夕雲(ゆうぐも/ゆふぐも)とは、大日本帝国海軍所属の夕雲型駆逐艦1番艦「夕雲」をモデルとした、ブラウザゲーム「艦隊これくしょん~艦これ~」に登場する艦娘(かんむす)である。
軍令部からの概要です。ご覧になってくださいね。
2013年9月18日のメンテ後、「秋雲」と共に実装された駆逐艦娘。夕雲型(+秋雲)共通の臙脂色のジャンパースカートに青いリボンタイという服装。艦娘には珍しい緑髪(他には「長月」くらい?)の持ち主で、小指をぺろりと舐めているポーズといい、口元の黒子といい、駆逐艦らしからぬセクシーな大人っぽさというか小悪魔っぽさを醸し出している。
が、そのセリフを聞いた提督達は驚愕することに。
登場時から「提督、甘えてくれても、いいんですよ?」とのたまい、母港では「提督、一緒にがんばりましょうね」と優しくこちらに話しかけ、つついてみれば大多数の艦娘が嫌がる中、「提督といい巻雲さんといい、スキンシップ大好きですね」と寛容な反応を見せる。
放置してると、「提督、お疲れなの? 夕雲は心配だわ」と文句も言わずに心配してくれる。
近代化改修を行えば「覗かないでね」と誘ってダメを押してくる。
また、サービス開始後からの追加艦娘なので着任次第すぐに時報ボイスを聞くことができる。内容は妹艦である巻雲のことやメタな台詞[1]など様々だが、少しばかり意味深なものも目立つ。
以下、ネタバレなので反転。
「巻雲さん、こ……これはね、提督と夜通し、さ……作戦を立てていたのよ。」(午前6時)
夜通し2人で作戦を立てていたらしい。
「巻雲さんを説き伏せて納得させるの大変だったわ。」(午前8時)
説き伏せて納得させるような必要があったんですね。わかります。
「ん~食べたら眠くなるわね。って昨日、夕雲寝てないじゃない!」(午後1時)
寝ないでなにをしてたんでしょうね?
提督を甘えさせてくれる駆逐艦娘としては「雷」が有名であるが、今や「夕雲」は、その「雷」と並び「ダメ提督製造機」の双璧と呼んでも差し支えないほどの存在感を醸し出すまでになっている。
妹艦にあたる「巻雲」のことは、「巻雲さん」と呼んで可愛がっており、その「巻雲」からも「夕雲姉さん」と慕われている。
ただ、「夕雲」が実装された当初は「巻雲」が未実装だったので、提督達は「誰だそれ?」状態であった(「巻雲」が実装されたのは「夕雲」の約1ヶ月後)。
ちなみに中破すると、夕雲型(+秋雲)ではそう決まっているのか、おぱんつがまる見えである。
それに加え、その駆逐艦らしかぬ上部装甲のふくらみが露わになってしまい、なかなか見事な曲線を披露してくれる。
そんな「夕雲」の最大の難点はレア度。現時点で入手は4-2、5-1以降のボスドロップのみであり、3-4ドロップのみの「初風」とまでは行かないまでも、結構な難易度である。後に追加された妹の早霜・朝霜・清霜の4-5限定ドロップ、僚艦風雲の3-4・3-5・7-2限定ドロップ、高波・沖波の6-5限定ドロップ、藤波・岸波の7-3限定ドロップにより(システムの改訂も相まって)相対的に姉妹の中では比較的邂逅しやすくはなっている。(姉妹のうち、早波・浜波・秋霜・巻波・涼波・玉波は期間限定海域のみのドロップ限定。)
夕雲型姉妹は全艦がサービス開始後の追加実装艦であるが、2022年3月現在史実19隻のうち艦娘として登場しているのは17人で、陽炎型姉妹17人に並ぶ勢力にまで拡大している。うち、改二艦は夕雲を含め7隻である。
提督、夕雲、本気でいきます。改二、抜錨!
2018年7月13日のアップデートで改二が実装された。同時に実装された白露と天龍は改二の実装が予告されていたのだが、夕雲に関しては全く情報がなく[2]、まさにサプライズの実装となった。
長波と同じく必要レベルは75、改装設計図と戦闘詳報が要求される。
改二といえばグラフィックの違いは…と言いたいところだが、改二実装と同時に「夏服mode」が実装されたため、夕雲改二の通常(冬服)グラフィックがわからないという極めて珍しい(というか艦これ史上初?)状態になっていた(巻雲改二の実装で夕雲型の改二は基本的に「夏服」「冬服」が実装される事が仄めかされている)
こちらの夏服modeは長波改二にも同時実装されており現状だと朝潮型改二のサロペットスカートのような共通項に相当すると云える、夕雲型の特徴である臙脂色のジャンパースカートがベストとスカートで分割されており、タイツもニーソックスに、シャツも半袖タイプになっている。そして、『黒メッシュのアンダースカート』をサイドから大胆に魅せるという大変素晴ら…もとい、蠱惑的なスタイルが特徴的であり元々セクシーなスタイルが前面に出ている夕雲に更なる魅力を付加している(対して長波は健康的な印象)・・・なお、中破すると改程ではないにしろ際どいので注意。
性能としては火力が67、雷装が87と攻撃力が高めになっている。また、対潜の最高値は77となっており、長波と比較すると火力はやや控えめだがその分対潜攻撃が得意である。
2018年11月16日のアップデートで巻雲改二が実装されたのと同時に「冬服mode」が実装。長波改二同様白いボレロを夏服modeの上から着こむスタイルになった(厳密には下のブラウスを半袖から長袖に、穴開きの長手袋を外している)
限定グラフィックです。ご覧になってくださいね。
前述したとおり、夕雲自身を含む夕雲型は追加艦ということもあって、なかなか限定グラフィックには恵まれていなかったのだが、2016年最初のオンメンテにて、巻雲と共に夕雲に限定グラフィックが実装され、夕雲ファンには良いお年玉となった。
ただ、新規ではなくいわゆる差分グラフィックだったため、喜びも半分といったところであった。
左手に羽子板を構え、右手にはポチ袋(お年玉を入れる紙の袋)をカードのように翳している。表情が以前からのぺろっと舌を出したものだったこと、そして同時に実装された巻雲が羽子板でお馴染みの顔に墨で×を書かれた格好だったところから、「巻雲から賭け羽子板でお年玉を巻き上げる夕雲」という風評被害が広がったりした。ちなみに公式四コマでは、勝敗をポチ袋で数えていたのだと弁明している。
2016年4月22日のアップデートでは、三周年記念の「春の花束mode」の一人に選ばれた。待望の新規グラフィックである。抱えている花束はかすみ草と水仙。
中破すると、ぺたんと座り込んだ状態で髪がほどけてしまっているが、それでも花を守ろうと抱えている。例によって服は裂けており、おへそが見えている。可愛い。
2016年10月21日のアップデートでは「鎮守府秋の秋刀魚祭りmode」が実装された。 いつもの制服の上に緑の法被を着用し、捻り鉢巻きをしている。ちなみに法被の襟には、向かって左に「鎮守府秋刀魚祭り」、右に「夕雲型魂」と書いてあり、さらに右胸に艦これのマークがついている。
ちょっと、史実が溜まってしまって。
夕雲型駆逐艦
艦隊駆逐艦、つまり艦隊に随伴できる大型駆逐艦としては陽炎型駆逐艦がその任にあたっていたのだが、特に後期はカタログスペック通りの性能が出ていないことが明らかになり、艦体を改設計することになった。これが夕雲型駆逐艦である。
夕雲型駆逐艦は、1939年の第四次海軍軍備補充計画(マル4計画)で11隻の建造が計画された。本来なら、夕雲型の生産はここで打ち止めとし、次回のマル5計画からは次世代の島風型を量産するはずだったのだが、1941年に戦時追加建造計画(マル急計画)が策定され、開戦に向けて更に16隻分が追加された。
夕雲型駆逐艦の建造開始時期は陽炎型の最後の建造時期と被っており、このため陽炎型の最終艦である<秋雲>が、夕雲型駆逐艦と誤認されることにもなった。(上記の通り夕雲型は陽炎型の改良版なので、艦形がよく似ている)
夕雲型駆逐艦は35ノットの速度を出せるように、陽炎型から艦体を延長(といっても80センチほどだが)し、艦尾の形状を変更した。他に目立つ違いは艦橋の形状で、前面が陽炎型は垂直なのに対し、夕雲型は下が広がった末広がりな形状になっている。前述した<秋雲>が陽炎型だと判明したのも、艦橋の写真が残っていたからだった、というエピソードがある。
また夕雲型には陽炎型には無い重油タンク用の加熱装置が備え付けられていた。これは対英米関係が悪化した事を受けての改装だった。もしこのまま悪化し続けて輸入が凍結された場合、帝国海軍は良質な重油を入手できなくなる恐れがあった。かといって低品質の油を使用すると、寒冷地で流動性が悪くなり燃料効率が悪化する可能性があった。そこで重油タンクに蒸気パイプを取り付けて加温が出来るようにしたのである。
帝國海軍が積み上げてきた駆逐艦建造のノウハウを投入した結果、夕雲型は艦隊決戦に適した高性能を発揮するようになったのだが・・・短期間での量産に向いていなかった。特に機関は島風型ほどではないものの、量産が効くものではなかった。このため19番艦<清霜>を最後に、松型駆逐艦への量産に移行。夕雲型の量産はマル急計画のうち8隻分の完成をもって凍結された。
こうして夕雲型駆逐艦は、最終的に陽炎型と同数の19隻が建造され、水雷戦隊の主役オブ主役として活躍し、……19隻すべてが戦没した。
夕雲
さて、その夕雲型駆逐艦のネームシップである<夕雲>は、甲型一等駆逐艦第116号として1940年6月12日に舞鶴工廠で起工。1941年2月5日に夕雲と命名され、暫定的に呉鎮守府所属となる。3月16日進水。1941年12月5日に舞鶴海軍工廠で竣工した。所属は横鎮こと横須賀鎮守府。夕雲型駆逐艦で開戦前に竣工したのは、ネームシップの<夕雲>のみである。
太平洋戦争開戦時は東京湾外で対潜警戒に従事。第十駆逐隊に所属していたが、当時この隊の駆逐艦は<夕雲>一隻のみであった。そのためか緒戦の南方作戦には参加せず、内地で待機していた。
年が変わって1942年3月14日に、その日に完成したばかりの2番艦<巻雲>が第十駆逐隊に編入された事でようやく2隻になった。この第十駆逐隊には、その後3番艦の<風雲>が完成と共に、そしてその後陽炎型の末妹<秋雲>が編入されて駆逐隊基本の4隻体制となる。
4月18日、ドゥーリットル空襲を行った米機動部隊追撃のため横須賀を出撃するも20日に作戦中止となり撤退。
5月2日、ミッドウェー作戦参加のため佐世保を出港し、集結地点の柱島へ回航。南雲機動部隊の直衛として6月5日のミッドウェー海戦に臨む。が、結果は皆さんご存知の通り惨敗。<夕雲>はミッドウェー島北西に進出し空襲支援に従事、対空戦闘で2機の敵機を撃墜した。その後、夜戦に備えて準備したが作戦中止になったため翌6日に主力隊と合流。艦隊からはぐれていた巡洋艦<最上><三隈>を収容するべく南下。8日に<最上>と会合したあと北上し、アリューシャン方面に展開した第二艦隊の支援を行う。6月20日、撤収し呉に帰投。
その後の7月3日、アリューシャン方面で第二次輸送作戦に従事。米機動部隊の警戒を行い、7日に撤収し横須賀へ入港。7月16日、機動部隊を護衛して柱島を出撃。トラックを目指していたが、米艦隊襲来の報を受けてソロモン諸島へ急行。24日に生起した第二次ソロモン海戦に参加。海戦終了後、<瑞鶴>とともにショートランドへ撤退する第二梯団を支援。
10月1日、横須賀に帰投するも5日にはトラックへ戻る。出撃する機動部隊を護衛して、そのまま10月26日の南太平洋海戦に参加。11月7日からはガダルカナル島への鼠輸送の任務に就く。エスペランス岬に揚陸を成功させるも、翌8日にショートランド沖で敵機20機と交戦。至近弾により小破する。その晩、ガダルカナル島タサファロンガで米魚雷艇と交戦し、これを退けたあと物資を揚陸。そして傷病兵92名を収容してショートランドに帰投した。
11月14日午前0時、ヘンダーソン飛行場を砲撃する<鈴谷><摩耶>の護衛として随伴。対空戦闘を実施する。その日の17時、第二船団救援のためショートランドを緊急出撃するも船団の全滅により反転。
11月29日、B-17爆撃機6機と交戦。<巻雲>が損傷し、離脱するも<夕雲>はブナへの輸送を成功させた。翌日、<風雲>とともにラバウルを出撃。再びブナを目指したが、B-24の編隊に襲撃され追い返されている。
その後もラバウル方面の輸送作戦に従事し、12月28日に横須賀へ帰投。船体の整備を受ける。
1943年1月17日、僚艦の<巻雲>とともに横須賀を出撃。1月31日、ガダルカナルからの撤退作戦であるケ号作戦に参加。作戦中の2月1日には、機雷に触れてしまい、航行不能になった妹の<巻雲>を曳航しようとしたが失敗。乗組員収容後、雷撃処分をするという辛い経験もしている。第二次、第三次の撤退作戦にも参加し、多くの兵員を連れ帰った。2月17日、輸送船団を護衛してウエワク揚陸を支援。
ツルブやムンダといったソロモン方面の輸送作戦に従事した後、4月7日に<風雲>から第10駆逐隊の旗艦を継承。5月9日、横須賀に寄港。5月23日、木更津沖で戦艦<武蔵>より山本五十六長官の遺骨を受領。
6月13日、キスカ島の将兵を撤退させるため幌筵に進出。7月7日、キスカ島撤退作戦に参加しキスカ島の将兵を収容。無事に幌筵へ帰還し、奇跡の作戦を演出した役者の一人なった。
8月3日、機動部隊に復帰し再びソロモン方面へ舞い戻る。9月29日、第一次コロンバンガラ撤退作戦に参加。続く10月2日の第二次撤退作戦にも参加した。10月6日、<秋雲>とともにラバウルを出撃。チョイセル、ベララベラ島撤退作戦(第三次セ号作戦)を支援。
そして、ベララベラ島からの撤退作戦に従事中だった43年10月5日、米駆逐艦隊と交戦(第二次ベララベラ海戦[3])、集中砲火を浴びて火災を起こし、さらに雷撃を受けて沈没した。しかし、<夕雲>もただで沈んだわけではなく、最後に放った魚雷によって相手の駆逐艦<シャヴァリア>を大破(のち雷撃処分)させ、さらに航行不能になった<シャヴァリア>に駆逐艦<オバノン>が追突して艦首を大破、と結果的にだが2隻を大破させ、一矢を報いている。
さらに、<夕雲>の生存者のうち、機関部員を中心とした25名は、燃料が満載された状態で漂流していたアメリカ軍の内火艇を分捕った。そのままチョイセル島に沿って航行していると米軍の魚雷艇が接近。魚雷艇の指揮官から「こっちに乗り移れ」という指示を受けるが乗員たちは拒否。一人が内火艇で仁王立ちになり自分の胸を指して「ここを撃て」と相手に合図し、他の乗員もこれに倣う。この光景を見た米軍の指揮官は部下に水と食料を渡すよう指示し、その場から去った。その後、内火艇は1日半かけてブインに帰投し、奮闘した機関員達は第八艦隊司令の鮫島中将から「敵のボートを分捕ってくるとはよくやった」と賞賛された。また、撤退作戦の指揮を執っていた種子島少佐はこの事を報告書で知り、「米軍にも武士道あり」と記し、敵味方両方を賞賛した。
その一方で、一部の乗員はレンドバ島から現れた米魚雷艇に救助された。しかし乱闘を起こして見張り員を殺害したため全員射殺されている。
43年12月1日、除籍。
戦後、その名を受け継いだのは、海上自衛隊のやまぐも型護衛艦6番艦、DD-121<ゆうぐも>である。こちらは1978年に就役し、2005年に無事退役している。
面白い動画だと何気に運営にチェックされるらしいわよ?迷惑ね!
主力オブ主力の関連静画、出ます!
関連商品って言うのはこうするのよ。
※上記したボート分捕り生還劇の詳細が書かれた本
そろそろ関連コミュニティに入らなくていいの?
提督といい、巻雲さんといい、関連項目大好きですね。
- 艦隊これくしょん〜艦これ〜
- 竹達彩奈(竹達艦隊)
- 藤川(藤川艦隊)…夕雲型姉妹全艦で共通
- 駆逐艦(艦これ)
- 陽炎型姉妹(準同型艦であり義理の姉?といえる存在)
- 第十駆逐隊
- 第十戦隊
- キスカ組
- 母性ロリ
- ダメ提督製造機
- 舞鶴っ娘(夕雲型) … 夕雲 巻波 早波 浜波 沖波 早霜
-
緑の悪魔
夕雲型姉妹 / 夕雲型駆逐艦 (改二) |
1.夕雲 - 2.巻雲 - 3.風雲 - 4.長波 - 5.巻波 - 6.高波 - 7.大波 - 8.清波 - 9.玉波 - 10.涼波 11.藤波 - 12.早波 - 13.浜波 - 14.沖波 - 15.岸波 - 16.朝霜 - 17.早霜 - 18.秋霜 - 19.清霜 |
脚注
- *彼女と同じ頃に実装された艦娘のセリフにもメタ台詞が目立っており、この時期特有のものと思われる。
- *一応、運営からのツイッターでは、当初「現在「艦これ」運営鎮守府では、ある駆逐艦姉妹の長女、一番艦のさらなる改装、【改二】改装の実装準備を進めています。」と発言していたため、一時夕雲も候補に挙がっていたが、その後「時雨を姉妹に持つ一番艦」という言い方になったので、白露予想で落ち着いていた。まさか駆逐艦の一番艦が2隻も同時に実装されるとは誰も想像していなかった。
- *この海戦に、艦これ勢で他に参加していたのは、<秋雲>(旗艦)、<磯風>、別行動を取っていたため後から参加となった<時雨><五月雨>。ちなみに敵は第4駆逐部隊の駆逐艦3隻だった。
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