たぬき(ウマ娘) とは、ゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』のキャラクターの二次創作をメインとした、イラスト・動画・ミームなど一連のインディーズコンテンツ群のことである。「タヌキ」ではなく「たぬき」。ションボリルドルフの項も参照のこと。
はじめに
現在広まっているような形のたぬき(ウマ娘)(以下たぬき)はふたば☆ちゃんねるが発祥だが、あちらからすれば自分たちの内輪向けで作っていた素材や動画が外へ持ち出され、それが思いのほか人気になってしまったという認識である。
たぬきに触れて、本家を見に行きたい、あるいはたぬきの素材が欲しいと感じるのは自然な流れだが、ふたば掲示板は独特の文化やルールが存在する。何も考えずにニコニコのノリで「素材どこにあるんですか?」と聞こうものなら「半P」「帰れ」と即つまみ出されるのがオチである。郷に入っては郷に従え、半P(半年ROMれと同義)の精神で掲示板の雰囲気や文化を十分に学んでから書き込むようにしよう。なお、この記事はたぬき自体の解説が目的で各所への誘導は行わないのであしからず。
補足:こうして「他所者」に敏感になっているのは他にも理由があり、以前たぬきの素材をまとめていた外部サイトが色々問題を起こして消滅した事がある。2022年末現在で体系的なまとめサイトが存在しないのはこれが大きな原因で、そうした経緯からまとめサイトの話題はスレで半ばタブー化している。
たぬきって?
ションボリルドルフの項にあるように、デオン氏の描くシンボリルドルフがたぬきのように見える、となったのが始まり。狭義では後述のジタバタやうまる風にデフォルメされたウマ娘のイラストのことを指す。ただしスレでは各種スーパーロボットに始まり特撮ネタ・トーマス・クリーチャー・懐かしアニメ・ネットミーム・ふたばネタ・クソコラなど魑魅魍魎が日々生み出されており、広義ではたぬきスレで生み出された素材はウマ娘と関係なくても全て「たぬき」として認識されている。もはや何でもありである。
なお、2022年末現在で定時スレとして展開されているたぬきスレは2か所ある(派生スレ除く)。詳細は伏せるが、片方は特定の個人が制作した素材の発表・配布を主としており、もう片方はそのスレが落ちた後にもたぬきについて語りたい人たちが集まったのが始まり。現在は後者でも素材の投稿が活発に行われている。
バリエーション
ジタバタたぬき
たぬきが手足をジタバタさせているGIFアニメのこと。初期のたぬき素材はほぼこれである。Pet the Xという海外ミームをションボリルドルフで再現するために描かれたものがはじまりで、現在はゲーム内で実装されているすべてのウマ娘にジタバタ素材が存在する。4コマのアニメーションで、描く枚数が少ないためとっつきやすいのが人気。初期は溺れている表現によく使われていた。
うまるたぬき
うまる風、うまるダンス、あるいは単にうまる素材とも。アニメ『干物妹!うまるちゃん』に出てくるちびキャラダンスを再現したもの。2021年秋頃から描かれ出し、2022年末時点ではジタバタよりこちらのほうが主流になってきている。これも既存のウマ娘・未実装組・トレセン関係者・シンデレラグレイ組がすべて網羅されており非常に数が多い。アニメーションさせるには技術と絵心が必要なため、上記動画で中央にいるションボリルドルフのモーションが90%以上で、全モーションが作られたのはごく一部しかいない。
ジタバタとうまるの二つは半ば共通規格となっていて、例えば「びっくりした顔」の表情だけの素材と、のっぺらぼうのテイオーの素材を組み合わせて「びっくりしたテイオー」を簡単に作れたりする。素材制作者もこれを前提にフォーマットを揃えて作ることも多い。
固有モーション
特定のたぬきが好きすぎるスレ民によって生み出された、固有モーションを持つたぬきも存在する。セイウンスカイやタップダンスシチーなどが筆頭。愛が詰まっている。
主要キャラ
たぬきスレや動画でよく出てくるが、説明がないと分かりづらいキャラクター。(ここに挙げた以外にも大量にいて書ききれない)
- バスタオル仮面
温泉に浸かるウマ娘の素材とタキシード仮面の頭が合体してしまった結果生まれた謎の男。雑なやられキャラ、ヨゴレ役として非常に便利なため多用される。新モーション素材が開発されるとバスタオル仮面バージョンもすぐ投稿されるので固定ファンがいると噂されている。 - 雑穀(ウマ娘)
エキセントリックな言動をするライスシャワーに似た何か。木村まつり氏の描くライスシャワーがデザイン元で、誕生の流れを汲むと厳密にはたぬきではない。でも当然のようにたぬき動画にいる。細かいこと気にするなヨッ。うまるダンスも元々はたぬきより先に雑穀が踊っていたものだったりする。 - ツインネイチャ
ツインターボのインナーを奪って着用したナイスネイチャ。ファンアートが元ネタ。なぜか顔がケバい。ターボににじり寄ってはターボを悩ませている。「ウッ♡キツッ♡」と鳴く。 - ラーメンイーター
ラーメンを食べるファインモーションのファンアートの横に雑に描かれたキャラが元ネタ。頭の切れ込みが特徴。ラーメンイーターという名前だがラーメンを食べているシーンは殆ど描かれない。 - コスプレエアグルーヴ
事あるごとに色々な着ぐるみやら衣装やらを着せられる女帝。新しい素材が出たらとりあえずジタバタ女帝と合体させられる。 - SEXY
なぜかマイクロビキニを着たオグリにSEXYとテロップが付く画像。あくまでSEXYというネタであって、本当にイメ損に踏み込むようなのはスレでもNG。色気の出ないオグリにしかできない芸当。 - 3000円
ふたばで競馬スレのサムネにスペシャルウィークが定着したことが元ネタ。そのせいでスペシャルウィークがギャンブル好きになった。金額は『マクロスF』のアルトがランカから3000円借りようとするネタに由来するとか、競馬で楽しめる金額は3000円までだと競馬ファンで言われていることに由来するとか。 - ヴェネツィア
『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』発売前に先行公開された草の御三家、ニャオハの最終進化系(を想像で描いたキャラ)。ヴェネツィア~と鳴く。実際のマスカーニャに地味にニアピンだった。本物が実装されたので存在が危ぶまれている。 - オリジナルトレーナー
一部ウマ娘に対しての汎用Tマスク顔ではない固有顔であったり時には人間ではない体、常人ではない能力などの個性を持った担当トレーナー達。原作のストーリー等からアグネスタキオンのトレーナーが薬の実験台で虹色に輝いていたりウマ耳が生えている、モルモットくんという作中呼称からそのままモルモットになっている等はたぬき以前から二次創作で見られたトレーナーの個性描写であるが、その流れはたぬき界隈にも存在する。メジロアルダンのトレーナーがそれこそ原作のイケメンムーブな言動行動に相応しい美形であったり、ゴールドシチーのトレーナーがシチーが望めば何でもやれてしまうスーパーマンであったり、カイチョーのトレーナーがカイチョーと同じように増殖出来たり等も。同じウマ娘担当トレーナーでも作者によって違いが結構あり、それらは特に争うことなく概ね「パラレルワールド」として受け入れられ混在している。 - やっつけロゴ
頑張って凝ったものを作らなくてもいいじゃないか、Enjoy&Excitingだぞ、というやっつけ精神を体現したロゴ。多くの動画にワンポイントで貼られる。元ネタは『ゆめりあ』のロゴで、15年以上前からふたばに存在するロゴらしい。たぬきスレでは季節ごとのバージョンがある。「やっつけて作ったものに批判や文句はお門違いである」という創作側の意思表明でもある(イメ損やキャラへの悪意が度を越えているものは除く)。他者のたぬきに不満があるなら君がそれに対抗したたぬき作ろう。
幻覚ウマ娘
2022年夏~秋頃から制作が盛んになったジャンル。所謂オリジナルウマ娘のことで、大人の事情で本家実装が絶望的なキャラ、古馬や海外馬、直近のG1レースに出走する馬をウマ娘化したものなど多岐にわたる。自由な発想で作れるため制作の敷居が低く、スレも素材制作を応援するスタンスなので多くの住民がチャレンジしている。有名馬はPixivなどにウマ娘化イラストがある事が多く、それをモチーフにたぬき化することも多い(例:ジャスタウェイ、オジュウチョウサン、アーモンドアイなど)。一方で鮭の上半身に虎の下半身をくっつけたシャケトラや、ジャガイモを8つ重ねたポテイトーズのような人型をしていない者もいる。…と思えば「流石にその姿だけはウマ娘として…」と真っ当な美少女姿をのちに有志によって製作された幻覚勢もいる。
作られた数も多く、未実装ウマ娘と実装済みのウマ娘がレースする、のようなイフを自由に作れるのはたぬきならではかもしれない。どのくらい多いかというと、実装済みウマ娘の数を超えてしまったほど。
ログ家
たぬきスレ※で生み出されたオリジナルウマ娘たち。冠名は丸太を意味する「ログ」。特にログアサルトは誕生から中2日で完成度の高いたぬきと設定が投稿されたため語り草になっている。
- ログアサルト
誕生順で長女。ある書き込みの「ログ漁ると~」の誤変換「ログアサルト」が競走馬の名前っぽいと話題が膨らんだ結果、驚くべき速さで素材がそろい誕生した。ミリタリー調の勝負服と天然パーマが特徴。なお上記の書き込みをした人物は自分が生みの親となってしまったことを否定しており、親に認知されていないというオチも付いてきた。 - ログアサラナイト
次女。ログアサルトの「漁る」の部分を「漁らない」と否定語に変えたのが命名由来。トレーナーたちを「少年」と呼んでちょっかいをかけるが、自慢のB100のボディには全く触れさせないからかい上手。騎士っぽい勝負服は実は布製らしい。ぱっと見は芦毛だが実は白面馬。よくエアグルーヴに逮捕されている。 - ログサカノボレ
三女。ログアサラナイトの母父として名前が登場したのが初出(そして母父という設定は忘れられた)。忍者とナース服と金髪が特徴。ふたばの掲示板を模した縞のような耳飾りが目盛りが付いた注射器のように見えたことでナース服を着るようになったが、名前と結びつかないせいか影が薄く、登場後もアサルトがコマンドでアサラナイトが騎士だから3人目は武者だと言われるほどだった。後に武者であるサカノボローに合わせる形で高低差200mの坂を鉤縄で登る忍者に変更。属性てんこ盛りのはずなのだが、ネタに事欠かないアサルトやおっぱい枠のナイトに比べてネタが弱いのが悩み。今後の素材開発が待たれる。 - ログサカノボロー
ある日突如スレに投稿された四女。鎌倉~戦国時代の鎧具足のような勝負服を着けている。どう見ても幼女なので本当にトレセン所属なのか謎である。滅多にしゃべらない。先述の通り登場以前から3人目は武者だと言われていたのが勝負服の由来と思われる。単にログサカノボレの名前がうろ覚えだったわけではあるまいな。 - ログミント
ある週末にスレがミントの話題で文字通り埋め尽くされる事件が起き、その翌日に「ログ見んと分からん」という書き込みがあった果てにログ家として受肉した存在。同時に複数人の手によってキャラ起こしが行われたため0号から3号までいる。ただし0号は耳と尻尾がないのでウマ娘には入らないようだ。
※注:ログ家は上記2つのたぬきスレのうち後者で生まれた文化なので、後者だけで楽しむようにしよう。
ニコニコでのたぬき
スレに投稿された動画の転載をきっかけにニコニコでも人気となり、動画や静画で独自のたぬきを作る人も出てきている。ただ冒頭で触れたようにスレ内では転載されることを快く思っていない人が多く、ましてや某tubeに転載して収益化なんてとんでもないという姿勢である。ただふたばの文化として「お外(ふたばの外)の事は関知しない、話題に出さない」というのも同時にあるため、明文化はしないがちょっとね、というグレー寄りの黙認というのが転載に対するスタンスとなっている(代表的な転載動画もそのあたりを理解しているので「転載」タグを固定していると思われる)。
発展的な防衛策として、他人に同じものを投稿されるぐらいならと自分でアカウントを作って投稿するスレ民も現れてきている。
俗に転載を密輸、独自たぬきの作成を国産あるいは密造、自分のアカウントでの投稿を正規輸入品と呼ばれる。
よくありそうな質問(とあちら視点での回答)
- Q.たぬきの素材はどこにあるんですか?
A.頑張って探しましょう。 - Q.まさかスレに貼られた素材を毎日ちまちま集めて動画を作ってるんですか?
A.実はそうなんです。 - Q.私もたぬきを作っていいですか?
A.クリエイティブな人は歓迎です。でもルールは守ってね - Q.みんな何のソフトで動画を作ってるんですか?
A.スレではAviutlやYMMが多いです。スマホで作っている人もいます - Q.○○のたぬきがないんだけど
A.よくぞ言った!褒美に作る権利をやろう! - Q.俺あのたぬき作品やたぬきキャラ嫌い、作者は作るな、あのキャラ使うな
A.クリエイティブな人は歓迎と言ったように、逆にノンクリエイティブで文句言うだけの人はお呼びじゃありません。帰れ。
関連動画
幻覚まとめ
関連項目
- 18
- 0pt