シンプル・ラン
もっとも優れた者の手に
いちばん高価な宝は渡る
ルールはとてもシンプルだ手加減など考えず
でも楽しむことは忘れずに
自分の最高を尽くそうか
ミッキーアイル(Mikki Isle)とは、2011年生まれの日本の競走馬・種牡馬である。鹿毛の牡馬。
主な勝ち鞍
2014年:NHKマイルカップ(GI)、スワンステークス(GII)、シンザン記念(GIII)、アーリントンカップ(GIII)
2016年:マイルチャンピオンシップ(GI)、阪急杯(GIII)
概要
父ディープインパクト、母*スターアイル、母父*ロックオブジブラルタルという血統。
父は説明不要の無敗三冠馬。初年度産駒からGI馬が続出し期待に違わぬ活躍を見せていた中でミッキーアイルは4世代目の産駒である。
母はアイルランド生まれの外国産馬で、現役時代は日本で走りダート短距離で2勝。祖母はフランスの重賞馬でありファミリーにはアエロリットがいる。母父もアイルランド産馬で大種牡馬*デインヒルの代表産駒の一頭で、マイル戦線を中心に当時世界最長のGI7連勝という記録を打ち立てた名馬だったため種牡馬としても大きな期待が掛けられたが、G1馬は複数輩出したものの父ほどの活躍はできなかった。瞬発力はないがスピードの持続力に長けたタイプの産駒が多く、ミッキーアイルの特徴はここから来ているという見方もある。
所属は栗東の名門:音無秀孝厩舎、生産はノーザンファーム、オーナーはミッキー冠名でわかるように野田みづき氏である。
名前の由来は冠名+母名の一部。
現役時代
2~3歳
2013年に2歳となり浜中俊とコンビを組んでデビューを迎えた9月の新馬戦(阪神芝1600m)ではスタートから若干かかり気味になるがなんとか抑えて先頭集団の外外を進み、直線では一度抜け出すがゴール前で良血馬アトムの強襲を受け2着に敗れる。そして衝撃をもたらしたのが続く11月の未勝利戦(京都芝1600m)。1.2倍の断然人気に支持されたミッキーアイルは1頭逃げを打ち、さらに上がり最速という競馬で5馬身差の圧勝。その勝ち時計、1分32秒3! 当然2歳コースレコード……どころか、2007年阪神JFでウオッカが記録した1分33秒1をコンマ8秒も更新する芝1600mの2歳日本レコードである。更に同じ開催の古馬GIマイルチャンピオンシップですら、当時このタイムより早い勝ち時計は2回しか出ていなかった。時計の出やすい馬場だったとはいえ驚異の記録には間違いなかった。
陣営は朝日杯FS出走を目指したが1勝馬の抽選に通らず、鞍上R.ムーアで前日の自己条件戦に回り完勝。3戦2勝で2歳シーズンを終える。
3歳となった2014年は年明けのシンザン記念(GⅢ)に出走し、ウインフルブルームに詰められながらも半馬身振り切り重賞初制覇。続いてマイルにこだわったアーリントンカップ(GⅢ)は3馬身差で危なげない勝利。
次走は当然3歳短距離路線の大目標であるNHKマイルカップ(GⅠ)に出走。2戦目で逃げ戦法を始めてからはマイルで重賞連勝を含む4連勝という圧倒的実績もあり1.9倍の1人気に推される。好スタートから持ち前のテンの速さでいつも通り先頭に立つと道中は気持ちよさそうに少し後ろを離しての逃げを打ち、レース終盤では圧倒的な伸びこそないものの府中の長い直線で続々と差を詰めてくる後続馬17頭を相手に最後まで譲らず半馬身差で勝利。5連勝でGI馬となる。次走には距離延長を嫌ってダービーではなく安田記念を選んだが記録的な不良馬場に16着と撃沈、連勝はここで途切れた。
秋は初の1400mとなるスワンSで始動。スタートは五分だったがスピードでハナを争うと少し他の馬を行かせるような素振りも見せたが結局コーナーに入るところで主張して逃げ、坂を下って直線に向くところでスパートすると内ラチに寄せつつ加速して先行勢を引き離しそのまま後方勢の追い込みもしのぎ切って逃げ切り勝ち。
しかしその後のマイルCS、阪神カップでは逃げを打てずにリズムを崩したか1番人気を裏切る13着、7着の惨敗を喫する。
4~5歳
4歳は控える競馬を試し始めて阪急杯、高松宮記念ではなんとか我慢して好位から先頭を争い2着3着と好走するが、安田記念では直線やる気をなくしたように沈み見せ場なく15着に大敗。
秋のスプリンターズSでは控えて若干かかってしまい直線いい手応えで抜け出したがゴール前で後続に飲み込まれて4着、香港スプリントも先行したが直線で突き放されて7着に敗れ、結局この年は控えたことで折り合いを欠いて終いが甘くなったりやる気をなくしたりするような負けが続き未勝利に終わる。
5歳初戦の阪急杯は主戦の浜中俊が大怪我で離脱中のため松山弘平が騎乗。このレースで久々に逃げる競馬に出ると良い時を思い出したかのように直線も凌ぎ切り1年4ヶ月ぶりの勝利を挙げる。高松宮記念は逃げ馬が多かったこともあり3番手からの競馬で、コーナーで進路をカットされながら一度は先頭に立つもビッグアーサーに競り落とされ2着。半年の休み明けで挑んだスプリンターズSは積極策から直線もよく粘ったが今度はレッドファルクスの末脚に屈しアタマ差2着に敗れる。
復帰した浜中に手が戻り1年半ぶりの1600m戦となるマイルCS。このレースも好ダッシュでハナを切り直線で並びかけたネオリアリズムに競り勝ちイスラボニータの追撃もアタマ差封じて勝利。2年半ぶりのGI2勝目を挙げる。しかし最後の直線でネオリアリズムを押し出すように大きく外に斜行しており、そこに迫っていた後続複数馬に大きな不利を与えてしまった。降着こそなかったが浜中は8日間の騎乗停止処分を受けるなど後味の悪い勝利でもあった。
その後阪神カップでは逃げ切れず6着に敗戦。翌年も現役を続行する予定だったが協議の上このレースを最後に引退し種牡馬入りした。
種牡馬時代
2017年から社台スタリオンステーションで繋養され、初年度の種付け料は150万円で147頭と交配。以降は産駒デビューで一旦種付け料が250万になるが数年で150万に戻っており、種付け頭数は毎年100頭を超えているなど一定の評価をされていると言えるが、受胎率が5,60%ほどと低めなのがネックとなっている。ディープインパクト産駒の種牡馬が社台SSに増えてきたこともあってか2024年からは優駿スタリオンステーションで種牡馬生活を送っている。
またオーストラリアでシャトル共用された年もあり、そこから生まれた産駒が現地のセールで最高値となったこともある。
重賞馬を何頭か輩出しているが気性も遺伝しているのかクセのある馬が多く、傾向としては牡馬はダート牝馬は芝のスプリント路線に強い。
中でもGⅡで圧勝するパフォーマンスを見せたかと思えば次走では制御不能になって沈むなど何かと印象に残る走りをしたメイケイエール、高松宮記念3年連続2着スプリンターズS2年連続3着で当初の主戦が本馬の相棒浜中騎手であったナムラクレアは勝ちきれないものの実力的にはGⅠ級と言える代表産駒になっている。
ディープインパクトの後継者争いは熾烈を極めているが短距離戦線で結果を出した牡馬は存外少なく、この個性を前面に出せるかが鍵となりそうだ。
主な産駒
- ウィリアムバローズ (2018年産 牡 母 ダイアナバローズ 母父 *シンボリクリスエス)
- デュアリスト (2018年産 牡 母 デュアルストーリー 母父 *エンドスウィープ)
- メイケイエール (2018年産 牝 母 シロインジャー 母父 *ハービンジャー)
- ララクリスティーヌ (2018年産 牝 母 スーパーマダム 母父 タニノギムレット)
- ナムラクレア (2019年産 牝 母 *サンクイーンII 母父 Storm Cat)
血統表
| ディープインパクト 2002 鹿毛 |
*サンデーサイレンス 1986 青鹿毛 |
Halo | Hail to Reason |
| Cosmah | |||
| Wishing Well | Understanding | ||
| Mountain Flower | |||
| *ウインドインハーヘア 1991 鹿毛 |
Alzao | Lyphard | |
| Lady Rebecca | |||
| Burghclere | Busted | ||
| Highclere | |||
| スターアイル 2004 鹿毛 FNo.6-a |
*ロックオブジブラルタル 1999 鹿毛 |
*デインヒル | Danzig |
| Razyana | |||
| Offshore Boom | Be My Guest | ||
| Push a Button | |||
| *アイルドフランス 1995 鹿毛 |
Nureyev | Northern Dancer | |
| Special | |||
| *ステラマドリッド | Alydar | ||
| My Juliet | |||
| 競走馬の4代血統表 | |||
クロス:Northern Dancer 5×5×5×4(15.63%)
関連動画
関連リンク
関連項目
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- アジアエクスプレス
- アドマイヤデウス
- アルバート(競走馬)
- イスラボニータ
- エイシンヒカリ
- オジュウチョウサン
- オナーコード
- カリフォルニアクローム
- コーリンベリー
- ゴールドアクター
- サトノアラジン
- シベリアンタイガー
- ダンスセイバー
- トーセンスターダム
- トーホウジャッカル
- ニシケンモノノフ
- ヌーヴォレコルト
- ネオリアリズム(競走馬)
- ハープスター
- ビッグアーサー
▶もっと見る
- 4
- 0pt


