黒い三連星

黒い三連星とは、アニメ『機動戦士ガンダム』に登場するガイア、マッシュ、オルテガの三名からなるモビルスーツ小隊である。

「ジェットストリームアタック (JSA)」という三位一体の連携戦法が有名。

概要

ジオン公国軍を代表するエースパイロットチームであり、正式名称は「突撃機動軍第七師団第一MS大隊司令部付き特務小隊」。チームの結束力は高く、その戦力も1個師団のそれに値するとまで称されている。また、運用機体にはブラック、パープル、ミディアムシーグレーの3色を基調としたチームカラーが用いられている。

テレビアニメ本編に登場したのはオデッサ作戦が描かれた第24話と第25話のみであり、さらに言えば3人が揃っていたのは第24話のみだが、「ジェットストリームアタック」のインパクトの大きさもあって「ガンダムシリーズ」を代表する話題、定番ネタの一つとしてシリーズは勿論、その枠を越えてオマージュやらモチーフとした例が作られ続けるほどガンダム史に燦然と輝くものとなっている。

一年戦争勃発当時よりザクⅡC型に乗り、その後ルウム戦役でレビル中将の座乗する艦隊旗艦の戦艦アナンケを撃沈し身柄を確保した功績を上げたことにより専用カラーのザクⅡS型を受領、その後高機動型ザクⅡを経て地球降下時にドムを受領した。

「THE ORIGIN」では、兵卒からの叩き上げの士官とされている。ランバ・ラルから「兵隊やくざ」呼ばわりされるなど素行に問題があるようで、「エリート士官」に対して非常に強い対抗心も持ち、特にシャア・アズナブルを一方的にライバル視する様子も描かれている。本編でも上官であるはずのマ・クベに対して反抗的な態度を取っていた。

メンバー

ガイア

CV： 政宗一成（テレビ版） / 徳丸完（劇場版・特別版） / 一条和矢（THE ORIGIN） / 上田耀司（GQ）

小隊長である髭面の男。フォーメーションでは先陣を切り、ジェットストリームアタックでは彼の動きを見てから変幻自在に後の二人が続く形で連携が進んでいく。アムロ・レイのガンダムに「踏み台にされた」ことで有名。三連星の中では最後まで生き残ったが、最後は2人に詫びながら戦死する。
漫画「THE ORIGIN」では「ミゲル・ガイア」というフルネームが設定されている。

マッシュ

CV：永井一郎（テレビ版） / 佐藤正治（スーパーロボット大戦シリーズ） / 土屋トシヒデ（THE ORIGIN）

フォーメーションの二番手である隻眼。ガイアの動きに合わせてフォーメーションの流れを作る調整役を担っていた。アムロとの初戦でジェットストリームアタックを破られた際に真っ先に戦死。テレビ版では一人だけ1話のみの登場となった。

オルテガ

CV： 二又一成（テレビ版） / 仲木隆司（劇場版） / 松本大（特別版） / 松田健一郎（THE ORIGIN） / 浜田賢二（GQ）

フォーメーションの三番手で、トドメを担当する巨漢。3人の中でも特に直情的。ガンダムを庇いに割って入ったミデアを叩き潰し、マチルダ・アジャンを戦死させた張本人。

経歴

宇宙世紀0075年のキシリア・ザビによる教導機動大隊創立時点で既にモビルスーツのパイロット要員として配属。同じ第2中隊D小隊に所属していたとされる。この頃、既に隊内にて優遇された扱いを受けていたという。なお、一年戦争の開戦前までには幾度かの三連星メンバーの入れ替えがあり、ガイア、マッシュ、オルテガの三人で固定されたのはルウム戦役からとも言われている。

0079年1月のルウム戦役ではザクⅡC型に搭乗し、ジェットストリームアタックによって地球連邦軍艦隊を攻撃し、その総司令であったレビル中将（当時）の座乗する旗艦アナンケを撃沈したうえ、脱出を図ろうとする中将を捕虜にする多大な戦果を挙げる。この功績によって「黒い三連星」の名は広く知れ渡り、名実共にジオンを代表するエースパイロットチームとなった。

0079年3月、乗機のザクII S型のオーバーホールに伴い、1週間の後方勤務を命令されて古巣の教導機動大隊の特別演習に参加。この際には、動態保存されていたかつての愛機のザクIがパーソナル・カラーに再塗装され、教官機として用意されている。

0079年11月、地球のオデッサへ援軍として差し向けられ、ドムを与えられる。オデッサ防衛戦ではホワイトベース隊と交戦するが、アムロ・レイのガンダムにジェットストリームアタックが攻略されたうえにマッシュが戦死。一度撤退したガイアとオルテガは翌日ガンダムに対して弔い合戦を挑むが、オルテガが撃破され、最後に残ったガイアも敗れ、黒い三連星は壊滅している。

なお、劇場版では一度の戦闘で全滅している。

ジェットストリームアタック

三連星必殺のコンビネーションにして代名詞で、相手の射線上に一直線に重なって並び、高速で接近すると共に一機の姿しか見せない状態から繰り出される三位一体の連続攻撃。

詳細は「ジェットストリームアタック」の記事を参照。

Gundam GQuuuuuuXでは…

「ジオンが連邦に勝利した」パラレルワールドの宇宙世紀0085年を描く『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』では、3人とも無事登場している。元々の一年戦争ではガンダムとぶつかって壊滅してしまった彼らだが、こちらの世界では一年戦争の英雄として生き残った。

……が、マッシュは早期に除隊してウーセン・コロニーの市長選に出馬し、保守派を破って当選した一方、マ・クベに軍を追い出されたガイアとオルテガは、一介のジャンク屋にまで落ちぶれてしまう。

ガイアとオルテガはクランバトルにも手を出しており（思ったより経費がかかるのでそろそろ止めようとしていたらしいが）、クラン・バイナリーズの「GGG」と「OOO」としてリック・ドムを駆る。コンビネーションの腕前自体は相変わらずだったが、5年の歳月は冷静な兵士としての思考を奪っており、それが彼ら自身の命取りとなる。

パロディ・オマージュ

黒い三連星をモチーフにしたキャラクターや演出は漫画、アニメ、ゲーム、CMなどさまざまなメディアで数多く制作されている。その多くは「黒いカラー」「3人組」「三位一体攻撃」「先鋒格が相手に踏みつけられる」などの共通性を持つことが多い。

ガンダム関連作品

• ハーケン隊（機動戦士ガンダムSEEDDESTINY）
  ヒルダ・ハーケン、 マーズ・シメオン、ヘルベルト・フォン・ラインハルトによるクライン派のドムトルーパー隊三人組。三位一体攻撃「ジェットストリームアタック」を披露する。
• トライスター（機動戦士ガンダムUC）
  ナイジェル・ギャレット、ダリル・マッギネス、ワッツ・ステップニーの三人による部隊でその独特な連携攻撃は、訓練記録を塗り替えた程であり結果「ロンド・ベル三連星」と呼ばれる。
• ファントム3（機動戦士ガンダムAGE）
  ゴドム・タイナム、グラット・オットー、デモン・ラージによるヴェイガンの精鋭部隊。ゴメル3機揃ってのコンビネーション攻撃「デルタアタック」を得意とする。
• 赤い二連星（機動新世紀ガンダムX）
  第1話に登場した兵隊崩れらしき男二人組の通り名もとい自称。
• 黒い三年生（トニーたけざきのガンダム漫画）
  アホな非行歴のせいで停学を繰り返し、現役高校生なのにアラサーというアホの三人組。一枚の切符で三人無理やり自動改札機を通ろうという愚挙を「ジェットストリームアタック」と称していた。

その他

• クの国の赤い三騎士（聖戦士ダンバイン）
  富野由悠季自身によるセルフパロディ。
• 3人組のパン職人（焼きたて!!ジャぱん）
  外見が3人にソックリのパン職人。パンを食べたリアクションで、リック・ドムに搭乗して宇宙でノーベルガンダムと戦うというイメージ映像を披露
• アニメ『機動警察パトレイバー』
  新OVA版の第07話サブタイトルがそのまんま「黒い三連星」。
• 2018年平昌オリンピックのノルディック複合・個人ラージヒルにおいて、ドイツ代表がメダルを独占した際、そのスーツカラーと3人の一糸乱れぬ動きがジェットストリームアタックを彷彿とさせると話題になり、twitterのトレンドに「黒い三連星」が唐突にトレンド入りを果たし、一部報道やNHKが新聞のテレビ欄でこの表現を使用していた。
• コウモリ族（ファイナルファンタジーXI）
  コウモリ族には単体タイプと3体1組の編隊タイプがいるが、後者が使う技に「ジェットストリーム」という名称のものがある。また、「Black Triple Stars」という名前のレアモンスターが登場する。

関連動画

関連静画

関連項目

• 機動戦士ガンダム / 機動戦士ガンダム THE ORIGIN / 機動戦士Gundam GQuuuuuux
• ガンダムシリーズの登場人物一覧
• ガンダムシリーズの関連項目一覧
• ジオン軍
• ジェットストリームアタック
• ガイア / オルテガ / マッシュ
• ドム
• リック・ドム（GQ）
• キシリア・ザビ
• マ・クベ
• ルウム戦役
• オデッサ作戦