静止画を短い間隔で見た場合、人間の脳が間の動きを補完して連続した動きのある映像と認識してしまう残像効果と呼ばれる錯覚がある。これを利用して、形が少しづつ異なる静止画を1コマづつ作成し、連続して映写することで画像が動いているように見せる映像を作り出すのがアニメーションである。
ラテン語で霊魂を意味するアニマ(anima)から来ており、命のないものに『命を吹き込む』という意味で使われていたのが始まり。
こちらも参照⇒アニメーション
「アニメ」は日本での「アニメーション」の略語。単に「アニメ」と呼称した場合、特に漫画などの絵柄による商業アニメーションのこと、またそれらを取り巻く文化のことを指すことが多い。
この呼称は海外にも逆輸入された。海外(特に英語圏)では「アニメーション:animation」を「anima」と略すことはないが、日本の商業アニメーションのことを日本の略称そのままに「anime」と呼ぶようになっている。「ジャパニメーション:japanimation」という単語も存在するがこちらはほぼ死語に近い。
世界初の『書いた絵を動かすアニメーション作品』は1908年のフランス映画「ファンタスマゴリー」が最初とされる。大正時代に入ると、日本でもアニメーションの制作が開始された。現存する日本最古のアニメーション映画は1917年(大正6年)頃作られた「なまくら刀」である。
この頃活躍した下川凹天、幸内純一、北山清太郎の3人は日本におけるアニメーションの創始者といわれている。
ウォルト・ディズニーが初めに会社を設立したのが1923年であり、ここから世界各国でアニメーション映画の制作が活発化する。ディズニーのアニメーションは世界中で人気を博し、ミッキーマウスの初登場作品である蒸気船ウィリー(1928年)や世界初の長編カラーアニメーションである白雪姫(1937年)などは特に有名な作品である。
この頃からアメリカン・アニメーションの黄金時代が始まり、他にもMGMの「トムとジェリー」やフライシャー・スタジオの「ベティ・ブープ」や「ポパイ」、ワーナー・ブラザーズの「バッグス・バニー」など、人気キャラクターが数多く生み出された。
日本では、日本のアニメーションの父ともいわれる政岡憲三とその弟子の瀬尾光世により活発にアニメが生み出された。第二次世界大戦を迎えると、主に国威発揚のため日本でも長編アニメーション映画が作られた。1942年に日本初の長編アニメーションである「桃太郎の海鷲」が、1944年には「桃太郎 海の神兵」が制作された。
戦後、テレビ放送が1953年に開始されたが、制作期間と費用の面から海外から輸入したアニメの放送が主流であった。1956年に東映動画(現:東映アニメーション)が発足。日本初のカラー長編アニメ映画である「白蛇伝」(1958年)が制作された。この制作には、手塚治虫も参加している。またこの映画は当時高校生であった宮﨑駿にも大きな影響を与えた。また同年に日本初のテレビアニメである「もぐらのアバンチュール」が放送されている。
1963年には手塚治虫(虫プロダクション)による日本初の30分連続TVアニメーション「鉄腕アトム」が放映。手塚はリミテッド・アニメーションの手法を取り入れ、鉄腕アトム以後には、日本のTVアニメーション制作数は大きく増加し、日本を代表する産業に成長していくことになる。
1968年、高畑勲監督のアニメ映画「太陽の王子ホルスの大冒険」が公開。この作品には宮﨑駿も関わっており、のちの「ルパン三世 カリオストロの城」や「風の谷のナウシカ」に繋がっていった。
1970年代、「アニメは小さい子供が見るもの」という考え方は日本でもまだまだ主流であったが、1974年に放送された「宇宙戦艦ヤマト」が再放送、映画化を経て大ヒットし、アニメブーム、声優ブームが起こった。またこれをきっかけに1978年、日本初のアニメ雑誌であるアニメージュが創刊された。この頃までアニメは「テレビまんが」、「まんが映画」と呼ばれることが多かったが、しだいに「アニメ」という呼び方が一般化した。(そのため、現在でもアニメのことをマンガと呼ぶ世代も多い。)その後も「銀河鉄道999」や「機動戦士ガンダム」などのSF作品が青年以上の層に人気を博した。
1980年代になるとOVA(オリジナル・ビデオ・アニメーション)の市場が形成された。この頃は低年齢層はテレビアニメ、高年齢層はOVAという市場の住み分けができていたが、深夜アニメの増加により現在では衰退している。
1990年代に入ると高年齢向けの作品は更に増加していった。この頃の作品から、大友克洋の「AKIRA」や押井守の「攻殻機動隊」など、ジャパニメーションとして海外で人気を博す例も現れた。
1985年に設立されたスタジオジブリは、現在に至るまで日本のアニメ界に大きな影響を与えて続けてきた。特に2001年公開の「千と千尋の神隠し」は日本の映画興行収入歴代1位を記録、アカデミー賞のアニメーション部門を受賞するなど高い評価を受けた。
アメリカでは1990年以降、3DCGアニメーションの制作が本格化する。1995年にディズニー・ピクサーのトイ・ストーリーが公開され、大ヒット。一方日本も2001年、ファイナルファンタジーをフルCGで映画化したが、興行的には失敗に終わった。数は増えているものの、現在も日本ではCGアニメーションは主流にはなっていない。
長年に渡り日本のアニメはセルアニメが主流であったが、1990年代後半からデジタルへの移行が進み、2013年に「サザエさん」がデジタルに切り替わったことでセルアニメは実質消滅した。
日本では、様々な物に霊魂や神が宿るアニミズム(animism/霊魂)崇拝の考えが古来より深く根付いている。同様の語源を持ち、文字通り「セル画に命を吹き込む」かの如きアニメーションが大きく発展したのはある意味必然だったのかもしれない(そのきっかけの作品がロボットものだということも含めて)。
2000年代以降は、深夜アニメの増加とメジャー化という大きな流れがある。
少子化によってアニメの視聴率が低下したことで、テレビ局は映像商品や関連商品の販売によるアニメビジネスを模索し始めた。1995年の『新世紀エヴァンゲリオン』は、当初夕方に放送されていたが、深夜の再放送でも高い視聴率を獲得し、テレビ東京が率先して深夜アニメ枠の開拓に乗り出す要因となった。
深夜アニメの認知度を上げた要因の一つとして、2006年に放送された『涼宮ハルヒの憂鬱』の大ヒットや、同時期にYouTube、ニコニコ動画などの動画投稿サイトが誕生したことでアニメ視聴者による二次創作文化がそれ以前に比べて広まったことがあげられる。
深夜アニメは2015年に全日帯アニメの制作分数を超えた。『進撃の巨人』『ラブライブ!』『鬼滅の刃』など、紅白歌合戦で特集されるほどの人気となる例も現れている。
現在のアニメの大半は製作委員会方式で制作されている。製作委員会方式がとられることにより、リスクを分散させる事が可能となり、1990年代までのアニメ製作における大きな条件の一つであった「玩具メーカーなどのスポンサーとの契約」を気にする必要がなくなった。
ただし、製作委員会方式の場合制作費を回収するためにDVDやBlu-rayなどの販売で収益を得る必要があるが、売上は作品人気により大きな差があるため、安定的な収益を得るために「数打てば当たる」論理で制作本数が増加した。
人気のスマホゲームをアニメ化する場合、開発企業は資金が豊富なことから、1社単独出資になるケースもある。(Cygamesの「神撃のバハムート GENESIS」など)
資金力のあるNetflixが出資してアニメ制作を行う例も出てきている。(「ULTRAMAN」など)
また、近年はパッケージ販売から動画配信業者への販売へビジネスモデルが変化しはじめている。
TVアニメの総制作本数は長期的には増加傾向にある。2006年に1度ピークを迎え、その後一時的に減少したが、2011年以降は再び増加傾向にあり、2016年には過去最高を記録している。
かつての主流であった、地上波のゴールデンタイムに放送されるアニメは、2018年秋にテレビ東京の『ポケモン』『BORUTO』が夕方に移動、2019年秋にテレビ朝日の『ドラえもん』と『クレヨンしんちゃん』も夕方に移動し、5大民放では0本となった。その後、2020年秋に『ポケモン』がゴールデンに復活し、2021年時点では『新幹線変形ロボ シンカリオンZ』と合わせて2作品のみがゴールデンタイムで放映されている。
一方で、金曜ロードショーなど夜の2時間枠で劇場版アニメが放映されるケースが多くなっている。
独立局では、TOKYO MXがゴールデンタイムにおいても積極的にアニメを放送しており、平日19時台をはじめ夕方~深夜の番組枠の多くがアニメに充てられている。また、TOKYO MXは最近は配信にも力を入れている(後述)。
アニメジャンルに限った話ではないが、特に2000年代後半以降、メディア環境の大きな変化によりアニメの視聴を「地上波テレビ」に限定する必要性が薄くなった。
2020年現在では、地デジ化による録画機器の普及や、動画配信サービス、サブスクリプションサービスでのアニメ配信・見逃し配信が一般的になったことにより、時間や場所を選ばず、容易にアニメを視聴できる環境になっている。
世界のアニメ視聴者が2018年にアニメコンテンツに支払った総額は2兆1800億円と推計されており、過去最高であった。近年の成長の大きな要因として、中国市場を中心とした海外へのコンテンツの輸出がある。
テンセントなど中国国内の配信サイトと契約を結び、海賊版を廃する努力が続けられている。
劇場版アニメの興行収入については、『名探偵コナン』、『ドラえもん』が上昇傾向にあるほか、
スタジオジブリ作品のほか細田守、新海誠などの監督によるヒット作品が生まれている。
深夜アニメでは、これまでに『魔法少女まどか☆マギカ』『ラブライブ!』『ガールズ&パンツァー』『ソードアート・オンライン』などの劇場版が20億円以上のヒットを記録している。
ニコニコ動画のγ~RC2時代(2007年頃)は著作権者に無断でうpされたアニメ本編が野放し状態で、見たいアニメはニコニコ動画に行けば見れるという状態だった。その為、再生・マイリスト・コメントランキング上位にアニメ本編がたびたび登場していた。
(例:らき☆すた・CLANNAD・バンブーブレード・こどものじかん・さよなら絶望先生 等)
これは当時、権利保護や監視体制が十分に整備されておらず、削除されにくい状況であったためである。
しかし、最近では権利者のガイドラインが作成され、新作アニメの全編の投稿動画は直ちに削除したり、公式側が後述するニコニコチャンネル側からアップロードする方針となっている。そのため、アニメジャンルは2019年現在は公式アニメを除くと、主にアニメの映像を編集したMADや切り抜き映像を扱うジャンルとなっている。
上記のように、権利者のガイドラインが作成されたが、旧作アニメは新作アニメとは異なり、うp直後に消されることは比較的少なく、ほとんどの場合、権利者の申し立てがない限り削除されないため、長い間放置される状態だった。
ところが、2008年4月~5月にかけてのvip通報祭により、ニコニコ動画内のアニメ本編、およびMADが、ことごとく権利者に通報された結果、多くの動画が削除されることになった。
中にはこれまで黙認されていたと思われたジャンルの作品まで削除されてしまったため、ニコニコユーザー内には驚きが広がった。最近はランキング上位に登場するMAD作品は通報され、削除される傾向が見られる。
余談だが、新作アニメの場合、第1話が放送されて本編がうpされても1日から1週間は削除されないケースが多々あり、権利者が広告代りに利用しているともとれる傾向が見られる。(最近のアニメで言うと、「生徒会の一存」が該当する。詳しくは「せい☆ぞん」記事参照。)
これはマイリストごと通報されることも多いため、関連動画があらかた削除されたり、他動画へのリンクが貼られている動画は、リンク先の動画まで削除される(巻き添え削除)といったことも要因となっている。
こういったことから、ランキング上位にあがるアニメ系MADは削除される可能性があるといえるが、権利者によってはMADを容認、あるいは黙認(削除を積極的には行わない)姿勢を示している。
現在ニコニコ動画内ではMADはグレーゾーンとの認識が広まりつつありが、完全に著作権法違反だと指摘する声もあり、ニコニコユーザーは著作権意識を見直すべきだともいわれている。
2008年7/2に社団法人日本映像ソフト協会などの会員が持つ著作権を侵害した動画が削除された。権利者団体の要請に基づくもので、MADと呼ばれる二次創作作品も含まれる。
ニコニコ動画内にすでに投稿されている著作権侵害動画について、MAD動画を含めて削除すること、新規に投稿された動画について監視し、MAD動画を含む著作権侵害動画を速やかに削除することを申し入れ、受領されたという。
これにより、該当の会社「ゴンゾ・サンライズ・スタジオジブリ・ディズニー・角川書店(※)・ソニー・松竹・東宝・東映(その他追記お願いします)」の映像を使ったMADは、すぐさま権利者削除されます。
もうMADは生き残れないかもしれない…と思ったがそんなことはなく、2019年現在も多数のMADが投稿されている。
※角川書店の動画を使用したMADは、最近消されない傾向にある。(但し、公認されていないので、Youtube以外の動画サイトにアップロードすると、当然著作権侵害となる。)
2008年、ニコニコ動画で公式にアニメが視聴できる「ニコニコアニメチャンネル」が発足した。
過去に「Candy☆Boy」「ペンギン娘はぁと」などの作品がニコニコ動画のみで配信された。
日本のアニメ界では初の試みである。
その後も「天体戦士サンレッド」が好評を博し、テレビ放送された話を一週間限定で無料配信する形式が広がった。2010年頃に「ニコニコアニメチャンネル」は終了し、ニコニコチャンネルに移行した。
2010年7月からは、公式的に許可を得た30分アニメが地上波放送の後に続く形で放送されるようになった。これによってニコニコ動画のコメント付き新作アニメを正当な手段で楽しむことができるようになった。
現在では、TV放送中されているアニメ作品の大半がニコニコチャンネルでも公開されている。多くは一週間無料配信、その後有料配信に切り替える形になっている。TV最速放送から一週間程度遅れて配信される作品が多いが、比較的早い段階で配信が始まる作品や、TV放送とほぼ同時、中にはTV放送より早く配信開始する作品なども登場しており、アニメ放送が盛んではない地方の視聴者にとっても別け隔てなくアニメを楽しめる手段としてどんどん注目されている。
しかし、徐々にニコニコ動画のアニメカテゴリにおける公式アニメの割合が増加してきており、従来からあったファンが投稿するアニメ関連の動画が注目されなくなってきているという批判もある。2018年8月のニコニコ動画カテゴリ検討Slackでもユーザー側から「公式アニメカテゴリを新設してはどうか」という意見があり、運営側も新設を検討したものの、「公式アニメの投稿ツールが自動的にアニメカテゴリに投稿されるようにハードコーディングされている」という技術的な問題を解決しなければならなかった。
2019年6月にアニメカテゴリがアニメジャンルに移行。同時に、公式アニメなどのチャンネル動画をランキングから除外することが可能になった。
なおニコニコチャンネルにはアニメだけでなく実写作品も配信されているが、特に区別はされずに実写作品にも「アニメ」タグが付けられていることが少なくない。
ニコニコ動画の他にも、バンダイチャンネル、GYAO!、楽天SHOWTIMEなど様々なアニメのネット配信サービスが存在する。これらの多くは最新話無料という形式をとっているものが多い。
2015年7月にはTOKYO MXが無料で全国どこでも放送と同時にスマートフォンで番組を視聴できる「エムキャス」と言う配信サービスを実施している。従来のインターネット配信とは異なり、MXと同時に配信されるため、ほぼ最速でアニメを視聴することができる。
ニコニコ動画界で東方厨とニコニコユーザが衝突 通報祭り
http://news4vip.livedoor.biz/archives/51171255.html
角川 YouTubeでMADアニメ等容認 投稿動画で広告事業http://animeanime.jp/biz/archives/2008/05/youtubemad.html
ニコニコ動画、アニメや映画のMAD(二次創作作品)を削除へ…日本映像ソフト協会らの要請で
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1144009.html
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掲示板
8401 ななしのよっしん
2024/12/30(月) 07:41:47 ID: uvlceW1tZK
今年は放送途中で次話が延期になるアニメも多かったし現場は以前よりもかなり過密なスケジュールになってそう
8402 ななしのよっしん
2024/12/30(月) 13:14:02 ID: 6BlpPHJCj5
冬アニメにもゴルフアニメがあるんだな
近年なんかゴルフアニメ多いよね
8403 ななしのよっしん
2025/01/02(木) 14:44:54 ID: YVo97Zuiwd
>>8394
お前もなぜ日本のアニメにはまともな黒人がいないんだとかケチつける活動家連中並みにうぜぇ存在になってるから気をつけろ
木乃伊取りがミイラにならんようにな
急上昇ワード改
最終更新:2025/01/02(木) 14:00
最終更新:2025/01/02(木) 14:00
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