この物語は、浅井家三姉妹のファンタジーな日常を淡々と描く物です。
過度な期待はしないでください。
あと、役者の実年齢は無視して、脳内補正して見やがって下さい。
概要
江〜姫たちの戦国〜とは、2011年に放送された第50作目の大河ドラマである。全46回。
戦国時代に波乱の生涯を送った浅井三姉妹の中でも、江戸幕府二代将軍・徳川秀忠の正室となり、戦国乱世から泰平の江戸時代まで見届けた三女の江の視点から、織田信長・豊臣秀吉・徳川家康らの活躍や、彼らと関わり支えた女性達の姿を描く。浅井三姉妹にスポットを向けた大河ドラマは、2000年の「葵徳川三代」以来。
2008年の大河ドラマ「篤姫」で大ヒットした田渕久美子が脚本を手掛けており(篤姫と異なり、書き下ろしのオリジナル作品)、音楽・サウンドトラック演奏もそれぞれ吉俣良・弦一徹オーケストラと篤姫と全く同じである。
主演は、NHKの連続テレビ小説「てるてる家族」で脚光を浴び、「のだめカンタービレ」「スウィングガールズ」などドラマや映画で活躍していた上野樹里。上記の「篤姫」の他にも、昨年に大ヒットした連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」などのキャストが多く集まっていた。
当初は篤姫の高視聴率と50作目記念で注目を集めていたが、史実や実年齢無視以前にシナリオ自体が強引かつ無茶苦茶な展開が話が進むたびに酷くなり、ファンタジーと批評されるなど、戦国時代を扱った大河ドラマとしては二年前の天地人と並んで最低最悪との悪評を残した。ニコニコ動画でも、昨年の龍馬伝や翌年の平清盛に比べて関連動画が少ないことが、ネットにおける人気の無さを物語っている。また、本作を大河ドラマと認めたくない視聴者も続出し、これまた天地人の時と同様、この年の大河ドラマはあくまで坂の上の雲であり、本作はその前座に過ぎないという声も多かった。
あまりの出来の悪さに、これ以上酷い大河は二度と作られまいと当時の視聴者は誰もが思っていたのだが、それからわずか数年でこれに匹敵する駄作が二作も生まれることになるのだが、それはまた別の話である。
スタッフ
キャスト
- 江(上野樹里)
- 主人公。浅井三姉妹の三女、通称「三の姫」。浅井家が滅びた時はまだ生まれて間もなかったため、母の実家である織田家でのびのびと育ち、天真爛漫で
頭のネジが緩んだ明るい性格になった。好奇心旺盛で、恐いもの知らず。例え相手が信長や秀吉であろうとも少しも怯まず、秀吉にいたってはねじ伏せることも(さすがに徳川家康に対しては大人しく振る舞うが)あるなど、気が強い性格。ちなみに、第2回の初登場シーンの江の年齢は数え7歳である。が、初登場時から髪型と衣装以外ほとんど変わっていない。豊臣秀勝との間に子供、定姫を儲けるが同時に秀勝が病死しそのショックで一時期うつ状態に陥り育児もできなくなっていた。なんとか立ち直り定を育てるが、徳川秀忠に嫁ぐ際泣く泣く手放す事になる。秀忠に馴染めず1年が過ぎた後、火事に巻き込まれるが、秀忠に助けられ、以降秀忠を夫として慕うようになった。割と協調性と適応力が高く、険悪な関係性がいつの間にか親密になっていたりする。
本作の大失敗により、それまでテレビドラマで売れっ子だった上野樹里は一挙に仕事が激減、一時期完全に干される形となるなど、本人にとっても黒歴史となっているようである。
- 茶々(宮沢りえ(子役:芦田愛菜))
- 浅井三姉妹の長女、後の淀殿。普段は暴走しがちな初と江の抑え役だが、江を妊娠した市が中絶しようとした時は、懐剣を振るって「お腹のややを殺すなら、初も殺す!」と息巻いて周りを驚かせるなど、怒らせるとかなり怖い。親の敵と憎んでいた秀吉と徐々に心を通わせ、秀吉の子を産んだ。
- 初(水川あさみ)
- 浅井三姉妹の次女、後の常高院。幼い頃茶々に殺されかけたトラウマで何かが壊れたのか、食い意地が張るようになってしまい、戦から逃げる時もおやつを気にしたり、食を絶った時には秀吉に餌付けされそうになって禁断症状を起こす始末。市からは三姉妹の絆をつなぎ止める役目を託されたが、江との喧嘩は日常茶飯事(江が本能寺から生還した時に憎まれ口を叩いたことから、実はツンデレという説も)。京極高次の正室となった。しかし、高次との間に子は未だ出来ず、江に「おなごなら子を贈れ」と言っていたが、5人目の子を本当に贈られ、初と名付けた。
- お市(鈴木保奈美)
- 浅井三姉妹の母。夫・浅井長政を殺した兄・信長に対して、愛憎入り乱れた感情を抱いている。賤ヶ岳の戦いで勝家と共に城を枕に死亡するが、ナレーションとして1年にわたり登場する。
- 織田信長(豊川悦司)
- 江の伯父。千利休やおねなど様々な人物と引き合わせたり、養女にしたいとお市に頼むなど、物怖じせず自分に堂々と意見する江を気に入ってる。本能寺で人生の最期に見たのが江の幻影だったり、死んでも心配だったのか幽霊になって、野武士に襲われた江を窮地から救うなど、一部ではロリ長と呼ばれている。死後もたびたびスタンドとして登場する。
- 豊臣秀吉(岸谷五朗)
- 信長の跡を継いだ天下の覇者で、本作の仇役といっていい存在。コミカルな一面もあるが、「天地人」の徳川家康並みに徹底した悪人として描かれており、ほとんどの登場人物から平然と「猿」と呼ばれて馬鹿にされるなど、常高院と共にこのドラマでも特に酷い扱いを受けている。終盤では眉毛がなくなる。茶々を我が物にしようとするのを邪魔したり、怒鳴られる度に信長の姿がフラッシュバックするため江を疎んじている。当時NHKは某国を異常に持ち上げ忖度していたこともあって、異常なまでに矮小化された秀吉像となった。
- 徳川家康(北大路欣也)
- 江戸幕府初代将軍。北大路欣也が家康を演じるのは46年ぶり。多くの登場人物が貶められる中、大河ドラマでは久々となった穏やかで善良な家康像・・・に思わせておいて、かなりの野心家で抜け目なくやることはわりと非情。慈悲深い微笑みでためらいも無く邪魔者を切り捨て、孫や子供まで捨て駒のように利用する姿はまさに狸。
なお、北大路欣也はこの10年後の大河「青天を衝け」で再び家康を演じているが、こちらはアバンタイトルで毎回解説を行うストーリーテラーという立ち位置で、むしろこちらの印象の方が強く残る視聴者の方が多いかもしれない。
- 徳川秀忠(向井理)
- 江の三番目の夫。江戸幕府二代将軍。気力と覇気の無い、皮肉屋というどこかで見たような性格の若者という設定であり、「葵徳川三代」とは正反対の人物像になっている。このような性格になったのは長兄の切腹や、次兄が人質に出されたことが原因らしい(史実では長兄が切腹したとき秀忠は生後約半年の赤ん坊だが…)。関が原の戦の前に、江に織田信長を尊敬していたことや、織田信長の甥である江を妻に迎えたことを誇りに思うと語った。ちなみに幼名が何故か「竹千代」となっている。
- 佐治一成(平岳大)
- 江の最初の夫。織田信雄の家臣で、
江を厄介払いするため信雄を懐柔するために江と結婚させられた。好人物だが家康の退却を手助けした理由で、すぐ離縁させられた上に追放された。なお、江があまりに幼すぎたため(外見はどうあれ実年齢的に)一切手を出さなかった。その後姿を見せなかったが、最終回でまさかの再登場。徳川家の一家臣となり、江とは身分があまりに離れてしまったが、再会できたことを喜び合った。
- 豊臣秀勝(AKIRA(EXILE))
- 江の二番目の夫。朝鮮出兵の際、現地の朝鮮人を庇って味方に斬られてしまい、その傷が悪化して死亡。しかし朝鮮人の子供に救われたと遺言するなど、最期まで朝鮮人を賛美し続けていた。
- 浅井長政(時任三郎)
- お市の夫、浅井三姉妹の父。第1回ですぐ死亡するため影が薄い。
- 浅井久政(寺田農)
- 長政の父。信長やお市を快く思っていない。寺田農は20年前の大河ドラマ「信長 KING OF ZIPANGU」でも同役を演じている。
- 足利義昭(和泉元彌)
- 室町幕府最後の将軍。典型的な公家風の人物として描かれており、和泉元彌が10年前に主人公を演じた北条時宗とのギャップが大きい。
- 織田信包(小林隆)
- 信長の弟。兄とは正反対の穏和な人柄で、大阪冬の陣直前に亡くなるまで、なにかと浅井三姉妹の面倒を見る…はずだったが、秀吉に追われた一成を匿ったのを最後に姿を消す。ちなみに信包が登場する作品は珍しい。
- 織田信雄(山崎裕太)
- 信長の次男。外見は父に似てるが無能で、家康や一成からは呆れられている。
- 柴田勝家(大地康雄)
- 信長家臣。お市の再婚相手。大柄で声が大きく、山男のような外見をしているが、温厚で優しく素直な性格である。三姉妹は母の再婚に反対し、勝家に反抗的な態度をとっていたが、勝家が家出して戻ってきた江を殴り飛ばしたことによって父として認められた。淀殿役の宮沢りえとは、1991年の大河ドラマ「太平記」で共演した。
- 明智光秀(市村正親)
- 信長家臣。従来通り、信長に「きんかん頭」と罵られたり、人前でひどい仕打ちを受けたりする。キレそうになると、某総統閣下のように片手が痙攣したようにぶるぶる震え出す。
- 森蘭丸(瀬戸康史)
- 信長の小姓。本作では珍しく弟の坊丸・力丸と三人セットで登場する。父・森可成を長政との戦いでに失った経歴がある。
- 森坊丸(染谷将太)
- 大河ではあまり登場しない蘭丸の弟。その後染谷は、映画「清須会議」で蘭丸を演じた後、9年後の「麒麟がくる」で信長役に大抜擢。近年の大河でもトップクラスの強烈な印象を残す信長像を熱演したのはご存じの通りである。
- おね(大竹しのぶ)
- 秀吉の正室、後の北政所・高台院。これまで淀殿とは敵対関係に描かれることが多かったが(そのほとんどが淀殿を悪役として描かれている)、本作ではどちらかと言えば協調する役回りである。史実の二人も意外に良好な関係だったため、本作の非常に数少ない評価された点である。
- 京極龍子(鈴木砂羽)
- 秀吉の側室。後の松の丸殿。秀吉と茶々の関係、ミニ番組「龍子の部屋」では江と秀勝、秀忠の三角関係を楽しんでいた。江が秀勝を亡くし落ち込んでいたときに、「夫はいなかったものと思えばいい」と言っていながら、秀吉が亡くなったあとは思いっきり泣き崩れていた。
- 豊臣秀次(北村有起哉)
- 秀吉の甥。長久手の戦いでは家康を奇襲しようと勇んで出陣するが、1秒も経たずにボロ負けして秀吉の怒りを買う。凡庸な人物と思わせておいて、意外に常識人。後に関白となるが用済みとなって自害に追い込まれた。
- 豊臣秀頼(太賀)
- 秀吉の次男。幼名拾。豊臣の天下を願う母淀と違い、徳川と共に天下を築いていくことを望んでいた。
- 石田三成(萩原聖人)
- 秀吉家臣。真面目で実直な性格だが、いつもどこか空回り。秀吉のノリツッコミの最大の被害者でもある。茶々に片想いしている。
- 大野治長(武田真治)
- 淀の乳母大蔵卿局の息子。茶々の乳兄妹であり、史実的にも浅井三姉妹とは幼馴染で序盤から登場してもおかしくなかったのだが、本作では異常に登場するのが遅く、大坂の陣直前になってようやく姿を見せる。
- 本多正信(草刈正雄)
- 家康家臣。秀忠のお目付役でもあり、家康の悪口も出してはばからない秀忠が悩みの種。しかし、「真田太平記」の真田幸村とこの後に放送された「真田丸」の真田昌幸のイメージの方が圧倒的に強いため、本作で正信を演じていたことを、多くの視聴者が忘れていると思われる。
- 千利休(石坂浩二)
- 茶人。何事にも首を突っ込みたがる江を、傲慢だと指摘した。以降、秀吉に切腹を命じられるまで江の不満に対する聞き手ポジションとなり、すっかり茶室が相談室と化した。秀吉お気に入りの赤の茶碗を「雑な心の現われ」とけなし、秀吉の目の前で「好きでもない人間のために茶を立てたくない」と言うなど、見た目に反して我の強い性格である。秀吉は内心利休を切腹させたくなかったようで、切腹を止められなかった江を責めている。
- 福(富田靖子)
- 竹千代(後の徳川家光)の乳母。後の春日局。竹千代の世話をするために、夫と離縁した。春日局や葵徳川三代と違い、かなり悪役として描かれていた感が強い。
関連動画
左の動画は35:32から。前曲とのコメントの落差が、全てを物語っている。
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コミック版では、江がかなりの萌えキャラになっていたり、信長がうつけと呼ばれた頃の若々しい姿で描かれているなど、ドラマ以上に突っ込みどころ満載である。
関連項目