サタンとは、漫画「キン肉マン」に登場するキャラクターである。主に「大魔王サタン」と呼ばれる。
描写や設定は一貫しておらず、出るたびにいろいろ変わるので実情の把握が難しい。
特にゴールドマンとの関係性、「悪魔将軍」という存在の主体は誰なのか、という点は毎回違う。
主に精神体として現れ、邪悪な念が集まった黒い霧に悪魔の表情が浮かんでいる姿が代表的。ドラクエIIのスモークの形状違いのような感じ。その形状から、はっきりとした実体を持つ顔だけの姿、全身が現れた姿を経て、サタンの意匠を残しつつ悪魔将軍を彷彿とさせる鎧姿(実在のプロレスラーの獣神サンダーライガーに似たビジュアル)となって戦うこともできる。
前述のように初登場から40年近く、設定が変わりすぎてよく分からない存在となっていたが、令和の時代になって委員長から「ゴールドマンに憑依して悪魔将軍として一体化していたこともある世の怨念の集合体」と解説される。さらに、ザ・マンから「神になり損ねた中途半端な存在」であることが明らかにされ、「神への格上げ」を最大の悲願としていることも明らかになる。
オメガ・ケンタウリの六鎗客編での口癖は「ゲギョゲギョ」。そこはバゴアバゴアじゃないのか。
初めてその存在が明かされたのが、「7人の悪魔超人編」のキン肉マンvsバッファローマンの試合中。もっともアレキサンドリア・ミートは自身の体がバラバラにされる直前に裏で糸を引く大魔王サタンの影を感じてはいた。
バッファローマンに、その魂と引き換えに超人強度1000万パワーを授けた魔王であり、悪魔超人たちを影から操る存在であることが示される。
一人の超人を倒すたびに1万パワーを与えるという契約で、1000人の超人を倒したバッファローマンは1000万パワーという巨大な数値を身に着ける事となった……が、「1000人倒したのなら1100万パワーじゃねえのか」とツッコミを喰らい、アニメ版では900人倒して1000万パワーという事になった。
キン肉マンとの戦いの中で友情に目覚めたバッファローマンの精神を支配し、より凶悪な戦法を使ってキン肉マンを襲う。火事場のクソ力を吸収させようと図るが、あまりに巨大なパワーを受け入れられずにバッファローマンの体が炎上。ダブル・キン肉バスターによってバッファローマンは倒された。
悪魔との契約が失われたことでバッファローマンの超人強度は急激に低下していくが、バッファローマンは残された300万パワーを使ってウルフマン、ロビンマスク、ウォーズマンを蘇らせる。サタンは悪魔を裏切った制裁としてバッファローマンを抹殺する。
正義超人打倒のため、黄金のマスクとして正義超人の守り神となっていたゴールドマンをそそのかし、彼の戦闘頭脳を用いて悪魔六騎士が変身したがらんどうの鎧を操作する悪魔将軍という超人を作り出す。この時、悪魔六騎士はサタンの分身と語っていたが、たぶんこの設定は今では残っていないと思われる。
悪魔将軍は驚異的な戦闘能力と不死身の肉体をもってキン肉マンを痛めつけるが、キン肉マンたちの友情パワーを目の当たりにしたゴールドマンが本来の肉体を蘇らせてしまったために無敵性が消失。いったんは体を自傷する事で無敵状態へと復帰するが、バッファローマンが肉体の代理となる事で再びダメージを受けるようになりキン肉ドライバーで倒された。
しかし、倒されたのはあくまでサタンの命を受けて活動していた代役・悪魔将軍や、その現場指揮官にすぎないゴールドマンでしかなく、本体のサタンは全く無傷のままである。
……であったのだが、この後サタンの活動は特に見られず、完璧超人や五大邪悪神の活動に物語がシフトしていき、最終的にサタンは一度も戦いの場に姿を現すこと無く王位争奪編までが完結した。
アニメ版の映画オリジナルの展開で、キン肉マンに倒された後に宇宙をさまよっていたところ、ニューヨークの大都会パワーに目をつけて復活。ゴールドマンは改心しているので、この悪魔将軍は間違いなく大魔王サタンである。
銀色の鎧姿であった漫画版から黒っぽい色に変わっており、さらに試合中にとてつもなくかっこ悪い第二形態に変身する。超人強度は2000万パワーに上昇している。ニューヨーク市のパワーや、正義超人たちのパワーを奪ってキン肉マンと戦うが、風林火山→キン肉ドライバー→キン肉バスターの超豪華コンボを喰らって倒された。
この時の悪魔将軍はかなりコミカルな行動も取っており、これがあの悪魔将軍(ゴールドマン)だと考えると嘆きたくなる事うけあいだが、後のサタンの試合を思い起こすと「前からこうだったか……」と思えてくるのだから不思議なものである。
時は流れて息子世代。
悪魔超人たちは勢力が衰え、残虐超人や完璧超人と組んでdMpという団体を設立。「悪行超人」というグループ内の一勢力に過ぎない立場に追いやられていた。それも正義超人との戦いによって多くの超人が死亡するか正義超人に鞍替えしてしまい、悪行超人内での立場も最小。期待をかけて送り出したチェック・メイトもキン肉万太郎に敗れてしまい、dMp内で悪魔超人勢力が粛清されかかり、反撃のため本部を崩壊させる。こうしてdMpは滅び去り、悪魔超人軍は全滅した……。
そこでサタンは再び悪魔将軍を活動させるべく、不遇な超人たちに「ジェネラル・ストーン」を与えて洗脳・強化し、「悪魔の種子」と名乗らせて正義超人を襲撃させる。ゴールドマンは前回で改心してしまったため、今度はミートの頭脳を軸にしていよいよ悪魔将軍の復活が成るかと思われた時、悪魔としてのあり方を巡ってアシュラマンが反逆。復活はならず、再度の侵攻も失敗に終わった。
この時の悪魔将軍は、ゴールドマンの頭脳を失っているためか前回のカリスマ性を失い、下卑た言動や、それをアシュラマンに指摘されて見限られるという結末、「バゴアバゴア」の口癖など大いにファンの失望を買った。後に完璧超人始祖編でサタンの存在が徹底的に無視されたのは、「ゴールドマン将軍とバゴア将軍は別人だよ」と強調するかのような扱いであった……。
キン肉マンたちよりも前の時代に、キン肉タツノリたちによって悪魔超人軍の侵攻が阻まれていたことも語られている。タツノリはすでに高齢となっていた時期だったが、キン肉バスターで悪魔超人の一人を打ち破っている。
はるかな昔、悪魔超人が正義超人に勝利して覇権を握っていた時代があった事が語られた。
つまり、その後に古代正義超人の誰かによって悪魔将軍が倒された事も確実である。
この話を完璧超人始祖編で語られた新設定と組み合わせた場合、どのような時系列になるのかは不明。
「完璧・壱式ゴールドマンを倒すほど強い正義超人が古代に存在した」とか、「ゴールドマンとシルバーマンがいなくなった後に悪魔超人が勝った事があり、この時の悪魔将軍の中の人はゴールドマンではなくサタンだった」とか、「正義超人(シルバーマン派下等超人)が負けてしまったため怒ったサイコマンが悪魔超人(ゴールドマン派下等超人)を撃滅して勢力図を元に戻した」とか、いろいろ想像の余地がある。
二世の時代になる数年前に、超人墓場で労働していた魔雲天を脱獄させ、正義超人の息子たちを潰すよう命じている。魔雲天は息子・暴瑠渓(ボルケーノ)に超人柔術のテクニックを仕込んでテリー・ザ・キッドに挑戦させるが敗退。別に悪行でも何でも無い正統派ライバルの再挑戦にしか見えず、むしろキッドの同級生数名の方が酷いクズっぷりであった。後に設立されたdMpにも魔雲天と暴瑠渓は参加しておらず、せっかく蘇らせたのに成果は上がっていない。そもそもこの計画に関係なく正義超人が勝手に平和に慣れて鍛錬を怠り壊滅的被害を被る大失態をやらかすというのが酷いところで、「実は正義超人軍の慢心は魔雲天の裏工作のため(=陰謀を命じたサタンの功績)だったのだ」とか後付け設定でもすれば辻褄は合ったのに……。
この時はサタンも
「自ら新しい悪行超人を見いだすのでは無く、以前使った魔雲天を再雇用」
「その魔雲天に特に手を貸した様子は無い(暴瑠渓を魔力などで強化してやるとか)」
「そもそも暴瑠渓対キッドの戦いを見に来ていない」
など、やる気の無さがうかがえる。
それより、超人墓場の中に来ようと思えばあっさり潜入できちゃってるというところが後の設定と……
この件の後にザ・マンが警備を強化して潜入できなくしたのだろうか?
ドゥームマンという超人に地獄のアーマーを与え、冷酷だが強力な超人に仕立て上げている。
ドゥームマンは作中随一の実力を誇るケビンマスクに勝利するという活躍を見せる。しかしドゥームマンはもともと心優しい超人であり、万太郎との戦いの中で本来の自分を取り戻して地獄のアーマーと決別。正々堂々の勝負の末、万太郎に敗れた。その後は正義超人入りしている。
この経歴で、サタンと契約する前から名前がドゥームマンってどうなんだろう。
1983年の世界を舞台に時間超人と、それを追って未来からタイムスリップしてきた新世代正義超人たちを加えて再びタッグ大会「究極の超人タッグ」が開催される。
その2回戦終了後、マンモスマンの裏切り行為により悪の磁場が発生し、上野公園が「あらゆる禍や負のエネルギーの結界」で覆いつくされる。そこで時間超人の世界五大厄(ライトニング&サンダー)に完璧超人の新星・ヘル・イクスパンションズ(ネプチューンマン&マンモスマン)が加わる形で
マサランガ スクリットブラックウィドーズ
マサランガ スクリット ブラックウィドーズ
悪魔の領袖よ、今こそ我に力を与えたまえ。
マサランガ スクリット ブラックウィドーズ
という何やら怪しげな呪文を唱え、召還される。
そして、ブラックウィドーズという巨大な黒後家蜘蛛を召喚し、時間超人・完璧超人の負のパワーを込めてキン肉マンの身体に取り付かせ、三日後の試合(準決勝)で試合開始のゴングが鳴った666秒後に必ず死ぬ「黒後家蜘蛛の呪い」をかける。
ノリノリのサタン様はさらに調子の乗って、キン肉マンの呪いを解く唯一の方法を教える余裕を見せる。
・・・・と、ここまでは良かったのだが、用済みとなったことで時間超人のライトニングの攻撃で切り裂かれて退場。死んだのかどうか定かでは無い。
なかなか話が進んでいかない作品の進行具合をますます遅らせる引き伸ばし展開や、万太郎のチームとスグルのチームの試合が決まった時点で万太郎に勝たせることが確定しているため「呪いのためにキン肉マンの体調は万全ではなかった」という言い訳づくりが見え見えで、読者からは大不評だった。
……と、ここまでの出番は「悪の親玉であることは間違いないが、実際にリング上で戦うことはない相手」「いまいち強くもなくカリスマ性もない」「肉体がないので倒せないのかと思っていたら時間超人に一発でやられた」などなど、いまいちな印象であったが……。
ハブられた。
久々の悪魔将軍復活、中の人は待望のゴールドマン、しかも実力もカリスマ性も以前より数段風格を増して……とファン感激の展開だったのだが、ゴールドマンを推すためなのかサタンの存在は一切無視された。まるで「かっこいい場面はゴールドマンの担当、だめな部分はサタンの担当」だったかのような扱いである。悪魔将軍も非難轟々だった「バゴアバゴア」の口癖は使わず、「あのバゴアは違う人だよ」と言わんばかり。
これ以前は、悪魔将軍とは「立案:サタン 鎧:サタンの分身である悪魔騎士や、サタンが生み出したジェネラル・ストーンなどサタンの力によるもので構成 頭脳:ゴールドマンやミートなど外部の者を利用」という体制のもとで存在する超人であったのだが、それが「ずっと昔からゴールドマンが一人でそう名乗っていたらしい」と設定が変更されてしまい、サタンとゴールドマンのどちらが主導的存在だったのか良く分からなくなってしまった。魔界も「超人墓場を模してゴールドマンが作った世界」という事になり、サタンは魔界の王という立場まで失ってしまった。現在、魔界の王はアシュラマンの父親がやっている。
ここまで来ると大魔王サタンの設定自体消えたかとすら心配されていたのだが……。
まさかの復活。しかも実体として顕現、肉弾戦ができるようになった。
完璧超人始祖との戦いを通して、犠牲は大きかったが、より良い世の中が到来した事に憤慨し、この平和を乱すべく活動を開始。ゴールドマンに関しては「理性を取り戻したゴールドマンなど真の悪魔ではない」と決別を宣言。母星の復興とザ・マンの打倒を志すオメガマン・アリステラに話を持ちかけ、オメガ・ケンタウリの六鎗客に地球を襲撃させる傍ら、正義超人・悪魔超人・完璧超人のほとんどを結界によって封印してしまう。その目的は、アリステラが火事場のクソ力を身に着けたら彼の体を乗っ取り、その力でザ・マンを倒して世界を奪うことだった。ザ・マンからは「神になり損ねたが故の中途半端な存在」と評され、「カピラリアの欠片を手に入れれば神に格上げしてやると(調和の神に)言われたのだろう」と推測されている。
残った正義超人たちでは六鎗客を防ぎきれず、五大邪悪神が救援に向かわせた運命の王子たちやキン肉アタルの戦いによってようやくアリステラが倒されると、粛清のために姿を現す。幻影体のまま放った巨大な針をマリキータマンが身を挺して阻止すると、悪魔将軍にも似た巨体の姿を取ってアリステラに襲いかかる。そこにジャスティスマンが現れ、アタルやアリステラ達を逃して戦闘を開始する。
サタンは先手を取ってジャスティスマンに猛攻を加え、必殺技「サタニックソウル・ブランディング」を叩き込むが、ジャスティスマンはわずかに吐血しただけに過ぎなかった。
裁きの天秤に互いの装着物を投げ入れ、ジャスティスマンの方が罪が重いという判定を見て、気を取り直して攻撃するが、ジャスティスマンの圧倒的な強さに叩き潰される。最後の手段としてジャスティスマンに憑依しようとするが、邪心の無いジャスティスマンには通じず、引きずり出されてしまう。実はジャスティスマンの罪の意識と言うのは、サタンを放置し続けてきた事への罪悪感だったのだ。
こうして万策尽きたサタンは追い詰められるも往生際悪くジャスティスマンに立ち向かい、その様には「大魔王の名にかけて……負けられない!!」などとナレーションが味方するほど。また、読者からも「流石に可哀想になってきた」と同情されてしまう始末。
しかし、ついに審判の「完璧・陸式奥義ジャッジメント・ペナルティ」が炸裂し、ジャスティスマンの下した「有罪(ギルティ)ーーッ!!」の裁きに、先週はサタンを応援してくれたはずのナレーションが「異議無し!」と裏切る始末。こうしてサタンは完膚なきまでに粉砕され、宇宙から魔力を放って各地を封印していた装置も破壊された。
しかしサタンは消滅したわけではなく、人の邪念がある限り再び現れると言い残して去って行った。だが、その先でまたやられる事を読者は知っている
そして事態は本当の危機、調和の神との戦いに向けて動き出す。「神になり損ねた中途半端な存在」であるサタンは、調和の神から悲願である「神への格上げ」を条件にザ・マンが所持しているカピラリア照射装置の破片を回収するように依頼され、一連の騒動を企てたのだった。
……そう、サタンは今回の事件の黒幕・ラスボスではなく、ただの前座に過ぎなかったのだった。
ただ、ザ・マンはこの危機を超人たちが自力で切り抜けたことを賞賛している。神々から見れば取るに足らない存在だったとは言え、やはりサタンは超人たちにとっては大きな危機であったのだろう。
(ジャスティスマンの力を借りてはいるが、ザ・マンから見ればジャスティスマンも超人の範疇である)
なお、調和の神との戦いの前に章が区切られたので「オメガ・ケンタウリの六鎗客編」における黒幕・ラスボスは一応サタンである。アタル対アリステラが最終戦でジャスティスマン対サタンはおまけという見方もできたり、次なる戦いの前座と言えばその通りだが……。
3つが空席となっている神々の座に超人を据えようかという天界での会議の場で、超人よりはサタンの方がマシと進言するボンクラ神がいた事が明らかになった。ひょっとしてただの捨て駒では無く、ザ・マンからカピラリアの欠片を盗んでくれば本当に神にしてもらえたのかも知れない……?
基本的には精神体のまま他者を籠絡する事を好む。またキン肉星の王宮・魔界の城・超人墓場を封印したバリアーは神の力をもってしても超人一人を脱出させるのが精一杯という強固さを持つ。
実体を顕現させた時はザ・マンに引けを取らない巨躯と、それに見合った身体能力を発揮するが、実戦から数億年も遠ざかっているためにテクニックに秀でたところは見られない。落下系の必殺技はほとんどの超人が「相手を空中に打ち上げ、空中で相手の体を固め、落下させる」という手順で行うのに対して、サタンは地上で相手と組んでから飛び上がらねばならなかった。だが、試合を盛り上げるマイクパフォーマンスの巧みさは読者から非常に高い評価を受けており、ツイッターなどではあまりに悲惨なサタンを応援する声が絶えなかった。それでいいのか大魔王。
他者に憑依して依り代とする事もできるが、それには憑依対象が相応の邪心を持っていなければならない。この点は、相手が事態をよく理解していないのに無理矢理憑依できた邪悪神の方が上手と言えそうだ。
オメガ編で初めて実体として顕現する前は、サタンの行動は「超人に力を与える」という事が主であった。だが、それは強さと引き換えに魂の堕落をもたらし、本当の強さから遠ざけるものでしか無い。
バッファローマンは100万パワーを持ちながらテクニックが身につかず勝てない日々を送っていたが、そんなバッファローマンが「一人倒すたびに1万パワー」など持ちかけられても、まずその最初の一人をどうやって倒したらいいのか困っているのにそんなこと言われても無理というだけである。
そこでバッファローマンはどうしたのか。「自分で頑張って今よりも強くなる」という考えを閉ざされている彼が選べる道は一つしか無い。「強くならずとも現時点で倒せる超人を襲い、1万パワーぶん強くなる」ことである。彼に与えられたのは「ザコ狩りで経験値を溜めてレベルアップできる能力」なのだ。
こうして、バッファローマンは強大なパワーを手に入れるのと引き換えに、「今の自分よりも強い相手と戦うにはどうしたらいいか」という発想を失っていく。それは「もっと弱い超人を倒して超人強度を上げればいい」になってしまうのだ。最終的に、彼は「テクニックなんか無くてもいい、俺には1000万パワーがあるのだから」という考えに陥ってしまった。
かつてサタンと巡り合う前には嵐の中で降りかかる巨大な十字架をかわして新技のヒントを得ていたというのに、サタンに与えられた力に酔っている時期にはその事をすっかり忘れてしまっていた。それを「超人十字架落とし」という技に昇華できるのはサタンと決別した後になってからである。
サタンに支配されたバッファローマンは、キン肉マンの火事場のクソ力を吸収しようとして失敗している。しかし、後に彼が真の力を発揮した時にはキン肉マンを超える8000万パワー以上にまで力を高めることが可能になっており、その時には体がパワーを抱えきれずに炎上するような事はなかった。これがバッファローマンの真の実力であり、サタンに与えられた1000万パワーは、実は力を磨き上げる事を阻害する要因でしか無かったのである。
また、ゴールドマンは空っぽの鎧を動かすことで無敵の超人・悪魔将軍となっていたが、本来の肉体が現れると無敵性を失ったために恐怖に怯えてしまっている。旧設定の超人の神であっても、新設定の完璧・壱式であっても、ゴールドマンの本来の実力はキン肉マンを大きく上回っており、キン肉ドライバーなど恐れる必要は無かったはずなのに。悪魔に与えられた無敵の能力に頼るあまり、自分が本来は何者だったのかすら分からなくなってしまっていたのだ。
数億年もかけて修行した戦闘能力も、ザ・マンと誓った願いすらも忘れ、惨めに悪魔騎士に助けを求める姿──そして自身の肉体を破壊させて哄笑するゴールドマンの姿を見たザ・マンの嘆きと悲しみはどれほど深いものだっただろうか。そして、それこそがザ・マンの統治する秩序ある世界を憎むサタンにとって最高の愉悦であったに違いない。
掲示板
607 ななしのよっしん
2024/03/04(月) 10:02:07 ID: UvOibyWX/2
>>602
もしかしたらはじまりの神の空席の候補だったのが歪んだ末の姿かもね
608 ななしのよっしん
2024/08/24(土) 21:33:44 ID: y8QXKgPhih
ゴールドマンは感情を知る為にサタンを憑依させ好きにさせていただけでしょう。
始祖編からジャスティスマンに近かった感じだし、カラスマンの口振りから取っ付き難い面倒な性格だった事が感じられる。
サタンの憑依で総合からプロレスに転向出来た感じだし、ジャスティスマンも憑依させていればゴールドマンみたいにプロレスを覚えられたかもしれない。
609 ななしのよっしん
2024/08/24(土) 21:46:29 ID: y8QXKgPhih
後の超人強度の設定だと宇宙規模の強度管理と言う面では牛にやった強度の譲渡(10%手数料で引かれる)は宇宙崩壊を避ける意味でクソ力より有用なんだよな。
クソ力の場合、超人強度の総量が変わる訳じゃないから崩壊が緩むわけでもない。
牛が倒して失われた超人強度と得た強度を考えると失われた強度が圧倒的に多いと超人同士を争わせ間引く方法は超人墓場に一旦貯めておくやり方程上手くはないけど宇宙の安定で考えたら悪い手段ではないだよね。
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最終更新:2024/12/11(水) 22:00
最終更新:2024/12/11(水) 22:00
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