テリー・ザ・キッドとは、漫画『キン肉マンⅡ世』に登場するキャラクターである。
概要
伝説超人テリーマンの息子であり、母親は日本人の女性記者である翔野ナツ子。超人と人間、アメリカ人と日本人のWハーフであり、キン肉万太郎はヘラクレス・ファクトリー1期生の同期。額には「K」の文字があり、左右の両肩に2つずつ星型のエンブレムを付けている。顔立ちは父親と瓜二つだが、髪型は前髪を立てて、襟足を長く伸ばしているため父親よりもヤンキーっぽい風貌となっている。
父であるテリーマンが奥ゆかしい性格だったため現役時代にキン肉マンの二番手に甘んじていたことを不満に思っており、それ故に父親に反抗的になり、自分が常にNO.1になろうという意識が強い。キン肉マンの息子である万太郎にも最初は対抗意識を燃やしていた。それでも、次第に父親の偉大さに気付くようになり、個人主義的な考えも改まるようになる。
性格は派手好きで、地球に駐屯するようになってからは万太郎たちと夜遊びに興じるなど堕落してしまい、「Team-AHO」に組み込まれてしまう。当初は地味なイメージのあるテリー一族のファイトスタイルを否定しており、自分の体格に合わない大技を繰り出して自滅するなど空回りすることが多かった。父親との関係が改善されてからは荒々しさと堅実さを併せ持つテリー一族の技を使うようになる。ただ、父親のようにダーティー・ファイトに走ることは無かった。
キン肉マンの相棒だったテリーマンの息子ということで活躍が期待されたが、1期生・2期生入れ替え戦編でスカーフェイスに完敗して以降は3シリーズ続けて試合の描写が無かった。出番があってもかませ犬として使われている印象もあり、万太郎の親友ではあるものの、戦いの中で強い絆を築いていくことは最後まで無かった。ケビンマスクやカオス・アヴェニールが万太郎の相棒として主人公的扱いを受けた割を食った側面もあり、ある意味『キン肉マンⅡ世』という作品の最大の犠牲者なのかもしれない。
なお、父親同様に作中で解説役を務めることが多く、「そういえばパパから聞いたことがある」が定番のセリフとなっていた。これもテリー一族の宿命なのだろう。
プロフィール
作中での活躍
ヘラクレス・ファクトリー編
学校に通いながら超人レスラーとしての訓練を受ける生活を送っていたが、父テリーマンがキン肉マンの二番手に甘んじていたことに不満を抱き、独自のトレーニングをおこなうど父に反発していた。そんな折、伝説超人が開校した正義超人大学校「ヘラクレス・ファクトリー(H・F)」に入学。このときに出会ったキン肉マンの息子であるキン肉万太郎に対して対抗意識を燃やし、いやがらせや妨害行為をおこなっていた。
ある日、悪行超人のアナコンダがH・Fに潜入する事件が起こり、目立ちたいがために挑んだものの足を負傷させられてしまう。このとき同行していたキン肉マンからテリーから友情の証として貰ったバンダナによって足の治療をしてもらい、キン肉マンの話から父親に対する誤解が解け、万太郎をサポートすることでアナコンダ撃退に成功する。
卒業試験では伝説超人のバッファローマンと対戦。年を取って往年よりも衰えたバッファローマンを相手にわざとやられるフリをすることで持久戦に持ち込み、スタミナ切れを誘う。最後は父親譲りのテキサス・クローバーホールドによって勝利し、新世代正義超人第一号となる。
卒業の際の最終的な総合順位は3位だった。
d.M.p編
悪行超人に対抗するために地球へと派遣されたキッドは、大阪の駐屯超人に選ばれる。東京にケビンマスクたちd.M.pが出現したことを聞き、彼らと戦う万太郎を応援するために日本武道館へと駆けつける。しかし、万太郎が勝利した後、大阪を離れていた間にサンシャイン率いるナイトメアズの攻撃を受けたことを知る。責任を感じて急いで大阪へと戻り、大阪ドームに潜入するもののあっさりと捕まってしまい、ドームの天井に一晩吊るされてしまう。
解放された後、サンシャインの申し出によりナイトメアズのレックス・キングと戦うことになる。しかし、この試合の特別レフェリーとなった万太郎の気まぐれなジャッジに振り回され、リズムを乱されてしまう。加えて、サンシャインの場外からの野次によって父親に対するコンプレックスを刺激されたことで空回りし、大ピンチに陥る。しかし、万太郎の寒いギャグがきっかけでレックスの弱点が「寒さに弱い」ということを見破り、エアコンを利用してレックスを氷漬けにする。最後は、それまで使用を躊躇していたテリー一族の至宝カーフ・ブランディングによって勝利する。
このときが作中における活躍のピークだと当時の読者は想像もしなかった・・・。
H・F一期生・二期生入れ替え戦編
d.M.p壊滅後はすっかりと堕落してしまい、任務を忘れて訓練もせず、万太郎たちと共に毎日夜遊びに繰り出していた。流石に超人委員会から問題視されてしまい、H・Fを卒業した二期生と日本駐屯超人の座を賭けた入れ替え戦に出場させられてしまう。自業自得だが・・・。
キッドはAブロック1回戦でスカーフェイスと対戦。先の戦いで敗れたセイウチン、ガゼルマンの出身国の国旗を両腕に結んで入場したものの、正義超人とは思えないケンカ殺法を駆使するスカーフェイスの前に大苦戦。さらに、スカーフェイスがオーバーボディを破って真の姿を現すと、得意技はことごとく破られたうえに上位互換の改良技を受け、規格外のパワーに全く歯が立たなくなる。心さえも折れてしまったキッドはアルティメット・スカー・バスターを受けて失神KO負けとなり、病院へと搬送される。
決勝では、他の一期生の仲間と共にスカーフェイスと戦う万太郎の応援に駆け付け、少なからず万太郎の勝利に貢献。無事日本駐屯超人の座に返り咲いたものの、夜遊び癖は改善されていなかった・・・。
火事場のクソ力修練編
沖縄サミットの警護の任務が終えたところで3人目の"ノーリスペクト"ボーン・コールドとの戦いのために沖縄にやって来た万太郎と合流。居酒屋で飲んでいたときにボーンが現れ、一緒に居たジャイロが殺害されてしまう。チェック・メイトと2人でボーンに挑むが、軽く捻られてミートの父であるミンチの誘拐を許してしまい、ここでもかませ犬扱いとなる。
試合当日、ボーンに脅迫されたミートに代わって万太郎のセコンドに付くが、チェック・メイトとの息が噛み合わず、万太郎は劣勢になる。その後、ボーンの正体を明かそうとしたミンチが殺害され、父親を目の前で殺されたミートはショックでその場を去ってしまう。ミンチの残した遺言と父から聞かされた七人の悪魔超人が襲来したときの話を思い出したことからチェックと呼吸を合わせられるようになり、万太郎の勝利をサポート。結果、万太郎は「友情」の炎を魂のランタンから噴出させる。
超人オリンピック ザ・レザレクション編
超人オリンピック ザ・レザレクションの開催が決定。万太郎と遊んでいたキッドも流石に闘志を燃やすようになり、アメリカ代表として出場権を勝ち取る。
第1予選、第2予選を難なく勝ち抜き、第3予選の「ビーチフラッグでイエイ!」ではジェイド、バアロノスと競うことになる。バアロノスの妨害を跳ね除けるが、途中で海で溺れている子供を発見。競技を捨てて子供の救出し、かつて子犬を助けるために失格となった父親と同じ運命を辿ることになる。
競技後、通路で悔し涙を流すキッドの前にテリーマンが現れ、おまえは立派だったという言葉をかけられる。これによって長く続いていた父親との関係が完全に修復される。
本大会に入ってからは同じアメリカ代表のザ・摩天楼のセコンドに付くが、1回戦でヒカルドに敗れる。その後は観客席で大会を見守り、たまに解説役として活躍する。
悪魔の種子編
仲間たちと共に与那城国島に現れたジェネラル・パラストに向かうが、悪行超人もしくは元悪行超人でなければバリアを突破することができないため中へ入れず、万太郎やアイドル超人たちの試合を見守るだけになってしまう。
出雲大社でのイリューヒンとメルトダウンの戦いを見守った後は、巌流島へと足を運び、万太郎たちと合流してB-エボリューションズとザ・デモリッションズの戦いを観戦。
その後、ケビンマスクと別れた万太郎を追いかけ、ヘラクレスの鎖場で万太郎のアシュラマン対策の特訓に付き合い、ヘタレる万太郎に喝を入れる。
究極の超人タッグ編
肉体の消滅の危機に直面したケビンマスクを救うためにタイムワープのメンバーに立候補し、宇宙超人タッグトーナメント終了直後の1983年の世界へ向かう。
究極の超人タッグの開催が決まり、いよいよ万太郎とのタッグ結成かと思われたが、全盛期のテリーマンと出会ったことで父親への反抗心とナンバー1になりたいという野心が再燃。万太郎とのタッグを拒否して新世代超人たちのもとから飛び出してしまう。そこへ、伝説超人たちの中で唯一自分たちのことを信じてくれたロビンマスクが現れ、世代を超えた異色のタッグ「ジ・アドレナリンズ」を結成し、大会に出場することになる。
ちなみにこのシリーズからはコスチュームがアメリカの星条旗をモチーフにしたレスリングスーツというWWEのカート・アングルを意識したと思われるデザインに変更されている。21世紀だったら入場の際に「You suck」という声が飛び交いそうだ。
出場チーム選定間引きマッチにおいても、自分たちを敵視するザ・マシンガンズの態度に腹を立て、父テリーに食ってかかる場面が目立つ。それでも、妻子のピンチで気が気でないロビンをサポートするためにアドレナリンズのリーダーを務め、無事本戦へと駒を進める。
1回戦では、悪行超人である鬼哭愚連隊(死皇帝&ザ・ガオン)と対戦。入場のときの癖がテリーとそっくりなことを見抜いた母ナツ子はキッドが本当に自分たちの子供であると考えるようになる。試合は、アリサの容体が悪化したことで動揺するロビンが捕まってしまい大苦戦。ロビンを庇い続けなければならない苦しい戦いとなるが、キッドを未来から来た息子と認めたテリーマンの応援と半身が消滅した状態ながらも母のために血を提供するケビンマスクの姿を見て奮起。ロビンも復調したことで流れを引き寄せる。戦いの中でキッドはロビンの着実で的確な戦いぶりを見て20世紀のレスリングを再評価し、ロビンもキッドのガムシャラな戦いぶりから若き日のスタイルを思い出す。最後は「タッグフォーメーションA」「アドレナリン・ブリッジ」とツープラトン技を連発し、初戦を突破する。
2回戦の組み合わせ抽選では、ロビンの希望もあって諸悪の根源である時間超人・世界五大厄との対戦が決定する。試合の前夜、打倒時間超人に向けて1人で特訓しているところにテリーマンが現れる。憎まれ口を叩きながらもテリーはキッドのスパーリング・パートナーを務め、若き日の父親と2人だけの時間を過ごす。また、この頃には万太郎とのわだかまりはいつのまにか無かったことに解消されていた。
ライトニングとサンダーの世界五大厄との戦いは、相手側の意向によってロビンがトラウマを持つ不忍池でおこなわれ、さらにケビンが人質として吊るされるというアドレナリンズが圧倒的に不利なシチュエーションでおこなわれることになる。時間超人を相手に奮闘する場面もあったが、アクセレレイションの前に技が通用せず、「正義崩壊の終曲」を喰らったうえに池に落とされて場外のオオバサミで全身をズタズタにされる。しかし、重傷を負いながらも父親譲りの不屈のテキサス魂によって立ち上がり、「死時計の刻印」をかけられそうになったロビンを救出。さらに池底に沈んでいたケビンまでも救い出す根性を見せる。だが、ここまでがやっとで、ダウンカウントを取られてアドレナリンズは敗退となる。
試合後はロビンと共に病院へ搬送されるが、準決勝のときには万太郎たちの応援に駆け付ける。
決勝前にはカオスを失い1人で時間超人と戦おうとする万太郎の特訓に付き合い、マッスル・スパーク習得を手助けする。万太郎が仕掛けたマッスル・スパークによって太陽の塔から突き落とされ、またしても父親と同じ悲劇を経験するが、その後も練習に付き合うというタフさを見せる。
スピンオフ作品『テリー・ザ・キッド』の夜明け
幼少の頃のキッドは、超人学校に通い、超人レスリング部のキャプテンを務めていた。そこへ、かつてテリーマンが戦ったザ・魔雲天の息子である暴留渓が転入。親子二代での因縁となる両者は戦うことになり、魔雲天直伝の超人柔術を繰り出す暴留渓をテキサス・クローバーホールドで破っている。
キン肉マンⅡ世~オール超人大進撃~
本編とは違い、当初から万太郎との仲は良好になっている。また、潔癖症、醤油とガーリックが嫌いという設定が付け加えられている。合同訓練をしようとキン肉ハウスを訪れるが、とてもくだらない理由で万太郎と喧嘩になる。このとき、万太郎襲撃のために潜入していた悪行超人のシュモクーンが仲裁しようと思わず出てきてしまい、万太郎とのツープラトン「M&Kコネクション」によって撃退する。
ミートがサンシャインに拉致された際は、万太郎たちとd.M.pのアジト「迷宮の手」に潜入。本編同様に寝ずの番三人衆の一人として登場したレックス・キングと戦うことになる。こちらでも万太郎の寒いギャグによってレックス・キングを凍らせ、スリーパーホールド・スープレックスによって倒している。
もっとも、戦闘描写シーンがあったのはレックス・キング戦のみで、超人一等祭ではアメリカ代表として出場しながら予選落ちとなるなど、セイウチンやガゼルマンよりも活躍の場が少なかった。本編でもそこまで優遇されたわけではなかったのだが・・。
タッグパートナー
おもな必殺技
- スピニング・トーホールド
- テリー一族の至宝であり、テリーマンの代名詞的な技。仰向けに倒れた相手の脚を自分の脚に絡めつつてこの原理で締めあげ、差し込んだ足を軸にして自ら回転することで、さらに威力が増す。
技の入り方やフォームはキッドのオリジナルらしい。 - カーフ・ブランディング(仔牛の焼印押し)
- 背後から相手の後頭部に自分の片膝をあて、そのまま勢い良く前方に倒れこむことで相手の頭をマットに叩きつけるテリー一族の至宝。父親同様、フィニッシュ・ホールドとして愛用することが多い。
- テキサス・クローバー・ホールド(テキサス四つ葉固め)
- テリー一族の至宝。仰向けに寝ている相手の右脚を脇の下に抱え込み、左脚を右太腿の上で両手をクラッチする関節技。キッドは幼少の頃にこの技をマスターしている。
父親はこの技で相手からギブアップを奪ったことがなかったが、キッドはバッファローマンと暴留渓を相手にこの技で勝利している。 - キッド流三角窒息絞め(トライアングルサフォケイション)
- 卒業試験のバッファローマン戦で披露したキッドオリジナルによる変形の三角絞め。本来は寝技である三角絞めを、相手の背に乗った状態のままで仕掛ける技であり、立った状態の相手にも有効。相手は動けば動くほど頸動脈が締まってくる。
- ハイボルテージ・ボム
- 空中で相手を逆さまにキャッチし、膝で相手をクラッチしたまま脳天から落下させる変形のパワーボム。
- ダブルブレインクラッシュ・スープレックス
- まず相手の首と右肩を背後からスリーパーで絞め、その体勢のままスープレックスで後方に放り投げる技。小橋建太が得意としているスリーパー・スープレックスの変形型。
レックス・キング戦で使用したが、自身の体格に合わない技だったため、失敗している。
なお、Vジャンプ版では「スリーパーホールド・スープレックス」という名称で同じ技を繰り出しており、こちらではレックス・キングをKOしている。 - 地這い脚(アースクリップキック)
- 低姿勢のままで相手の足首めがけ、強烈な回転蹴りを繰り出してテイクダウンを奪う技。スピニング・トーホールドに入るための繋ぎ技として使用。
橋本真也が得意としていた水面蹴りと同じ技。 - デッド・クルスアームブリーカー
- 相手の背中をコーナーポストに叩きつけ、ロープの上から相手の右腕を腕ひしぎ十字固めに極める技。鈴木みのるが使用しているタランチュラ式の腕ひしぎ十字固め。
- スピン・エルボーパット
- 自らの体にロープを巻き付け、横回転することでロープをほどき、その勢いを利用してエルボーパットを放つ。スカーフェイス戦で使用。
- 100万$キック(ミリオンダラーキック)
- 世界五大厄戦で、絶体絶命のピンチに陥ったロビンマスクを救った値千金のフライングニールキックのこと。
- テキサス・コンドルキック
- テリーマンも得意としている空中から荒鷲のごとく襲い掛かる両膝蹴り。
- マッハタックル
- 幼少期のテリーマンが得意としていたレスリング式の高速タックル。
タッグ技
- アドレナリン・ブリッジ
- ジ・アドレナリンズ最大のツープラトン技。相手の首をロビンマスクがロビン・スペシャルにとらえ、脚をキッドがテキサス・クローバーホールドをかけた状態で空中から着地する合体技であり、それぞれの技に加え、相手の背中を折る効果も追加されている。
鬼哭愚連隊戦で、タッグマッチとはいえレックス・キング戦以来久々の白星を飾った技でもある。 - M&Kコネクション
- キン肉万太郎と共闘したときに偶発的に生まれたコンビ技。キッドが抱えた相手に万太郎がダイヤモンド・カッターをかける。
- タッグフォーメーションA
- ジ・アドレナリンズのツープラトン技。元々は超人師弟コンビの技であり、ロビンがパートナーをタワーブリッジにとらえ、しならせた状態で反動をつけて勢いよく対戦相手めがけて放り投げる。投げられたキッドは相手めがけてテキサス・トルネードエルボーを放つ。
- アドレナリン・パック
- ジ・アドレナリンズのツープラトン技。キッドが対戦相手にバックドロップをしかけ、持ち上がった相手の両足をロビンが掴み、そのまま体重をかけて投げる。
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