「三丁目の夕日」とは、ビッグコミックオリジナルに連載作品である。なお、単行本ではタイトルが「三丁目の夕日 夕焼けの詩」となっている。
この作品はアニメ化、実写化されているがここでは主に原作のマンガについて説明する。アニメ版・実写映画版にも軽く触れる。
概要
西岸良平の代表作で2023年6月現在、70巻まで発売中。このほかにも総集編やコンビニ版など各種テーマ別の単行本も出ている。形式は一話完結のオムニバス形式で過ぎ去りし昭和30年台の懐かしさを感じさせる作品である。話は昭和の流行や文化風俗をモチーフにした話や昔の古典名作のパロディ、人生の楽しさや切なさを感じさせる恋愛・死や失恋をテーマとした話、不思議な話など多岐にわたる。
基本的には三丁目が舞台の話であるが、時代劇や西部劇、果ては未来が舞台の話もある。
登場人物
オムニバス形式なので1話だけの主人公や登場人物も多いため一部のみ紹介する。なおWikipediaにはかなり詳しく書いてある(詳しすぎるのでネタバレに注意。最後にちゃぶ台あって吹いたw確かに登場したけどw)
鈴木家(六さんたち含む)
- 鈴木一平 事実上の主人公。学校の成績は良くないが悪知恵が働き、屁理屈が得意だが新しい遊びを考えるのが得意。誰とでも別け隔てなく接することもありクラスの人気者であるが、いたずら好きで警察沙汰に何度かなったことがある
- 鈴木トモエ 一平の母で鈴木オート副社長。三丁目内では美人で評判だが起こると怖く、一平を叱るのは基本この人である。(お父さんは余り怒らない)
- 鈴木則文 一平の父でスズキオート社長。若干気が弱く、優しい(親子揃って性格が大きく変わりすぎだろ・・・)。他人の話や本に影響されやすい。腕はいいらしくそれなりに繁盛している
- 六さん(星野六郎) 鈴木オート社員。田舎から集団就職でやってきた。元は履歴書の間違いで鈴木オートにやってきたが今は一人前である。恋多き男(?)但し、基本失恋のみ
- さくらちゃん(星野さくら) 六さんの妹。六さんと同様に集団就職で上京し、六さんとふたり暮らし。昔は病弱だったが今は元気になったよう
一平の学校仲間(先生含む)
茶川家(?)
- 茶川竜之介 駄菓子屋店主兼冒険小説家兼官能小説家。おそらく登場回数は鈴木家についで多い。東京帝国大学卒業で知人友人に博士大臣を多く持つ。芥川賞を目指して奮闘してたが残念ながら入賞することは出来なかった。あまりお金を持ってはいないが何度か詐欺に引っかかったことがある。映画版では32歳と年齢まで変わっている。最初は駄菓子屋のクジのスカを水増しするなど、芥川賞落選のために性格が歪んでいたが、後述の淳之介の世話などで丸くなっていく。
- 古行淳之介 人気ストリッパーの母を持つが母親が公然わいせつで逮捕。ヒロミを通して茶川家で預かることになる。茶川先生のファンでもあり、清書や駄菓子屋を手伝う。母親は彼を疎んではいないが彼は自由気ままな母親よりも茶川先生を慕っている。
- ヒロミ(石崎宏美) 職業水商売の神出鬼没のお姉さん。男運が無い。謎の多い人。
木下家
- お父さん 重い病気に掛かったり再就職した会社が潰れたりと災難が多い。
- 木下里子 とある三丁目の物価下落者(デフレーター)。
- 木下慎太郎 お母さんの影に隠れがちだが、家族思いで行動力がある。
- 木下裕次郎 慎太郎の弟。嘘をつくのが苦手。
その他
- 美空さん 気象庁勤務の経理係。経理なのに天気のことを聞かれるので少し閉口してる。
- 宅間先生 医者。戦争で娘と妻を亡くす。貧しい家には無料で治療する人格者だが子どもにはアクマ先生と恐れられている。
- タバコ屋のおばあさん 戦争で一人息子をなくす。妬みっぽく他人の不幸を喜ぶところを持ちながら性根は優しく、抜け目がなくバイタリティがあることころが編集者のお気に入り。自転車乗りやメートル法をいち早く用いるなど先取的なところもある。死神、鬼婆、未来人、鬼の来客・知り合いが多い。
- 電気屋さん 婿養子ということで若干肩身が狭い思いをしながらも真面目に仕事をこなす。話前半にこの人が成功自慢することがあるが、大抵フラグである。
- 肉屋さん 作中ではあまり仕事をしてるところは見かけないがやるときはやる(コロッケ戦争など)
- 日真田大造 職業探偵。腕はいいが仕事は少ない。
- 某博士 胡散臭い博士であるが実はすごい人。核融合から黄泉還りまでなんでもこなすが失敗も多い。怪人Xの知り合い。
- 怪人X 子どもたちから正体は何かと話題になってる謎の人物。作中でも飛び抜けて謎が多い人物である(そもそも人なのか)。三丁目のはずれに掘っ立て小屋を建て廃品回収で生計を立てている。
- 佐藤さん 社長をやっていたが経営不振で倒産。その後いろいろあって現在ハワイで暮らす。
- 源さん 昔は鳶の頭で三丁目でも幅を利かせていた。
- 角夫妻 年配の夫婦。ご主人は不器用な昔ながらのお父さん。奥さんは感情の起伏が激しい?
- 青木五郎・ヨーコ(山本洋子)・黒田 第七巻千夜一夜劇場に登場。同姓同名の主人公たちがさまざまなストーリーを繰り広げる。
- ニコニコタクシーの社長さん 本名田中栄作。結構大きい会社なのか区会議員の出馬も経験、鈴木オートのお得意先。一人息子はちょっとわがまま。
登場動物
- 北斎背先生 猫の長老。
- トラ猫大将 野良猫。虎の鳴き声が得意で影分身まで使えたこともある。
- ラッキー 飼い猫。かなりの強運の持ち主で飼い主一家の危機を何度も救う。
- ミケ 白黒2色の飼い猫。鳥を取らず自宅庭では逆に他の猫から鳥を守る愛鳥家。
- 甘党のネコ 野良猫。ちなみに子猫も甘党である。栗きんとんが好物で魚アレルギー。
- ミー あるすごい能力を持った猫。2つの名前を持つ。
- スワロー君 1話だけの登場。某猫に劣るものの雨の予測率的中率第2位を持つ脅威のツバメ。
- コジロー 飼い犬。別名ドジロー。
- ピピヨン星人 割と最近の登場で宇宙人初の準レギュラー(?)。優れた科学力を持つが丸腰ではふくろうにも勝てない。作者の別作品「鎌倉ものがたり」にも出演。
- アズマモグラ(地底人) 1話だけの登場。コウベモグラと戦争中。ミズラモグラ・サドモグラ?知らんよ
- お稲荷さん 昔は力があったが一時はかなり落ちぶれていた。最新刊ではそれなりに戻った力を発揮。全盛期どれだけ凄かったんだよ・・・・。商売繁盛と金運上昇が専門。
- タマ子 おたまじゃくし。ロマンチスト。
- 一平 おたまじゃくし。自分たちの危機を予測し水たまりから脱出する。
- ケンちゃん おたまじゃくし。スズメに食われる。
- ヤゴ おたまじゃくし達と同じ池に生まれる。
- 3丁目のタヌキ 人に化けることが出来る。また、人の心を読みそれを利用して化かすことがあるがそれを使って人を懐かしがらせたり挫折から立ち直らせたりすることもある。
- ネズミたち 3丁目の活発な猫達に負けず劣らずの活躍。(猫への抗議文を提出したり、猫に鈴をつけたり、忍術を使ったり、新年会では猫や犬と一緒にどんちゃん騒ぎをしたり・・・)登場人物を助けることもある。
- キツネ タヌキより登場回数ははるかに少ないが化ける力は強いよう。
- コケ太郎 必殺技はフライングキック。
- コウモリ この漫画でも嫌われ者という扱いだが、悪いやつではない。体を張った強力な自虐ネタとノリツッコミを持つ。
- 光る眼のネコ 猫の目が光るのは当たり前です。ほんとうにありがとうございました。
アニメ版
1990年秋から翌年3月にかけて放送。制作はTBS系の毎日放送。
概ね原作の雰囲気をそのままにアニメ化されたが、金曜よる7時から30分と、よりによって「ドラえもん」の裏にぶつけてしまったために27話で終わる。いずれも原作に基づくストーリーで、アニメオリジナルの話はない。
OPテーマは通じて富田靖子の「恋かくれんぼ」、EDテーマは前半が「What a Wonderful World」の日本語歌詞版、後半はやはり富田靖子による「緑の宝石」だった。
映画版公開の折などにTOKYO MXなどで再放送されている。
このほか、映画化以前にオーディオブックとして静止アニメ作品が販売されたことがある。
余談だが、TBS系のバラエティ番組「ぴったんこカン★カン」で移動中に流れる「テーレレレレレレテーレレレレレレレー」というBGMは、元々はこのアニメの場面転換時に使われていたものである。
実写映画版
「ALWAYS 三丁目の夕日」のタイトルで2005年11月5日に公開。監督は山崎貴。主役は茶川竜之介に変更されており、吉岡秀隆が演じた。
本作は批評家から高評価を受け、第29回日本アカデミー賞で最優秀作品賞を始め、12部門で最優秀賞を受賞した。
続編「ALWAYS 続・三丁目の夕日」が2007年11月3日に、「ALWAYS 三丁目の夕日'64」が2012年1月21日に公開された。
関連動画
関連リンク
関連項目
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