陸奥(艦これ)とは (ムッチャンとは) [単語記事]

「あまり火遊びはしないでね。お願いよ？」

陸奥(むつ)とは、ビッグ7の1隻である大日本帝國海軍の戦艦陸奥をモデルとした、艦隊これくしょん～艦これ～のキャラクターである。
CV：佐倉綾音、デザイン：しずまよしのり

長門型戦艦2番艦の陸奥の概要よ。よろしくね。

同じ長門型戦艦である長門とほぼ同型の衣装をまとっている。スカートの黒白が逆転し胸部衣装の細部が赤になっている他、腕や頭部の角信号桁・左脚に巻き付けた錨など、艤装や衣装の細かい造作が姉の長門と異なるので実際の戦艦と違って見分けやすい。（実際の方はほぼ間違い探しレベルで、昔のキットだと無視される程度の差しかなかった。実際の航行中の写真でも、「写っているのは、長門か陸奥のどちらか」とされているものがあったりする）

長門が黒髪ロングなのに対して陸奥は茶髪ショート、信号桁をカチューシャとして頭に付けているのは長門と同じ。
超弩級戦艦としての自信を漂わせつつもいかにも女子らしい話し方(特に語尾)や、程よくフランクな人当たりから、武人然とした長門に比べ女子力が高そうと形容されることもしばしば。特に最近の限定ボイスではやや脳筋ポンコツ化（陸奥いわく「意外と不器用」）しつつある長門のフォローをする事も多く、どちらが姉かわからないような状況になってきている。
親しみやすさを漂わせるせいか、提督諸氏の間ではむっちゃんの愛称が定着している。^[1]

しかし、その特徴は何と言っても、実戦で戦果を挙げる事なく柱島泊地で爆沈した悲劇による運の低さとそれを元にしたエロい台詞にある。

性能としてはさすが長門級、トップクラスの攻撃力と防御力を兼ね備え、それなりの燃費なのだが、史実の通り柱島泊地でいきなり爆沈した事から運が3（改装してやっと6）と全艦娘中最低値を記録していた。^[2]

普通に運用している場合には問題無いのだが、猛烈に低い運のせいで夜戦等の肝心な場面では攻守ともに踏ん張りが利かない事が多いので微妙に使いづらい。
尤も、最近では敵の火力や装甲がインフレじみてきている事もあって、夜戦のない連合艦隊の第一艦隊への大口径砲搭載可能艦の需要が増えているため、決していらない子扱いという訳ではない。

第3砲塔が爆発した事から中破時に「爆発なんてしないんだからぁ！…んもぅ…」と言ったり、非常に火気に対して敏感である。
秘書にした時なども「だから、私の中で火遊びはやめてって言ったでしょ？！ねえ聞いてる？！」と非常に火気に対して敏k…ん？中？
間違っても音声を編集してつないじゃ駄目だぞ！^[3]

入手難易度が難しい長門型において（長門と比べて）比較的出やすいが、運の低さから嫌われる事も多く、同性能で運のみ高い事実上の上位互換となる長門や、建造可能な艦としては最高レベルの入手難度となるビスマルク（長門型と同じ建造時間である）を目当てに建造を試みる提督諸氏からは陸奥になるビームはじめネタとしていじられるかわいそうな子である。
長門みたいに連合艦隊旗艦を事あるごとに自慢してこない良い子なのにね。（連合艦隊旗艦は長門⇔陸奥で交互にやっていた）

2014年 1月のメンテナンスでは、改造後の一部ボイスが更新/追加された。
「提督に脈アリな素振りをチラつかせて誘惑するいけないお姉さん」といった雰囲気は、自分を改造するまで育ててくれた提督に心を許しつつあることの表れであろうか。こんなセリフ囁かれたらもう我慢できない！むっちゃん！艦内(なか)で火遊びするぞ！彼女が好きな提督は聴いてみる価値が大いにアリなので、運の低さなど気にせず活躍の場を与え、ぜひとも改造可能なレベル(Lv30)まで育て上げて欲しい。

2016年 9月発売のコンプティークにて浴衣姿のむっちゃんが表紙を飾り、全国の書店に並ぶというファン感涙の光景となった。そして数日後の9月16日のメンテナンスで待望の限定グラとして実装。長門型としても初の限定グラである。

女神

彼女には「ラバウルの女神」との愛称がある。この由来は某掲示板でのラバウル民スレでの長門を狙っての建造で、常に陸奥ばかりしか出ない一部の提督の声からである。だが、共に戦線を潜り抜け幾多の困難を越えてきた歴戦のラバウル提督の中には陸奥とケッコンカッコカリをする者も多いとか多くないとか？

なお現在、艦これ界にはイチオシの艦娘を教祖・または信仰の対象とする様々な宗教が存在するが、上記のように女神として崇拝されてきた下地があったお陰か、陸奥を崇拝する一派、いわゆる唯一神「アラアッラー」を信仰するムツリムは艦これ三大宗教の一つとして数えられるほどの勢力を誇っている。
たまに艦これ四大宗教と言う場合もあるが、どちらにしてもムツリムは確定で数えられる。ムツリムには更に『ヒアソビ・シーヤ派（是非むっちゃんとエッチなことをして楽しみたい派）』、『ヒアソビ・スンナ派（プラトニックでもむっちゃんは十分魅力的だよ派）』が存在しており、ムツリムも決して一枚岩ではない。

長門、私の改二よ？いい、行くわよ！！

2019年 2月27日のアップデートにて陸奥に改二が実装された。容姿に関しては2019年 2月頭にコンプティーク 2019年 3月号の電子公告で既に秋葉原等の一部地域(駅構内の液晶モニター)で告知されており、2月10日発売の3月号にて正式に発表されるなど、実装前から全身像が明らかになった珍しいケースである(実装前に公表されたケースだと由良改二もあるが意匠自体は借り物であるため、正式に公表されたのは陸奥改二が初)

長門改二とほぼ同じデザインだが、陸奥改二は長門改二で観られた黒のインナーは身に着けておらず、以前の白手袋及び三式弾風のハイソックスにミニスカートは健在なので提督諸兄は安心されたし(長門改二も同様のスタイルなのだが長門の場合はアングルの関係で上着が目立つため、下の衣装がかなり隠れてしまっている)

同時に新規セリフ及び時報も導入され、武人肌の長門とは対照的に甲斐甲斐しく提督と長門に世話を焼く若奥様という趣であり、料理の腕も大和に匹敵するほどで秘かに対抗意識を持っていた事が明らかになった(長門や大和ばかり旗艦を主張しているが、キャリアからすれば陸奥は長門に次いで聯合艦隊旗艦を長らく務めた存在であり同時にお抱えのシェフからして料理上手である証明とも)

交流関係も赤城・加賀の一航戦、第七駆逐隊、ネルソンと幅広く、何より提督と二人きりの時(総員起こしの時間である午前6時まで)は「あなた」と呼称を変える提督LOVE勢には思わぬ伏兵となった・・・夜中二人でナニをしているかは提督各位の想像に委ねたい。

第三砲塔を敵に指向。逃さないわ、撃てっ！

戦力的にも長門改二とほぼ同等で改装レベル及び資材は長門改二とほぼ同値(LV89。必要資材・設計図1枚、弾薬8800鋼材9200)基本能力もほぼ同等(装甲は1低いのに対して対空は2高い。耐久も99で頭打ちであり、改装前に行うケッコンカッコカリや海防艦を使った耐久増加もキャンセルされる)また小さい変化ではあるが、運も「13」まで上がり(扶桑改二と同値)不幸艦扱いも払拭されたとも。

装備も長門改二と同じ試製41cm三連装砲及び大型バルジを持参。だが、長門改二で装備出来た大発動艇系統の装備は特二式内火艇のみ、小口径主砲の搭載は不可能である。
その代わりと云うべきかロケットランチャーことWG42が純粋な戦艦としては唯一装備可能になっており、三式弾系統を装備すると火力補正が付くので対地攻撃力のシナジー効果は長門改二とは別の計算式が要求される…「火遊びはダメよ」と言いながらもロケットランチャーと三式弾という可燃物の塊のような組み合わせで火力が出るのはいかがなもんかと思うが、実際火力出るんだから火遊びしたくなるってもんで…あ、憲兵さん違うんです(以後通信途絶)

特殊攻撃『長門、いい？いくわよ！主砲一斉射ッ！』(長門改二の「一斉射か、胸が熱いな！」)も同条件で発動。こちらも二番艦に長門改二が居ると補正がさらに上がる。また長門改二と互いが二番艦の場合、それぞれ特殊カットインの姿になる。腰だめに構える長門改二に対して、陸奥改二は舞台女優の如き腕を掲げた華麗なポーズで決める。

同時アップデートでネルソンが二番艦の際にも火力補正が付くようになっており(運営鎮守府からのツィートにて)更に発動条件である梯形陣も昼砲撃戦の火力の-補正が緩和され(係数0.6⇒0.75になり複縦陣と僅差に)火力低下のリスクがかなり軽減されている。長門改二・ネルソンとの特殊砲撃運用なら補正後はほぼ単縦陣と同等の火力になり、砲撃回数の増加が見込める。

(上記の装備補正含めて)戦闘時は以前は気にしていた第三砲塔をむしろ積極的に運用するというトラウマ克服とも云える発言が目立っている。なお中破するとその第三砲塔が丸ごと吹っ飛ぶという事態になっている。

史実よ。え？主砲火薬庫爆発事故？まあ、隠してもしょうがないわね。今度は大丈夫よ！

詳しい内容はこちら　→　戦艦陸奥

姉の長門に遅れて建造が開始された長門級の2番艦。横須賀海軍工廠で起工。

だが、戦艦陸奥の生涯は誕生する前からいきなり暗雲が立ち込めた。ドッグにて建造中、折しもワシントン海軍軍縮条約が締結されたことによって「現在、建造途中であろうと未完成の艦艇はすべて廃棄する」事が決定したのである。当然、建造途中であった陸奥が廃棄となるのは確実だったのであるが、最新鋭戦艦である陸奥の建造・保有に執念じみた情熱を傾けていた大日本帝国海軍はこれを誤魔化すことを決定、そのために並々ならぬ犠牲が払われた。ワシントン海軍軍縮条約では「もう完成している上、海軍で今実際に稼働している戦艦」は廃棄対象とはならないため、陸奥は内装が未完成のまま無理やり竣工し、カラッポの医務室にわざわざ多数の怪我人病人を病院から運び込んだりして稼動状態であるように偽装し、これを逃れようとした。

当然そんな子供騙しが通じるはずがなく、米英からは「おい、あいつズルしてるぞ」と査察まで受ける羽目になったのだが、何としても陸奥を保有したい日本海軍は調査の妨害と接待攻勢を仕掛け、それでもダメだとわかると最後には「そちら様の国にある未完成艦の工事も続行して構いません！　すみません陸奥だけは許してください！　なんでもしますから！」と必死に陳情し、なんとか保有を許された。

この結果、長門、陸奥以外にも41cm 砲を積んだ5隻の戦艦が米国に三隻、英国に二隻誕生し、これが後にビッグ7としてあまねく全世界に名前を轟かせることになる。つまり、日本が陸奥の建造についてダダ捏ねしなければ『ビッグ7』などというスター集団は生まれ得なかったのである。

ちなみに、海軍の中でもワシントン海軍軍縮条約批准時のズルを批判したグループがあり（条約を守ろうとした＝条約派と呼ばれる）、その一人である山本五十六は「陸奥一隻のために、随分と米英の戦力を強化してやったもんだ」と皮肉っている。まぁ、こっちが一隻造るために向こうに五隻造らせてあげたのだから、そう言いたくもなる。

しかし、それによって完成した米英の戦艦が既に旧式艦であったことを考えれば、長門型の二番艦、それも当時、世界最高峰の造船技術の粋を集めて生まれた戦艦陸奥は文字通りの『世界最新鋭・世界最強』を謳われるにふさわしい船であった。時代に翻弄された誕生秘話の紆余曲折もあり、姉の長門以上に国民に親しまれていたようである。

その後、横須賀工廠で近代化改装を受ける。主砲と副砲の仰角を引き上げた事により射程が向上し、他にも缶の換装や艦尾の延長、装置の新式化、水平・水中防御の強化など様々な改良を施された。1936年 9月、改装完了。
太平洋戦争開戦後はこれと言った活躍も無く、ミッドウェー海戦には主力部隊として参加したが、機動部隊が壊滅して何もせず帰ってきたためピクニック状態。

1942年 7月22～29日にかけて呉工廠に入渠。同年10月に生起した第2次ソロモン海戦には前進部隊の主力として参加したものの、瑞鶴・翔鶴の機動部隊が30ノット越えの猛機動で空母決戦をした為、20ノット強の速力しか出せない陸奥を含む前進部隊ではとても機動部隊には追いつく事は出来ず、なんと護衛の駆逐艦を付けられて前進部隊から置いていかれる事態となった。かつては海軍の主役と持て囃された戦艦が戦場の真ん中で邪魔者扱いされて置いていかれてしまい、乗組員はひどく落胆してかける言葉もないほどの落ち込みであった。むっちゃんのマジ泣きが私には見えるよ…。南方から帰還した後、陸奥は1943年 1月29～2月6日まで横須賀工廠に入渠。

その後は燃料不足や速力の不足、そしていつもの「戦艦の出し惜しみ」から戦果を上げる事が出来ず、他の主力戦艦と同じように無駄に時を過ごす筈であった。

そう、あの時までは。

戦艦『陸奥』、謎の大爆沈

1943年 6月8日、船体についた牡蠣殻をこそぎ落とす作業のため（船底に牡蠣殻などがひっついていると抵抗で速力が落ちるため、定期的にこそぎ落とす必要がある）広島県呉沖の柱島泊地で停泊していた陸奥では、昼から長門にブイを譲る為の移動準備が行われていた。

そして長門が見守る正午過ぎ、折から降り続いていた霧雨がもたらした濃霧によって柱島近海がすっぽりと白い靄に包まれる中、突如として陸奥の第3砲塔付近が大爆発を起こし、重量360tを誇る砲塔が艦橋付近まで飛び上がった。

尋常ならざる大爆発の衝撃は一瞬で船体を真っ二つにへし折り、急速に右舷側へと傾斜した『陸奥』は、そのまま為すすべなく水底へと消えて行った。ビッグ7の1艦として名を馳せた戦艦にしてはあまりにもあっけなく、そして悲しすぎる最後であった。

ビッグ7の一角として国民に親しまれた陸奥の爆沈は国民の士気にかかわる事として秘匿され、呉鎮守府や海軍省は陸奥が謎の爆沈を遂げたことを軍機扱いとし、終戦まで陸奥の爆沈が公になる事は無かった^[4]。
しかしながら戦艦、それもビッグ7の1隻が戦わずして喪失という事態に査問委員会が編制されて原因究明にあたったが、乗員の半数以上が死亡した為に配置等の詳しい情報が解らず、いまだに詳しい原因は不明である。

爆発の原因

有力な爆発の原因として、

敵潜水艦による魚雷攻撃
不発の爆雷による事故
主砲三式弾の自然発火による事故
スパイによる破壊工作
乗員の放火・自殺

などが取り上げられた。

まず仮説1の「敵潜水艦による魚雷攻撃」という説だが、これは終戦後70年が経過した現在ではほぼ有り得ない仮説となっている。
戦後の今日も、あの日、戦艦陸奥を秘密裏に攻撃したと名乗り出た連合国側の潜水艦が存在していない事実、柱島近海は水深が浅く、潜水艦が魚雷攻撃を行うことが事実上不可能であるという事実、生存者の誰もが爆発の直前に、魚雷の雷跡（魚雷が海中を疾駆する際に出来る、海中が泡立った跡）を目撃していないこと、そもそも陸奥ともあろう堅牢な戦艦が魚雷数発で大爆沈することが考えにくいことなどから、事故発生当時からこの仮説は否定されていた。
それでも、陸奥爆沈直後、敵潜水艦による魚雷攻撃を疑った戦艦扶桑や戦艦長門は総員配置を令し、慌てて現場海域を離れている。

仮説2の爆雷の爆発は、1941年に訓練中の駆逐艦が誤って爆雷を1発投下し、爆発しないまま放置されていたのが、たまたまこのタイミングで爆発した、という説である。しかし、海中に没した陸奥の船体に穿たれた破口がすべて内側から外側へとめくれていたこと、弾薬庫の直上に配置されていた乗員の遺体だけが揃って足首を骨折していたこと、そもそも艦の外側の爆雷一発分の爆発で弾薬庫が誘爆することが考えにくいことなどから、爆発は船体内部、それも弾薬庫付近で発生したことは明白であり、これも否定されることとなった。なお余談であるが、この爆雷を落っことしたとされたのは、艦これにも登場する駆逐艦『潮』である。

上述した理由により、爆発が船体内部より生じたことが明らかになった時点で俄然最有力説とされたのが仮説3である。これは開発間もない三式弾が、戦時下ということを鑑み、あまり安全検証がなされないままに実戦投入されていたことに由来している。しかし、その後に繰り返された三式弾の安全検証実験で、三式弾の自然発火による暴発がほぼ否定されたことや、「陸奥爆沈の際に立ち昇った煙は黄土色であった」という生存者たちの証言（三式弾の爆煙は白色である）によって、有力説ながらこれも否定されることとなった。

となると陸奥爆沈の原因を導き出す糸口は、生存者が口をそろえて証言した「陸奥爆沈の際に立ち昇った煙は黄土色であった」という証言のみとなる。これはつまり、陸奥を爆沈せしめた爆発が、ニトログリセリンと綿火薬が主成分である主砲弾用九三式一号装薬の爆発であった可能性が高いことを示している。しかし、主砲の発射に必要な装薬は、保安上の理由により円筒形の缶にそれぞれ小分け封入した上で保管されていたため、単なる爆発事故程度で陸奥のような巨大戦艦が轟沈することは考えにくいことであった。『弾薬庫に大量に保管されていたすべての装薬が、何者かの手によって人為的に連鎖誘爆しやすい状況に置かれていた』と仮定しない限りは。

以上の結果から、戦艦陸奥の爆沈事故は、何者かの手による人為的な事故、つまりテロであった可能性が高いと言われている。直前に「陸奥」で窃盗事件が頻発しており、その容疑者に対する査問が行われる寸前であったという話もあり、これが陸奥爆沈事故の引き金になったとも言われている。

そもそも、昭和以前から戦艦などの大型艦における謎の爆沈事故は多発しており、かつて東郷平八郎元帥が座乗した戦艦『三笠』ですら、日露戦争後の1905年9月11日に謎の爆発を起こし、一度は沈没しているのである。今でこそ信じられないのだが、70年前はこういった大型艦の疑惑の爆沈事故は比較的珍しい事態でなかった。
また、『地獄榛名に鬼金剛、羅刹霧島　夜叉比叡、乗るな山城　鬼より怖い』と謳われた当時の帝国海軍の大型艦特有の極めて乱れた風紀と、苛烈を極めた兵士へのシゴキが、この内部犯行説に奇妙な真実味を加えているのも事実である。

陸奥搭乗員の、他者を巻き込むことを覚悟した上での自爆テロであるのか、はてまた大日本帝国に浸透していた連合国側のスパイや共産国側の工作員によるものかは、今日に至るまで判然としていない。なお日本で最も知名度の高い艦の一隻である陸奥の爆沈という壮大な計画や戦果は、現在に至るまでいかなる組織からも公表されていない。
ちなみに、作家の梶山季之は『週刊文春』1959年の6月1日号で「陸奥爆沈は共産主義者（コミンテルン）の特殊工作によるもの」という説を唱え、日本共産党から正式に抗議されている。

ネット上では「爆沈の前夜、戦艦陸奥の第三砲塔上で踊り狂う怪女が目撃されていた」というまことにオカルトチックな怪談が囁かれているが、これは2ちゃんねるの軍事板のオカルトスレが発祥と思われ、信憑性は低い。というかそんなのが爆沈の原因なんて怖すぎる。

陸奥のその後

沈没後、すぐに引き上げと再戦力化の計画は立てられたが、引き上げたところで修理の仕様が無い（なにせ真っ二つになっているので）ため、ただでさえ戦艦の出番が少なく戦時中で余裕がないこともあって、その計画はすぐ中止となった。調査後に内部タンクに残っていた燃料を取り出す作業を実施し終了となった。再引き上げが行われたのは1971年（昭和46年）の事である（それ以前にも海底調査を行っている）現在まで船体全体の3分の2が引き上げられている。

終戦後も占領軍に遠慮して沈没したままにされた陸奥だったが、その後、意外な活躍場所を得る事になる。

戦前の鋼鉄である為、戦後製の鋼鉄と違い微量な放射性物質を含まず（戦後は製造の過程で反射炉にある組成検査用の放射能物質が含まれてしまう）、海の底に沈んでいた為に戦後一時期盛んに行われた核実験による放射能汚染もされておらず、さらに日本国内で引き上げやすい浅瀬に眠っていた事から、放射線精密測定機器の大気中からの微量な放射線を遮蔽する防護壁として有効活用されるようになる（似たような経緯で戦艦ビスマルクの鋼鉄もドイツで活用されている）。

陸奥は現在でも頑張っているのだ。
他にもこの陸奥の鉄、通称「陸奥鉄（そのまんま）」を使用して作られた鐘が全国の自治体と一部の陸奥関係者等に配られている（先日もOpen2chの艦これスレに「実家で陸奥鉄の鐘を見つけた」と言う提督が登場し、ちょっとした騒ぎになった）。

陸奥の主砲を始めとした、引き上げられた装備の一部が広島県呉市の「呉市海事歴史科学館（大和ミュージアム）」や江田島市の「海上自衛隊第1術科学校・幹部候補生学校（旧海軍兵学校)」など各地に保管・展示されており大和型登場以前の世界最大の雄姿を伝える貴重な資料である。他に多くの遺品が、柱島を臨む山口県周防大島町の東端にある陸奥記念館に収蔵されている（艦首錨と鎖・14cm単装砲・船首の一部・スクリューも野外展示されている）。

2016年 9月13日、東京都品川区(お台場)の「船の科学館」にあった主砲砲身は2020年の東京オリンピック開催に伴う再開発で科学館がリニューアルされる事を受け、故郷である神奈川県横須賀市の「ヴェルニー公園」に移設・整備されることになった。同地には姉妹艦の戦艦長門の慰霊碑もあるため、奇しくも里帰りと姉との再会を果たすことになる。

私の関連動画ね！いいわ、やってあげる！

ふ～ん…関連静画、悪くはないわね。ありがと！

やはり同級ということで、長門とコンビで描かれることも多い。

改二

MMDモデル

提督に関連コミュニティよ

第三項目…何してるの？

脚注

*どういうわけか、幼女然とした容姿でより「ちゃん」付けが自然なはずの睦月に「むっちゃん」の愛称が定着することはなかった。
*2013年 12月24日アップデートで運が2である大鳳（改造後4）が実装され、晴れてワーストからは抜け出したものの、陸奥自身の運が仕様変更で上昇したわけではないので、結局ブービーという状況でしかない。これは未完のまま接収され標的艦として沈められたドイツ空母、Graf Zeppelinよりも低い。
*とか言ってたらやった奴が出てきた→陸奥！給油（意味深）するぞ！
*国民に真相が伝えられたのは昭和20年 12月9日のGHQによるラジオ放送『真相はかうだ』だったが、沈没現場の広島周辺などでは公然の秘密として知られていた