ゴールデンハインド 単語

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ゴールデンハインド

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曖昧さ回避
  1. 16世紀から17世紀にかけて存在したイングランドのガレオンフランシス・ドレークが用いた海賊として知られ、現在も2隻のレプリカがデヴォンとロンドン開されている。
  2. 日本競走馬。これまでに同名のが3頭存在する。本項で記述。

ゴールデンハインドとは、競走馬名前である。世界に同名のが多数いるが、日本では3頭いる。

  1. 初代:1982年生まれの栗毛イエローゴッドファストパレード、モンタヴァル。未出走で繁殖入りし、孫には2005年TCK女王盃2着のオルレアンなどがおり、現在牝系が残存している
  2. 2代目2006年生まれの鹿毛クロフネ産駒
  3. 3代2020年生まれの芦毛ゴールドシップ産駒

本項では2代目と3代の2頭について解説する。

ゴールデンハインド(2代目)

血統など

な勝ち
2011年札幌日経オープン(OP)
2012年万葉ステークス(OP)

*クロフネ*ゴールドティアラSeeking the Goldという血統。
言わずと知れたダート伝説であり名種牡馬2000年MCS南部杯を蹴散らすなど重賞5勝を挙げたダートの名という良血である。

2006年3月19日ノーザンファームで生産され、社台グループ吉田の所有となった。名義上の馬主吉田和子。名意味は「海賊名」。

競走生活

デビューは大幅に遅れ、3歳となった2009年6月21日未勝利戦(福島競馬場ダート1700m)。ここは8着と惨敗したが、同じコースで行われた7月11日未勝利戦で勝ち上がる。

血統的にもダートと見られ、その後もダートを使われる。500万下3戦からはダートの2400m・2500mに距離延長、5着→2着→3着→3着と惜しいところまでいくが勝ちきれない。

1600mに戻したレースも5着に敗れたところで芝へ転向すると、転向初戦の4歳5月、4歳以上500万下(東京競馬場・芝2400m)を逃げて2身半差の快勝で勝ち上がり。6月に降級し7月の横岳特別(3歳以上500万下函館競馬場・芝2600m)は7身差で逃げ切り圧勝、8月支笏湖特別(3歳以上1000万下札幌競馬場・芝2600m)も逃げ切り、一気に3連勝で準オープンに昇格する。

そこからは中長距離オープン特別重賞に挑んだが、逃げることもままならず2桁着順の惨敗続き。自己条件ですら15着と振るわなかったが、5歳9月札幌日経オープン(札幌競馬場・芝2600m)でメイショウクオリアと一緒に逃げ叩き合いをハナ差制して10番人気を開けオープン勝利オープン入りを果たす。

その後、アルゼンチン共和国杯(GII)16着、ステイヤーズステークス(GII)13着と重賞ではが立たなかったが、6歳初戦の万葉ステークス(京都競馬・場芝3000m)をまたも9番人気で4身差の逃げ切り勝ち。2着に7番人気マカニビスティー、3着に10番人気エナージバイオを連れてきて、3連単161万510の大波乱を巻き起こした。
続く大阪-ハンブルクカップ(阪神競馬場・芝2400m)は出遅れ後方からのレースになってしまい8着。

そして迎えた生涯最初で最後のGI天皇賞(春)(GI)。このとき断然の1番人気(1.3倍)は前走阪神大笑点阪神大賞典やらかした前年の三冠馬オルフェーヴル。一方、ゴールデンハインドは85.1倍の10番人気。堂々と逃げ宣言をしてレースを迎えたが、ぶっちゃけその他大勢の1頭でしかなかった。だが、彼とさらに人気薄のもう1頭が歴史に残る大波乱を巻き起こす。そう、14番人気ビートブラックである。
まず11番のビートブラックスタートからハナし、36番のゴールデンハインドと23番のナムラクレセントがついていく。ナムラクレセントが3番手に控えた一方、ゴールデンハインドはビートブラックに競り掛けてハナを奪い先頭へ。この3頭が後ろを大きく引き離し、オルフェーヴルが最後方に控えたこともあって、1周ホームストレッチでは前の3頭がカンテレの中継カメラからガン無視されて4番手のユニバーサルバンクが先頭みたいな有様。そのままゴールデンハインドとビートブラックの2頭は後続をどんどん突き放し、集団が後ろのオルフェーヴルを警している間に20身、30身という大逃げとなる。
結局そのままオルフェーヴルは走る気を見せず11着に撃沈。大逃げした2頭は結局3コーナーでバテはじめたゴールデンハインドをかわしてビートブラックハナに立つと、そのまま逃げ切り単勝15,960円の大波乱。ゴールデンハインドはそれを見送るように直線尽きて7着であった。

その後、函館記念(GIII)はまた出遅れて後方からになってしまい13着に撃沈。このレースを最後に登録抹消となり現役引退となった。引退の理由は特に報じられていない。

キレる脚はなく、出遅れにも悩まされたものの、しぶとくスタミナがあり、自ら人気薄で2度の波乱を起こし、そして天皇賞(春)での歴史大逃げ大波乱の助演を務めた長距離逃げであった。

引退後は千葉県の乗クラブクレイン千葉」で乗馬となっておりexit術競技としても2019年のジャパンカップ馬術競技大会への出場exitも確認できるなど、元気にしているようだ。

血統表

ゴールデンハインドの血統
*クロフネ
芦毛 1998
*フレンチデピュティ
栗毛 1992
Deputy Minister Vice Regent
Mint Copy
Mitterand Hold Your Peace
Laredo Lass
*ブルーアヴェニュー
芦毛 1990
Classic Go Go Pago Pago
Classic Perfection
Eliza Blue Icecapade
*コレラ
*ゴールドティアラ
1996 栗毛
FNo.10-a
Seeking the Gold
1985 鹿毛
Mr. Prospector Raise a Native
Gold Digger
Con Game Buckpasser
Broadway
Bright Tiara
1989 栗毛
Chief's Crown Danzig
Six Crowns
Expressive Dance Riva Ridge
Exclusive Dancer
競走馬の4代血統表

クロスNative Dancer 5×5(6.25%)、Northern Dancer 5×5(6.25%)

ゴールデンハインド(3代目)

血統など

な勝ち
2023年フローラステークスGⅡ

ゴールドシップ*オレゴンレディShamardalという血統。
2012年クラシック二冠などGⅠ6勝を挙げたが、その戦績以上に数々の奇行と破天荒エピソードで名を馳せた名にして迷種牡馬としては2021年オークスユーバーレーベンなど、今のところ活躍にはが多い。
アイルランド産の輸入繁殖牝馬で、現役時代はアメリカカナダで走りG3イチャーマーHを勝つなど12戦5勝。
シャマーダル(シャマルダル)はアメリカ産のイギリス調教で、2005年フランスダービーことジョッケクルブ賞やセントジェームスパレスSなどG1を4勝、7戦6勝の成績を残した。

2020年4月25日ビッグレッドファームで誕生。オーナー一口馬主クラブサラブレッドクラブラフィアン。1口14万円×100口(=1400万円)で募集された。

名意味は「「黄金の雌鹿」という名のイングランド帆船名より連想」。

黄金の海賊船がゆく

2歳

武市康男厩舎に入厩し、2022年7月3日福島・芝1800mの新馬戦柴田大知上にデビュー。19.6倍の7番人気ハナを切ったが2コーナーサティンボディスが捲ってきたためハナを譲り2番手で進めたが、4コーナーで下がってしまい、直線ではって食らいついたものの5着。

中2週で向かった同条件の未勝利戦ではデビュー戦でつけていたメンコを外して臨むと、好スタートから1000m633というスロー逃げに持ち込み、直線でも後続との叩き合いを制して逃げ切り勝ち。戸崎圭太騎手は「まだ遊びがありますが、直線ではグッと伸びてくれました」とコメント

引き続き戸崎騎手中山2000mのステークスOPへ。7頭立ての5番人気という評価だったが、ここもハナを切ると1000m651というスロー逃げに持ち込み、最後は断然人気シーウィザードに差し切られたもののクビ差の2着にり込んだ。なお戸崎騎手は「ハナに行っても頼りなく、精的に不安定なところがあります」とのコメント。なんでそんな弱気なんですか。

続いて東京・芝1800mのアイビーステークスL。ここは大外もあってか逃げの形に持ち込めず、中段から追い上げは見せたものの4着止まり。2歳シーズンはこれで終了となった。

3歳

明けて3歳初戦は2月中山・芝1800mのデイジー賞(1勝クラス)。上は横山武史に交替した。武市師から「控えてくれ」という示があったため外からなりに3番手で進め、直線で一度は抜け出すも、外からエミューにかわされて2着。横山武史は「勝負になると分が悪いです」とのコメント

続くフラワーカップGⅢでは丹内祐次に乗り替わり。今回も外から押して出たものの理にハナには行かず4番手で進め、ここでも一度は直線で抜け出しかけたが、前走に続いて外からエミューにかわされ、伸びきらず4着。

試行錯誤が続く中、オークスし、トライアルフローラステークスGⅡへ。上は新たに菅原明良を迎えた。16.6倍の7番人気
ここでは好スタートから菅原騎手逃げの手を打つ。1000mを608で通過すると、残り800mからゴールまで11台のラップを続けるロングスパートで最内を逃げり、そのまま1と1/4身差でしてやったりの逃げ切り勝ち。フローラSでの逃げ切りは、4歳牝馬特別(東)時代の1993年ヤマヒサローレル以来30年ぶりのことであった。

事に優先出走権を確保し、菅原騎手とともに2年前に同ユーバーレーベンが制した優駿牝馬GⅠへ。リバティアイランド全1強ムードの中、波乱を起こすとすればスロー逃げでの前残りでは、と狙いの票が集まったか、最終的には17.6倍の4番人気に支持された。
他にも逃げはいたものの、レースでは彼女逃げるとされていたが、いざゲートが開くと、なんとハナを切ったのはライトクオンタム。さらにラヴェルイングランドアイズがそれを追いかけ、ゴールデンハインドは理に追わず5番手に構えた。位置取りとしては先行集団とも後ろとも離れた絶好の位置だったのだが、菅原騎手いわく「前にがいるとハミが抜けてフワフワしてしまう」とのことで、直線でも全く伸びないまま11着に撃沈。菅原騎手も「やはり理にでもハナを切って、つつかれる形の方がいいのかも」とのコメントで、理せず好位先行の策が気性的に裏に出てしまう結果となったようだ。

結果として、その後は年内休養となった。

4歳

4歳初戦は中山金杯(GIII)から。すんなりハナを取ることに成功し、最初の1000mを605というミドルペースで進む。だが、4コーナーを過ぎるとホウオウアマゾンとボーンディスウェイに捕まるとあとは沈む一方。終わってみれば9着へと沈んでいったのであった。

ここで営はダートを試す事にし、次走は2月開催になった限定のハンデ戦・クイーン賞(JpnIII)に向かう。斤量54kgと中間のハンデだが適正距離内の1800m。あとはとナイターへの適応がどれだけあるか、という点が不安材料になったが、その不安は見事に的中。逃げることすらわず(まあテリオスベルがいる以上逃げるのは理だったろうが)、8着のサルサレイアからも32置いていかれる9着(10頭立て)に沈んでいった。

その後、左骨折が判明。競走喪失という診断がくだり、引退の運びとなった。今後は繁殖入りに向けて治療を進めるとのこと。

に似た芦毛ながら、追い込みだったとは逆の逃げとして名を上げたゴールデンハインド。リバティアイランド三冠をとり、自らは故障で表舞台から退くこととなった、黄金海賊は次世代へバトンをつなげる戦いへ赴くこととなる。

血統表

ゴールデンハインドの血統
ゴールドシップ
2009 芦毛
ステイゴールド
1994 黒鹿毛
*サンデーサイレンス Halo
Wishing Well
ゴールデンサッシュ *ディクタス
ダイナサッシュ
ポイントフラッグ
1998 芦毛
メジロマックイーン メジロティターン
メジロオーロラ
パストラリズム *プルラリズム
トクエイティー
*オレゴンレディ
2007 鹿毛
FNo.1-s
Shamardal
2002 鹿毛
Giant's Causeway Storm Cat
Mariah's Storm
Helsinki Machiavellian
Helen Street
Oregon Trail
1999 鹿毛
Gone West Mr. Prospector
Secrettame
Oscillate Seattle Slew
Dance Number
競走馬の4代血統表

クロスMr. Prospector 5×4(9.38%)

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