パロディウス ～タコは地球を救う～単語

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「パロディウス ～タコは地球を救う～」とは、1988年にコナミ（現：コナミデジタルエンタテインメント）がリリースしたSTGである。

概要

パロディウスシリーズの記念すべき第一作目。MSX用ソフトとして1988年4月26日に発売された。ペンギン型の敵やモアイ型の敵など、シリーズお馴染みの敵はこの頃から登場しており、独特の世界観は既に確立されている。

あまり移植に恵まれなかったため知名度が低く、次回作の「パロディウスだ！」がシリーズ1作目と勘違いされることも多い。

システムとしてはグラディウスシリーズのパワーアップカプセル方式とツインビーシリーズのベルパワー方式を組み合わせたものになっている。当時、カートリッジスロットが2つあるMSXで「ツインビー」をスロット2に挿して「グラディウス」を遊ぶと自機のグラフィックがツインビー、カプセルがベルなどに変わる隠し要素（コナミのMSXソフトでは定番だった）があり、これが基になっているとも言われている。

MSXソフト特有の8ドットスクロールで画面がガクガクとスクロールする仕様になっており、現在の感覚でプレイすると戸惑うので注意。アプリ版及びそれを収録したPSP版はリファインが施され、なめらかなスクロールで遊べるようになっている。

敵を撃破すると爆発エフェクトではなく「ひでぶ！」「あべし！」など断末魔の文字を残して消える。リファイン版では通常の爆発エフェクトに変更され、自機のやられエフェクトで「ぼんぶ！」の文字（効果音の「BOMB！」をそのまま読んだもの）が出るのみになっている。

オリジナル版は難易度が高くボスが硬いので、集中力と精神力が必要となる。

開発経緯

当時MSX、PC-88向けソフト「スナッチャー」の開発が遅れており、スタッフが「グラディウス2」の開発エンジンで暇つぶしに作り始めたのが本作開発のきっかけである。スタッフのストレス解消のためかメタネタ、おふざけムードに溢れている。元は内輪で楽しむため作られたソフトだったが、出来の良さから正式に発売されることになった。

短い開発期間（1ヶ月ほど）でBGMを作るため、著作権の切れたクラシック音楽がアレンジして使われている。ここからパロディウスシリーズのBGMはクラシックアレンジが名物となった。BGMは「グラディウス2」で初搭載されたSCCというコナミ独自の音源チップが使われており、アレンジの巧みさから人気が高い。

ストーリー

西暦1988年、受験シーズンのまっさかり、全地球的規模で人々は夢を失っていた。

若者たちは受験地獄に苦しみ、子どもたちは親よりもゲームパソコンを大切にすると言い、大人たちは日々の暮らしに追われ、世界各国ではスパイが暗躍し紛争が絶えず、民主主義と共産主義の衝突による第三次世界大戦勃発の不安は高まり、占星術師と科学者は地球の滅亡を説き、そして人々は次第に夢を失っていった………。

今ここに宇宙を旅し、巡り会った星の人々に夢と希望を与えるプログラマー「タコ」がいた。若くして芸人を目指し、タコ八介に弟子入りし修行をつんだが、師匠の突然の水死により、横山クック門下に生きる望みを求めた。しかし、初舞台で観客にスミをかけてしまい、破門され、それ以来消息は断えていた。彼は、自ら修行の場を宇宙に求め、新しいエンターテイナー「夢プログラマー」として大成したのだった。全宇宙に夢と希望を与え、平和の芽を植えてやるのが彼の究極の芸だった。

んが、しかし、そうは八百屋？いや魚屋？でもない一杯飲み屋？じゃなくて、そう！問屋がおろさなかった。

宿敵バグの出現であった！

タコがプログラムして人々に与えた夢や希望をバグが食い蝕んでしまうのだった。そして彼の出現はいつも突然だった。タコがプログラミングを終え、その星を離れホッと一息ついていると、いきなりバグ発見の通報が入るのだった。飛んで駆けつけてもバグの姿はもうない。そんなタヌキ？キツネ？いやイタチごっこをくり返すのが常だった。

タコは考えた。タコも考えるのだ。バグを倒すには、もう一度かつてのデビューの地、地球を訪れ、初心忘るべからずなのだ。（何のこっちゃ？）

そんな全く解決にならない理由で地球を訪れたタコは我が目を疑った。かつての地球人は夢と希望にあふれ、人々は互いに信じ合い、尊敬し合い、相和し、相睦み、それはそれはほんにステキな星じゃった。

それが今や冒頭で説明したような有様。タコはゴックン、ピーン！ときた。これはバグの仕業に他ならない。バグが地球の近くに来ているのだ！これ以上地球が悪くないうちにバグを倒し、地球人の夢を取り戻さなくては！

その頃偶然、隠居生活を送り、ムーン旅行に出かけていたビックバイパーが小惑星近辺で地球人の夢をメイン料理にし、いただきますをしているバグを発見した。

タコは立ち上がった。タコも立つのだ。8本足だから力強い。そして、いきなりこじつけのような形で登場したビックバイパーと、強引ともいえる人選により、 ペンギン、ゴエモン、ポポロンをパイプ？葉巻？たばこ？いや、パートナーとし、小惑星帯に向けて旅立ったのだ。

彼らの行く手には、いかなる運命が待ちかまえているのか！そりゃあんた、やってみな分からんわな。

プレイヤーキャラと装備

本作はプレイヤー選択が可能になっているが、自機とパワーアップカプセルの見た目が変わるのみで、装備に差はない。キャラクター選択画面のカーソルは「選択キー」をモジった「洗濯機」になっており、これは「実況おしゃべりパロディウス」でも使われた小ネタである。

速うなんで！	ミサイルや！	上付ダブル？	多い日も安心		分身の術や！	何～やそれ！	バ～リアっ！
スピードアップ （7段階）	地を這うミサイル	前方と斜め上へのショット	敵を貫通するレーザー		オプション （2つまで）	装備がリセットされる	前方をガードするシールド
備考
「グラディウス」の装備に加え、装備がリセットされるゲージが追加されている。これは今作からの新要素「ルーレットカプセル」においてハズレ目としての役割を持たせるためのもの。 「上付ダブル？」の「上付き」は女性器の膣口の位置を示す言葉から取った下世話なギャグと思われる。エクストラステージのみで使える「下付ダブル？」という装備も存在する 「多い日も安心」は当時放送されていたロリエのCMから取られている。「敵が多い日も安心」ということだろうか。「実況おしゃべりパロディウス」でもレーザーなどを装備するとこの実況ボイスが流れる。 「何～やそれ！」は「オレたちひょうきん族」で明石家さんま演じるバイキンガーZが賀来千香子をモノマネしたギャグ。

タコ

わては　タコだす。
わての仕事は「夢と希望プログラマー」だす。
宇宙を旅しながら　いろんな星の人に
「夢」ちゅーもんを　あたえとりまんのだす。

本作の主人公。パロディウスシリーズではタコ型の自機が主人公となるのが定番となり、「極上パロディウス」「実況おしゃべりパロディウス」では彼の息子が出演している。ミサイルは蛸に引っ掛けて凧の形をしている。パワーアップカプセルは缶の形をしているが、これはサントリーが1983年に発売した「タコハイ」というチューハイが元ネタ。

OPでは彼の日記が流れるが、これは「グラディウス2」のOPで流れる「惑星グラディウス史記」のパロディ。

ペンギン

わては　ペンギンいうねん。
南極やら夢大陸やら旅して
ひと息ついた思たら　つぎは宇宙やて。
ペン子ちゃんとのデート　どないしよ！

「けっきょく南極大冒険」「夢大陸アドベンチャー」の主人公。次回作「パロディウスだ！」以降にもペンギン型の自機が登場しているが、これは彼の息子という設定のペン太郎。パワーアップカプセルは魚の形。

ゴエモン

てやんでえ！べらんめえ！あったぼ～よ！
バグだか　バカだか知らね～が
おれの手にかかっちゃあ　おしめえよ！
おれは　ゴエモンだぜっ！

「がんばれゴエモン」シリーズの主人公。「極上パロディウス」でも自機として再登場している。パワーアップカプセルは小判の形。

ポポロン

わたしが　ポポロンです。
魔物たいじときいては
じっとしていられません。
かならず　バグをたおして見せましょう！

「魔城伝説」シリーズの主人公。パワーアップカプセルは魔城伝説に登場するアイテム（ルーク）の形。

ビッグバイパー

ビッグバイパーだす。わても　すっかり
オンボロだすが　足手まといにならんよう
小さな事からコツコツとがんばりますさかい、
よろしゅうに　たのみます。

「グラディウス」シリーズの主人公機。何故か名前がビックバイパーではなくビッグバイパーになっている。パワーアップカプセルは本家と同じもの。

ステージ

本作のステージには全て「◯◯星」という名前がつけられている。これは「グラディウス2」のパロディである。

第一惑星 ウル星
道中BGM 原曲（作曲者名） クライム・オブ・センチュリー ピアノ協奏曲　第1番（ピョートル・チャイコフスキー） 中ボスBGM 原曲（作曲者名） クライシス第4楽章 交響曲第9番 第4楽章（ルードヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン） ボスBGM 原曲（作曲者名） ボスBGM 熊蜂の飛行（リムスキー=コルサコフ）
備考
局地のような氷に包まれた場所が舞台。下が海になっており魚が飛び出してくる、狭い場所でルーレットカプセルが出現するなど、のちの「パロディウスだ！」1面の原型になっているような部分が多くみられる。 中ボスは巨大なモアイ。口からイオンリング、鼻から鼻ちょうちんを飛ばして攻撃してくる。 モアイの後頭部にはエクストラステージの入口がある。 ボスは「ビッグペンギン」。「パロディウスだ」1面ボスの原型といえるボスで、小さなペンギンを本体の周囲で回転させるほか、本体からビールを飛ばして攻撃してくる。これは1983年からサントリーがペンギンのキャラクターを缶ビールのCMに使用していたため。 弱点はでべそで、後のペンギン型ボスでは定番となる。鳥類だからへそは無いはずなのだが・・・。

第二惑星 勝負星
道中BGM 原曲（作曲者名） ライト・オブ・オクトパス ピアノソナタ14番 第3楽章（ルードヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン） 中ボスBGM 原曲（作曲者名） クライシス第4楽章 交響曲第9番 第4楽章（ルードヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン） ボスBGM 原曲（作曲者名） ボスBGM 熊蜂の飛行（リムスキー=コルサコフ）
備考
地形が入り組んだステージ。空中に「固形悪臭機雷」という名のウンコ型障害物が浮かんでいる。耐久力が高いため厄介。 ボス戦前には四方からレーザーが飛んで来る。浮かんだ地形を盾にして切り抜けるしか対処法はない。 ボスは巨大な手の形をした「ジャンケンポン」。直前にジャンケンの手が3つ置かれており、いずれかの手を選択してボス戦に挑むことになる。ボスの手に勝てばボスは自爆、あいこならそのままボス戦、負ければステージ冒頭からやり直し、というとんでもないボスである。

第三惑星 迷惑星
道中BGM 原曲（作曲者名） 幻想蛸興曲 「ペール・ギュント」組曲より「山の上の魔王の宮殿にて」（エドヴァルド・グリーグ） 幻想即興曲（フレデリック・ショパン） 中ボスBGM 原曲（作曲者名） クライシス第4楽章 交響曲第9番 第4楽章（ルードヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン） ボスBGM 原曲（作曲者名） ボスBGM 熊蜂の飛行（リムスキー=コルサコフ）
備考
洞窟のような場所が舞台。ヘルメットを被った巨大モグラがツルハシを飛ばして攻撃してくる。モグラたたきに引っ掛けてか、ピコピコハンマー型の跳ねまわる敵も登場する。 BGMの「幻想蛸興曲」は人気が高く、GB版「パロディウスだ！」のオリジナルステージにも使われた。 ボス前では洞窟が崩落し、落盤を避け続ける場面がある。狭いところから始まるため避けづらく、序盤の難所となっている。 ボスは「テヌキテヌキボーズ」。本体に攻撃してもエフェクトは出るが、釣られている糸を攻撃しなければ撃破できない。顔の「へのへのもへじ」は被弾時に「いてっ」撃破時に「わっ」といった文字に変わる。

第四惑星 迷菓星
道中BGM 原曲（作曲者名） お菓子な世界 交響曲第9番「新世界より」（アントニン・ドヴォルザーク） おもちゃの兵隊の観兵式（レオン・イェッセル） 中ボスBGM 原曲（作曲者名） クライシス第4楽章 交響曲第9番 第4楽章（ルードヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン） ボスBGM 原曲（作曲者名） ボスBGM 熊蜂の飛行（リムスキー=コルサコフ）
備考
お菓子で彩られたステージ。ステージが迷路のように入り組んでおり、行き止まりも多い。地形がない場所は上下が繋がっており（ベルパワーの「タテワープ」状態）、これに気が付かないと序盤でいきなり圧死する。 お菓子というモチーフ、迷路のような地形などは「パロディウスだ！」3面の原型になったと思われる。 2つめのタテワープ地帯に入らず行き止まりまで進むと、エクストラステージへの入口がある。 後半ではMSX版「沙羅曼蛇」よろしく停電が発生し、地形が点滅する。見えている時の記憶や、弾が消える様子で地形を判断しなければならない。 中ボスは「クチビール」。8つの大きな唇が歯を飛ばして攻撃してくる。「パロディウスだ！」3面のボス、ホットリップスの原型である。 MSXの「魔城伝説II ガリウスの迷宮」にはよく似た唇形のボス「ビッグリップ」が登場している。 ボスは二人組のメイド「メイズ」。迷路（maze）に引っ掛けたダジャレである。パイ投げと体当たりで攻撃してくる。

第五惑星 妖星
道中BGM 原曲（作曲者名） ワルツ・オブ・オクトパス ピアノ協奏曲　第1番（ピョートル・チャイコフスキー） ボスBGM 原曲（作曲者名） ボスBGM 熊蜂の飛行（リムスキー=コルサコフ）
備考
墓場が舞台となっており、人魂や木魚の形をした敵が登場する。「パロディウスだ！」9面の原型になったと思われるステージで、どちらもBGMに「白鳥の湖」が使われている。 破壊不可能な地形から卒塔婆型の敵や弾が断続的に飛んで来るため、難易度が高い。 上下に動く巨大な地蔵が各所に設置されており、そのうち1つの地蔵が立っていた場所にエクストラステージの入口がある。ちなみに地蔵は松明と本を手に持っており、自由の女神のパロディになっている。 ボスは「ゲ・ゲ・ゲ アーント」。ゲゲゲの鬼太郎の目玉おやじのパロディで、おやじならぬおばさん（aunt）になっている。巨大なリップルレーザーを発射しながらこちらに近づいてくる。

第六惑星 要星
道中BGM 原曲（作曲者名） フェイト・オブ・オクトパス ワルキューレの騎行（リヒャルト・ワーグナー） 交響曲第5番「運命」（ルードヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン） 中ボスBGM 原曲（作曲者名） クライシス第4楽章 交響曲第9番 第4楽章（ルードヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン） ボスBGM 原曲（作曲者名） ボスBGM 熊蜂の飛行（リムスキー=コルサコフ）
備考
グラディウスシリーズではお馴染みの要塞ステージ。落下する天井やハンマーなど、殺す気満々の仕掛けが満載である。 途中には行き止まりが2箇所あり、「ヨコワープ」のベルパワー（白ベル）を確保していないと超えられない。2箇所めは地形と仕掛けが相まって非常にベルが取りづらい難所になっている。 中ボスは「オーガンズ」。グラディウスでは定番の脳みそ型ボスをパロディにした、内臓型のボス。 ラスボスは「バグ」。グラディウスシリーズのラスボスとしては珍しく、弾とビームで攻撃してくる。夢を食い蝕むということで「バク」の姿をしており、右上に濁点が付いているため「バグ」となっている。 おちゃらけた雰囲気に反して真面目なエンディングは一見の価値あり。

エクストラステージ
道中BGM 原曲（作曲者名） スゥイート・エモーション 交響曲第5番「運命」（ルードヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン） オペラ「カルメン」より「闘牛士の歌」（ジョルジュ・ビゼー） クシコスポスト（ヘルマン・ネッケ） ボスBGM 原曲（作曲者名） ボスBGM 熊蜂の飛行（リムスキー=コルサコフ）
備考
ステージ1、4、5から突入できる隠しステージ。ミスすると元のステージに戻されるが、クリアすれば次のステージに進むことができる。破壊可能な障害物が多く設置されており、ショットで掘り進んでいく。よく考えて進まないと行き止まりになってしまうためなかなか難しい。 ステージ4から入れるものは「今年もコナミをよろしく」と地形で書かれている。 このステージでは特殊なパワーカプセルが出現する。効果は以下のとおり。 黄 得点アップ。取り続けると最大10000点までアップする。 緑 1UP 青 「下付ダブル？」ミサイルの代わりに前方へと左下へのショットが30秒間撃てる。 灰 「いたずらドリル」弾と、1撃で破壊可能な敵や障害物に対し無敵になり、体当たりで攻撃できる。効果は45秒間。地形に当たると死亡する。 ボスは「バグ・ミスフィッツ」「バグ・アバドン」「バグ・メイヘム」。MSXの「グラディウス2」に登場するボスが超ミニサイズになったもので、その体躯に似つかわしくない本家同様の強力なレーザーで攻撃してくる。

関連動画

関連ピコカキコ

No.	プレイヤー	タイトル	スレ
3434		迷惑星のテーマ	パロディウス#22
7148		空中戦闘のテーマ	パロディウス#50

関連項目

• コナミ
• パロディウス
• グラディウス

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