デルタグリーンとは、アメリカで出版されたTRPGのシステムまたはサプリメント、あるいはそれらの総称である。
原題は『DeltaGreen』であり、クトゥルフ神話TRPGのサプリメントとしてアメリカで出版された。日本では翻訳されていないが、存在については『クトゥルフ2015』で言及されている。
出版はアメリカのペイガン=パブリッシング社(Pagan Publishing)だが、アークドリーム=パブリッシング社(Arc Dream Publishing)からも関連書籍が出版されている。
現在、本の媒体が絶版となっているが、公式サイトなどからPDF版を購入可能である。
ペイガン=パブリッシング社から出版されたデルタグリーンはサプリメントであるが、アークドリーム=パブリッシングから出版されたものはルールブックであるため、単独で遊ぶことができる。
日本での知名度は低いが、アメリカでは根強い人気を誇るTRPGである。
デルタグリーンは、神話的脅威から人類を守ることを目的としたアメリカで活動する特殊部隊である。
隊員には政府機関に勤める者が多く、組織は非公式・非合法な存在だ。
デルタグリーンのテーマは陰謀論と秘密結社であり、探索者は特殊部隊の隊員となって人類を守護するための極秘任務を遂行することになる。セッションを行う例として、Xファイルのような感じをイメージすると分かり易いだろう。
デルタグリーンでは作戦を遂行する際、無関係の人間を巻き添えにしたり、仲間を見殺しにしたりするなど、非人間的行為に踏み切らなければならないことも起こり得る。クトゥルフ神話TRPGでは探索者が犠牲にするものは己の正気度であるが、デルタグリーンの隊員が犠牲にするものは己の人間性であると言われる。
また、デルタグリーンの活動にはUFOや宇宙人のグレイ(Greys)といった存在が深く関わっている。
2002年以降のアメリカではデルタグリーンが分裂してアウトローとプログラムの2種類の組織が存在している。
互いの組織の目的は同じだが考え方が異なり、時に協力や敵対したりと持ちつ持たれつの関係性である。
デルタグリーンが2種類あることは現場メンバーにはほとんど知られていない。
デルタグリーンはFBIやシークレットサービスなど、アメリカの政府職の人間のみが正規隊員に就任できる。
偶然2つのグループが同じ事件を担当した時はアウトローのAセルとプログラムのディレクターで協議して担当を決定する。
事件を招集する際はナイトオペラという単語をキーワードにし、デルタグリーンだけがわかるメッセージを使う。
作戦名はオペレーション:フェルミナントというような英単語で決定される。
作戦開始前には上官とブリーフィングを行い、現場にはFBIやCIAなどカバーストーリーを用意して潜入する。
1969年にデルタグリーンが壊滅した後、1970年にアメリカ政府非公認で再編されたデルタグリーンである。
アメリカ政府からバックアップを受けることができず、独自の権限で神話的事件に介入し事件を調査する。
2002年以降もアウトローは存続しているが、殉職や新人勧誘が難しいため部隊メンバーの高齢化が進んでいる。
メンバーが独自に正規隊員を勧誘したりするため、その正確な人数の把握は難しくなっている。
アウトローのデルタグリーンは3人1組のセルで構成されており、A~Zの26セルが存在する。
アルファベットの番号が若いほど組織内での地位が高くなり、Aセルの部隊が総指揮を担当してデルタグリーンを取り仕切っている。
Bセルの部隊は後方支援を担当する。
Cセルの部隊は情報分析を担当している。
各メンバーはアルファベットの頭文字にちなんだコードネームを持つ。
Aセルならアダム、アンドレア、アルフォンスの3名である。
デルタグリーンの隊員は78名しか所属していない。
隊員は同じアルファベットのメンバーと隣り合うアルファベットの部隊の情報しか知らない。
だが、組織を外部からサポートする協力者が多数存在する。協力者の全てがデルタグリーンのことを熟知しているわけではない。
並の隊員よりも多くを知っているものもいれば、デルタグリーンのごく一部しか知らない者もいる。
その数はアウトローよりも遥かに多い。
また組織の部外者であるが、知らず知らずのうちにデルタグリーンの活動に協力している者も存在する。
そのような者は、デルタグリーンにとって都合のよいコマとして扱われる。
実際のデルタグリーンでの探索では、探索者は隊員か協力者か部外者の立場から神話的事件に挑むことになる。
アウトローでは主にアメリカ国内の事件を担当することが多い。
不可逆的な方法で事件を解決することを好み、広く神話的脅威に関する情報を収集することにはあまり興味がない。
被害者0目撃者0として神話的脅威の事件を処理することを良しとする。
2001年にスパイ合戦の末にデルタグリーンとマジェステック12が一つの組織に合流した後、9.11事件を契機にアメリカ政府の手で神話的脅威や対テロ目的で再編されたデルタグリーンである。
アメリカ政府のバックアップを受けることができ、協力者やアウトローからも移籍人気が高い。
メンバーは元マジェクスティック12や新人などで、一部アウトローからの移籍者も存在する。
元アウトローのメンバーは過去のデルタグリーンを語らないため、昔の事件記録が少ない若い組織である。
プログラムでは6つの部署に分かれて隊員が所属している。
プログラムのリーダーであるディレクターはD0長官部門に所属して組織全体の指揮を取る。
現場で活動する隊員はD3作戦部門に所属している。
現場から一線を退く場合はD4研究部門やD5後方支援部門などに異動することがある。
正規隊員として所属しているメンバーの数はアウトローよりプログラムの方が多い。
隊員は好きな偽名を名乗り、本名を知っている者はほとんどいない。
作戦に参加するメンバーは毎回同じになることが多いため、チーム内では顔見知りが多い。
アウトローとは異なり、プログラムはアメリカという国を強くするために神話的知識を収集する。
元の組織であったマジェスティック12の目的が残る組織であると言える。
NASAやCIAなどのバックアップを受けて活動できる。
イラク戦争にプログラムが参加したことで、海外へプログラムのメンバーが進出し活動範囲を世界各国に広げた。
外国で活動する場合はCIAや外交官などのバックアップを受けて神話的脅威に対応する。
1920年代から1990年代の期間を対象に、「デルタグリーン」と「マジェスティック12」と「カロテキア」と「フェイト」と「ソーサーウォッチ」に関する成り立ちの歴史を説明し、職業と技能と銃火器のデータが書かれた基本ルールブック。
21世紀を舞台にアメリカやイギリスやロシアの抗組組織やカルトを取り扱ったサプリ。シャッガイからの昆虫にまつわるイギリスの抗神組織「ピスケス(PISCES)」とテロリスト「第三の目の軍隊(The Army of the Third Eye)」、ロシアの抗神組織「GRU SV-8」とシュブ・ニグラスにまつわるロシア正教会系カルト「スコプチ(The Skoptsi)」、マジェスティック12がエリートをテストする機関「アウトルック・グループ(The Outlook Group)」、神話的なテレビ番組を放送する超常現象専門チャンネル「フェノメン-X(Phenomen-X)」、元CIA航空貨物輸送会社で麻薬カルテル組織「タイガー・トランシット(Tiger Transit)」、アーティファクトを管理するアメリカ自然史博物館「Dスタック(The D Stacks)」、マンハッタンの地下で異教徒のグールの群れと戦う伝説のグール「信仰の守護者達(The Keepers of the Faith)」、「ハスター(黄衣の王)」に関する神話やハスター・タロット、他にも新職業や新技能(超能力やオカルトの細分化)、シナリオなどが収録されている。
デルタグリーンの敵対組織や陰謀について取り扱ったサプリ。武装によって強化されたミ=ゴとそのテクノロジー、犯罪組織フェイトのリーダーや幹部や組織形態の詳細についてやファイト構成員探索者の作成方法、第二次世界大戦時に磁場発生装置テスラコイルで駆逐艦をステルスにして消したというフィラデルフィア実験にまつわる神話的な陰謀「レインボー・プロジェクト(PROJECT RAINBOW)」、デルタグリーンが神話的な危険物を管理するエリア「グリーン・ボックス(Green Boxes)」、追加ルールで通信セキュリティやハッキングや尋問や感情的な殺人事件の詳細についてを解説し、シナリオも収録されている。
デルタグリーンの戦う脅威や敵対組織、味方について取り扱ったサプリ。南アラスカの寒い海域の島に蘇る現代のインスマス「ブラック・コッド・アイランド(BLACK COD ISLAND)」、カナダの抗神組織「M-EPIC」、アメリカの麻薬神話カルト 「ワームの弟子達(Disciples of the Worm)」、フランスの魔術結社「デモンテ・クラン(The DeMonte Clan)」、肉体からの解放と世界征服を目論むニャルラトホテプのカルト「超越カルト(The Cult of Transcendence )」、他にも追加ルールとして銃火器による戦闘オプションやストレス障害やフラッシュバックやDNA分析の解説、デルタグリーンで遊ぶためのヒントなどを収録している。
2016年におけるデルタグリーンの扱いに関する説明とデルタグリーン・エージェントハンドブックに載っている遊び方が簡略化された基本ルールとサンプルシナリオを収録したサプリ。公式サイトで無料配布を行っている。
2016年時点で過去に発売されていたデルタグリーンサプリのルールが整理され、クトゥルフ神話TRPGとの世界観を保ったまま、この一冊でデルタグリーンで遊べるよう独立したルールブックになった。キャラクターメイキング等、遊び方のルールについて書かれておりプレイヤー向けの内容である。
デルタグリーン:エージェントハンドブックと内容が対応し、2016年における現代デルタグリーンの詳細な説明、敵対組織や神話生物、シナリオを収録したキーバー向けのサプリである。
デルタグリーンのTRPGライセンスは、アメリカのデルタグリーン公式サイトで質疑応答がなされている。
デルタグリーンの資料や素材をオンライン上の個人のウェブサイト、ポッドキャスト、ビデオ、その他のメディアで非商業利用することを推奨している。
デルタグリーンの本やダウンロードを販売することはできない。また、デルタグリーン・パートナーシップの書面による明確な許可なく、デルタグリーンの商標や所有物の一部を商業出版物や販促物に使用することは許可されていない。
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最終更新:2024/12/21(土) 20:00
最終更新:2024/12/21(土) 20:00
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