オホーツク総合振興局とは、2010年4月に網走支庁に代わって設置された、北海道の出先機関のひとつである。
概要
その名のとおり、オホーツク海に面した地域を主に管轄する。振興局の所在地は網走市。
宗谷 | ||||||||
留萌 | ||||||||
上川 | オホーツク(網走) | 根室 | ||||||
空知 | 釧路 | |||||||
石狩 | 十勝 | |||||||
後志 | 胆振 | |||||||
檜山 | 日高 | |||||||
渡島 |
北海道の地域区分としては、大きく分けるときは十勝・釧路・根室の各振興局管内に加えて道東に分類する。
ただし紋別市以西を道北としたり、あるいは管内全域を道北としたりする場合もまれにある。
2010年に廃止された14支庁のうち、網走支庁のみ振興局への再編で名前が引き継がれず、「オホーツク総合振興局」となった。これは「オホーツクの名称を採用したほうが、より地域のイメージをアピールできる」等の理由によるものらしい。あまりにだだっ広い地域を網走の一言で括られるのは、特に西部の住民にとっては違和感があったのかも知れない。ちなみに管轄範囲は旧網走支庁から変化はない。
オホーツク海に流れ寄せる冬の流氷や、世界遺産の知床半島などの自然が観光の目玉となっている。
管内は東西にとても長く、その面積は十勝総合振興局に次ぐ道内第2位の広さである(都道府県と比較すると、全国第7位の面積を持つ岐阜県よりも広い)。その広大な面積のため、道内の天気予報では特別に「網走地方」「北見地方」「紋別地方」と細分化して扱っている。
また、管内全域と宗谷総合振興局の大部分を合わせて、日本一演説回りが大変な衆議院小選挙区「北海道12区」となっている。知床半島の先っぽから宗谷岬に至りさらにその西側まで、実に総延長640kmの海岸(ちなみに東京-大阪の道のりは約500kmである)に面した長~い選挙区である。なお、この選挙区成立以来3回あった総選挙(2003年、2005年、2009年)ではいずれも武部勤と松木謙公が戦っているが、毎回敗れた側も結局比例で復活当選している。
オホーツク総合振興局管内の市町村一覧
網走地方
- 網走市
オホーツク総合振興局の所在地で、流氷観光や網走刑務所などが有名。かつては海の妖精「クリオネ」で話題になった網走水族館もあった。詳細は「網走市」の項目を参照。 - 斜里町
世界遺産である知床半島の西側半分を占める町。鈴井貴之さんが「銀のエンゼル」という映画のロケ地に使った。斜里町市街地からさらに岬側に30kmほど進んだところにあるウトロ地区は、オロンコ岩やオシンコシンの滝などの名所、ウトロ温泉やそれを利用したホテル、観光案内や土産物販売の施設が集中している。ウトロ地区の奥にある世界遺産に指定されている区域は、知床五湖やカムイワッカ湯の滝、プユニ岬などがあり、また、さらに奥の知床岬周辺はウトロ地区から出ている観光遊覧船から見ることができ(上陸は不可)、他にも見所は数多く、多くの観光客が訪れる。 - 清里町
斜里町と小清水村(現在の小清水町)から分村した経緯から、町制施行の際に両町村から一文字ずつ取る形で清里町という町名になったらしい。町の南方にある「神の子池」は近年観光地として注目されるようになった。じゃがいもが特産で、じゃがいも焼酎が名物(町内には複数の醸造所がある)。なお、山梨県の清里高原とは何の関係もございません(清里が有名だった頃は、出身は清里町ですというと、「えっ、あの清里ですか?」という反応だったという)。 - 小清水町
主な産業はジャガイモ・甜菜(ビート)・小麦などの畑作と酪農。夏になると、濤沸湖とオホーツク海の間にある「小清水原生花園」が見頃を迎える。 - 大空町
2006年に女満別町と東藻琴村とが合併してできた町。黒澤明監督の映画「夢」のロケ地にもなった風光明媚なメルヘンの丘や、網走地方へのアクセスに便利な女満別空港がある。 - 美幌町
自衛隊の駐屯地があったり恵まれた地理的条件から道外からの移住者が多かったりで、この地域ではめずらしく非過疎地域となっている。美幌峠から弟子屈町の屈斜路湖が一望でき、名所が多い北海道のなかでも特に極上の風景が堪能できる。なお、美幌峠ではあげいもが名物で観光客に大人気である。 - 津別町
林業が盛んな町。ひらけ!ポンキッキのオープニングタイトルや坂本龍一のシングルジャケット等を手掛けたこの町出身の人気イラストレーター・大西重成氏が、シゲチャンランドという私設美術館を開設している。
弟子屈町との境目付近にある津別峠からは、美幌峠と同じく屈斜路湖を一望できる。アクセスが困難である代わりに観光客は少なく落ち着いており、標高も美幌峠よりも高い位置にあるので、こちらを好む旅人もいる模様。他、チミケップ湖が秘境の湖として知られている。 - 佐呂間町
北見市を隔てて網走市の西側にある町。名前のとおりサロマ湖畔にあり、サロマ湖展望台が所在。名物はサロマ湖で養殖されている牡蠣。
北見地方
- 北見市
振興局所在地ではないが、市街規模は網走市の倍ほどあり管内唯一の10万人都市。北海道で最も面積の広い市町村でもあり、玉ねぎや薄荷が名産として有名。また、カーリングが盛んな常呂町を合併した。詳細は「北見市」の項目を参照。 - 訓子府町
難読地名のひとつで、読みは「くんねっぷちょう」。全体的に広いオホーツク総合振興局管内の市町村の中では最も面積が小さく(それでも全国的に見れば上から数えたほうが早いが…)、東京都の八王子市よりも少し大きい程度。B級グルメとして醤油ベースのタレで味付けした玉子でとじないカツ丼がある他、「くんねっぷメロン」が特産品として有名である。 - 置戸町
北見市などを流れる常呂川の治水・利水上、重要な役割を持つ「鹿ノ子ダム」が所在。ダムによってできた人造湖「おけと湖」では7月下旬に「おけと湖水まつり」と呼ばれる祭りが行われる。
紋別地方
- 紋別市
流氷のシーズンになると「ガリンコ号」と呼ばれる砕氷船が運航されるなど、流氷観光が盛ん。道の駅の近くに、なぜか巨大なカニ爪のオブジェがある。市内に「オホーツク紋別空港」という空港があるが、鉄道は1989年までに市内からなくなってしまった。なお、日高振興局にも門別(こっちは道内唯一の競馬場で有名)という地名(現日高町門別地区)がある。 - 湧別町
2009年に旧湧別町と旧上湧別町とが新設合併してできた町。町役場は旧上湧別町役場と同じ場所にある。旧上湧別町のシンボルであったチューリップを多数栽培する「かみゆうべつチューリップ公園」が有名。また、オホーツク文化時代の遺跡「シブノツナイ竪穴住居跡」なんてものも。 - 遠軽町
北見市、足寄町、釧路市に次ぐ北海道第4位の面積を誇る。日本最大級のコスモス園がある「太陽の丘えんがる公園」が所在。
町の中心駅であるJR石北本線遠軽駅は、かつて名寄本線と石北本線が分岐するターミナル駅であった。名寄本線が廃止された現在、その名残で北海道では珍しいスイッチバックの駅になっている。また上白滝駅・旧白滝駅・下白滝駅・生野駅といった、全国的に見てもハイレベルな秘境駅が複数所在したが、残念ながらその多くは廃止されてしまった。 - 滝上町
読みは「たきのうえ」ちょうである。「童話村」をテーマにした町づくりを行っている。滝上公園に咲く日本一の芝桜の大群落が有名で、5月上旬~6月上旬に見頃を迎える。また、ハッカの生産を行っている全国でも数少ない場所である。 - 興部町
こちらも難読地名で、読みは「おこっぺちょう」。酪農が盛んで、町内に「農業科学研究センター(通称モーモー城)」と呼ばれる酪農研究施設も。
町内にある「道の駅おこっぺ」は廃止された名寄本線・興部駅跡に造られたもので、列車が設置されている。この列車、ただの展示用ではなく、なんと簡易宿泊施設として利用可能であり、ライダー・チャリダー等に重宝されている。 - 雄武町
これまた難読地名で、読みは「おうむちょう」。ホタテ・サケ・カニが名産で、特に鮭漁が盛ん。中でもメジカを一躍有名にしたのはこの町の力が大きい。日の出岬の景色と温泉に定評がある。 - 西興部村
現在では管内唯一の「村」。主な産業は酪農で、行者の滝や鹿牧場などの名所がある。人口1000人余りで北海道で最も人口が少ない町村の座を争っているが、密かに地域情報化政策に積極的で、村独自のプロバイダによるFTTH環境が村内全世帯を網羅しているらしい。すげえ。
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