「ストライクウィッチーズ アフリカの魔女」とは、「ストライクウィッチーズ」シリーズのスピンオフとして制作された作品群の総称である。
Projekt Kagonishこと原作者の片割れ鈴木貴昭や「セーラー服と重戦車」の野上武志らによる半公式同人誌を母体とする(原作者はあくまで島田フミカネ&Projekt Kagonish)が、この記事では公式コミックおよび公式ノベルのみを扱う。
概要
アフリカ戦線。そこは灼熱の太陽に晒され水もなく、砂が蔓延り補給も途絶えがちな極地。
欧州に比して強力なネウロイの前に不足する陸上戦力、ともすれば崩壊の危地に陥る人類の戦線を、空から一手に支える孤高のエースウィッチがいた。
いつしか「アフリカの星」と讃えられるようになったその孤高の戦女神の名はハンナ・ユスティーナ・マルセイユ。「アフリカの魔女」では、アフリカ方面の希望たる彼女と彼女の所属する統合戦闘飛行隊<アフリカ>を中心に、熱砂の北アフリカ戦線で戦うウィッチと男たちの熱い戦いを描いている。
統合戦闘飛行隊「アフリカ」
もともとアフリカ戦線に派遣されていた「アフリカの星」ことハンナ・ユスティーナ・マルセイユと僚機ライーサ・ペットゲンに扶桑皇国陸軍航空隊の稲垣真美ら「砂隊」を加え、司令に加東圭子陸軍大尉を据えて結成された統合部隊。「スオムスいらん子中隊」ことスオムス義勇独立飛行中隊を先行モデルとし、カールスラント・扶桑のみならず現地のブリタニア軍やロマーニャ軍の協力を得ている。
後に501JFWの成功を受け、正式に連合軍第31統合戦闘飛行隊として承認。<ストームウィッチーズ>の通称を受けることとなる。欧州に比べて大物ネウロイの多いアフリカ戦線において、劣勢気味でウィッチも少ない人類連合軍を支える要。
主要キャラクター
「アフリカ」のメンバーである主要なキャラクターは媒体が違っても同じである。
- ハンナ・ユスティーナ・マルセイユ Hanna-Justina Marseille
- 42年時、中尉。「アフリカの星」の異名を持ち、将兵に圧倒的な人気を持つ北アフリカの支え。
固有魔法「偏差射撃」と圧倒的な空戦技術で無数のネウロイを相手取る「世界最強」。
詳しくは「ハンナ・ユスティーナ・マルセイユ」を参照のこと。 - 加東 圭子 Katō Keiko
- 42年時、大尉。統合戦闘飛行隊「アフリカ」隊長。通称「ケイ」。
すでに23歳になる「上がり」を迎えたウィッチ。欧州方面での従軍記者を経て教官希望で現役復帰願いを出したところ、折悪しくアフリカにいたため現地指揮官にされたうえ「アフリカ」の隊長を任されてしまい、いまやすっかりマルセイユの保護者扱い。ロンメルやパットンら北アフリカ戦線の各国指揮官と丁々発止のやりとりを繰り広げ、支援のお代にマルセイユのプロマイドをばらまいて、今日も今日とて書類の山と格闘する苦労人。
詳しくは「加東圭子」を参照のこと。 - ライーサ・ペットゲン Raisa Pöttgen
- 42年時、少尉。面倒見がよく、真美の指導を担当する。
僚機として常にマルセイユの背後を護る隠れた天才で、その背中を護りつづけている。
詳しくは「ライーサ・ペットゲン」を参照のこと。 - 稲垣 真美 Inagaki Mami
- 42年時、軍曹で12歳。子爵家出身のお嬢様育ちで森蘭丸の血筋を引く小さな力持ち。背が低かったゆえウラル戦線への派遣に漏れアフリカに派遣された。固有魔法は「怪力」で、ボヨールド40mmを担いで大型ネウロイの撃破に貢献する。先祖森蘭丸は大筒を片手持ちしていたのを見るに、明らかに血筋である。料理が得意で、「アフリカの星」に集まってくる様々な国の食材を活かしたバリエーション豊かな食事が好評。
- マティルダ Mathilda
- マルセイユの従卒を務める黒人。軍人ではない謎のウィッチ。
マルセイユを鷲の化身として崇め付き従い、時々謎の予言めいた発言をすることも。
武器はまさかのスリングショット。そこらのネウロイなら一撃です。
コミック「アフリカの魔女」
野上武志著。もとは同人誌「アフリカの魔女」として発刊されたものを公式化。
同人誌「アフリカの魔女」「砂漠の虎」に描き下ろし「書類戦争の魔女」を加えて2012年1月23日発売。
ウィッチーズシリーズとは思えぬほど漢臭くて泥臭い、熱い物語になっている。
「アンドラの魔女」
スピンオフである「アフリカの魔女」のさらにスピンオフともいえるコミック。2012年4月26日発売。
かつて同人誌として刊行されたものに描き下ろしの「アンドラの魔女」を加えた短編連作。
全て「アフリカ」の話というわけではないが、「アフリカ」とアフリカ戦線のウィッチたちが語った夜話の形式をとっている。果たして、全てが語られているのか、語られた全てが真実なのか……?
- アンドラの魔女
- 作者・野上武志がアンドラ公国のファンからの感想に応えて描き下ろした一編。語り手は加東圭子。
ガリアとヒスパニアの国境。山岳地帯の極小国家アンドラ。故郷を護るため剣と盾で戦うたった一人のアンドラウィッチ、落ちこぼれのイリス・モンフォートと羊飼いの親友「魔法力を持たないウィッチ」マリアの友情の物語。 - スツーカの魔女
- 語り手はハンナ・ユスティーナ・マルセイユ。話の正確性が一番怪しい。
カールスラントの爆撃ウィッチ、フレデリカ・ポルシェと戦車乗りミハイル・シュミットの物語。
欧州撤退の激戦の中、接点のないはずの二人は戦場で偶然にも幾度と無く出会い…… - アイガーの魔女
- 描き下ろし。語り手はブリタニア陸戦ウィッチのセシリア・グリンダ・マイルズ。
マーカー設置のためアイガー北壁に挑んだ登山家、J・マロニーとエドワード・ヒラリーの物語。例のマロニーちゃんは弟である。弟より優れた兄の貴重な実例。 - 本能寺の魔女
- 語り手は稲垣真美。
- 時は1582年。天下人を目前にした織田信長が、明智日向守が囲む本能寺を辛くも脱出した「本能寺の変」の隠れた真実。水も漏らさぬ包囲の中で、信長の小姓を務める戦国の魔女、森蘭丸は愛する主君を救わんとする。
- 市場でお買い物
- コミックアラカルト所収の短編の再録。
小説「アフリカの魔女 ケイズ・リポート」
「ストライクウィッチーズ」シリーズ軍事考証・脚本を担当する鈴木貴昭によるスピンオフ・ノベル。
第一巻のみ同人誌版の再録で既刊3巻。
「ケイ」こと扶桑陸軍航空ウィッチ加東圭子の視点から、「アフリカの星」の戦いを追う。
第一巻
同人誌「アフリカの魔女」シリーズに掲載されていたものを再編したもの。
『ストライクウィッチーズ劇場版』公開にあわせ角川スニーカー文庫から2012年3月1日発売。
表紙絵は島田フミカネによるハンナ・ユスティーナ・マルセイユ、挿絵は野上武志が担当。
- 《あらすじ》
- かつて扶桑海事変でエースウィッチとして戦った従軍記者、加東圭子。
「アフリカの星」の取材のためアフリカを訪れた彼女は、突然の現役復帰と大尉昇進、そして扶桑陸軍アフリカ派遣独立飛行中隊「砂隊」の指揮を命じられる。もうシールドも張れない年齢なのに、半人前のウィッチ稲垣真美と整備中隊を抱えさせられた彼女は、マルセイユ以下カールスラントウィッチとの協同を模索。ここに圭子を隊長とする統合戦闘飛行隊「アフリカ」が設立された!
ゲストキャラクター
- 氷野保
- アフリカ派遣独立飛行中隊の先任下士官、整備曹長。ストライカーの整備を担当。
真面目な技術屋だが、資金として用意された金塊の持ち逃げを図る将校に偽の箱を掴ませたりなど強かさも併せ持つ頼れる整備士。対空砲をあっさりと真美向けの手持ち砲にするなど技術力も高い。 - 金子
- 主計中尉。アフリカ派遣独立飛行中隊に後から派遣され、「アフリカ」の兵站を担当。
風采の上がらない外見に比して敏腕な主計将校。愛称は「ハナG」。
どこぞの装甲親衛歩兵連隊の左のデブではない。そんなことはけっしてない。 - ロンメル
- 常に前線を駆けまわる、傍迷惑なカールスラントアフリカ軍団(KAK)司令官。
マルセイユの熱烈なファンだが、本人には煙たがられている様子。
真美の作る朝食をいただくために「アフリカ」のテントまで遊びに来る、マルセイユとのツーショットをカールスラント皇帝フリードリヒ4世に送りつけて悔しがらせるなど、やってることが何から何まで子供っぽい面倒なおじさん。
第二巻
鈴木貴昭書き下ろしで2013年1月31日発売。
表紙絵は島田フミカネによるライーサ・ペットゲン。挿絵は飯沼俊規。
- 《あらすじ》
- アフリカ戦線に凶報来る。地中海輸送の要、マルタ島がネウロイの攻撃を受けているというのだ。
それと呼応するかのように、北アフリカ戦線本体でもネウロイが攻勢を発起。 北アフリカを飛び回り、ネウロイへの対処に追われる「アフリカ」の面々。一方地中海では、補給の途絶によるマルタ陥落の危機を受け、ブリタニア海軍サイフリート中将率いるマルタ支援部隊が出撃。リベリオン海軍と扶桑海軍の助けを得て、輸送船団はアイアンボトムサウンド広がるマルタへ突入を試みるが……!
ゲストキャラクター
- エディタ・ノイマン
- カールスラント空軍少佐。第27戦闘航空団(JG27)司令。「エディタ・ノイマン」も参照。
アフリカにおけるカールスラントウィッチの最上位者。かつてはマルセイユの上官としてその才能を認めた過去があり、誰にでも不敵な“アフリカの星”が今もガチガチに緊張する数少ない相手。巻後半では輸送部隊の上空護衛に駆けつけた。 - サイフリート
- ブリタニア連邦海軍軍人、中将。
マルタ支援作戦の総司令官としてZ部隊を指揮、戦艦<ネルソン>に座乗した。
モデルと思われる英国海軍エドワード・サイフレット中将はマルタ島救援作戦「ペデスタル作戦」の指揮官。 - ターナー
- リベリオン海軍軍人、少将。
マルタ支援作戦に協同、重巡洋艦<シカゴ>に座乗して第62任務部隊を指揮した。
モデルは第一次ソロモン海戦の連合軍側指揮官、リッチモンド・ターナー少将と思われる。 - 井川
- 扶桑皇国海軍軍人、中将。扶桑海軍第八艦隊司令官。重巡洋艦<鳥海>に座乗。
Z部隊の離脱後もターナーとともに輸送部隊をエスコートし、マルタ島へと導いた。
モデルは第一次ソロモン海戦の日本側指揮官、三川軍一中将と思われる。
第三巻
鈴木貴昭書き下ろし、2014年3月1日発売。
表紙絵は島田フミカネによる夕日に染まるマルセイユ、挿絵は飯沼俊規。
- 《あらすじ》
- マルタを護るウィッチたちの戦いと第二次マルタ防衛戦の顛末、そしてネウロイの新たな攻勢。
進撃していたネウロイが突如として姿を消したことに司令部が頭を悩ませる中、ガリアの亡命政府が身を寄せる軍港ダカールにネウロイの攻撃が迫り、訓練中のリベリオン海軍部隊が至急救援に出撃。一方トブルクを狙うかと思われていたネウロイは、突如としてイコシウムに現れた!
ゲストキャラクター
- フェデリカ・N・ドッリオ
- ロマーニャウィッチ。「フェデリカ・N・ドッリオ」も参照。
“赤ズボン隊”所属で後の<アルダーウィッチーズ>司令。マルタ島のウィッチ最高位者として第二次マルタ島防衛戦でウィッチたちを指揮するが、重傷を負う。 - エンリーカ・タラントラ
- ロマーニャウィッチ。“赤ズボン隊”所属。通称「バナーナ」。
フェデリカの部下で、彼女にさんざんに振り回される苦労人。 - エリザベス・F・ビューリング
- ブリタニアウィッチ。「エリザベス・F・ビューリング」も参照。
かつて“スオムスいらん子中隊”ことスオムス義勇独立飛行中隊に所属していた。ブリタニア空軍随一の問題児だが類まれなる才能を持ち、前巻の輸送部隊でマルタ島に駆けつけた。 - パトリシア・シェイド
- ブリタニアウィッチ。「パトリシア・シェイド」も参照。
後に<アルダーウィッチーズ>に所属する。フェデリカのもと、マルタ島防衛のため戦う。 - ジョーゼット・ルマール
- ガリアウィッチ。「ジョーゼット・ルマール」も参照。
後に<ブレイブウィッチーズ>に所属することとなるウィッチ。南方正統ガリア政府にとって唯一のウィッチとして、同政府の所在するダカール軍港とガリア艦隊を守るため孤軍奮闘する。 - セシリア・E・ハリス
- リベリオンウィッチ。「セシリア・E・ハリス」も参照。
後に<マイティウィッチーズ>に所属することとなるウィッチ。偶然アフリカ近海にいたリベリオン海軍の護衛空母<スワニー>に乗り組んでいたことから、ダカール軍港への救援に出撃する。
500overs in Africa
『ストライクウィッチーズ2』のオフィシャルファンブックに収録された短編。鈴木貴昭・著、挿絵に京極しん。
ハンナ・ユスティーナ・マルセイユが501JFWのエーリカ・ハルトマンと共同作戦を行うことになった裏側と、アニメでは描かれなかったマルセイユを援護する「アフリカ」の戦いを加東圭子の視点から描くショートストーリー。
関連動画
関連項目
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- ストライクウィッチーズ
- ストライクウィッチーズ2
- スターライトストリーム
- 扶桑皇国
- ブリタニア連邦
- 501st JFW.OA
- ストライクウィッチーズ劇場版
- ストライクウィッチーズ零
- スオムスいらん子中隊
- 帝政カールスラント
- ストライクウィッチーズO.V.A.
- アンジェラ・サラス・ララサーバル
- ブレイブウィッチーズ
- ストライクウィッチーズ 501部隊発進しますっ!
- ストライクウィッチーズ 紅の魔女たち
- ノーブルウィッチーズ
- LNAF.OA
- ストライクウィッチーズ オーロラの魔女
- ワールドウィッチーズチャンネル
- ワールドウィッチーズ 魔女たちの航跡雲 Contrail of Witches
- ストライクウィッチーズ ROAD to BERLIN
- ルミナスウィッチーズ
- マナイア・マタワウラ・ハト
- リベリオン合衆国
- ロマーニャ公国
- ヴェネツィア公国
- ガリア共和国
- オラーシャ帝国
- スオムス
- オストマルク(ワールドウィッチーズ)
- ウィルマ・ビショップ
- コンスタンティア・カンタクジノ
- クラマース・ブレンガーム
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