ライオン・キングとは、ディズニー製作のアニメ映画及びミュージカル作品である。
概要
全米で1994年6月24日に、日本では同年7月23日に公開された、ディズニーアニメーション第32作品目の映画。監督はロジャー・アレーズとロブ・ミンコフ。音楽はハンス・ジマー。
アニメ映画としては同じディズニー作品の『アナと雪の女王』『トイ・ストーリー3』についで世界興行収入記録第3位(2016年1月現在)の9億8千万ドル(日本円で約1200億円)を記録しており、またセルビデオは2003年時点で全世界で5500万本を売り上げている。これは世界のすべてのジャンルの映画を含めて過去最高の売上数である。さらにこの映画のサウンドトラックも全世界で1500万枚を売り上げており、こちらもアニメ映画のサウンドトラックとしては世界一の売上数を誇る。
ミュージカル版
日本国内では、劇団四季によるミュージカル作品も非常に知名度が高い。劇団四季では1998年より17年連続で東京や大阪など各地で公演が行われており、2013年3月24日にはそれまでのミュージカル作品においての公演回数1位であった『オペラ座の怪人』を上回り、2015年7月15日には公演回数1万回を突破した。これは日本国内におけるミュージカル作品としては異例の期間・回数を記録している。
また、本家アメリカでも劇団四季よりも早く1997年にディズニーがミュージカル化している。ブロードウェイなどで公演され、こちらもミュージカルのチケット販売収入だけで興行収入を6700億円を突破しており、すべての娯楽作品の中で世界一商業的に成功している作品となった。
超実写版
2019年7月19日全米公開。日本では8月9日と、お盆直前の夏休みに公開される。アニメ劇場版から25年が経過、『美女と野獣』や『プーと大人になった僕』など、ここ近年活発化しているディズニー映画の実写作品群として、本作もまた再映像化されることになった。
本作は『トイ・ストーリー』のように背景やキャラクターを全てCGで製作しているため、ディズニー公式曰く”超実写版”という名称を使用している。監督は『アイアンマン』のハッピーことジョン・ファヴロー。音楽は25年前と同じくジマーが担当する。
キャストはムファサ役のジェームズ・アール・ジョーンズを除き一新。シンバ役には『オデッセイ』などに出演、"チャイルディッシュ・ガンビーノ"名義でグラミー賞を受賞したドナルド・グローバー、ナラ役には同じくグラミー受賞経験のあるビヨンセが起用された。
同年には『ダンボ』の実写版が先に公開される予定であり、公開前々月の5月には『アラジン』、本作公開後には『リロ&スティッチ』の製作もアナウンスされている。
盗作疑惑
この作品が発表されて以降、日本の漫画家、手塚治虫が描いた漫画『ジャングル大帝』にプロットやキャラクター、設定が大きく似通っているとの指摘を数多く受けた。日本側でら漫画家らが署名を添えて質問状を送っており、アメリカ側では地元マスコミによる酷似シーンの照らし合わせなどの報道が繰り返された。
ディズニー側は「その作品を知らなかった」としていたが、主要スタッフの中には『ジャングル大帝』を知っている者もいたという。それに対してもディズニー側は反論を繰り返したが、最終的には手塚プロダクション側の「もし手塚本人が生きていれば、ディズニー作品に影響を与えることができたことを光栄に思うだろう」という発言により騒動は収束した。
他にもディズニーでは『オリビアちゃんの大冒険』や『アナと雪の女王』などでも盗作疑惑が発生している。
あらすじ
動物たちが暮らす王国、プライド・ランド。皆から慕われる王ムファサは、将来王となる息子シンバに命の大切さ、王としての心構えを教えるも、幼いシンバはガールフレンドのナラと遊んでばかりいた。
そんな中、シンバが王になることを気に入らないムファサの弟スカーは、現国王のムファサと将来王となるシンバを殺害し、自らが王国を支配する計画を立てる。
登場キャラクター
- シンバ(Simba)
- CV:(幼少期):ジョナサン・テイラー・トーマス(台詞)/ジェイソン・ウィーバー(歌)/イアン・サウチェド(「朝のご報告」の代役)/中崎達也/村上想太(「朝のご報告」の台詞パート代役)/市川聡一(「朝のご報告」の歌パート代役)
CV:(青年期):マシュー・ブロデリック(台詞)/ジョセフ・ウィリアムズ(歌)/フランク・ウェルカー(鳴き声)/宮本充(アニメ吹き替え)/ドナルド・グローバー(実写版)/賀来賢人(実写吹き替え) - 本作においての主人公であるオスの子ライオン。父のムファサはプライド・ランドを統治する王であり、息子シンバもその王を継ぐ運命を持つ。
幼少期の頃はやんちゃで危険を省みない性格。その後父ムファサの死とスカーの策略によってプライド・ランドを出て行く事になってしまうが、旅立った先でティモンとプンバァと出会い共に育ち、そして立派な大人のライオンになる。後に、ナラとの間にメスのキアラとオスのカイオンの2子に恵まれる。
後にDVD化する際に追加収録された「朝のご報告」では、当時演じた声優が既に声変わりしていたため、原語版・吹き替え版共に代役を当てられた。 - ナラ(Nala)
- CV(幼少期):ニキータ・カラム(台詞)/ローラ・ ウィリアムズ(歌)/山本純子
CV(青年期):モイラ・ケリー(台詞)/サリー・ドウォルスキー(歌)/華村りこ(アニメ吹き替え)/ビヨンセ・ノウルズ(実写版)/門山葉子(実写吹き替え) - シンバのガールフレンド。白い毛を持つライオン。強くて勝ち気な性格で、プライド・ランドの危機の時には旅立ってしまったシンバを探し求めている。
- ムファサ(Mufasa)
- CV:ジェームズ・アール・ジョーンズ/フランク・ウェルカー(鳴き声)/
大和田伸也(アニメ/実写吹き替え) - シンバの父親であり、プライド・ランドの王。皆からも慕われ、息子シンバに対しても父として誠実に対応する良き王であったが、復讐を企てていたスカーの策略にかかり、ムーの大群に追われたシンバを助けるも崖から突き落とされ、最期を迎えた。
- スカー(Scar)
- CV:ジェレミー・アイアンズ/ジム・カミングス(歌パート代役)/壤晴彦(アニメ吹き替え)/
キウェテル・イジョフォー(実写版)/江口洋介(実写吹き替え) - ムファサの弟。シンバの叔父にあたる。普通のライオンと同じ毛色のムファサとは違い、黒い鬣と濃い茶色の体毛を持ち、そして右目の周りには深い傷が残っている。普段は丁寧な言葉遣いをしているが、目的のためであればどのようなことでも行う残忍で冷酷な性格である。
本来であればスカーが次の王位継承者になるはずであったが、ムファサに跡継ぎのシンバが誕生したために王位の継承を絶たれた。そのことがスカーの怒りを買い、ムファサとシンバを殺害し、そして王となってプライド・ランドを支配する計画を立てることとなった。その作戦は実行され、兄ムファサの殺害に成功している。さらに裏では本来は敵対勢力であるハイエナの群れと手を組み、ハイエナたちをも手下として支配していた。
「ライオン・ガード」ではプライド・ランドのサークルオブライフを守護するチーム「ライオン・ガード」の先代リーダーであることが判明した。 - ザズー(Zazu)
- CV:ローワン・アトキンソン/ジェフ・ベネット(「朝のご報告」の代役)/梅津秀行(アニメ吹き替え)/ジョン・オリバー(実写版)
- プライド・ランドの王に代々仕える執事のサイチョウ。幼少期のシンバやナラの面倒見もしていた。執事であるが故に礼儀正しく、ツッコミ係にもなっている。
- ティモン(Timon)
- CV:ネイサン・レイン/三ツ矢雄二(アニメ吹き替え)/
ビリー・エイチュナー(実写版)/ミキ・亜生(実写吹き替え) - シンバが旅立った先で出会ったミーアキャット。頭の回転が早く、口は悪いが面倒見はいい。ティモンもシンバと同じく、以前住んでいたところから追い出されている。
プンバァと一緒にシンバを育てた。 - プンバァ(Pumbaa)
- CV:アーニー・サベラ/小林アトム(アニメ吹き替え)/
セス・ローゲン(実写版)/佐藤二郎(実写吹き替え) - シンバが旅立った先でティモンと出会ったイボイノシシ。ティモンと常に一緒にいる。のんびり屋で気が優しく力持ち。以前は他の群れの中にいたが、体臭やオナラが強烈に臭かったために嫌われ追い出された。
二人は「ハクナ・マタタ」(スワヒリ語で「どうにかなるさ」という意味の言葉)をモットーに生活しており、育てられる中でシンバもこれを教わった。 - ラフィキ(Rafiki)
- CV:ロバート・ジローム/槐柳二
- 年老いたヒヒ(猿)。王子誕生の儀式に必ず関わっている。また、二人に「ハクナ・マタタ」を教えた存在でもある。
- ハイエナ
- プライド・ランドにおけるライオンとの敵対勢力。スカーは本来敵であるハイエナたちと同盟を組みプライド・ランドを征服した。「象の墓場」をねぐらにしており、危険な地でありながらもシンバとナラは一度二人だけでここに向かってしまったことがある。
- シェンジ(Shenzi)
- CV:ウーピー・ゴールドバーグ/片岡富枝(アニメ吹き替え)/
フローレンス・カサンバ(実写版)/沢城みゆき(実写吹き替え) - スカーの側近のハイエナチームのリーダー。メス。なお実際のブチハイエナの群れもメスが支配している。リーダー性がしっかりとあり気が強い性格。
- バンザイ(Banzai)
- CV:チーチ・マリン/樋浦勉
- スカーの側近のオスのハイエナ。短気でそそっかしい性格。
- エド(Ed)
- CV:ジム・カミングス(吹き替え版でも原語版音声を流用)
- スカーの側近で同じくオスのハイエナ。基本台詞はなく、常にキチ顔でただ笑っているだけの変なやつ。常時舌を出している。
- アンジ(Anzi)
CV:エリック・アンドレ - カマリ(Kamari)
CV:キーガン=マイケル・キー/加瀬康之 - 実写版のみ登場するオスのハイエナ。アニメ劇場版におけるバンザイ、エドのポジションにあたる。
その他
- 本作のヴィランズ(悪役)であるスカーは、その風貌や振る舞い、経歴からかディズニーヴィランズの中でも特に人気の高いキャラクターであり、数多くのファンアートが製作されている。
- 続編として1998年に『ライオン・キング2 シンバズ・プライド』が、2004年に『ライオン・キング3 ハクナ・マタタ』がそれぞれOVAとして発売されている。『2』では前作の続きを描いており、『3』ではティモンとプンバァの出会いを描いている。
- また、1995年〜1999年にはテレビアニメとして同じく二人が主人公となるスピンオフ作品『ライオン・キングのティモンとプンバァ』が放送された。日本でもテレビ東京で放送された後、ディズニー・チャンネルやディズニージュニアなどで度々放送が行われている。
- 2014年にはさらなる続編であるテレビアニメ『ライオン・ガード』の製作が発表された。アメリカでは2015年11月より放送が始まっており、日本でも2016年よりディズニー・チャンネルで放送予定。 本作はシンバとナラの第2子、カイオンとその仲間たちを中心としたストーリーとなっている。
- お笑い芸人の大西ライオンは、劇団四季版の青年シンバのモノマネを得意としている。\シーンパーイナイサー!/
- 劇団四季版では、ティモンとプンバァの原語版において訛っている台詞を、各地で公演するときにその地域の方言に変えて演じている。例えば、東京公演の場合は二人の台詞が江戸言葉(べらんめえ口調)になり、大阪公演の場合は大阪弁になるという具合である。
関連動画
関連静画
関連項目
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- ファンタジア
- シュガー・ラッシュ
- リロ・アンド・スティッチ
- アナと雪の女王
- 塔の上のラプンツェル
- プリンセスと魔法のキス
- ベイマックス
- ムーラン
- リトル・マーメイド
- 眠れる森の美女
- ズートピア
- 三人の騎士
- ノートルダムの鐘
- ダンボ
- アラジン(ディズニー映画)
- 美女と野獣
- アナと雪の女王2
- ラーヤと龍の王国
- ターザン
- ピーター・パン
- モアナと伝説の海
- ビアンカの大冒険
- ビアンカの大冒険 ゴールデン・イーグルを救え!
- ポカホンタス
- ブラザー・ベア
- ダイナソー
- 101匹わんちゃん
- ピノキオ(1940年の映画)
- ウィッシュ(映画)
- ふしぎの国のアリス
- バンビ(映画)
- わんわん物語
- ヘラクレス(1997年の映画)
- ジャングル・ブック
- 王様の剣
- ラマになった王様
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