Ruina~廃都の物語~(以下Ruinaと表記)とは、枯草章吉氏がRPGツクール2000で製作したフリーのゲームノベルタイプのRPGである。
フリーゲームの登録サイトふり~む!にて大賞を受賞した。
概要
中世ヨーロッパ風の世界を舞台にしたファンタジーRPG。プレイヤーは生まれ育った町を拠点に、地下で発見された広大な遺跡を探索することになる。
マニュアルに「ゲームブック的なRPG」と書かれている通り、TRPGやゲームブックなどを参考にした独特のシステムを持つ。テキストを重視した作りになっており、プレイヤーは落ち着いた文体で書かれる文章と要所で挿入される特徴的なタッチで描かれたイラストによって、まるで本を読んでいるかのような感覚で作品の世界に没頭することが出来る。
ゲームの進行上謎解きを要求される場面が多々あるが、一つの問題に対していくつもの解決法が用意されていることが多く、こうした自由度の高さは本作品の魅力の一つといえる。時には選択肢次第で仲間であるキャラクターを殺してしまうことすら出来るが、その場合は当然それ以降そのキャラクターを仲間として使うことは出来ない。それ以外でもプレイヤーの選択によって登場人物の運命やシナリオの展開が大きく左右される場面が数多く存在するため、プレイヤーは自身が物語を作っていく感覚を楽しむことが出来るようになっている。
システム
基本システム
プレイヤーは主人公となるキャラクターを4つの生まれと性別と名前を決め、一つの街を拠点にしダンジョンを攻略していく。RPGにおけるいわゆるプレイヤーキャラクターの移動というものがなく、イベントポイントを指定していく。そして敵や宝箱、扉、トラップなどを解決、突破していく。
パーティー
入れ替え可能な仲間は10人登場し、ダンジョンに入る前1度だけ主人公を含む3人までのパーティー編成できる。仲間キャラクターはそれぞれ魅力の高い個性を持っており、パーティー編成により会話が変わる。これによりダンジョン探索におけるヒントが変わってきたりもする。
称号
物語が進むと主人公は基本称号10種類、上級称号10種類から称号いわゆる職業を選択し、ステータス強化やスキルを覚えることができる。基本的に生まれに沿った称号の方が必要SPが少ない。SPはダンジョンなどのイベントクエストを達成したり、1回の探索で多く周ることによって得る事ができる。
キャラクター
主人公
このゲームの主人公はプレイヤーの分身としての役割を持つ、所謂ドラクエタイプの主人公であり、時折テキストによって感情が表現される以外に台詞の類は存在しない。プレイヤーは4種類の生い立ちと、男女各4種類ずつの顔グラフィックを選んで主人公を作成することができる。名前は自由につけることが出来るが、生い立ちと性別によって異なるデフォルトネームを選ぶこともできる。生い立ちによって主人公の社会的な立場や周囲の人物との関わり方は異なり、生まれごとに専用のイベントがある等ストーリー展開にも大きく影響する。但し、全ての主人公は共通して出生に関するとある秘密を持っている。
生い立ちごとの説明
- 賢者の弟子 : 魔術師型。町はずれに住む老魔術師デネロスに拾われ、その弟子として育てられた。優れた魔力を持ち、古代語の知識を持つ。反面、物理的な戦闘力は心もとない。
- 騎士の嫡子 : 戦士型。町の領主であるホルム伯カムールの跡継ぎとして育てられた。領主に仕えるフランとは幼馴染の関係。装備出来るアイテムが最も多い。幼い頃から騎士としての鍛錬を積んでいるため、非常に強い腕力を持ち、HPと攻撃力に恵まれている。最大MPが低いのが難点。
- 罪人の遺児 : 盗賊型。女盗賊レナに拾われ育てられた。血のつながらない兄妹であるパリス・チュナと共に町のスラムで肩を寄せ合って生きている。手先が器用で動きが素早く、探索に必要なスキルが豊富なのが特徴。
- 神殿に拾われた孤児 : 神官型。女神アークフィアに仕える神殿の老巫女・アダに拾われ、神官として育てられた。治療の技と天性の勘を持っているのが特徴。攻撃技は少ない。
仲間になるキャラクターたち
パリス
主人公の悪友で夢見がちな若者。将来が心配。
常識的な価値観と熱い心と冴えたツッコミを持つ冒険のツッコミ担当その1。タイプはパワー型の盗賊。
血の繋がらない妹であるチュナを大切にしている。生きるために後ろ暗い仕事にも手を染めている模様。
ネル
雑貨屋の娘で主人公の幼なじみ。とらえどころのない性格をしているが比較的常識人。
魔術師に憧れ賢者デネロスに師事しているが魔術の才能は無い。特技は怪力。何故か変わった人達に好かれやすい。
タイプは攻撃も魔法もボケもツッコミもそれなりにこなす器用貧乏。ゲームの進め方によっては全ての生産スキルを習得できる、歩く生産拠点でもある。
ラバン
風来坊の老人であり隻腕の剣士。西方一の剣客として知られ、多くの二つ名を持つ。過去に色々あったらしいが今では気のいい年寄り。
隻腕の為に盾を装備できず、また年齢のせいか打たれ弱い。タイプはスピード型の剣士。
キレハ
ホルムから南東に位置するマルディリア出身の遊牧民。テンプレ型ツンデレで料理上手。
弓や魔法を扱えるが後衛キャラの運命として防御力が低い。が、それでも連れ歩く人は後を絶たない。
シーフォン
魔術師の少年。自己中心的な性格をしており、誰に対しても挑発的・高圧的な態度をとる。目的を達成するためには手段を選ばず、他者からの強奪も厭わない。
魔力とMPは全キャラクター中最高だが、最も脆い。
テレージャ
隣国である西シーウァ王国出身の巫女。考古学に対して熱狂的な程の興味を寄せる学問狂いであり、古代の遺跡を見つけては興奮して語り始める。眼鏡をかけているときと外しているときがある。
回復や蘇生、防御の魔術に秀でた神官タイプのキャラクターであり、比較的能力のバランスもとれている。
アルソン
ネス大公家に連なる名門貴族・ベルン侯爵家の嫡男。本人は他者との壁を作らないよう努力しているつもりだが空回りしており、周囲からは空気の読めない人物として見られている。将来の目標は貴族と平民とが家族のように手を取りあえるような国を作ること。料理が上手。
全キャラ中最高のHPと防御力を持つ重戦士タイプのキャラ。
エンダ
竜の生まれ変わりの少女。エンダはデフォルトネームであり、主人公が好きな名前を付けることが出来る。
自分に名を与えた主人公に対して刷り込みに近い感情を抱いている。生まれたてのため精神的には幼いが、言葉による意思の疎通は問題なく行える。生の肉や魚が好物で、衣服などの文明的な習慣は嫌い。悪いものを食べてもお腹を壊さない。
ブレスによる全体攻撃が特徴のキャラだが、装備できるアイテムが非常に少ない。
フラン
領主に仕えるメイド。メイド忍者とも称されるスピード型の盗賊キャラ。おかっぱ。
全キャラ中最高の速度を持ち、二刀流による高い攻撃力を誇る。探索に役立つスキルを豊富に習得できる。
献身的で他者への気遣いを欠かさない性格だが、やや天然気味の感性の持ち主であり時折ズレた発言をする。
メイドだが料理の腕は壊滅的であり、敵に様々な悪影響を与える暗黒料理の作り手でもある。得意料理はポララポ。本人も「息を吹き返す不味さ」と保証する逸品である。
メロダーク
陰気な雰囲気を持つ無口な男。旅の傭兵を自称するが自分の事はあまり語ろうとしない。
魔術に探索、武器による戦闘と万能な能力を持つが、それぞれの分野で専門職には劣る為にやや扱いづらい。
町の人々
チュナ
パリスの血の繋がらない妹。
兄には真面目に働いて欲しいと思っており、危険な事ばかりしたがるパリスに対して呆れつつも心配している。
オハラ
ホルムの町の酒場「ひばり亭」の女主人。仕事柄事情通であり、色々な話を教えてくれる。商売上手でがめつい。
カムール
ホルムの町の領主である伯爵。本名カムール・グリムワルド。
主人公の生い立ちが騎士の嫡子の場合、主人公の父親となる。
主人公が男性の場合は厳格な父親として描かれるが、女性の場合は一転して娘を溺愛する過保護な父親となる。
ゼペック
フランの祖父で、カムールに仕える執事。周辺諸国の情勢について教えてくれる。
アダ
神殿の老巫女。明るく前向きに生きるように人々に説いている。
主人公の生い立ちが神殿に拾われた孤児の場合、主人公の養育者となる。
デネロス
町はずれの庵に住む老魔術師。普段は医者のような仕事をしており、町の住民からは先生と呼ばれ頼りにされている。
主人公の生まれが賢者の弟子の場合、主人公の師匠となる。
ガリオー
公都ナザリ出身の鍛冶師。遺跡の噂を聞きつけホルムにやってくる。
典型的な職人気質の人物。サブイベントでの出番が多い。
その他
テオル五世
ネス公国公子。一人称は「己(おれ)」。顔に大きな傷がある。
貴族らしからぬ砕けた口調と堂々たる態度が特徴的な青年で、人心掌握の術に長けている。
ギュスタール
ゼペックの孫であり、フランの弟。歴戦の偉丈夫といった出で立ちだが、実際は年若い少年。
バルスムス
ユールフレール島の大河神殿に属する老神官。大河神殿軍の宿将でもあり、「戦将」と称される。顔に大きな刀傷があり、生来の厳めしい顔つきと合わさって非常に恐ろしい面構えをしている。
内面的には誠実かつ実直な人物であり、神殿の巫女アダとは旧知の間柄。
パーシャ
ネス公国の隣国、西シーウァ王国の第三王女。本名パーシャ・シバ・アラヌス。自ら軍を率い戦場に立つ姫将軍。
武人肌の人物であり、華奢な体格ながら大剣を軽々と扱う。
ユリア
ヒント機能をONにしていると、ボス戦などの重要な戦闘での敗北時にヒントをくれる妙齢の女性。
老人口調で話す。
関連動画
実況プレイ動画
ゆっくり実況プレイ
その他
関連項目
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