切りとなってしまう。また、同時期に放送されたターンエーガンダムが低年齢に受けなかったことからガンダムシリーズも同社のマガジンZやKADOKAWAのガンダムエースに注力することになり、後の大ヒット作である機動戦士ガンダムSEEDの機会を逃すことになる。
- こうした負の連鎖が続いた影響から2007年にコミックボンボンは休刊となる。しかし、当時新規コンテンツであったポケモンの消極さやロックマンシリーズのスポンサー打診の断り、読者の意向を無視した連載方針など講談社自身のローコストぶりが結果として休刊に導いたとされる。
「愛と誠」原画オークション問題
- 週刊少年マガジン1973年3・4合併号より1976年39号まで連載されテレビドラマ化や映画化も果たした恋愛漫画の名作「愛と誠」。そのカラー原画紛失疑惑に対して講談社が誠意のある対応を示さなかった問題。
- 2018年4月20日、「愛と誠」のカラー原画1枚がまんだらけのオークションにかけれられ400万円で落札された。この事を知った講談社は同年5月10日に「原画は紛失したか盗まれたもの」として購入しないか講談社に連絡するよう呼びかける声明を発表した。
いつも週刊少年マガジンをご愛読、ありがとうございます。
先日『愛と誠』(原作:梶原一騎 漫画:ながやす巧)の漫画原稿(いわゆる原画)がオークションに出品されるという出来事がありました。
ご存知のかたも多いかと思いますが、『愛と誠』は1970年代に週刊少年マガジンで連載され、何度も映像化された大ヒット作品です。ちなみに『愛と誠』の原画は、現在は、ながやす巧先生ご自身がすべて管理しております。しかしながら、連載当時に、編集部からやむをえず外部に貸し出しをする機会があり、その際にごくわずかですが行方のわからなくなった原画があります。編集部として当時の原画管理に関する甘さを猛省しています。
読者のみなさまにお願いがあります。
ながやす巧先生は、連載当時から現在に至るまで、『愛と誠』の原画を外部の人に譲渡したり、売却したことは一切ありません。もし、さまざまなオークションや漫画専門店などの店頭で『愛と誠』の原画を目にされることがあったならば、それは紛失もしくは盗まれたものです。どうかそれらの原画を購入されることがないようお願い申し上げる次第です。また、原画を発見された場合は、下記の連絡先までご一報いただけますとありがたく存じます。同様の主旨のお願いを、ながやす先生からも承っております。
まことに勝手なお願いではありますが、どうぞよろしくお願いいたします。
- 講談社の声明と、「さくら出版不正原稿流出事件」の際にさくら出版の社長が作者に無断で売却した原稿を販売した事で善意の第三者を主張するも退けられて敗訴した前歴があった事から、原画を競売したまんだらけに対して「盗品を売りさばくな」「盗賊が利益を得るのをサポートしている」「先生が悲しんでいるから返すべき」「古物業者は盗品を警察に報告する義務がある」といった批判が向けられた。
- この件について同年5月12日にまんだらけ側は「今回の件が問題になること自体に違和感がある」「原画を紛失した出版社の問題」とする声明を発表した。
今回問題になりましたまんだらけオークションサイトで販売されました「ながやす巧氏の原稿」についての弊社のコメントです。 問題点がいくつかありますが事実関係をまず記載しておきます。
① オークションにかけられた原稿が紛失したものかどうか特定できていない。
オークション前に作家様代理人と出版社様サイドから打診はありました。15枚の原稿紛失が1974年にあったこと、その時に紛失届けを出したことをもって、それが今回の原稿であると主張され、それはながやす先生が原稿を厳しく管理しているからとのお話でした。まんだらけとしては「愛と誠」の原稿を完全に管理をされているならば、紛失原稿がその15枚だけなのかを確認して連絡をいただけますか?と代理人様に4月29日に返事をしましたが、その後回答はない状態です。
② 弊社といたしましては遵法の精神にのっとりまして営業を重ねておりますので今回の件が問題になること自体に違和感があります。
③ 出版社様サイドから流出したものであればそれは出版社様の問題であり、責任は当然まかなわれるべきものと判断いたしますが、正式な判断はこれまた法に則って行われるべきかと存じます。
④ ただ今回出版社様サイドから出された正式な告知文によりますと以下の内容が見られます↓
「週刊少年マガジン編集部から読者のみなさまへ」
「読者のみなさまにお願いがあります。ながやす巧先生は、連載当時から現在に至るまで、『愛と誠』の原画を外部の人に譲渡したり、売却したことは一切ありません。もし、さまざまなオークションや漫画専門店などの店頭で『愛と誠』の原画を目にされることがあったならば、それは紛失もしくは盗まれ たものです。どうかそれらの原画を購入されることがないようお願い申し上げる次第です」「編集部として当時の原画管理に関する意識の甘さを猛省しています」とありますように仰っていることが事実なら明らかに非は出版社様にありますので、本当に反省されておられるのなら、そしてその原稿が今回の出品物であったならその責務を果たすためにオークションで落札して作者様にお返しすべきではなかったのでしょうか。その時間的余裕は充分あったはずですし、お申し出があれば弊社は協力していました。
それを何の非もない弊社や購入者を責めるような文章は、幼い責任転嫁以外の何物でもないものでしょう。
原稿が描かれた当時の状況は確かに今日の日本文化の礎を築くようなエネルギーに満ちておりましたが、その中で作家対編集という図式だけではなく、作家対出版社という構図の中では、作家の命である原稿は一部ないがしろに扱われていたのも事実です。 それは過去の出版社の方々の過ちではありますが、それでも同じ組織にある方たちですから「昔の人のやったことは関係ない」とは言えないのではないでしょうか。
- まんだらけ側は、オークションにかける前に事前に関係各所に連絡している事、そして紛失したのを認めるのなら身銭を切って落札し作者に返還すべきだと事実関係等を公表。
- まんだらけからの連絡に対して講談社が返した1974年に紛失した原画なのであれば、民法第162条により所有10年経過でまんだらけに売却した前の出品者に所有権が移っており、講談社が紛失に対して適切な対応をとらずに放置していた事や、原画発見の連絡をうけた際に金銭を支払って取り返そうとしなかった講談社の作者への誠意の無さが露呈する事となった。
「甘神さんちの縁結び」舞台場所でのアニメ未放送問題
- 講談社「週刊少年マガジン」に連載されている「甘神さんちの縁結び」のアニメで舞台となる京都府でアニメが放送されない問題。
- アニメにおける舞台場所での放送は2010年代より舞台場所での放送で行われることが多く、2020年代になると沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる(新潮社)や星屑テレパス(芳文社)など中小出版の作品でも舞台場所での放送が行われるようになった。そうでない場合も製作局側の事情等がある。(例・青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ないは製作局の朝日放送が当時深夜アニメでテレビ朝日のネットを実施していた枠がなかったなど。)
- 甘神さんちの縁結びでは京都府との相性の悪いテレビ東京系列でのアニメ放送となり、舞台となる京都府ではアニメが未放送となった。また、本作はテレビ東京の製作ではないことから青ブタなどとは違い他局での放送を製作側が選択できたこともある。
- 講談社の作品でもスキップとローファー(製作・DMM pictures)やぽんのみち(製作・ポニーキャニオン)など他の会社が製作に関わっていれば舞台場所での放送はあるのの、甘神さんの製作は講談社の子会社であるキングレコードであり、音羽グループがメインの製作作品である。
- 原作者の所在地である南丹市では視聴エリアであるものの、甘神神社のモデルである貴船神社のある舞台場所の京都市左京区はテレビ大阪の視聴エリア外である。また、これらの影響からかアニメ放送前はコラボしていた叡山電鉄がコラボしなくなるなどの事態も起きている。(叡山電鉄はここ近年京都府での放送がなく且つサンテレビやテレビ大阪では放送されている作品の扱いが悪い。)
「ささやくように恋を唄う」アニメ及び舞台のBlu-ray発売中止問題
- 一迅社「コミック百合姫」に連載されていた「ささやくように恋を唄う」のアニメと舞台でBlu-rayの発売が中止となった問題
- アニメは当初の予定より放送開始が3か月遅れ(ここまでは珍しくもないが)、中盤より作画崩壊が起こるようになり、最終2話が延期、その間に制作会社の1つであるクラウドハーツに倒産の話が浮上しており(最終2話はクレジットに表記されず)、最終2話の放送も中断前から半年後に放送という他作品に比べて遅い放送となった。最終回放送から10日後に本作はBlu-rayディスクの発売中止を発表した。
- また、並行して展開していた舞台も制作会社の倒産によりBlu-rayとDVDが発売中止となっている。
- アニメと舞台の両方でBlu-rayが発売中止となり、制作会社もアニメの片方が倒産疑惑、舞台は倒産となっており呪われた作品となっており、原作ファンからはアニメと舞台を引き受けた出版社に対する批判が起きている。
- 尚、一迅社は講談社の子会社であるが講談社との関連が深く、現在単行本は講談社と同じシュリンクをつけての販売になっている。また、子会社化に伴い小学館のやはり俺の青春ラブコメはまちがっている。の関連書籍の絶版と4コマ版の連載終了を行っており、4年後ではあるが4コマ版を連載していた雑誌に講談社の手品先輩のスピンオフを初回から表紙&巻頭カラーで連載したり、コミック百合姫でもゆるゆりと転生したらスライムだった件のコラボ作品の転生したらあかりだけスライムだった件を連載するなど講談社と深い関係にある。
講談社及び音羽グループのアニメーションのクオリティ
講談社のアニメのクオリティは小学館や集英社、KADOKAWAよりも低い傾向にある。これは、サンデーでいうサンライズやジャンプでいうぴえろ、KADOKAWAの京都アニメーションや動画工房といった実績や実力のある会社と長い付き合いがなく、ディオメディアと提携を結んだものの以降の講談社の制作は2年程しかなかった。また、この間に制作したあひるの空では原作者の日向武史がTwitterにてディオメディアの批判を行っている。
それどころか、作風に見合わない放送局を選出することが多い。例えばお色気要素の強い赤松健作品における(当時表現規制の強かった)テレビ東京製作や、CLAMPのツバサは作品の展開上にふさわしくないNHKの放送だったことから当初の3シーズン放送の予定が2シーズンに短縮され、シーズン2の途中から原作と離れた展開で終了することになった。
特に2024年はクオリティの酷さに問題があり、ブルーロック(シーズン2)は前作がヒットしたにもかかわらず止め絵を起用することが多く紙芝居と呼ばれたり、甘神さんちの縁結びはアニメ放送前に連載中のヒロイン総選挙で1位と2位を(アニメ化作品のヒロインを抑えて)獲得したにもかかわらず、作画の悪さが目立った。前述のささやくように恋を唄うもこの年の放送である。
2024年の作品陣の事態は大手出版社でも人気の低い作品のアニメ化であれば似たようなケースは存在するが、どれも看板を背負っている作品で起こしているため講談社及び音羽グループにおけるアニメ化を問題視する意見も出るようになった。
関連項目
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