八雲藍(やくも らん)とは、東方Projectに登場する妖怪であり、八雲紫の式神。九本の尾を持つことからもわかるように、九尾の狐である。
テーマ曲は「少女幻葬 ~ Necro-Fantasy」。主人である八雲紫のテーマ曲「ネクロファンタジア」はこの曲のアレンジである。
概要
【出演リスト】
東方妖々夢 Extraステージボス
東方妖々夢 Phantasmステージ中ボス
東方妖々夢 八雲紫スペルカード 式神「八雲藍」
東方萃夢想 八雲紫スペルカード
壱符 式神「八雲藍」 弐符 式神「八雲藍+」
東方永夜抄 自機 八雲紫 使い魔・召喚八雲式
東方文花帖 LEVEL8被写体
東方緋想天 八雲紫スペルカード 式神「八雲藍」
東方非想天則 八雲紫スペルカード 式神「八雲藍」
東方憑依華 八雲紫スペルカード 式神「八雲藍&橙」
秘封ナイトメアダイアリー 悪夢水曜←NEW!!
二つ名:すきま妖怪の式(東方妖々夢)
策士の九尾(東方求聞史紀)
珍しい動物(東方文花帖)
藍単体では妖々夢と文花帖にしか出ていないが、主人の八雲紫が登場している作品には殆どの場合、その攻撃手段として一緒に出演している(紫が何らかの形で出ていて藍がいないのは地霊殿、紺珠伝、弾幕アマノジャクの3作)。漫画・小説では「東方儚月抄」には紫と一緒に主要キャラのひとりとして登場しているが、「東方三月精」「東方鈴奈庵」「東方茨歌仙」はいずれも背景モブとしての出演のみ。
ここで言う式神とは既存の妖獣等に式神という術を被せたものである。PCにソフトウェアをインストールするのと同じようなもの。ただし式神の有無で姿かたちが変わるようなことはない。効果は能力の上昇で術者との主従関係の表れである。
九尾の狐とは数々の伝説にあるようにそれ自体がトップクラスの力を持つ強力な妖怪であり、幻想郷においてもそれは同じである。そこに八雲の式神が憑くことによって能力が上昇しているのだから、その実力たるや計り知れない。
そんなに強力な妖怪が式神の身に甘んじているのは、ひとえに主人である八雲紫の強大さによる。主人のチート妖怪八雲紫とのコンビに力づくで逆らえる者は殆どいない。なお、「八雲藍」という名前は八雲紫がつけた式神としての名前であり、「八雲藍」になる前の妖狐としての名前は不明。
橙と同じように水に弱いはずなのだが、藍が水を被って式神が剥がれたという話を聞くことは滅多に無く、ほぼ常時式神が憑いたまま紫と一緒に行動しているので、いつも「藍」である。
ただパーフェクトなできる女かと言うとそうでもないらしく、橙の敵討ち(妖々夢Ex)に臨んだ事を式神として不適切な行動という事で紫にお仕置きされていたり(東方文花帖の八雲紫の項目を参照)、自分の式神であるはずの橙もいまいち言う事を聞かせられていなかったりと、抜けている部分もいくつかある。
秘封ナイトメアダイアリーでは、紫とではなく、なぜか地霊殿の古明地さとり・古明地こいし・霊烏路空とタッグを組んで登場し、プレイヤーを驚かせた。夢の世界での話とはいえ、なぜ主の紫の下を離れ、古明地姉妹のペットのような立ち位置で登場したのかは、作中で特に説明もなく謎のままである。
性格
基本的な性向は穏やかで、自己中心的な戦いは避ける傾向にある。
もともとの強さ故か求聞史紀では危険度「高」と記載されているが、人間友好度は「普通」。
人里にもしばしばやってくるらしく、自身の好物の油揚げを含めた色々な買い物もする。礼儀も正しく、こちらから嫌がらせや仕事の邪魔でもしない限り人間を襲う事はまず無い。もし何かの理由で襲われた場合は油揚げを渡せばそれで気を逸らしている間に逃げられたり、あるいは手打ちにしてくれるというから、油揚げに対する愛情たるや計り知れない。また、急用で八雲紫に話があって取り次いでもらいたい場合は、油揚げを用意しておけばあちらからやってきてくれるという。このことから、藍は紫の公設秘書的なポジションの人物であるという言い方もできる。
二次設定(後述)のアクが強すぎて霞んでいる節があるが、紫との関係は至って真面目で忠実である。
雑用を殆ど押し付けられているのは事実であるが、主人である紫を使役者と言うだけでなく大妖怪として純粋に尊敬・畏怖している。
紫には畏まった敬語を使い、その他目上の者や取引相手などの頭を下げる必要のある相手にも基本敬語で喋るが、敵や同格以下の相手には普通にタメ口で話す事が多い。基本的に口調は中性的。
能力
- 式神を操る程度の能力
- 式神の身でありながら、強い妖怪の特権である式神の行使が出来る。ただし、紫ほどの力が無いせいなのか、媒体にした妖怪の力が足りなかったのか、自分と違って橙は子供程度の知恵しかない。また、自分は紫の言う事に逆らう事が出来ないが、橙は藍の言う事を完全に聞いている訳ではない。そのためマタタビで釣ることで言う事を聞かせている事がたまにある。
- 数学的頭脳
- 紫には遠く及ばないものの、超人的な頭脳、特に数学的な能力に秀でる。文花帖(書籍)の記述によると、三途の川の川幅を求める方程式の開発・証明に成功したとか何とか。ただ、この頭脳は新しい事を生み出すよりも、決められた計算を処理して行く事の方が得意らしい(この点でも、幻想郷における式神は外の世界で言うPCに例えられる事が多い)。この能力について、藍自身は「式神自体が数式のようなものであるから」と説明している。
これ以外の能力は特に明らかにされていない。強力な妖怪なので、相応に力も強く、足も速い。色々な妖術なども使えると思われるが、藍が単体で行動する事がほとんど無いので、不明なままである。
紫の攻撃手段として出る時はもとより、飛びまわる際はとにかくくるくる回る事が多い。
橙がくるくる飛び回るのは藍に影響を受けたのかも知れない。
攻撃手段としての出演の多さや、妖々夢でもPhantasm中ボスと言う事もあって、中ボスのイメージが強い藍であるが、Exボスとしても恥じない能力持ち。精密なチョン避けを要求する通常に始まり、チョン避け、パターン構築、気合避け等様々な要素が試される長期戦になる。一見「どうやって倒すんだこれ」と言うスペカも多いが、何度も挑んで避け方を頭と指に叩き込んでいきたい。
スペルカード
東方妖々夢EXTRAでのスペルカードは基本的に八雲紫のスペルカードと対応している。
難易度的には紫のEasy版として設定されているが、一部のスペカは紫よりも難しかったりする。
またPHANTASM中ボスで登場する際は、EXTRAでの橙のスペカの上位互換を使用してくる。
東方妖々夢 | ||
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式神「仙狐思念」 | EXTRA | 紫の結界「夢と現の呪」のEasy版。 いきなり初見殺しだが、攻略法を覚えれば目をつぶっても避けられる。 |
式神「十二神将の宴」 | EXTRA | 紫の結界「動と静の均衡」のEasy版。 十二の魔法陣が四方八方に弾幕をばらまいて自機を包囲する。 十二神将とは薬師如来を守護する十二体の武神のこと。 陰陽道の十二天将も十二神将と(間違って)言われることがあるが、 どっちをイメージしているのかは不明。 |
式輝「狐狸妖怪レーザー」 | EXTRA | 紫の結界「光と闇の網目」のEasy版。 藍は青(藍)と赤(橙)のレーザーを交互に使う。 紫は青と赤の2本を同時に使う(青+赤=紫)。 |
式輝「四面楚歌チャーミング」 | EXTRA | 紫の罔両「ストレートとカーブの夢郷」のEasy版(?)。 大玉の密度が高く、紫より難しいと言われるスペカ。 攻略重視ならボムをためらわない方が良い。 チャーミングとは狐が狩りをする際に獲物を誘い込む仕草のこと。 |
式輝「プリンセス天狐 -Illusion-」 | EXTRA | 紫の罔両「八雲紫の神隠し」のEasy版。 またも初見殺しだが、攻略法さえ覚えれば安定させやすい。 スペカ名の元ネタはプリンセス・テンコーこと2代目引田天功。 |
式弾「アルティメットブディスト」 | EXTRA | 紫の罔両「禅寺に棲む妖蝶」のEasy版。卍型のレーザーが回転する。 これも「初見殺しだが攻略法を把握すれば楽」なパターン。 ブディストとは仏教徒のこと。 |
式弾「ユーニラタルコンタクト」 | EXTRA | 紫の魍魎「二重黒死蝶」のEasy版。 ばらまかれた弾が回転して背後から迫ってくる。慣れないと難しい。 狐狸妖怪レーザーと同様、紫が赤弾+青弾同時なのに対し、 藍は青弾と赤弾を交互に放つ。 |
式神「橙」 | EXTRA | 紫の式神「八雲藍」のEasy版。橙とのコンビネーション攻撃を放ってくる。 画面を左右ジグザグに上下移動する橙に轢かれないよう注意。 |
「狐狗狸さんの契約」 | EXTRA | 紫の「人間と妖怪の境界」のEasy版。 十字に交差する弾の中を狭い範囲内でくぐることになる耐久スペカ。 藍のスペカの中でもトップクラスの難関。攻略には慣れるしかない。 |
幻神「飯綱権現降臨」 | EXTRA | 紫の「生と死の境界」のEasy版。 ダメージに応じて弾幕が厚くなる。打ち込まずに時間切れを待つと発狂。 上手く藍を誘導すると安全地帯を作ることができる。 |
式神「前鬼後鬼の守護」 | PHANTASM | 橙の鬼符「青鬼赤鬼」の上位互換。 式神の前鬼・後鬼は『東方儚月抄』にもカラスとして登場している。 |
式神「憑依荼吉尼天」 | PHANTASM | 橙の鬼神「飛翔毘沙門天」の上位互換。 人によっては橙より簡単だということも。 |
東方文花帖 | ||
密符「御大師様の秘鍵」 | LEVEL8-3 | 左右から「/」「\」状のお札が飛んでくる。 詰むとまさに\(^o^)/か/(^o^)\である。 |
行符「八千万枚護摩」 | LEVEL8-5 | ほとんど隙間が無いほど高密度のお札を扇形にばらまいてくる。 |
超人「飛翔役小角」 | LEVEL8-7 | 画面上から弾をばらまきつつ自機に向かって回転しながら突進してくる。 ごく稀に回転せずにドロップキックを仕掛けてくることも。 |
二次設定
- 橙を溺愛して鼻血を噴出する程度の能力:橙を可愛がっているのは公式設定であるが、二次ではそれが暴走気味なレベルにまで達している。橙の一挙手一投足に必要以上に心配してオロオロしたり、橙が微笑むと鼻血を噴出して空を飛ぶ。また橙が少しでもいじめられるとどこからでも瞬時に飛んでくる。酷いときにはデコピン一発で殺人未遂だの言い出して訴訟に走るほどのモンペぶりを発揮する。橙からは「藍しゃま」と呼ばれている事が多いが、これは公式ではなく二次創作の産物であることに注意。橙の舌っ足らずな子供っぽさを演出するためのものであろうか。
- スッパテンコーする程度の能力:何かあると服を脱ぎ全裸になる性癖を持つとされている。人目を忍んでこっそりとスッパするか、人前でも堂々とスッパするかは描き手によって異なる。なおこちらは人によって好き嫌いが激しく分かれるネタであり、かつかなり古いので、このネタはすでに化石と化しており、流行の古いニコニコでも完全に廃れている。ちなみにスッパテンコーは昔2chの東方スレに突如出現した「垂れ目かーいいよー!アイナブリッジ大佐のガイドライン」の改変にたまたま藍が抜擢されただけであり、原作での藍とは何も関連性がないネタである。強いて言うならば彼女のスペルカード「プリンセス天狐」のテンコと言う部分が語呂が良かった事くらいであろうか。
- 主人を蔑ろにする程度の能力:文字通り。紫の式神使いの荒さに嫌気が差したのか、紫のいない所で悪態をついたり陰湿な嫌がらせを考え付いたりと、程よく黒くなっている場合が多々ある。時には本人の目の前で素でババア呼ばわりするなど、蔑ろどころか紫を逆に虐待していることすらある。当然、そんな事をした後はお仕置きなのだが。
- 爆乳:基本的にどの媒体でも胸は大きめに描かれる傾向があるようだが、ただ単に大きいだけにとどまらず、主人を差し置いて幻想郷一の巨乳だと称される場合が多い。噂によるとその大きさはHカップともIカップとも言われる。これは立ち絵のおっぱい具合とか八雲一家のお母さんとしてのイメージよりも、「傾国の美女」としてブイブイ言わしていた九尾の狐の悩殺武器としてのイメージがある故であろう。詳しくは「幻想郷一位の藍さま」の項を参照。
- 絶世の美女 経験豊富(性的な意味で):「傾国の美女」として知られる妲己や玉藻前(いすれも白面金毛九尾の狐の化身)からのイメージなのか、そうしょっちゅうお目にかかれない程の美貌の持ち主であり、やはり主人や主人公を差し置いて「絶世の美女」「傾国の美女」であると讃えられている場合もよくある。また、その手練手管の巧みさ故に国を滅ぼしたとされる九尾の故事にちなみ、彼女はすばらしいテクニシャンである場合も多く、房中術に関して大変に経験豊富なレディとして描かれる場合も多く見受けられる。要するにウホッ! いい女…なのだ。しかし、前述したように藍自体が三国を渡り歩いた大妖怪、かの白面金毛九尾の狐と同一であるかについては不明である。
- 荒み系:藍=白面金毛九尾の狐説を採る二次創作作品においては、紫と出会う以前の藍は荒んだキャラとして描かれることがよくある。根っから人間の恐怖心や猜疑心、色欲に取り憑くのが好きで、遊び半分に国を傾けていた「昔はやんちゃだった系」から「世を憎み人を憎んでいました系」まで幅広くヴァリエーションが存在する。
- モフモフ:常人があの尻尾に捉えられれば三秒と持たないと言われている。一本でも正気を保つのが困難なほど手触りの良いしっぽが九本ともなれば、もはや人の自制心など大津波を前にした笹舟であろう。あまりの気持よさと暖かさに気が狂い、誰もがよだれを垂らしながらこう懇願するであろう。「いっそ殺してくれ」と。しかし、死さえ救済とはならない。彼女がその気であれば未来永劫モフモフされ続けることになり、結果として彼女に魅入られた人間は二度としっぽの中から出ることは叶わないのである。
- 八雲家のお母さん:八雲一家の中では家計を握り家事を担当するお母さん的ポジションにいる事が多い。エプロン(割烹着)が良く似合うというか普段の服と差が少ないよ!
なお余談だが、そのお母さん的イメージのせいか、橙への溺愛のせいか、あるいは主である紫が霊夢とくっつくことが多いせいか、あんまり百合百合しいカップリング関係で描かれることは多くない。カップリングものの場合、相手はやはり紫か橙が大多数。他には霊夢や、最近では後述の通りマミゾウとの絡みも増えつつある。
- 二ッ岩マミゾウとの愛憎関係:『東方神霊廟』の発表に伴いにわかに濃厚になってきた一説。古来より化け狐とは相容れぬとされてきた生物が化け狸である。その化け狸の大頭目である二ッ岩マミゾウは、狐である藍にとっては不倶戴天の大敵であるという。だからお互いは互いに意識しつつも、常に付かず離れず交わらずの平行線という関係に置かれることになったと噂される。まぁでも大概の場合、老獪で飄々としているマミゾウ親分に、堅物で真面目な藍が一方的にノせられ、過去の恥ずかしい出来事や石頭ぶりをからかわれて赤面するような感じになるのだが。
ファンからは「藍様」と様付けで呼ばれることが多い。橙のように溺愛されたいという願望の表れだろうか。
ちなみに、公式設定では紫の方が背が高いのだが、二次創作では藍の方が背が高く描かれることが多い。
お絵カキコ
枚数が増えたので、八雲藍のお絵カキコに分離しました。モフモフ。
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関連項目
- 22
- 0pt