麒麟がくるとは、2020年1月19日から2021年2月7日まで放送された、第59作目の大河ドラマである。
概要
1991年に放送された大河ドラマ「太平記」の脚本を務めた池端俊策がメインライターを担当する、原作の無いドラマ書き下ろしの作品で、明智光秀を主人公とした大河ドラマ。主演は長谷川博己。
大河ドラマの原点に戻る「一大叙事詩」を銘打ち、謎に包まれた明智光秀の前半生にもスポットライトをあて、戦国時代の転換点である本能寺の変へと向かっていくものとなるようだ。タイトルの麒麟には、16世紀の混迷の中における仁徳の王の化身の意味合いが込められており、果たして麒麟を指すのは誰のことなのか?というのも、本作の見所の一つとなっている。
また、作風は伝統的な王道の大河ドラマである一方、時代考証の面においては最新の研究動向も取り入れており、父子二代で国盗りを成し遂げた斎藤道三、保守的で中世的な織田信長、権謀術数にたけた足利義昭といった面にもスポットライトを当てる一方、明智光秀のスタート地点は従来通りの美濃斎藤家家臣であるように、ある程度折衷的なものになっている。
なお、帰蝶役は当初沢尻エリカが予定されていたが、2019年11月16日に発覚した薬物問題によって降板し、5日後の11月21日に代役として川口春奈が選ばれ、初回分から撮影が撮り直されている。
上記の不祥事に加え、本来2020年夏に開催される予定だった2020年東京オリンピック、パラリンピックの大会放映に伴う計5週分の放送休止分の放映話数の短縮、さらに新型コロナウイルスの影響により撮影が中止に追い込まれた為6月7日から8月までの放送休止が決定。上記の東京オリンピックが1年後に延期により生じた放送分をもってしても足りないことから話数短縮も危惧されたが、8月30日より当初の予定通り全44話での放送となる。
スタッフ
- 脚本:池端俊策、岩本真耶、前川洋一、河本瑞貴
- 音楽:ジョン・グラム
- 語り:市川海老蔵(本編)、川口春奈(総集編)
- 時代考証:小和田哲男
- 風俗考証:佐多芳彦
- 建築考証:三浦正幸
- 医事考証:星野卓之
- 古文書考証:大石泰史
- 殺陣武術指導:久世浩
- 馬術指導:田中光法
- 所作指導:花柳寿楽
- 芸能指導:友吉鶴心
- 資料提供:小和田泰経
- 衣装デザイン:黒澤和子
- 制作統括:落合将、藤並英樹
- 演出:大原拓、藤並英樹、一色隆司、佐々木善春、深川貴志
登場人物・キャスト
明智家
- 明智十兵衛光秀(演:長谷川博己)
- 煕子(演:木村文乃)
- たま/細川ガラシャ(演:芦田愛菜)
- 牧(演:石川さゆり)
- 明智光安(演:西村まさ彦)
- 明智左馬助(演:間宮祥太朗)
- 明智光綱(演:尾関伸次)
- 藤田伝吾(演:徳重聡)
- 斎藤利三(演:須賀貴匡)
織田家
- 織田信長(演:染谷将太)
- 帰蝶(演:川口春奈)
- 織田信忠(演:井上瑞稀)
- お市(演:井本彩花)
- 織田信秀(演:高橋克典)
- 土田御前(演:檀れい)
- 織田信勝(演:木村了)
- 織田信広(演:佐野泰臣)
- 織田信光(演:木下ほうか)
- 織田彦五郎(演:梅垣義明)
- 斯波義統(演:有馬自由)
- 羽柴秀吉/木下藤吉郎(演: 佐々木蔵之介)
- なか(演:銀粉蝶)
- 黒田官兵衛(演:濱田岳)
- 平手政秀(演:上杉祥三)
- 柴田勝家(演:安藤政信)
- 佐久間信盛(演:金子ノブアキ)
- 丹羽長秀(演:松田賢二)
- 前田利家(演:入江甚儀)
- 毛利新介(演:今井翼)
- 森蘭丸(演:板垣瑞生)
美濃の群雄
- 斎藤道三/利政(演:本木雅弘)
- 斎藤義龍/高政(演:伊藤英明)
- 深芳野(演: 南果歩)
- 小見の方(演:片岡京子)
- 斎藤孫四郎(演:長谷川純)
- 土岐頼芸(演:尾美としのり)
- 土岐頼純(演:矢野聖人)
- 稲葉一鉄/良通(演:村田雄浩)
- 日根野備中守(演:山本浩貴)
室町幕府
- 足利義輝(演:向井理)
- 足利義昭/覚慶(演:滝藤賢一)
- 三淵藤英(演:谷原章介)
- 細川藤孝/幽斎(演:眞島秀和)
- 細川忠興(演:望月歩)
- 一色藤長(演:上杉柊平)
- 細川藤賢(演:島英臣)
- 摂津晴門(演:片岡鶴太郎)
- 足利義栄(演:一ノ瀬颯)
朝廷
三好家
畿内の群雄
松平家/徳川家
今川家
朝倉家
武田家
市井の人々
- 駒(演:門脇麦)
- 菊丸(演:岡村隆史)
- 望月東庵(演:堺正章)
- 伊呂波太夫(演:尾野真千子)
- 今井宗久(演:陣内孝則)
- 島井宗室(演:花柳寿楽)
- 宗次郎(演:大塚明夫)
- 伊平次(演:玉置玲央)
- トメ吉(演:濱津隆之)
- 芳仁(演:ベンガル)
トリビア
- どういうわけか、飲料系CMと妙に縁が深かった。第2回で本木雅弘演じる道三が、主君の土岐頼純を茶に毒をもって暗殺する場面が描かれると、本木が伊右衛門のCMに出ていることからTwitterで伊右衛門がトレンド入りした。また、本作のナレーションを担当している市川海老蔵はお~いお茶のCMに出演しており、こちらもトレンド入り。その後、別の回で土岐頼芸が鷹を使って道三を暗殺しようとすると、綾鷹までトレンド入りした。
- 放送終了から約半年後、キリンビールのスプリングバレーのCM
で、光秀役の長谷川博己と信長役の染谷将太が再共演を果たした。そのメイキングやインタビュー映像では、話題の半分近くが麒麟がくるの話になっているのはご愛敬である。
- 一部の回は、ウルトラセブンのパロディになっていると話題になった。ただし、毎回パロディになっていたおんな城主直虎やいだてんと異なり、毎回ではなかったため、いつしか話題に挙がらなくなってしまった。
- 第一回では、声優の大塚明夫が鉄砲商人役で出演して大きな反響を呼んだ。松永久秀役の吉田鋼太郎とは旧知の仲で友情出演に近い形での登場となった。なお、父で同じく声優の大塚周夫は、大河の常連俳優でもあった。
- 本作の所作指導を行い、最終回にもカメオ出演した舞踊家の花柳寿楽は、1992年の大河ドラマ「信長 KING OF ZIPANGU」では足利義昭を演じている。また、能舞台のシーンで地謡を歌った佐久間二郎は、2007年の大河ドラマ「風林火山」で織田信長を演じている(敦盛を舞うシーンで影のみの登場)。
関連動画
関連項目
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- 26
- 0pt