とんでも明るい日陰少女
『陽子さん、すがりよる。』とは、マガジンポケットにて連載されていた漫画作品である。
作者はスズモトコウ。コミックスは全4巻。
概要
2018年7月2日から2019年11月18日まで、毎週月曜更新で連載。
PixivやTwitterにて短編漫画を投稿していたスズモトコウによる、少年誌初連載作品。(本作と同時期にComicWalkerにて『励まし嫁』が連載化されている。)
「たっくる」名義で2017年10月・11月に投稿された短編漫画『陰キャの陽子さんは依存する』を前身としており、ヒロイン・橘陽子のキャラクター以外は一新されている。
マガポケでの連載は好評となり、週刊少年マガジンにも2度出張掲載が行われたが、学業を理由に51話で完結した。
あらすじ
森岡慎吾はイカつい見た目から入学1週間目にして友達ができずにいた。そんな中、グループワークをきっかけに話しかけた橘陽子は、話しかければ話すが会話は全く続かない、自称「スーパー陰キャ人」だった。
そんな陽子さんに話しかけてしまった森岡くんは陽子さんから友達認定されてしまい、ことあるごとに絡まれるようになる。
登場人物
- 橘陽子
- ヒロイン。名前に反してスーパー陰キャ人。姉が一人いる。
- 銀髪のロングヘアを持つ容姿端麗の美少女だが、身内以外のコミュニケーションが苦手で、森岡に出会うまで友達が一人もいなかった。幼少期の友達はコリドールというゲームだけだったらしい。(ちなみに、Pixiv版では朋ちゃんというメガネ女子が唯一の友人として登場したが、マガポケ版には登場していない。)
- 身長はそれなりに高い。また、普段は制服で目立たないが結構なグラマーでもあり、水泳の授業では森岡も目のやり場に困っていた他、身体測定ではネチネチがジェラシーを感じていた。また、ハロウィンで意図せずスリングショットの魔女コスプレを披露した際は周囲の目線を釘付けにした他、文化祭で半ば強引にさせられたメイドのコスプレは、生徒会長以下男子諸君にすこぶる好評だった。このスタイルの良さは遺伝らしく、単行本のラフでは両親と姉も「デカイ」ことが描かれている。
- 普段は前髪を伸ばして顔をあまり出さないようにしている。一度美容院で髪を短くしてもらった事があったが、あまりの変貌ぶりにネチネチから「アイデンティティを喪失してる」と大笑いされた。
- オタクな一面もあり、休日に雪合戦に巻き込まれキングダムハーツが出来ずにいたことを嘆いていたほか、漫画家のサイン会にも行っている。
- 何故高校に受かったか分からないくらい学力は低い。唯一美術だけはまともな成績らしく、ネット上のtmittERにイラストを投稿した際はそこそこの評価を得ている。
- ハッピーセットのオモチャのようになっていたところを森岡から話しかけられたことをきっかけに、以後の高校生活は彼に依存することを一方的に宣言。当初は森岡も迷惑がっていたものの、携帯番号の交換、買い食い、休日のアニメショップ、席替えで隣を熱望など、いつしか友達以上の関係を築き上げていく。計画停電で銭湯に行った際には、男湯風呂に一緒に入ろうとさえした。最終的には森岡と相思相愛になり、エピローグでは同棲している様子が描かれた。
- 森岡慎吾
- 主人公。赤髪、長身、不良っぽい見た目で入学早々誰も寄り付かずグループワークでペアを見つけられなかったために、たまたま余った陰キャの陽子に絡まれてしまった哀れな男子。よくゴリラ扱いされるが、本人は嫌がっている。見た目に反し勉強はそこそこできる方。
- 周りの男子からは、常に周りに女子がいることを密かに羨ましがられている。
- 当初は陽子のことを単なる鬱陶しい奴として扱っていたが、持ち前の人の良さも相まって最後は彼女のペースに巻き込まれてしまう。
- 後に陽子を女性として意識するようになってからは極度のヘタレっぷりを発揮するも、ふとしたことがきっかけで付き合うに至り、最終的には一緒に暮らすようになった。
- Pixiv版では彼に相当する人物はおらず、代わりに雨宮大河という明るい性格の男子が陽子に絡んでいた。
- 日向留美
- 森岡の中学時代からの知り合いで、森岡が唯一「さん」付けで話す人物。身長は低く、お色気要素の最も少ないヒロイン。裕福な家庭で育つ。
- 明るく社交的な性格で、1年1組のアイドル的存在だったが、陽子と出会ってからは、堂々とパンツを覗く、SNSアカウントを突き止める等、陽子のプチストーカーになっている。
- 視力はかなり悪く、矯正無しだと風呂場の隣の人物が判別できない。普段はコンタクトレンズをしているが、一度だけメガネをかけてきた事がある。
- 隠れSな一面もあるが本質的には悪い子ではなく、陽子に付きまとうのは彼女と接するのが楽しいから。その為、ハロウィンやクリスマスは積極的にイベントに誘っていたが、文化祭で無理をさせた時は涙を浮かべて本気で謝罪した。また、出会った頃は苗字で呼んでいたが、後に陽子ちゃんと呼ぶようになっている。
- 終盤ではなかなか進展しない陽子と森岡の関係にやきもきしていた。
- 那智百合花
- 1年にしてバスケ部のレギュラーポジションに君臨する脳筋女子。本作の隠れたパンチラ要員。
- ネチっこくしつこいディフェンスが得意なことから、ついたあだ名は「ネチネチ」。以後陽子からもその名前で呼ばれる羽目になる。陽子とは体育の授業のバスケで恥をかかされたことをきっかけに絡むようになり、以後席も近くなったことで陽子達と共に過ごすことが多くなった。
- 学力は陽子といい勝負。
- 家は少々貧しいらしく、食事が絡むと普段以上に貪欲になる。
- 容姿は『励まし嫁』のキャラクター、水戸智秋に似ている。
- 白鳥誠一郎
- 成績優秀、才色兼備、そしてちょっとイヤなヤツという、典型的な生徒会長。
- 生徒会長選挙のビラ配りをしていた時に陽子を見かけ、一目惚れ。会長権限で陽子を副会長に推薦するも、森岡と遊べなくなるのが嫌という理由でアッサリ断られる。
- 文化祭では煽るためだけに1-1のコスプレ喫茶に現れるが、陽子のメイド姿に卒倒。その後、「もえもえキュン」を見た際には某北斗拳士の如く天に還ろうとさえした。
- その後、実業家として成功した模様。
- 蜂須賀紅葉
- 校則の鬼を自称する生徒会副会長。
- 文化祭では白鳥を介抱するだけの役で登場したが、その後陽子を「会長を誑かす不良少女」と勘違いしながら再登場。校則違反で陽子をしょっ引こうとするものの、大した成果を上げられずにチャイムで撤退した。その後、球技大会でも陽子と鉢合わせすることになる。
- 苗字が阿波国・淡路国を治めていた蜂須賀氏と同じだが、徳島県にルーツがあるわけではなく、原作者曰く愛知方面がルーツではないか?とのこと。
- 高橋八千代
- 陽子のクラスの担任教師。英語科担当。
- 仲良し好きで、とにかくグループワークを生徒に課す事が多い。ある意味本作の元凶。
- 純粋すぎる所があり、ネチネチの簡単な嘘にもすぐ騙される。
- かつては陸上部だったらしく、足はかなり速い。挨拶運動ではあらゆる手で逃げようとする陽子に、どんな手を使ってでも笑顔で挨拶をさせるという執念深さを見せた。
関連静画
関連項目