超電磁マシーン ボルテスⅤとは、1977年に放映された創映社(現・サンライズ)制作のロボットアニメである。
なお、ボルテス「Ⅴ」の部分はローマ字のVであり「ファイブ」と読む。
総監督 | 長浜忠夫 |
---|---|
アニメーション キャラクター |
聖悠紀 |
音楽 | 筒井広志 |
制作 | 創映社 |
製作 | テレビ朝日 東映 東映エージエンシー |
話数 | 40話 |
概要
悪のボアザン星人から地球の平和を守るため、五人の少年少女が戦うロボットアニメ。総監督は長浜忠夫。「超電磁ロボ コン・バトラーV」から続く、「長浜ロマンロボシリーズ」の二作目である。
コン・バトラーVが1話完結で視聴層が幼児から小学生だったのに対し、ボルテスVは中高生、大人も見れる事を目指しており、ストーリーも大河ドラマ風的ストーリーとなっている。序盤から母が特攻で帰らぬ人となる、敵勢力「ボアザン星」は角の有無で階級が全く異なるなど、重い設定も多い。敵役である「プリンス・ハイネル」に惹かれて女性ファンも多かった(声は前作の美形敵キャラ・ガルーダを演じた市川治)。
フィリピンでの人気と実写化
1978年に放送されたフィリピンでは国民的人気作品となっており、視聴率は約50%を記録、OP曲を歌った堀江美都子さんが訪れた際には国賓級の扱いを受けていた。2006年に当時の安部元総理夫妻がフィリピンに訪れた際にも、夫人が訪れた施設にて現地の若者はED曲を歌って迎えたとか。日本語はさっぱり分からないが「ボルテスVのうた」なら空で歌えるフィリピン人は相当いるとされている。
これは当時のフィリピンではアニメと言えばアメリカ製作のものばかりだったため、日本製アニメのドラマっぷりが非常に新鮮で好評を得たことによるものとされている。だが暴力的内容を含むなどのかなり無理矢理な理由で残り4話で打ち切りにされてしまった。だが、打ち切りを決めたマルコス独裁政権が倒れた後、最後の4話が放映されている。(このため、ボルテスを見るために革命が起こった、などのジョークが生まれたとされる。ボルテス本編も最後は革命が起こるので皮肉である)
たびたび再放送もされており、1999年ごろには再ブームも起こり若い世代にまでボルテスが浸透している。
実写化『ボルテスV レガシー』
2020年、地元GMA NetworkによってCGを多用した実写リメイク作品『Voltes V Legacy』(ボルテスV:レガシー)の制作が発表された。東映の許諾・監修を受け当初2022年のテレビドラマ化を目指していたが、コロナ禍など諸般の事情から「2023年放送予定」にずれ込んでいたが、2023年4月20日に情報を公開。5月8日にフィリピンにて全80話予定で、先行で4月19日フィリピンの映画館にて第1話~3話までまとめたものを公開された。(ちなみにこの時、待ち時間にみんなで日本語の主題歌を歌っていたというからフィリピンの皆さんの愛が分かる)
制作に3年以上かけたというその内容は、あまりにもクオリティの高いCG、キャラ設定、堀江美都子さんもビックリのフル日本語の原作に忠実な主題歌(英語やタガログ語の歌詞も試したが、日本語でないと曲に魔力が入らない、とのこと)等、作品愛が深すぎるほどのものだった。日本でもトレーラーが公開された際には、Twitterのトレンドや大百科の急上昇ワードにも乗るほど周りを騒然とさせた。どれほどのものかというと、昨今の駄目な実写化を作っている連中にフィリピンの制作陣の爪の垢を煎じて飲せたいレベル。中途半端なものを作ると命を狙われるから歌詞通り「ボルテスVに命をかけて」いるとも。
そのあまりの話題性もあって日本でも東映が日本でのTV放映や有料配信を検討している。
主な登場人物
ボルテスチーム
- 剛健一(ごう けんいち) CV:白石ゆきなが
- 主人公でチームのリーダー。ボルトマシン1号機「ボルトクルーザー」のパイロット。
ボルトクルーザーはボルテスVに合体時は頭部となる戦闘機。ボルテスは健一がメインパイロットとなって操る。 - 剛三兄弟の長男で初期設定では15歳(あくまで初期設定であり、作中ではもう少し上の年齢で扱われている)。父の記憶も有り長男・チームリーダーという立場からもある程度は自制が効くものの、やはり父が絡むと浮足立つお年頃。
- 射撃の腕前は抜群なのだがスポンサー様の急な変更でボルテスのメインウェポンが剣になってしまったので、長所があまり活かせないハメに。とは言え逆手に取った特訓エピソードが有ったり、なんやかんやで銃を射つ機会もあるので完全な死に設定という訳ではない。スパロボではガンファイトを覚えて遠距離戦で役に立つ作品も。
- 【LEGACY版】
スティーヴ・アームストロング(Steve Armstrong) - 峰一平(みね いっぺい) CV:曽我部和行(現・曽我部和恭)
- ボルトマシン2号機「ボルトボンバー」のパイロット。
ボルトボンバーはボルテスVに合体時は腕部となる爆撃機。
一平はボルテスのサブパイロットという事になっているが、具体的な描写は無く合いの手を入れる程度である。 - クールな皮肉屋で、一家で渡米し開拓民となっていたが父は病気に倒れ、母は父と一平を見捨てて蒸発(後々真相が判明する)…という境遇で一人で過ごしていたため、両親の事でワーワー騒ぐ三兄弟に毒を吐くこともしばしば。
- 全米ロデオ大会3年連続チャンピオンで馬術・鞭の腕前は抜群(ボルテス操縦の上では関係ない技能ではある)。3連覇した所を拉致スカウトされビッグファルコンに。
実は母は浜口博士の娘、つまり一平は浜口博士の孫という事になり、そこからチームに召集されたものだと思われる。ただ浜口博士と血縁であるという事について作中では特に触れられていない。 - 【LEGACY版】
マーク・ゴードン(Mark Gordon) - 剛大次郎(ごう だいじろう) CV:玄田哲章
- ボルトマシン3号機「ボルトパンザー」のパイロット。
ボルトパンザーはボルテスVに合体時は胴体となる戦車(パンザー=PANZER)。 - 剛三兄弟の次男の巨漢。西郷隆盛に憧れており薩摩弁で喋るというコン・バトラーVの西川大作の安直なオマージュ。初期設定では13歳。父の記憶は微かにあるという状態で、父の事となると割と取り乱す。
- 棒術の達人。棒術を修得する過程で剣術もある程度は触っているようで、剣はまだまだ…な健一を特訓するエピソードがある。
- 【LEGACY版】
ロバート・"ビッグ・バート"・アームストロング(Robert "Big Bert" Armstrong) - 剛日吉(ごう ひよし) CV:小原乃梨子
- ボルトマシン4号機「ボルトフリゲート」のパイロット。
ボルトフリゲートはボルテスVに合体時は腰・両脚となる潜水艇型マシン。 - 剛三兄弟の末っ子。初期設定では8歳。生まれて間もない時期に父がいなくなったため父の記憶は無し。まだまだお子様という事もあり、父の事となると激しく取り乱す。
- 水泳が達者で水中行動はおまかせ!…だがそれを活かす機会は1エピソードだけ。
また手先が器用で模型制作に熱中したり、タッコ(CV:堀絢子)と呼ばれるタコ型マスコットロボを作り上げたりしている。 - 【LEGACY版】
ジョン・"リトル・ジョン"・アームストロング(Jon "Little Jon" Armstrong)ボルテス合体時は機体の管理を担当。 - 岡めぐみ(おか めぐみ) CV:上田みゆき
- ボルトマシン5号機「ボルトランダー」のパイロット。
ボルトランダーはボルテスVに合体時は両足となる偵察車両型マシン。忍者が搭乗することを見込んでいたのか「ランダー手裏剣」なる珍武装が搭載されている。 - 岡防衛長官の娘でチームの紅一点。初期設定では13歳。
甲賀流第十八代目の忍者。甲賀流と言っても山田風太郎的なサツバツとしたアレではないのか、精神的にはやや甘め。 - 【LEGACY版】
ジェイミー・ロビンソン(Jamie Robinson)
主な楽曲
- ボルテスⅤのうた - 歌:堀江美都子、こおろぎ'73、コロムビアゆりかご会 / 作詞:八手三郎 / 作曲:小林亜星
- 父を求めて - 歌:水木一郎、こおろぎ'73/ 作詞:あおいあきら / 作曲:小林亜星
- VOLTES Ⅴ NO UTA -歌:ジュリー・アン・サン・ジョゼ (ボルテスⅤレガシー 主題歌)
関連動画
関連項目
- 超電磁ロボ コン・バトラーV
- 白石ゆきなが(主人公:剛健一の声優)
- 市川治(ライバル的悪役:プリンス・ハイネルの声優)
- アニメ作品一覧
- スーパーロボット大戦シリーズ登場作品の一覧
- 超電磁大戦ビクトリーファイブ
- 堀江美都子
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