スターオーシャン5 Integrity and Faithlessnessとは、トライエースが開発しスクウェア・エニックスから発売したPS3、PS4用RPGである。略称は「SO5」「スタオー5」など。
概要
SFとファンタジーが融合する世界観のRPG、『スターオーシャン』シリーズのメインタイトル第5作目。前作「SO4」から約7年ぶりに発売される最新作。イラストレーターあきまんがキャラクターデザインを、シリーズお馴染みの桜庭統が音楽を担当する。
開発のトライエースはディレクターに小川浩(「SO3」メインプランナー/「IU」ディレクター)を据え、シリーズメインコンセプターの五反田義治がメインシナリオを手掛けるほか、則本真樹などシリーズ中核スタッフが参加している。プロデューサーは、エニックス時代から「SO」「VP」シリーズの宣伝を務めてきたスクウェア・エニックスの小林秀一。
「2016年2月25日発売」と発表されていたが、品質向上のため発売日が2016年3月31日に延期となった。またその後、ハード性能に合わせた最適化を理由に、PS3版のみ翌月の4月28日へと延期された。
作品時系列としては「SO2」と「SO3」の中間、それぞれから二百年前後開いた時代に位置づけられる。ただし、シリーズにほぼ共通することだが、大枠の世界観・設定を共有しているという繋がりに留まり、過去作とシナリオに連続性はない。
システム
- シームレスリアルタイムバトル
- 本作の核となるシステムであり最大の特徴。移動、会話イベント、バトルが画面切替なしに同一フィールドでシームレスに進行する。最大7名パーティー(操作可能キャラは全6名)と、エネミーやNPCがリアルタイムで入り乱れる迫力の戦闘が展開。シーンによっては十数体を超えるキャラクターが集団戦を繰り広げる。
バトルシステムとしては、3つのボタンに対応した「小攻撃/大攻撃/ガード」の三すくみを基本とする「SO3」の発展型。敵との距離によって攻撃方法が変化し、続けて押すことでコンボが発動する。通常攻撃やバトルスキルの連発で爽快に戦える一方で、キャラ固有の〈ガードカウンター〉や、1ボタン操作のキャラクターチェンジ、ステップなどを駆使する戦略性、共有ゲージ制の超必殺技〈リザーブラッシュ〉での派手な演出など、様々に楽しめるシリーズ正統進化となっている。 - ダイナミックカットシーン
- シームレスを実現するイベント演出。移動中・バトル中を問わずキャラクターたちの会話が発生・進行し、その間もキャラクター操作やカメラアングル変更がプレイヤーの自由に可能となっている(従来のムービーによるイベントパートも存在)。あらゆる場所で戦闘の可能性があり、イベントの流れで敵が襲ってきたり、バトル中に特定キャラを護衛するなどミッションが発生し、結果次第でその後の展開に影響するなど、ストーリーをより臨場感をもって味わえる。
- アイテムクリエイション
- シリーズの代名詞的要素がキャンプメニューでどこでも実行可能なスタイルとして復活。調合や料理など素材アイテムを使う〈レシピ合成〉、複数アイテムを掛け合わせ全く別のアイテムを作る〈クリエイティブ合成〉、そして装備品のパラメータupやファクター付加ができる〈装備強化〉という、3種に大別されるシステムとなっている。
- パーティスキル
- 本作では、バトルスキル(必殺技)以外のスキルシステムはパーティー全体で共有となっている。各種クリエイション対応スキルほか、フィールド上での素材採取・サーチ系、敵種別毎のアイテムドロップ率上昇系をはじめ、多種多様な用途のスキルが存在する。シリーズ恒例の特技の数々も健在な模様。
- ロール
- 戦闘における役割設定。ロールひとつにつき、パーティーメンバーのAI行動に影響を与える「作戦」と、それに対応してパラメータ補正や特殊効果を付加する「ファクター」が設定されており、攻撃系/防御系/回復系/サポート系/特殊系と大きく分類される。パーティー全体で共有し、ひとり最大4つまでセットすることが可能。また、戦闘で上がる熟練度かスキルポイントで成長させることができ、特定のロールレベル到達やストーリー・PA等で派生ロールが解放されていく。「誰にどのロールを、どんな組み合わせで持たせるか」によって、戦闘をより有利に進めることができる。
- プライベートアクション(PA)
- SOシリーズの代表的な要素。仲間と散開した街中で、自由行動中に様々なサブイベントが発生する。選択肢が出る場合もあり、選んだ答えによって仲間内の感情度が変化し、バトル時行動やエンディングに影響していく。なお今作では、街中で任意発生させるPAだけでなく、条件を満たしているとフィールド移動中にもPAが自動発生する。道中PAには性質上、街中PAと比べてより多くパーティーメンバーを交えた内容の会話もあるようだ。
ストーリー
- プロローグ
- 舞台となるのは、地球から六千光年以上離れた惑星「フェイクリード」。
"呪印"と呼ばれる魔術で独自に発展した文明の中心地、ヴェスティール大陸の辺境からすべては始まる。
大陸有数の強国「レスリア王国」は、数百年続いたその繁栄に影を落としつつあった。
突如として動物たちが狂暴化し、"呪印生物"が出現して人を襲うという謎の現象が発生。
王国の調査でも呪印の影響ということ以外何もわからずに、平穏な日々が脅かされることとなったのだ。
七年の月日が流れ、王国全体の治安と情勢は着実に悪化。
〈エイタロン〉と名乗る集団が辺境を荒らし、資源と領土を狙う西の隣国「トレクール王国」と交戦状態となっていた。
高度な"呪印"技術で栄える東隣の大国「ランドック王国」との同盟もあって強国としての力は維持されているが、
〈暗黒の七年間〉と言われるようになった不安定期に終わりは見えていない。
そんな折、レスリア王国南端の辺境にある村、「スタール」にも動乱の波が押し寄せていた――。
登場人物
パーティーキャラクター
- フィデル・カミューズ (CV:石川界人)
- 本作の主人公。高名な剣術士を父に持ち、受け継いだ才能を活かしてスタール村の治安を守る青年。父に任された道場で若くして師範を務めている。何に対しても誠実であり、有事にも動じず対処できる能力と冷静さを備えるが、その内には熱さを秘める。レスリア国内の動乱が生まれ育った地にまで及んだことで、危機を乗り越える術を求めてミキと共に故郷を旅立つことになる。
戦闘では、どの局面にも対応できる癖のないオールラウンダー。攻撃が繋げやすいため、強敵との一対一で真価を発揮するタイプ。 - [年齢:23歳 武器: 片手剣]
ガードカウンター: 「リフレクト・ストライフ」/リザーブラッシュ: 「イセリアル・ブラスト」 - ミキ・ソーヴェスタ (CV:東山奈央)
- 本作のヒロイン。フィデルの幼馴染で、彼を兄のように慕っている。希少な治癒能力を持つ呪印術士で、村の守りにも一役買っている。感情豊かでくるくると表情が変わるような活動的な少女で、フィデルからは未だに子供扱いされる。実際甘えがちなところもあるが、一度こうと決めると引かず責任感も強い。リリアと出会ってからの旅ではよく世話を焼き、懐かれるようになる。ちなみに、見た目から想像できない程の大食い。
戦闘では、治癒と火/土/光属性の呪印術を使って回復と攻撃のどちらもこなすことができる。 - [年齢:18歳 武器: 杖]
ガードカウンター: 「オーヴァーウェルム」/リザーブラッシュ: 「アーケイディア」 - ヴィクトル・オークヴィル (CV:中村悠一)
- レスリア王国軍で特殊部隊を率いる軍人。任務に忠実かつ部下の信頼も厚く、戦争で命を奪うことに葛藤し続ける生真面目な男。パーティーの仲間に対しても「○○殿」と呼びかける。王都に赴く途中のフィデル達に偶然出会って助力し、その縁から作戦行動への協力を受けることになる。剣術指南に出向いたフィデルの父に教えを受けたため、彼の流派としては弟弟子にあたる。
戦闘は中近距離の範囲攻撃を得意とし、乱戦で特に殲滅力がある集団戦対応型。 - [年齢:32歳 武器: 片手剣&鞘(二刀流)]
ガードカウンター: 「影祓い」/リザーブラッシュ: 「裏桜花炸光」 - フィオーレ・ブルネリ (CV:遠藤綾)
- ランドック王立呪印研究所に属する世界有数の呪印術士。レスリア軍に招聘され協力している。露出の高い特徴的な服を着こなす、理知溢れる美女。奇抜な衣装は優れた能力の証である呪印を隠さず示す意味があるもので、本人は至って常識人。クールな振る舞いを見せるが鷹揚で人当たり柔らかな性格であり、茶目っ気も覗かせる。
戦闘では、呪珠を飛ばす中距離戦も可能だが、強力な呪印術による水/風/闇属性攻撃と補助が中心となる。 - [年齢:25歳 武器: 呪珠(オーブ)]
ガードカウンター: 「F・パニッシュメント」/リザーブラッシュ: 「F・ディストピア」 - エマーソン (CV:諏訪部順一)
- アンヌと行動を共にしている、旅人の風体をした中年男性。旅の目的は不明ながら、ざっくばらんで常にフェアな行動をとることを信条とし、酒と女を愛して日々ナンパに勤しむ。だが過ぎた軽薄さではなく、時に毅然とした大人の態度をみせる。
戦闘スタイルは、間合いを保って安全に三すくみを制し、効果的に攻撃・スキルを放つことができる中・遠距離型。 - [年齢:41歳 武器: ボウガン]
ガードカウンター: 「ミダレザクラ」/リザーブラッシュ: 「バースト・エミッション」 - アンヌ (CV:藤村歩)
- エマーソンの旅に同行する、眉目秀麗で知的な女性。正反対のような性格である彼の行動には振り回されることも多い。格闘術で凛然と戦闘をこなし、常識と理性で仲間を窘める役にもなるが、冷淡ではなく深い優しさをもっている。しっかり者だが、時折抜けた行動をみせることも。無類のネコ好き、ネコこそが至高。
戦闘は近接特化で、バリエーション豊かで強力なスキルと手数のラッシュ、または素早さを活かしたヒット&アウェイなど、状況に応じて立ち回れる。 - [年齢:28歳 武器: ナックル]
ガードカウンター: 「マイト・ディスチャージ」/リザーブラッシュ: 「キャノン・ブレイズ」 - リリア (CV:小倉唯)
- 記憶と感情を失い、何者かに狙われている少女。フィデルとミキに出会い、自身から失われたものを取り戻すため一緒に旅することとなる。物語の鍵を握る極めて特殊な能力をもっているようだが、一切が謎に包まれている。元来の人格か純真さ故なのか、不安や恐怖で戸惑わずに受け止める忍耐力や、戦場の空気にも臆さない肝の据わったところがある。
パーティー中、唯一戦闘時の操作が不可能なキャラクター。ではあるが、それ以外は他のメンバーとほぼ同様であり、装備変更やレベルアップ、ロールの習熟が可能。戦闘では攻撃こそ行わないものの、特殊能力やサポートスキルによって積極的に仲間を強化・補助する。 - [年齢:12歳 武器: なし]
サブキャラクター
- ウェルチ・ビンヤード (CV:半場友恵)
- 交易の街にラボを構えて日夜アイテム研究に励んでいる、ハイテンションな自称"天才美少女クリエイター"。巨大な指差し棒がトレードマーク(武器)。素材集めなど色々な用事を押し付けて依頼してくる代わりに、アイテムクリエイションの貴重な技術・知識をパーティに授けてくれる。
「SO3」以降シリーズの常連キャラと化しているが、作品を跨ぐ彼女の関連性、いかなる存在かは謎のままである……。 - テッド (CV:下野紘)
- スタール村に暮らす青年。フィデルやミキの幼馴染であり、共に村を守る仲間でもあるカミューズ流剣士。若くして道場を継ぐことになったフィデルと切磋琢磨しながら剣の腕を磨き合っている。
- ダリル・カミューズ (CV:置鮎龍太郎)
- フィデルの父親。高名な剣術士であり、中央レスリアの軍事顧問として剣術指南を務める壮年の男。卓越した武技と知略、またその厳格さから広く人望を集める。
- ケイサス (CV:林勇)
- ランドック王立呪印研究所の所長。まだ少年ながら、呪印研究の権威であり並ぶもの無き天才研究者。フィオーレの師匠的存在。本人は呪印を刻んだ術士ではない。
中央レスリア軍 特応作戦群
- グンター (CV:土田大)
- ヴィクトルの部下その1。特殊部隊において重要なポジションである突撃手を任される男。格闘で戦い、常に一番手で殴り込む。やんちゃ気質だが上官たちから信頼と期待をかけられている若手隊員。
- ハナ (CV:武田華)
- ヴィクトルの部下その2。隣国ランドック出身の呪印術士でフィオーレとも面識がある。若干22歳ながら高い能力をもち、また自身でもそれを証明するために戦っている。ふたつに丸く詰めた髪型が特徴的。「ですわ」口調のお嬢様。
- ダックス (CV:川島得愛)
- ヴィクトルの部下その3。高い諜報能力をもつ特応作戦群の要。寡黙な男だが、自分より年下のヴィクトルを上司として認め尊敬している。戦闘ではボウガンを使用して戦う。銀髪・眼鏡・美形。
その他
世界設定・用語
- 惑星フェイクリード
地球から6000光年以上離れた銀河連邦の未探査領域に存在する惑星。最も広大なヴェスティール大陸に人口の大半が集中している。文明レベルは地球の16世紀前後相当だが、呪印を用いた独特の技術発展によって栄えている。 - 呪印術
フェイクリードに広く普及する魔術であり、特殊な紋様(呪印)を刻み込むことで得る力を精神力で制御し、様々な現象を起こすというもの。紋様を刻んだ何らかの物体を媒体とすることで発動できるが、通常、術者は最も効率の高い自身の身体の一部に刻み込んでいる。また、複雑な呪印ほど強力な効果を発揮することが可能。ヴェスティール大陸ではランドック王国が、首都サンテロールの王立研究所を中心に最も発展を遂げている。
なお、おそらくは銀河連邦で確認されている「紋章術」とほぼ同種の技術と思われる。 - 銀河連邦
宇宙暦12年に設立した地球連邦を前身とし宇宙暦360年に改称された、多種多様な惑星系から数百種の知的生命体が加入する連邦政府。勢力を拡大させることによって、統一された宇宙の平和と秩序を求める組織。その理念と手続きの正統性をめぐり、常に数多くの火種を抱え続ける。 - チャールズ・D・ゴールF
銀河連邦の最新鋭戦闘探査艦のひとつ。ストーリー中でフィデルたちが何らかの形で利用することとなる宇宙船。戦闘探査艦とは、連邦の勢力圏外で未知の宙域を探索するために建造された大型艦のこと。数年単位での任務を単独で可能にするため多くの人員と各種設備施設を有し、有事の戦闘に備えた強力な武装と高性能なエンジンを搭載している。 - 宇宙暦537年
物語の背景となる時代。銀河連邦の歴史上では、その後の航宙技術に革命をもたらす「重力ワープ」の理論が発明されることになった年号だが…?
テーマソング
ラジオ
- 「石川界人・中村悠一のスター"ラジ"オーシャン」
- 2016年1月より、文化放送超A&G+にて、毎週水曜21:30~放送中。
フィデル役・石川界人とヴィクトル役・中村悠一がパーソナリティーとなり、『スターオーシャン5』の魅力や最新情報を、トークやコーナーで盛り上げながら紹介していく応援ラジオ番組……とはいえ、発売前は出せる情報が限られていることもあり、直接関係ない話題も多く飛び交う自由な番組である。
関連動画
キャラ紹介PV
関連項目
外部リンク
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- スターオーシャン Till the End of Time
- スターオーシャン4
- スターオーシャン セカンドストーリー
- スターオーシャン1
- スターオーシャン:アナムネシス
- スターオーシャン6 THE DIVINE FORCE
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