ゴールデンハインドとは、競走馬の名前である。世界各国に同名の馬が多数いるが、日本では3頭いる。
主な勝ち鞍
2011年:札幌日経オープン(OP)
2012年:万葉ステークス(OP)
父*クロフネ、母*ゴールドティアラ、母父Seeking the Goldという血統。
父は言わずと知れたダートの伝説であり名種牡馬、母は2000年のMCS南部杯で牡馬を蹴散らすなど重賞5勝を挙げたダートの名牝という良血馬である。
2006年3月19日、ノーザンファームで生産され、社台グループの吉田家の所有となった。名義上の馬主は吉田和子。馬名意味は「海賊船名」。
デビューは大幅に遅れ、3歳となった2009年6月21日の未勝利戦(福島競馬場ダート1700m)。ここは8着と惨敗したが、同じコースで行われた7月11日の未勝利戦で勝ち上がる。
血統的にもダート馬と見られ、その後もダートを使われる。500万下3戦目からはダートの2400m・2500mに距離延長、5着→2着→3着→3着と惜しいところまでいくが勝ちきれない。
1600mに戻したレースも5着に敗れたところで芝へ転向すると、転向初戦の4歳5月、4歳以上500万下(東京競馬場・芝2400m)を逃げて2馬身半差の快勝で勝ち上がり。6月に降級し7月の横津岳特別(3歳以上500万下、函館競馬場・芝2600m)は7馬身差で逃げ切り圧勝、8月の支笏湖特別(3歳以上1000万下、札幌競馬場・芝2600m)も逃げ切り、一気に3連勝で準オープンに昇格する。
そこからは中長距離のオープン特別や重賞に挑んだが、逃げることもままならず2桁着順の惨敗続き。自己条件ですら15着と振るわなかったが、5歳9月の札幌日経オープン(札幌競馬場・芝2600m)でメイショウクオリアと一緒に逃げ、叩き合いをハナ差制して10番人気で穴を開けオープン初勝利。オープン入りを果たす。
その後、アルゼンチン共和国杯(GII)16着、ステイヤーズステークス(GII)13着と重賞では歯が立たなかったが、6歳初戦の万葉ステークス(京都競馬・場芝3000m)をまたも9番人気で4馬身差の逃げ切り勝ち。2着に7番人気マカニビスティー、3着に10番人気エナージバイオを連れてきて、3連単161万510円の大波乱を巻き起こした。
続く大阪-ハンブルクカップ(阪神競馬場・芝2400m)は出遅れ後方からのレースになってしまい8着。
そして迎えた生涯最初で最後のGI、天皇賞(春)(GI)。このとき断然の1番人気(1.3倍)は前走阪神大笑点阪神大賞典でやらかした前年の三冠馬オルフェーヴル。一方、ゴールデンハインドは85.1倍の10番人気。堂々と逃げ宣言をしてレースを迎えたが、ぶっちゃけその他大勢の1頭でしかなかった。だが、彼とさらに人気薄のもう1頭が歴史に残る大波乱を巻き起こす。そう、14番人気ビートブラックである。
まず1枠1番のビートブラックがスタートからハナを主張し、3枠6番のゴールデンハインドと2枠3番のナムラクレセントがついていく。ナムラクレセントが3番手に控えた一方、ゴールデンハインドはビートブラックに競り掛けてハナを奪い先頭へ。この3頭が後ろを大きく引き離し、オルフェーヴルが最後方に控えたこともあって、1周目のホームストレッチでは前の3頭がカンテレの中継カメラからガン無視されて4番手のユニバーサルバンクが先頭みたいな有様。そのままゴールデンハインドとビートブラックの2頭は後続をどんどん突き放し、集団が後ろのオルフェーヴルを警戒している間に20馬身、30馬身という大逃げとなる。
結局そのままオルフェーヴルは走る気を見せず11着に撃沈。大逃げした2頭は結局3コーナーでバテはじめたゴールデンハインドをかわしてビートブラックがハナに立つと、そのまま逃げ切り単勝15,960円の大波乱。ゴールデンハインドはそれを見送るように直線力尽きて7着であった。
その後、函館記念(GIII)はまた出遅れて後方からになってしまい13着に撃沈。このレースを最後に登録抹消となり現役引退となった。引退の理由は特に報じられていない。
キレる脚はなく、出遅れ癖にも悩まされたものの、しぶとく粘るスタミナがあり、自ら人気薄で2度の波乱を起こし、そして天皇賞(春)での歴史的大逃げ大波乱の助演を務めた長距離の逃げ馬であった。
引退後は千葉県の乗馬クラブ「クレイン千葉」で乗馬となっており、馬術競技馬としても2019年のジャパンカップ馬術競技大会への出場も確認できるなど、元気にしているようだ。
ゴールデンハインドの血統 | |||
*クロフネ 芦毛 1998 |
*フレンチデピュティ 栗毛 1992 |
Deputy Minister | Vice Regent |
Mint Copy | |||
Mitterand | Hold Your Peace | ||
Laredo Lass | |||
*ブルーアヴェニュー 芦毛 1990 |
Classic Go Go | Pago Pago | |
Classic Perfection | |||
Eliza Blue | Icecapade | ||
*コレラ | |||
*ゴールドティアラ 1996 栗毛 FNo.10-a |
Seeking the Gold 1985 鹿毛 |
Mr. Prospector | Raise a Native |
Gold Digger | |||
Con Game | Buckpasser | ||
Broadway | |||
Bright Tiara 1989 栗毛 |
Chief's Crown | Danzig | |
Six Crowns | |||
Expressive Dance | Riva Ridge | ||
Exclusive Dancer | |||
競走馬の4代血統表 |
クロス:Native Dancer 5×5(6.25%)、Northern Dancer 5×5(6.25%)
父ゴールドシップ、母*オレゴンレディ、母父Shamardalという血統。
父は2012年のクラシック二冠などGⅠ6勝を挙げたが、その戦績以上に数々の奇行と破天荒エピソードで名を馳せた名馬にして迷馬。種牡馬としては2021年のオークス馬ユーバーレーベンなど、今のところ活躍馬には牝馬が多い。
母はアイルランド産の輸入繁殖牝馬で、現役時代はアメリカとカナダで走りG3マイチャーマーHを勝つなど12戦5勝。
母父シャマーダル(シャマルダル)はアメリカ産のイギリス調教馬で、2005年のフランスダービーことジョッケクルブ賞やセントジェームスパレスSなどG1を4勝、7戦6勝の成績を残した。
2020年4月25日、ビッグレッドファームで誕生。オーナーは一口馬主クラブのサラブレッドクラブ・ラフィアン。1口14万円×100口(=1400万円)で募集された。
馬名意味は「「黄金の雌鹿」という名のイングランド王国の帆船。父名より連想」。
美浦・武市康男厩舎に入厩し、2022年7月3日、福島・芝1800mの新馬戦で柴田大知を鞍上にデビュー。19.6倍の7番人気。ハナを切ったが2コーナーでサティンボディスが捲ってきたためハナを譲り2番手で進めたが、4コーナーで下がってしまい、直線では粘って食らいついたものの5着。
中2週で向かった同条件の未勝利戦ではデビュー戦でつけていたメンコを外して臨むと、好スタートから1000m63秒3というスロー逃げに持ち込み、直線でも後続との叩き合いを制して逃げ切り勝ち。戸崎圭太騎手は「まだ遊びがありますが、直線ではグッと伸びてくれました」とコメント。
引き続き戸崎騎手と中山芝2000mの芙蓉ステークス(OP)へ。7頭立ての5番人気という評価だったが、ここもハナを切ると1000m65秒1という超スロー逃げに持ち込み、最後は断然人気のシーウィザードに差し切られたもののクビ差の2着に粘り込んだ。なお戸崎騎手は「ハナに行っても頼りなく、精神的に不安定なところがあります」とのコメント。なんでそんな弱気なんですか。
続いて東京・芝1800mのアイビーステークス(L)。ここは大外枠もあってか逃げの形に持ち込めず、中段から追い上げは見せたものの4着止まり。2歳シーズンはこれで終了となった。
明けて3歳初戦は2月の中山・芝1800mのデイジー賞(1勝クラス)。鞍上は横山武史に交替した。武市師から「控えてくれ」という指示があったため外枠から枠なりに3番手で進め、直線で一度は抜け出すも、外からエミューにかわされて2着。横山武史は「瞬発力勝負になると分が悪いです」とのコメント。
続くフラワーカップ(GⅢ)では丹内祐次に乗り替わり。今回も外目の枠から押して出たものの無理にハナには行かず4番手で進め、ここでも一度は直線で抜け出しかけたが、前走に続いて外からエミューにかわされ、伸びきらず4着。
試行錯誤が続く中、オークスを目指し、トライアルのフローラステークス(GⅡ)へ。鞍上は新たに菅原明良を迎えた。16.6倍の7番人気。
ここでは好スタートから菅原騎手が逃げの手を打つ。1000mを60秒8で通過すると、残り800mからゴールまで11秒台のラップを続けるロングスパートで最内を逃げ粘り、そのまま1と1/4馬身差でしてやったりの逃げ切り勝ち。フローラSでの逃げ切りは、4歳牝馬特別(東)時代の1993年ヤマヒサローレル以来30年ぶりのことであった。
無事に優先出走権を確保し、菅原騎手とともに2年前に同父のユーバーレーベンが制した優駿牝馬(GⅠ)へ。リバティアイランドの完全1強ムードの中、波乱を起こすとすればスロー逃げでの前残りでは、と穴狙いの票が集まったか、最終的には17.6倍の4番人気に支持された。
他にも逃げ馬はいたものの、レースでは彼女が逃げると目されていたが、いざゲートが開くと、なんとハナを切ったのはライトクオンタム。さらにラヴェルやイングランドアイズがそれを追いかけ、ゴールデンハインドは無理に追わず5番手に構えた。位置取りとしては先行集団とも後ろとも離れた絶好の位置だったのだが、菅原騎手いわく「前に馬がいるとハミが抜けてフワフワしてしまう」とのことで、直線でも全く伸びないまま11着に撃沈。菅原騎手も「やはり無理にでもハナを切って、つつかれる形の方がいいのかも」とのコメントで、無理せず好位先行の策が気性的に裏目に出てしまう結果となったようだ。
結果として、その後は年内休養となった。
4歳初戦は中山金杯(GIII)から。すんなりハナを取ることに成功し、最初の1000mを60秒5というミドルペースで進む。だが、4コーナーを過ぎるとホウオウアマゾンとボーンディスウェイに捕まるとあとは沈む一方。終わってみれば9着へと沈んでいったのであった。
ここで陣営はダートを試す事にし、次走は2月開催になった牝馬限定のハンデ戦・クイーン賞(JpnIII)に向かう。斤量54kgと中間のハンデだが適正距離内の1800m。あとは砂とナイターへの適応がどれだけあるか、という点が不安材料になったが、その不安は見事に的中。逃げることすら叶わず(まあテリオスベルがいる以上逃げるのは無理だったろうが)、8着のサルサレイアからも3秒2置いていかれる9着(10頭立て)に沈んでいった。
その後、左腰角の骨折が判明。競走能力喪失という診断がくだり、引退の運びとなった。今後は繁殖入りに向けて治療を進めるとのこと。
父に似た芦毛ながら、追い込み馬だった父とは逆の逃げ馬として名を上げたゴールデンハインド。リバティアイランドが三冠をとり、自らは故障で表舞台から退くこととなった、黄金の海賊船は次世代へバトンをつなげる戦いへ赴くこととなる。
ゴールデンハインドの血統 | |||
ゴールドシップ 2009 芦毛 |
ステイゴールド 1994 黒鹿毛 |
*サンデーサイレンス | Halo |
Wishing Well | |||
ゴールデンサッシュ | *ディクタス | ||
ダイナサッシュ | |||
ポイントフラッグ 1998 芦毛 |
メジロマックイーン | メジロティターン | |
メジロオーロラ | |||
パストラリズム | *プルラリズム | ||
トクノエイティー | |||
*オレゴンレディ 2007 鹿毛 FNo.1-s |
Shamardal 2002 鹿毛 |
Giant's Causeway | Storm Cat |
Mariah's Storm | |||
Helsinki | Machiavellian | ||
Helen Street | |||
Oregon Trail 1999 鹿毛 |
Gone West | Mr. Prospector | |
Secrettame | |||
Oscillate | Seattle Slew | ||
Dance Number | |||
競走馬の4代血統表 |
クロス:Mr. Prospector 5×4(9.38%)
掲示板
23 ななしのよっしん
2023/05/21(日) 21:52:59 ID: JrUHpZFrmD
結果は残念だったけど、ワクワク出来たし楽しかったよ
秋華賞もエリザベス女王杯もあるから切り替えて頑張ってくれ
京都コースはこの馬絶対得意だし秋楽しみだよ
24 ななしのよっしん
2023/07/25(火) 13:12:03 ID: 3/S8basZ7c
https://
>ゴールデンハインドは、ビッグレッドファーム明和に滞在中。乗り込みを進めていましたが、左前の管の内側に腫れが生じました。
(中略)
跛行はありませんが、腫れと触診痛があります。検査の結果、左前副管骨にひびが入っているとの診断です。触診痛がある間は運動を制限する必要があるとのことで、ひびが埋まるまでしばらくは様子をみることになりました」と述べていました。
順調に行かないね…既に重賞勝ってるから賞金面ではある程度余裕はあるけども
25 ななしのよっしん
2024/02/21(水) 13:12:02 ID: 11y5VXjVhB
https://
クイーン賞は9着。ダートが合ってなかったんだろうなと。
この後は中山牝馬Sが目標だったんだけど、本日追い切り中に歩様の乱れが発覚して検査したら、左腰角骨折という診断が…。
なんでも非常に珍しい骨折で現状箇所が箇所だけに自然治癒を待つしかなく、予後は数日置いて判断されると。
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最終更新:2024/05/26(日) 19:00
最終更新:2024/05/26(日) 19:00
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