この記事はメタルギアシリーズの一作目、及び兵器についての記事です。 シリーズ全体についてはメタルギアシリーズの方に記述があります。 |
メタルギア(METAL GEAR)とは、コナミデジタルエンタテインメントより発売されているゲーム、及びメタルギアシリーズ・『スナッチャー』に登場する兵器の名前である。
1987年7月13日にMSX2用ソフトとして発売。当時コナミに入社したばかりの小島秀夫監督のデビュー作であり、記念すべきメタルギアシリーズ第1作である。他のタイトル案として『INTRUDER(侵入者)』があった。
コナミ社内における開発コードは「N313」。この数字はゲーム中の作戦名「OPERATION INTRUDE N313」としても登場する。
MSX2版はその後携帯アプリやWiiバーチャルコンソールで配信されたほか、『MGS3サブシスタンス』、『MGS3HDエディション』にも特典として収録されている。
「敵を倒して進むのではなく、いかに敵に見つからないように進むか」という、今日のステルスゲームのスタイルを確立した作品である(ちなみに「世界初のステルスゲーム」ではない。世界初のステルスゲームは現在はFPSシリーズとして知られている「Wolfenstein」シリーズの第1作『Castle Wolfenstein』)。
ギネス世界記録には「ステルス要素を完全に取り入れた最初のビデオゲーム」として登録されている。なんか複雑である。
ゲームシステムは見下ろし型の2Dアクションで、マップはスクロールではなく画面切り替え式。
匍匐やジャンプといったアクションはいっさいなく、基本的なプレイヤーの行動は移動と射撃(または近接攻撃)のみである。
ゲーム開始当初はろくな装備がなく、ゲームを進めていく中で現地調達していく必要がある。中には、トラップを突破するために必要な装備品や武器があるため、むやみに進めても進行できなくなる。
シリーズ最初の作品だけあって、敵兵の無能ぶりはシリーズ随一。彼らや監視カメラの視界は長いが狭く、いわば棒。敵兵の前を横切ることさえなければ、どれだけ接近して、顔の斜め前を歩いたりしても見つからない。また、移動も非常に単調で避け易い。ただし、射撃すると同じマップ内にいる敵兵には即座に気付かれる。
シリーズでも今作のみの特徴として、「捕虜」の要素がある(後に兵士のキャプチャといった形で『MPO』などに引き継がれるが)。要塞内のそこかしこでとらえられている捕虜を救出することでスネークのランクが上がる。このランクを上げていないと、クリアに必要な装備が手に入らなかったりする。
ちなみに、シリーズの目玉アイテムであるダンボールは本作にもしっかり存在する。
1980年代後半、南アフリカに1つの武装要塞国家が生まれた。
その国の名はOUTER HEAVEN。その建国の礎となったのは、存在したかどうかさえわからないと言われる伝説の傭兵であると言われた。
1995年、このOUTER HEAVENで正体不明の恐るべき兵器が開発されているという情報を掴んだアメリカ政府は、ハイテク特殊部隊FOXHOUNDの出動を決定。同部隊の最優秀兵士であるグレイ・フォックスが潜入するが、彼は「METAL GEAR...」という謎の通信を最後に消息が途絶えてしまう。
FOX HOUND総司令官ビッグボスは、優れた能力を持つ新米隊員ソリッド・スネークに望みをかけ、彼を潜入させる。
彼に任された任務は、METAL GEARの正体を掴み、可能であればこれを破壊すること。
「テキ ヨウサイ OUTER HEAVEN ニ センニュウ サイシュウヘイキ METAL GEAR ヲ ハカイ セヨ」
こうして、世界の命運をかけた潜入作戦「OPERATION INTRUDE N313」が開始された。
この任務こそ、伝説の兵士ソリッド・スネークの最初の戦いとなるのであった。
MSX2版から半年後の87年12月22日にファミコン移植版『メタルギア』が発売された。
この作品はコナミの東京チームがキャラ・テキスト等一部データを受け継ぎ制作したもので、当時神戸にいた小島以下MSX2版スタッフは全く関与していない。
システム自体はMSX2版と同じだがプロットや演出に差異が見られ、またレベルデザインにもかなり粗さが目立つ(例:画面を切り替えた途端に敵に見つかる、ペトロヴィッチ博士のいる「ビル5」がどのビルだかわからない、等)。
極めつけは肝心のメタルギアが登場しないという点で、代わりに登場するのはやたらモニターが巨大なスーパーコンピュータ(笑)!という、劣化移植の見本のような出来に成り下がってしまった。
が、北米で発売されたファミコン(向こうではNES)版『メタルギア』はなんとヒット。海外向けの続編『Snake's Revenge』が発売されるほどの人気を博し、後に小島氏が正統続編『メタルギア2 ソリッドスネーク』を制作する遠因にもなった。このNES版は後にMS-DOS、コモドール64にも移植されている。
このファミコン版『メタルギア』は後にGC用ソフト『メタルギアソリッド ザ ツインスネークス プレミアムパッケージ』の特典として収録されているが、タイトル画面や解説書に「この作品の制作自体に小島秀夫監督は関わっておりません」と表示される徹底ぶり。氏の悔しさが垣間見える。
北米で好評を博したNES版メタルギアだったが、オリジナルであるMSX2版メタルギアは遂に発売されることはなかった(欧州では発売された)。低価格ホームコンピュータのシェア争いが苛烈を極める北米では、MSXが太刀打ちできる余地は殆どゼロだったのである。その為『メタルギア2 ソリッドスネーク』も北米では発売されず、北米のゲーマーがMSX2版をプレイするには『MGS3サブシスタンス』の発売を待つ必要があった。
ファミコン版メタルギアの開発元は前述の通りコナミ東京チームである。しかしNES版メタルギアのタイトル画面ではコナミの代わりに「ULTRA GAMES」という企業のロゴが表示される。
実はこの「ULTRA GAMES」、コナミのアメリカ法人「Konami of America(以下KOA)」の別名義(体裁は子会社)であり、実際には存在しないペーパーカンパニーなのである。
任天堂のアメリカ法人「Nintendo of America(NOA)」は「サードパーティはNESソフトを年に5本しか発売してはいけない」という謎のルールを設けており、それに対抗してKOAが年10本NESソフトを発売するために設立したのがこの「ULTRA GAMES」というわけである。ちなみにNES版メタルギアは「ULTRA GAMES」名義の第1作目。
その後NOAはSNES(スーパーファミコンの北米版)発売後にルールを改め、ULTRA GAMESは1992年にKOAに統合され消滅した。
ちなみに欧州でも同じ目的で「Palcom Software Ltd.」なるコナミのペーパーカンパニーが設立されている。
「メタルギア」の名は、東側のロボット工学者であるペトロヴィッチ博士(復刻版ではドラゴ・ペトロヴィッチ・マッドナー)が中心となって開発した「核搭載二足歩行戦車」のコードネームである。ここではMSX2版メタルギアに登場した初代メタルギア「TX-55」について触れる。
通常の戦車と異なり、対戦車・対歩兵戦闘は想定されていない。兵器コンセプトとしてはむしろ「核兵器搭載の潜水艦」のほうが、任務の性格上近いものがある。
また2足歩行の採用により戦車よりも高い不整地踏破性(森林地帯や山岳への進入も可能)を持つ。兵装は戦術核ミサイル発射ポッド一基(2発装填可能)をメインとする。本来陸上の核ミサイル施設・発射基は、各国とも相互の衛星による監視下に置かれるが、メタルギアはそれを困難、ないしは不可能にする存在であり、メタルギアによって戦術核が使用された場合の迎撃や報復攻撃も非常に難しい。
これはメタルギア保有側からすれば、核兵器使用の敷居(心理的抵抗、相互確証破壊のバランス崩壊)を下げ、敵対側からすれば常に核の恐怖に慄き、まともな作戦行動さえも困難になる。よって広島・長崎以来の核兵器の実戦使用を誘発させかねない。そのためメタルギアの完成と大量生産・配備は東西の核による均衡を崩す存在である。
時系列で言うと『MGS3』が初出。
「メタルギア」という言葉を生み出したソビエト連邦の技術者、アレクサンドル・レオノヴィッチ・グラーニンによる設計思想などはあったが、同国内の移動核兵器である「ロケット戦車」シャゴホッドに立場を奪われ計画は凍結していた。
『3』の後日談である『MPO』では初めて「メタルギア」の名を冠する兵器として「メタルギアRAXA」及び「大陸弾道メタルギア」が登場する。設計・開発者はシャゴホッドの開発者であるニコライ・ステパノヴィッチ・ソコロフ。
しかし「ロケットによって敵国及びその付近に降下、その後搭載している核弾頭で攻撃する」 というコンセプトはグラーニンが描いていたメタルギアの設計思想とは全く異なるものであり、歩行戦車と言うよりもむしろ「ロケットによって移動する核ミサイル砲台」といった方が正しい。元がロケット技術者であるソコロフらしいともいえる。
なぜこれが「メタルギア」という名で呼ばれるようになったかは不明。
その後『MGSPW』にてグラーニンの友人であったヒューイがその設計思想を受け継ぎ「AI搭載自動報復歩行戦機」、「ピースウォーカー」を設計・開発する。「核報復の意思決定を機械に委ねることで、人間による報復の不確実性をなくす」というコールドマン独自の思想の下に開発された、核報復の判断を下せるほどの「強い」人工知能を搭載した二足・四速可変歩行戦車であった。
コールドマンがピースウォーカーによる核発射を目論んでいると知ったヒューイはスネーク達の組織「国境なき軍隊(MSF)」に鞍替えする。MSFにおいてヒューイは二足歩行戦車「メタルギアZEKE」の開発を推進。ZEKEもやはりAIを搭載した無人機として開発が進められたが、後に有人改造型も登場した。海中に沈んだピースウォーカーから回収した核兵器を搭載することで、メタルギアZEKEはMSFの抑止力として君臨することとなる。
正史によればこれが初の「核搭載二足歩行戦車メタルギア」である。
『MG』のTX-55を経て、『MG2』ではTX-55を開発したペトロヴィッチ博士による「メタルギア改D」が登場する。『MG』では登場こそしたものの起動に至らなかったTX-55と違い、こちらは早い段階で起動しており、中盤~終盤においてスネークの前に立ちふさがった。
『MGS』ではメタルギアREXが登場。
開発者はヒューイの息子であるオタコン。呪われた家系と言われる所以である。
REXの目玉は何と言ってもレールガン核発射装置である。レールガンによって超高速で核弾頭を発射、推進剤を必要とせず、その他撹乱技術によってレーダーに捕捉されにくい「ステルス核弾頭」はすなわち撃墜による核攻撃阻止を困難にする画期的なシステムであった。また、核の運搬手段が「推進剤を使用するミサイル」や「戦略爆撃機」でもない為、戦略兵器削減条約にも抵触しないおまけつき。
ソリッド・スネークの攻撃によって活動を停止、その後9年間にわたってシャドーモセス島に放置されていた。
『MGS2』では対メタルギア用メタルギアとしてメタルギアRAYが登場する。各国で開発が進められているメタルギアを駆逐するための兵器であることから、これには核を発射する機能はついていない。
試作機は有人機であったが、量産の際に無人型に変更。海兵隊主導のプロジェクトということもあり泳ぐこともできる水陸両用メタルギアとなった。
『MGS4』では歩兵支援用無人小型メタルギア「月光(GECKO、正式名称『IRVING』)」が登場。
対人戦を想定して造られており、武装はワイヤー、機銃、足による格闘。装甲車を蹴り飛ばす様なパワーと、二足だけで壁を登れるような繊細さを併せ持つ。
その実働数は戦車の数を超えるとも言われており、通常兵器としてのメタルギアの象徴とも呼べる機体である。
またMGS4ではモセス島にて再起動を果たしたスネーク操るREXとオセロット操るRAYによるシリーズ初の巨大兵器VS巨大兵器の戦いが描かれた。
MGS4より後の物語である『MGR』でも月光は依然通常兵器として流通し、RAYは巨大な高周波ブレードを搭載した改造を施されているものが登場する。
また、サイボーグ技術の発達により人間サイズで大型無人機並みのスペックのサイボーグを作ることも可能。
人間自体がメタルギアのようになれるサイボーグ技術は、グラーニンの提唱した「歩兵と兵器をつなぐ歯車」を本人も想像だにしない形で具現化しているとも言える。
連綿とした小型化の傾向にあったメタルギアだったが、サイボーグ技術の発展により従来の月光やRAYでは太刀打ち出来ないという問題に対し、機体を大幅に大型化するという逆転の発想を以て生み出された「対サイボーグ用メタルギア」が「メタルギアEXCELSUS」である。
2042年、ネオ・コウベ・シティにある「コナミ・オムニビル」内のメインコンピューター「ガウディ」のデータの中から、JUNKER(ジャンカー/スナッチャー特捜班)技術チーフのハリー・ベンソンがTX-55のデータを発見。
20世紀末の設計ながら、先進的な発想に基づく設計に感心したハリーは、このコンセプトを兵器としてではなく平和利用しようとする。
TX-55の設計を基に、RUNNER(ランナー/対スナッチャー捜査官)の補助をするサポートロボットとして再設計。外観はTX-55のものを引き継いでいるが、相当に小型化されている。
対スナッチャー用の兵装はまったくなく、テレビ電話式の通信、現場周囲のトラップ捜索、現場遺留品の鑑識、人体スキャン機能(スナッチャー容疑者をスキャニングし、人かどうか判別する機能。ただし人権保護の観点から、被疑者の容疑を固めた上で、裁判所からの「スキャニング令状」の発行がないと出来ない。その際の裁判所との通信もサポートロボが行う。)、セーブ(現場状況記録)機能がある。
TX-55を模したこのミニ・メタルギアは、ギリアン・シード捜査官のサポートロボットとして着任。
「メタルギアMkII(SR以降)」と名づけられた。愛称は「メタル」。
『MGS4』においてオタコンが作った「メタルギアMk.II」とは直接の関係はない。『4』にはMk.IIの同型機として赤く塗装された「Mk.III」も登場する。
なお、ネオ・コウベには「アウターへブン」と言う名前の、鯨を違法に食べさせる料理店が存在する。客や従業員も覆面のため、各界のVIPが秘密裏に利用していると言う噂もある。
なお、グラディウスリバースで「ガウディ」名義でまさかの登場を果たしている。メタルはスナッチャーの移植先のハードと最終的に合体するネタがあるのだが、こちらではWiiと合体している。
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掲示板
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130 ななしのよっしん
2020/08/07(金) 17:52:34 ID: pkKNW+2QFR
>>126
水圧カッター及びプラズマ砲は高周波ブレードとは別枠の遠隔兵器。
カッターって名前から誤解したのかもしれんが、もともと水陸両用機だったRAYが水中からでも撃てるようにしたもの
「ブレードを受け止めろ!」ってセリフのとおり、作中ではブレード・プラズマ砲の両方を使ってるぞ
131 ななしのよっしん
2023/06/22(木) 12:11:12 ID: jO6f7JXRG0
【朗報】ファミコン版メタルギア、Switchで蘇る。
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最終更新:2024/10/04(金) 20:00
最終更新:2024/10/04(金) 20:00
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