プロジェクト・ガイアレイとは、1997年に翔泳社から発売されたプレイステーション用3D対戦型ロボットアクションゲームである(ゲームアーカイブス配信タイトル)
対CPU戦は相手機体それぞれに用意された様々なステージでの試合となるが、画面分割方式しか用意されていない対人戦はスペック上の都合か簡素な対戦専用ステージのみで行われる。
アナログジョイスティックに対応しており2本レバーでのいわゆるバーチャロン風の操作が可能だが、本作では移動旋回が存在しないため2本のスティック操作が優位となる要素が無く、かつダッシュ攻撃と素早いジャンプキャンセルを交互に繰り返すテクニックを多用する場合はパッドより負担が大きく入力速度も劣ってしまう。
※起動後およびタイトル放置で見られるOPムービーが終始激しくフラッシュ点滅しており非常に目に悪いのでくれぐれも注意するように。
概要
身も蓋もない言い方をすればバーチャロンタイプの亜流(時期的にはオラタンの少し前であり模倣元はもちろん初代)なのだが、本作は数あるバーチャロン風の中でもとりわけシステムや操作系統、ぱっと見のビジュアルテイストが本家に酷似しており一見するとただ粗悪な劣化コピーのような印象さえ受ける。しかし細かい部分での相違点が妙に魅力的だと感じるプレイヤーも居る。
- 基本操作とシステムに関しては概ね初代バーチャロンをベースとするが、目立った相違点は主に「移動旋回が無い」「左右ウェポンのエネルギー制限が無い」「センターウェポンは屈んで溜めたゲージを使う必殺技」「射撃のバリエーションが乏しい」「近接攻撃をガードできない」「ダッシュによるキャンセルは一切不可能だがジャンプで殆どの状態をキャンセルできる」等といった所。
- 一方で、登場する機体はぱっと見の色彩や部分的な形状、明滅するランプのような装飾こそソレっぽいが、よく見ると全体的な機体デザインはそこまで似たものは少なく、まるで先入観を利用したかのようにそれっぽい雰囲気を真似る上手さが見られ、絶妙なパチもの感を醸し出している。例えばバズーカを持った赤い重量級風の機体「オーダス」が某ライデン2Pカラーに似ていると感じた人は、実際に直接見比べてみれば全然違うと分かり落胆愕然とするだろう。
- とはいえ攻撃方法やそれに伴うエフェクト等の演出に関してはところどころ強い既視感が見受けられ、特にエクサルシスは機体のフォルムや空中機動に優れる性質とも相まって某バイパー2を特別強く意識している様子が伺える。
- フレームレートはやや不足に感じ決して美麗とは言えないがポリゴンの歪みやテクスチャの汚さ等はそれほど見られず小綺麗で、処理落ちも激しくなる事はあまりない。この手のゲームとしてはロード時間もさほど長くはなくストレスを感じにくい。
実機での発売当時はバーチャロン風ゲームである事を特段アピールしなかった為かそれほど知名度が無かった様子が伺えるが、ゲームアーカイブスで配信され、その更にかなり後にPS PLUSでの無料タイトルに選ばれた事でようやく広く知られるようになった模様。
ストーリー・設定
200X年。大規模な地殻変動により崩れ落ちたエアーズロック地層からオーパーツ「ニューロン」が発掘され、その半年後には札幌に飛来した隕石の中から未確認生物が現れる。この未確認生物に対抗するため、ニューロンを搭載した開発中の人型兵器「ニューロンキャリア」の量産化計画「プロジェクト・ガイアレイ」が決行された。候補として選ばれた機体同士で試験戦闘を行い、最も評価された1種類のみが量産化される。
- デモムービーではニューロンの映像やリベルター対フィドゥーチアの試合の様子が高いクオリティで描かれているが、全編フラッシュ点滅しており非常に目に悪いので注意。ストーリー的に重要では無いので無理に見ないように。
- ゲーム本編は、全候補との試合そして同機体戦を経て更には事前に非公開の機体とも戦い、そうこうしている間に未確認生物が現れ急遽実戦へ向かった…のだろうと思われる流れになっている。
- エンディングはどの機体の場合もそれが量産化されるという内容のもので違いは無し。アンタイトルドの場合は何も無しですぐスタッフロールが始まる。
基本操作・システム
基本の入力と移動や攻撃の操作に関してはほぼほぼ初代バーチャロン準拠であるため本記事では省略し、異なる点のみ比較形式で挙げる。なお本格的にプレイする場合はパッド操作が推奨される。
- 【重要】先に触れておくが本作ではダッシュによるキャンセルは一切不可能であり、代わりにジャンプによるキャンセルはSPアタックを除く殆どの地上行動に対して可能である。例えば立ち射撃からでさえダッシュへ移行する事はできないが、ダッシュ攻撃の最中だろうとジャンプへの移行は可能。なおジャンプキャンセルで降下した際の着地硬直は一切無く、途切れる事なく他の行動への移行が可能。
- ロックオン成立範囲が非常に広い。中心に捉えるまでもなく相手が画面内に入っていさえすれば勝手にロックオンしてしまうほど。カジュアルな調整と言えるが、このおかげで意図してノーロック偏差射撃を行う事はほぼ不可能となっている。しかもSPアタックの大型レーザーなども本家バーチャロンとは異なりロックされた方向に忠実に補正して発射してしまうため、相手の移動先に置くといった撃ち方は基本的に出来ない。本作において相手の移動先に被せるように仕掛ける事が可能な攻撃はリベルターのSP、エクサルシスとアンタイトルドの左武器、そしてボムくらいしかない。オーダスの機雷も頑張ればトラップとして機能する局面も無いわけではないが、寿命が短く苦労に見合わない。
- 右武器と左武器はエネルギー制限が無い。ただし同時発射数制限はあり、ボムは1発しか出せないしミサイル系を連発し続けるとじき途切れ途切れになる。いずれも立ち射撃と歩き射撃の区別が無く自在に移動できるが右武器射撃時の移動速度は非常に遅い。一方で左武器は通常の移動とほぼ同様の速度で歩き回れるため、機体によってはダッシュ攻撃一辺倒とはならずこちらも多用する。ただし立ち・歩き射撃はいずれもダッシュでのキャンセルが出来ない点に注意(ジャンプは可)
- 射撃の変化は右武器のダッシュ時のみで、変化は一律発射回数+2。左武器に至ってはダッシュ時でも変化無し。ジャンプ射撃や屈み射撃は立ち・歩き射撃と発射形態が何も変わらない(射角は多少変わるものもある)。立ちで単発のものはジャンプだろうと屈みだろうと単発なのである。なおボムだけは屈みで出すとすぐ地面に叩き付けられる形となるため明確に使い勝手が変わる。
- 右武器+左武器でセンターウェポンにあたるSPアタックを使用するが、満タンまで溜めたSPゲージが必要。ゲージは屈んでいる間のみ溜まる(後述) SPアタックは地上と空中で異なり、地上版は機体により攻撃形態も威力も様々。空中版は全機とも高速で相手にダイブする技で威力も同じ(無敵ではないがそれなりに強い誘導性あり) 地上SPは地上に居さえすればダウンも含めあらゆる状態をキャンセルして発動可能。ただしSPにはダッシュ射撃は無く、SPをキャンセルする手段も存在しないため確実に隙が生じる点に注意。なおSP用同時押しボタンは標準で実装されている(パッド初期配置でR2)
- ボムを除き、射撃における飛翔体の着弾等による爆風判定や飛翔体同士の相殺などのシステムは無い。例えばバズーカ弾や機雷の爆風も演出だけで判定は無し。ボムはSPを除く右左武器の弾を全て防ぐため判定自体は強力だが、範囲や持続は小規模で同時発射数も1発のためエネルギー無制限とはいえ貼り直しの隙も考えると鉄壁とはとても言い難い。なおSPにはナパームや大型レーザー等あるがそれらには一切防御効果は無いので注意。
- 射撃のバリエーションが少ない。そもそも全機体合わせても武器の実質的な種類が少ない事に加え、「ダッシュ時に右武器を撃つと2発多く撃つ」以外に行動による射撃形態の変化が全く無いのが原因であり、こればかりは劣化コピーと言われても仕方がない本作の明確な欠点と言える。同時発射数制限も見られる事からスペック的な事情もあったのかもしれない…
- 仰け反りが存在しない。被弾リアクションはダウン値蓄積による転倒しかなく、仰け反りやよろけといった中間の反応は一切無い。ノックバックも無し。ダウン耐久値は機体差があり、時間経過で割と早く回復する。なお近接攻撃は全て1ヒットで転倒する。
- 移動旋回が存在しない。旋回時は足が完全に止まるのでリスクが高く基本的に通常の旋回は使用しない。しかしダウンの途中から起き上がりきるまでの間や、地上SPアタックのモーション中にも旋回が可能なため、それらの場面では大いに活用する。
- 近接攻撃は近距離間合い(機体により異なる)で右武器のみ対応。本作は何と近接攻撃に対するガードが存在しない上に軒並み振りが早いため接近戦における脅威となるが、威力は控えめ。なおどの技も1ヒットで必ず転倒する。ロックオンしていなくても出す事が可能でその場合方向キーを入れた方へ振り向いて出す事も可能。ロックオン時は踏み込みが発生し、ダッシュよりも速い超スピードで接近する。状況次第で回り込みも発生するが、無敵時間は一切無くただ無防備なまま相手の周りを回って攻撃が遅れるだけなので反撃を受けるリスクが増えるハッタリ技(ガードの存在しない本作では背後を取るメリットも薄い)
- 屈みは「ただ屈む」という独立した動作となっており、ガードが存在しない本作では状況を問わず屈む。屈み中何もしてない間は常にSPゲージが溜まり、屈み右武器または左武器を実行するとその間は溜まらない。屈みスライド射撃は無い。
- 屈み中に近接攻撃間合いで右武器を押すと若干威力が高く相手を奥へ吹き飛ばす格闘攻撃を出せるが、リーチも踏み込み距離も短くほぼ密着で出さなければ当たらない。ガードリバーサルのような挙動で相手の方へ振り向こうと緩やかに誘導もするが、角度や距離がまるで足りずまともに機能しない。エクサルシスやアンタイトルドなどを除き完全な趣味技となっている。
- クリア状況に応じてアンロックされる要素がある。初期機体いずれかクリアで中ボス解放→中ボス含む全機体クリアで本ボス解放→本ボスでクリアで更に…といった機体解放要素や、各モードの解放に関するものなどがある。特段難しい要求は無いがクリア済み機体を確認する方法は無いので忘れないようメモしておく事を推奨。セーブも忘れずに(ロードは起動時自動で行われる)
本作特有の挙動・テクニック
本家(初代)バーチャロンとの主な相違点は先に挙げた通りだが、バーチャロン経験者が先入観に囚われていると気付きにくいシステムやそれを利用したテクニックが本作にはいくつか存在する。
- 【ダッシュ攻撃から自由なタイミングでジャンプ可】ダッシュ攻撃後の硬直を晒さないための基本テクニックであり、応用で素早いジャンプキャンセルを挟んだ連続ダッシュ攻撃も可能となる。複数発連射するタイプの弾は一発でも出た時点でその後機体がどのような状態になろうとも(例え転倒しようとも)セット分垂れ流すので、ダッシュ射撃を撃ち始めるなりすぐジャンプする事で上空から流し込むように撃ったり、至近距離でジャンプした相手を追うように跳んで撃ち込んだりといった使い方もできる。なお本作では近接攻撃から立ち・歩き射撃に至るまであらゆる行動がダッシュではキャンセル不可のため、何事においてもジャンプでのキャンセルが基本となる事を心掛けたい。
- 【地上SPアタックはダウン状態すらキャンセル可能】なんと地上でのSP(センターウェポン)はダウンすらも自由なタイミングでキャンセルして出す事が可能。それでいてダウン時に付与される一定時間の無敵は有効なままであるため、予備動作の長い機体が強引に撃つために利用したり、発生の速いオーダスやアンタイトルドが近接攻撃に対するカウンターとして使用したりできる。SPモーション中は移動はできないが旋回が自由にできる性質も利用して的確に狙いたいところ。
- 【ダッシュ急停止時は自動捕捉+即座に攻撃が可能】本作のノーマルダッシュの急停止時は派手な音とともに反動で大きく後退してしまうが、この反動モーション中は相手を自動で正面に捉えようとする。また、反動モーションに入ったら即座に立ち射撃や近接攻撃を出す事が可能(反動による後退も止まる)。特にダブルロックオン距離の長いシュラドーはこれを利用してスムーズにダッシュから近接攻撃踏み込みを仕掛けるテクニックが有効だが、本作はノーロックでも近ければ近接攻撃が出せる上に総じて振りが速いため、他の機体もダッシュ近接感覚で懐に走り込んで急停止からの近接攻撃を仕掛けるといった事が一応可能。
- ダウン無敵中の相手に近接攻撃を重ねても判定が消える事はなく、出続ける判定を重ね続ける形になる。重なった状態で無敵が切れれば即座にヒットするが、無敵時間は起き上がった後ほんの少し猶予がある上に攻撃を出す等で持続時間が減る事も無いため、起き上がった側がすぐ近接攻撃を出せば返り討ちにする事が可能。空中SPは近接攻撃とは違い無敵状態の相手に当てると判定が消失してしまうため、起き攻めに使用する場合は早すぎないよう注意。なお、機体の接触判定同士がぶつかるとガリガリと激しいエフェクトが発生するが演出のみで特に意味は無い。
- ボムの防壁判定は相手が接触しても消えず防御効果は残り続けるため、ボムに体を突っ込んで撃っても無駄である。一方で攻撃判定は「触れたあと一定時間は無効化される」という仕様になっているのだが、実はこの時間はボムの持続時間よりほんの僅かに短い。ボムの中心で攻撃発生時に最速で食らった場合のみ、収束して消える寸前に再び中心に居ればもう一度食らう事が出来てしまう(実戦ではまず起こらないが)
- CPUは跳んだらジャンプキャンセルでの急降下を行わない、ダッシュ攻撃や近接攻撃の隙をジャンプでキャンセルしない、SPをキャンセルで出さない…など本作のシステムを十分には使いこなさないが、硬直を狙われさえしなければ回避の反応自体はむしろ悪くなく、近接攻撃間合いに入るや否や超反応で踏み込んで来たりと侮れない面もある。
ゲームモードや特殊オプション
- 【ATTACK】ほんのささやかだがストーリー演出が入り、クリアタイムが記録される所謂通常の対CPU戦。使用機体解放条件の対象となるのはこのモードでのクリアのみなので注意(設定やコンティニューは問わない)
- 【VS COM】1試合ずつ相手とステージを自由に組み合わせて行えるCPU戦。残念ながらCPU対CPUの観戦モードは無いので、タイトル画面でメニュー未表示時に放置で見られるデモプレイで我慢しよう(ムービーと交互で流れる。ムービーはスキップOK)
- 【VS HUMAN】対人戦。画面分割のみ、中央に小さな障害物がポツンとある対戦専用ステージ1種類のみでの試合となる。つまり対人戦に関してはこのステージ以外での戦法を研究する意味はない。BGMは毎試合前に選択可能(RANDOMを選んでも実際はランダムではなく下で選択されている曲になるようだがバグだろうか?)
- 【SURVIVOR】解放条件はATTACKをタイムランキング1位でクリア(特に制約はないので設定でラウンド数を1にすれば容易に達成可) 1ラウンド制かつタイム無制限固定、そして試合後は体力少量回復のみで全ての機体と連戦するモード。対戦順やヴィグルー戦の有無はATTACKに準ずる。各ボス戦前の演出が省かれておりそれに伴うロードが発生しない点が地味に快適。
・SPECIAL OPTION(オプション内にある特殊な項目)
- 【ROBOT VIEWER】COM LEVELをEASY設定にしてSURVIVORクリアで解放。各機体のモデルを鑑賞するモード。
- 【INDICATION】NORMAL設定でSURVIVORクリアで解放。OFFに設定すると、試合中のゲージ等各種表示を非表示にできる。
- 【SHORT DISTANCE ATTACK ONLY】HARD設定でSURVIVORクリアで解放。ONに設定すると、全てのゲームモードおよびデモプレイにおいて両者とも近接攻撃しか使用できないルールになる。近接攻撃間合いで右武器ボタンを押す時以外は攻撃ボタンは無反応となり射撃のモーションだけを取って隙を晒すといったような事も無いため、右武器ボタンを連打しながら接近すれば間合いに入り次第即座に近接攻撃を繰り出せる。なお空中SPは近接攻撃扱いではないようで使用できない。
各機体の性能
条件を満たす事でボスキャラも使用可能となるが、プレイヤー向けに弱体補正などは無く高性能のままである。
装甲の防御力は機体により6段階(本項ではSABCDE表記とした)に分かれており、最も硬い機体と最も柔らかい機体では被ダメージに1.5倍程の差がある。攻撃の種類と機体の相性などの要素は特に無く、全ての攻撃に対して共通の軽減率として機能し、状況によるダメージ変動要素も無い模様。なおダウン耐久値はこの防御力とはまた別に設定されているが、エクサルシスが特別低くフィドゥーチアとロンジェヴィテが特別高い以外は実際問題として体感できる程の差は無い。
- 【LEVERTAD リベルター】装甲E…パッケージを飾りOPムービーでも活躍するどことなく某レイバーを連想させる姿の主役的ニューロンキャリア…なのだがまさかの紙装甲。別段高機動でもないのに非常に脆く、初プレイ時にとりあえず選ぶと泣きを見る。武装はビームライフルとボムで一見バランス良さげだが、ライフルのモーション開始から弾の発射までに時間が掛かるのが足を引っ張る。ボムは他の機体のものよりダメージとダウン値が高く強力でエクサルシスを1撃で転倒させられる等の利点はあるが、近接信管も投擲の誘導も無いため攻撃手段として積極的に命中させる運用は難しい。なお本作のボムは相手が接触しても防壁としての判定は無くならない。ボムに突入しながら撃っても弾が出た瞬間にボムの中で消滅し遮られるので注意。近接攻撃は間合いが広めで、素早いモーションと程よい判定に恵まれるが威力と装甲が見合わずリスクが高い。SPアタックは扇状に広がる7WAY弾(2ヒットでダウン)だが、誘導して収束気味になるため実際はあまり広範囲にならず、威力も低い。ボムで予備動作をカバーしながら撃とう。
- 【EXALSIS エクサルシス】装甲E…言い訳のしようがない程バイパー2を明確に意識したニューロンキャリアだが、実際の性能や使用感はだいぶ異なる。右武器のマシンガンは基本3連発(ダッシュ時5連発)のセットで押しっぱなしにしても連射は出来ない一方、左武器のミサイルは本作のエネルギー無制限仕様で延々と撒く事が可能で主力兵器となり得る。空中移動が速めでダッシュせずともジャンプキャンセルの連続で跳び回る立ち回りが可能。ダウン耐久値が低く転倒しやすいが、実際問題としてリベルターのボム1発でダウンする以外はそこまで切実さは無く、ダッシュ攻撃を全弾食らわず途中でコケてダメージが少なく済むなど紙装甲仲間のリベルターよりむしろ壊れにくかったりする。近接攻撃は姿勢の低い相手に対し前半がスカりヒットが遅れる欠点があるが、格闘攻撃のキックが素早さとそこそこのリーチを持っており実用的で状況に応じて活用できる。SPアタックはモロにあのホーミングで弾速と誘導性に優れ本作屈指の高性能ぶりを見せるが、実は2発が綺麗に重なっておりゼロ距離で撃つと1発しか当たらずダウンしないので注意。
- 【AUDACE オーダス】装甲C…一見ライデンのようだが、実態はまるで最初からパージしているかのように軽装な装甲と機動力のニューロンキャリア(レーザーもパージしたか?)。右武器のバズーカこそ初期6機の中では最も高威力でタイムアタックでも有利だが、左武器の機雷は直当てにも設置にも使いにくく中途半端。近接攻撃は無駄なく素早いモーションでキャンセル不要な程に隙が少なく判定も優秀だが、威力は全機中最低。SPアタックは全機中最速の攻撃発生速度を誇る誘導型地形貫通ナパーム。障害物越しでも至近距離からの不意打ちでも活躍する実用性トップクラスの技。隙あらばゲージを溜めておき常に相手にプレッシャーを掛けていきたい。
- 【TENERITAS テネリタス】装甲D…フェイ・イェンを意識している事は明らかだが、デザインやキャラ付けの方向性は異なる様子が興味深いニューロンキャリア。勝利ポーズでお辞儀をする際に髪パーツが垂れ下がったり、敗北時には女の子座りをする等やけに凝っている。他の機体と異なりダッシュの急停止時に派手な音は鳴らず静か。基本3連発(ダッシュ時5連発)の星型をした右武器はロック位置より照準が上にずれており、地上から撃つと相手や状況によっては当たらずに頭上を抜けてしまう場合がある。これを防ぐにはダッシュ射撃の途中でジャンプして上から落とすように撃つのが有効。左武器のボムは投擲時ハート型をしているが爆風は他の機体と同じで威力は中程度。近接攻撃は全機中屈指の発生速度と判定の強さを持つがリーチはやや控えめ、装甲の低さもあってリスクを伴う。SPアタックはホーミングだが軌道が低くエクサルシスのように大きな障害物越しに撃つ事は出来ない。ボムを盾にして撃とう。なおハイパー化は無い。
- 【SYURA-DO シュラドー】装甲B…忍者のような姿の和風ニューロンキャリア。アファームドを意識したと思われる長距離ダブルロックオン可能な近接攻撃重視機体だが、右武器の発生・弾速・威力といった総合的射撃性能も初期6機体の中ではトップクラスで装甲も高めとリベルター涙目の上位互換的な存在。左武器のボムこそ3機中最も威力が低いが、防壁としての性能は変わらないため実質的なデメリットは無いようなもの。SPアタックは障害物を貫通する高速の衝撃波で一応誘導するが、予備動作が長いのと判定が小さめなのとでオーダスのナパームのように近距離戦での単独使用には向かない。障害物やボム利用しよう。敗北時は律儀に切腹する。
- 【FIDUCIA フィドゥーチア】装甲S…手足の生えた戦車のようなニューロンキャリア。見た目通り鈍重で被弾面積も大きいが、装甲も厚くダウン耐久値も高い。右武器のリングは本作で唯一の2連装兵器で、威力は控えめだが判定が広い。左武器の打ち上げミサイルは近距離こそ死角だが障害物越しに撃てて誘導性と連射力に優れ、エネルギー制限無しで連発可能な事も脅威。近接攻撃も速度と判定に関して申し分ない。SPアタックは高威力の大型レーザーだが予備動作が長い。本機体はボムを持たず地形越しで狙う事も出来ないこの技を仕掛けるためには、ダウンキャンセルの無敵時間を利用するなど工夫しなければならない。
- 【LONGEVITE ロンジェヴィテ】装甲S…初期機体いずれかでクリアすると使用可能になる中ボス。ヤガランデのような雰囲気のステージで登場するバルバスバウのようなプロポーションのニューロンキャリア。フィドゥーチアと同等の装甲を持ちながら被弾面積は小さく、障害物の無いステージで有利な水平発射軌道のホーミングミサイルを左武器に備える。右武器のビームカッターもオーダスのバズーカを凌ぐ威力で強い。SPアタックはフィドゥーチアとほぼ同じのため強力なミサイルを差し置いて無理に使う必要が無い。近接攻撃は不得手でフィドゥーチアの完全上位互換とまではいかないものの、総合的には初期6機体に比べて強力な機体だと言える。
- 【UNTITLED アンタイトルド】装甲A…多くの機体で最後に戦う事になる本ボスの未確認生物。初期機体6機とロンジェヴィテ全てでクリアすると使用可能になる。手足のフォルムやダッシュモーション等に某エヴァからの影響が感じられる。性能的にはボスだけあって突出しており、ロンジェヴィテを凌ぐ尋常でない威力の光弾(右武器)と、ダウン値や弾速に優れた扇状火炎弾(左武器)を備える。近接攻撃はリベルターのように認識間合いがやや広めで、かつ全機中最高のリーチで前方広範囲を滅多斬りにする。SPアタックは大型レーザーだがフィドゥーチアやロンジェヴィテとは比べ物にならない程予備動作が短く、威力もとんでもなく高い(装甲Sでも5割強、Eなら8割弱)ため、ダウンキャンセルを活用した近接攻撃に対するカウンターとしても脅威。これ程火力に優れながら機動力も装甲も申し分ないため、対戦においては使用の制限も考慮される。
- 【VIGOUREUX ヴィグルー】装甲A…未確認生物アンタイトルドを使用したプレイで最後にアンタイトルドとの同士討ちを終えると唐突に出撃シーンが披露される、UNITED ARMY DEVELOPMENT SECTIONの秘密兵器。これを倒しクリアすると使用可能になる。格闘攻撃に長けるかのような雰囲気を漂わせ近接攻撃間合いも広めだが、実際に繰り出される近接攻撃の判定は本ゲーム屈指の小ささでろくに当たらない。むしろ射撃兵装が優秀。右武器のバルカンは何と標準5連発、ダッシュ時7連発という驚異の弾数。ジャンプキャンセルを挟んでダッシュ射撃を繰り返せば延々相手を捉える銃撃となる。加えて左武器の誘導機雷も寿命は短いながら素早い連発が可能で、遅い弾速ゆえの強力な追尾で執拗に相手を追い続ける。機雷はロックの有無に関係なく常に相手を狙うので視界に入れずとも歩きながら投げ続けるだけでCPUは為す術もなく沈むほどだが、対人戦においてはダッシュバルカンとの組み合わせでより凶悪な連携となる。SPアタックは短い予備動作の後パンチから光弾を7連続で繰り出す技で2ヒットしなければダウンせず攻撃時間も長めのためリスクが大きいが、至近距離から唐突に出しつつ旋回で追えば全ては避け切れない可能性が高まる。例によってダウンキャンセルの無敵時間を利用するのが効果的。こちらも強力な武装を持ちながら機動力と装甲も高めであり、アンタイトルド同様に対戦での使用制限が検討される機体。
音声・楽曲関連
- システムボイスは全て英語。機体選択後の発進シーンで長めの台詞を読む他、機体選択時や試合開始前後に機体名などを喋るが試合中の体力減少警告などの台詞は無い。ボスの撃破時は通常の試合と異なり「YOU WIN! GERAT!」と興奮気味に喋るあたり、どうやら機械音声ではなく人間のオペレーターであるようだ。
- 効果音は意外にも大部分がバーチャロンとは異なる傾向のものを使用している。また、近接攻撃のヒット時には音が何も鳴っていないようなので、プレイヤーとしては主に直後に転倒した音で認識する事が多い。
- 曲は総じて良く、ゲーム内容には批判的でも曲は評価している人が多い。BGM担当者は特殊音楽機動一班となっているが本作限りの名義なのか他では一切見かけない。UMI NI IKITAINAなど曲名も軽いノリのものが見られるため、その場限りのノリでのネーミングである可能性も高い。
- また、スタッフロールで流れる西崎あきらプロデュースのEDテーマ「Ever Lasting Flowers」のボーカルは、鉄拳2および鉄拳TT2のEDテーマ「Landscape Under The Ghost〜KAMINANO〜」を歌った白石玲子である(しらいしりょうこ名義で現在もシンガーソングライターとして活動中)
その他小ネタ
- 説明書に記載されたストーリーの流れでは未確認生物が現れたのでニューロンキャリアを開発したわけではなく、既に開発中だった所に未確認生物が現れたため量産化に向けたとなっている。もともと何の目的でニューロンキャリアを開発していたのかは謎。
- アーマード・コア(時期的に勿論PSの初代シリーズ)の影響を感じられる箇所がある。OPムービーにおけるリベルターの機動やフィドゥーチアのミサイル描写、ムービーの全体的な雰囲気など。ゲーム内におけるリベルターも左腕部から伸びたビームソードを右から左に振り抜く近接攻撃モーションがあり、初代ACシリーズのレーザーブレードを思わせる。
- リベルターの機体デザインにおいては右腕部にも左腕部と同様のビームソードを装備している様子が確認できるが、ライフルと干渉するため使用しないのだろう。その点テムジンの銃剣一体型スライプナーのアイデアは秀逸であると言える。なおリベルターの勝利ポーズには射撃武器でしかないはずのライフルをまるでソードのごとく振り回すモーションがあるのだが…深く考えない事にしたい。
- ダッシュ急停止時の派手な音はよく某モビルスーツのビームライフルに例えられる事が多いが、よく聴くと実際はどうやら某ATのローラーダッシュ停止音と同じもののようである。オーダスの勝利時にまるでターンピックを使用したかのように片足を軸にその場でクルクル回るモーションもある事から、意識してのチョイスである可能性が高い。
- アンタイトルドの容姿やダッシュモーションの他にも、OPムービーの隔壁演出等もエヴァの影響があると思われる。
ゲーム外での展開
- ゲームの発売に先駆けて「プロジェクト・ガイアレイ Preview Comic」なる冊子が発行されている。ゼネラルマシーンズ社で開発されたリベルターがゲーム同様初戦の相手であるトゥーゲントファブリーク社のオーダスとの試合を始める所から描かれているなど設定に沿ったコミカライズで、ゲーム本編では一切登場しないニューロンキャリアの開発研究スタッフらしき人物の描写も見られる。
- 主役機リベルターのみ1/100スケールのガレージキットがアトリエ彩より発売された。
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