るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚・北海道編-とは、和月伸宏による漫画である。
るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-の続編であり、前作から約5年後を舞台としている。
2023年11月現在、ジャンプスクエアにて連載中。単行本既刊9巻。
概要
2016年12月号・2017年1月号に読みきりの前後編として序幕『-るろうに剣心・異聞- 明日郎 前科アリ』が掲載、2017年10月号から正式連載となった。作者の不祥事を受けていったん連載休止となったが、2018年7月号から連載を再開している。2024年6月号より原作者が体調不良によって再び休載。同年の10月号から作者の体調不良を理由に正式に一定期間休養することとなった。
なお、本作にはストーリー協力として小説家であり、原作者の妻である黒碕薫が携わっている。
構想
構想は『るろうに剣心』が週刊少年ジャンプに連載されていた頃からあり、北海道を舞台として西部劇のような話を展開させ、生き残った十本刀などが活躍するはずだったという裏話が公式ファンブックで語られていた。そこから二十年近くが経過し、実写映画化、それに伴うキネマ編連載などを経て、とうとう幻の構想が実現されることになった。
あらすじ
序章
5年の収監を終えて文明開化真っ盛りの明治の世に放たれた少年「長谷川悪太郎」。彼は同時に釈放された「井上阿爛」とともに、「久保田旭」ら志々雄一派残党から追われることになってしまう。
彼らの目的はかつての志々雄の愛刀「無限刃」。悪太郎は以前は志々雄一派の下っ端であり、アジトが炎上する際に「無限刃」を持ち出していたのである。無数の人を斬ることを目的とした悪鬼の刀はなぜか悪太郎の手によくなじんだ。
残党たちに追われるなか、悪太郎は「無限刃」を抜こうとするが、その直前で「緋村剣心」が止めに入った。残党は剣心によって散らされ、悪太郎と阿爛は神谷道場預かりとなるのだった。
本編
明治十六年、神谷道場。そこでは一児の母となった神谷薫とその夫緋村剣心が見守るなか、師範代明神弥彦を筆頭に多くの門下生があふれ、かつてとは打って変わった賑わいを見せていた。
明日郎、阿爛に加え、旭も引き取った神谷道場だったが、旭が持っていた写真には西南戦争で死んだと思われていた薫の父「神谷越路郎」が写っていた。写真の裏地には署名と共に北海道函館と書かれており、剣心と薫は剣路を連れて父を捜しに北海道へ向かうこととなる。そして、なぜか明日郎、阿爛、旭も同行する事に。
一方そのころ、北海道では「剣客兵器」を名乗る謎の一団が函館山を占拠し、北の大地に嵐が吹き荒れようとしていた。
登場人物
新規登場人物
- 長谷川悪太郎/明日郎(はせがわ あしたろう)
- 「序章」にて5年の収監を終えて釈放されたかつては志々雄一派の下っ端だった16歳の少年。
- 志々雄の愛刀「無限刃」を受け継いでいる。
- 「序章」にて神谷道場預かりとなった際に、阿爛の提案で名前の漢字を変えている。
- 神谷道場預かりとなった後も何度も騒動を引き起こしている。無限刃を抜いた際には志々雄の秘剣を使いこなしたこともある。
- 井上阿爛(いのうえ あらん)
- 「序章」にてアメリカへの密航に失敗し捕まっていたところから保釈された16歳の少年。
- 肉体を動かすことは苦手であるが、明日郎の傍若無人振りに振り回されることになる。
- 当初は黒に染めていたが、実は金髪。幕末にやって来た外国人と日本人娼婦との間に生まれた混血児である。
- 久保田旭(くぼた あさひ)
- 「序章」では志々雄一派の残党として活動していた女隠密。他の二人より少し年上。
- 本編では実は志々雄一派には人材派遣として出向していただけであったことが判明し、元締めの組織から脱しようとしたところを神谷道場に保護される。
- 「序章」と本編でキャラデザインが若干変わっている。「序章」では隠密衣装のアレンジに長い髪だが、本編では女生徒衣装に左右に広がったふわふわのボブカットとなっている。
- 永倉新八(ながくら しんぱち)
- 元・新選組二番隊組長であり、同じく実在した人物。斎藤、沖田にならぶ新撰組最強の剣士のひとり。
- 史実の通り、現在は妻の実家である杉村家に婿入りし杉村義衛(すぎむら よしえ)と改名、北海道の樺戸集治監で剣術師範を務める。
- 「明治の死に損ない」を自称する大味な人物。宗次郎と一戦交えた後、宗次郎と安慈を仲間にした後に剣客兵器に対抗する猛者として剣心や斎藤たちと合流。
前作からの続投登場人物
- 緋村剣心
- 逆刃刀を弥彦に譲っていたが、本気で戦う時は弥彦から一時的に返してもらっていた。
- 北海道の旅に際して、弥彦から正式に逆刃刀を返却され、再び飛天御剣流を振るうことになる。
- しかし、前作終盤で言及されていた通り飛天御剣流を振るうのに肉体がついて行けなくなりつつある。
- 神谷薫
- 神谷道場の道場主を続けているが、指導は主に弥彦に任せているようで剣路や三人組の世話がするのが多くなっている。
- 緋村剣路
- 剣心と薫の息子。のちには天性の剣の才を開花させるという設定もあったが、現状ではまだまだ無力な子供である。
- 明神弥彦
- 神谷活心流師範代となり、神谷道場で指導に当たる。北海道への旅には同行せず、留守を任された。
- 剣心から逆刃刀を託されていたが、その扱いの難しさを指摘し、今だ自分には完璧には扱いきれない事を自覚。
- 北海道に同行できないことと合わせて、一時逆刃刀を剣心に返却した。
- 相楽左之助
- 赤べこのツケを踏み倒してアメリカに渡っていたが、帰国。横浜と間違えて函館に到着するなど方向音痴も相変わらず。
- 斎藤一
- 「剣客兵器」に単身挑むが、剣客兵器の謎の技術により左腕を折られる。しかし、三島の機転と剣客兵器側の事情により剣客兵器の一人である凍座白也の捕縛に成功。
- 左腕の治療のため一時戦線離脱するも、剣心たちの北海道上陸後に腕を吊ったままの状態で合流した。
- 三島栄次
- 前作にて志々雄一派に占領されていた新月村出身の少年。志々雄一派には家族を皆殺しにされている。
- 志々雄一派が村を去った後も村は維持できず、三島は斎藤に引き取られ、会津の妻の実家で育てられた。
- 17歳になると軍人を志願。今回の函館山占領事件で斎藤に同行していた。
- 武田観柳
- 全財産を賄賂につぎ込んで死刑を回避し、北海道の樺戸集治監で労役に科せられていたが、劍客兵器の襲撃に乗じて脱獄し、商人として再起を図る。
- 「雅桐倫倶(ガトウリング)」という偽名を名乗り、万鉄刀を小樽のあちこちに売る。
- 塚山由太郎
- 「塚山商会」の若旦那となり、若き商人として活躍。燕に粉をかけようとし、弥彦に成敗されそうになっている。
- 三条燕
- 赤べこの看板娘。弥彦とは周囲からも公認の仲となっており、同棲を持ちかけられる。
元十本刀
- 瀬田宗次郎
- 人生の答えを見つけるべく日本各地を放浪。永倉新八と一戦交えた後に彼と安慈と共に剣心達と合流する。
- 剣心達と共に闘えば答えの手がかりが見つかるかもしれないという理由で対劍客兵器の討伐部隊に加わる。
- 三島栄次から凄まじい憎悪を向けられた際は、臆面も無く笑顔で謝り、余計に栄次の逆鱗に触れている。
- 悠久山安慈
- 樺戸収治監に収監されていたが、劍客兵器の襲撃前に永倉新八と共に函館に向かう。
- 5年ぶりに再会した宗次郎も加えて、大罪の身でありながらも世に尽くすべく討伐部隊に加わる。
- 剣心や左之助から信頼を寄せられ十本刀のリーダーを任される。
- 沢下条張
- 無罪放免と極上の刀一振りを褒賞に討伐部隊に加わるも、斎藤からは鎌足、蝙也と共に「前座」と言われる。
- 本条鎌足
- 無罪放免と「ヒミツ」の約束事を褒賞に討伐部隊に加わる。栄次が志々雄のことを「糞野郎」と罵倒した際は瞬時に鎌を突きつけた。
- 刈羽蝙也
- 無罪放免と新型飛行機器の研究開発を褒賞に討伐部隊に加わる。
剣客兵器
遡れば鎌倉時代からどの勢力にも属さずに北海道にこもり、ひたすら強さを求め続けてきたという謎の武装集団。
構成員の各々が超常の能力を身につけており、ライフルなどの銃火器さえも物ともしない脅威の戦闘力を持つ。
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関連項目
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