香川県ネット・ゲーム依存症対策条例 単語

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『香川県ネット・ゲーム依存症対策条例』(以下ゲーム条例と記載)とは、香川県で施行されている条例である。

概要

2020年1月10日に素案が示され、同年3月18日に可決・成立、同年4月1日より施行された。

提出までの経緯条例の内容施行までの議会の動き施行後の議員の言動に至るまで数多くの問題が摘されている。

この条例は、18歳未満子供パソコンスマートフォンゲーム機の使用を平日1日60分休日は90分とすること、及び未就学児は午後9時まで、18才未満は午後10時までを「安」としパソコンスマートフォンゲーム機の使用を停止させること、このルール庭内での努力義務を課すものである。(第18条)。

者は18歳未満子供だけでなく、庭の教育方針に干渉するという性質上保護者にも役割を強いる形になっている。更にはソフトウェアアプリ開発提供、つまり香川県民がインターネットアクセスする可性のある全てのゲーム事業者香川県民に配慮するよう要請、即ちプロパイダやサーバー管理者にまで責任が波及している。(第11条)。なおこ案件は県の要事業として予算が充てられているが、事業者に対する補填などは記載されていない。

当然県や学校は今後、ゲーム依存症対策を推進する責務に則り、ゲームばかりしてないで外で遊びなさい、などと促進する活動を行っていかなければいけない為(第4・5条)、香川子供たちは今後これに則った教育方針にされることとなる。

また、あまり注はされてはいないが第11条の2では性的描写や暴力描写自主規制することをめる条項が含まれており、年齢定を問わずゲームの内容にも干渉するような内容が何故か明記されていることから、表現規制条例である点も注視したい。

この条例を策定した大山一郎元県議会議長は、にも法整備をめると発言しており、条例にもその旨が記載されている。もっとも、政府は「ゲームは1日1時間」の有効性の根拠を認めていない[ソース]exit

なお、隣県である岡山県にも同様の『自主規制』はあるが、これは学生等が自的に提唱し、あくまで本人の自己裁量によって行われるものであり、条例として公文書にて明文化されているものではない。

同じくゲーム依存症防止条例をしていた自治体のひとつの秋田県大館市は、この条例化を香川フレンドリーファイア一時凍結することになり、香川の活動がゲーム依存症対策の全区化への呼びになるかどうかはまだ不明である。

香川県ネット・ゲーム依存症対策条例(香川県条例第24号)全文

以下の引用の元となる告示された条例のPDFファイルこちらexitから。
(テキスト認識で読み取ったものを人力で修正している為、誤字等がありましたらご摘ください)

香川県ネット・ゲーム依存症対策条例
(香川県条例第24号)
ローマ数字は条に付随する項(例:法令での第X条第Y項のYの部分)
丸数字は条項内で定める定義の区切り番号(例:リスト上のリスト番号)
 インターネットコンピュータゲームの過剰な利用は、子ども学力体力の低下のみならずひきこもり睡眠障害、視障害などの身体的な問題まで引き起こすことなどが摘されており、世界保健機関において「ゲーム障害」が正式に疾病と認定されたように、今や、内外で大きな社会問題となっている。とりわけ、射幸性が高いオンラインゲームには終わりがなく、大人よりも理性つかさどるの働きが弱い子ども依存状態になると、大人依存と同様に抜け出すことが困難になることが摘されている。
 その対策としては、において、他の依存症対策と同様に、法整備の検討や医療提供体制の充実などの対策を早急に講ずる必要があるが、県においても、適切な医療等を提供できる人材などを育成するため、研修体制の構築や専門派遣等の支援に取り組むことがめられている。
 加えて、子どもネットゲーム依存症対策においては、子の信頼関係が形成される幼児期のみならず、子ども時代が情豊かに見守られることで、着が安定し、子どもの安心感や自己肯定感を高めることが重要であるとともに、社会全体で子どもがその成長段階において何事にも積極的にチャレンジし、活動の範囲を広げていけるようにネットゲーム依存症対策に取り組んでいかなければならない。
 ここに、本県の子どもたちをはじめ、県民をネットゲーム依存症から守るための対策を総合的に推進するため、この条例を制定する。
(的)
第1条
この条例は、ネットゲーム依存症対策の推進について、基本理念を定め、及び県、学校等、保護者等の責務等を明らかにするとともにネットゲーム依存症対策に関する施策の基本となる事項を定めることにより、ネットゲーム依存症対策を総合的かつ計画的に推進し、もって次代を担う子どもたちの健やかな成長と、県民が健全に暮らせる社会の実現に寄与することを的とする。
(定義)
第2条
この条例において、次の各号に掲げる用の意義は、当該各号に定めるところによる。
ネットゲーム依存症ネットゲームにのめり込むことにより、日常生活又は社会生活に支障が生じている状態をいう。
ネットゲームインターネット及びコンピュータゲームをいう。
オンラインゲームインターネットなどの通信ネットワークを介して行われるコンピュータゲーム
子ども18歳未満の者をいう。
学校等 学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に規定する学校(大学を除く。)、児童福法(昭和22年法律164号)第39条第1項に規定する保育所及び就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律(平成18年法律第77号)第2条第6項に規定する認定こども園をいう。
スマートフォンインターネットを利用して情報を閲覧(視聴を含む。)することができるスマートフォンパソコン等及びコンピュータゲームをいう。
⑦保護者権を行う者若しくは未成年後見人又はこれらに準ずる者をいう。
(基本理念)
第3条
ネットゲーム依存症対策は、次に掲げる事項を基本理念として行われなければならない。
ネットゲーム依存症の発症、進行及び再発の各段階に応じた防止対策を適切に実施するとともに、ネットゲーム依存症である者等及びその家族日常生活及び社会生活を円滑に営むことができるように支援すること。
ネットゲーム依存症対策を実施するに当たっては、ネットゲーム依存症が、睡眠障害ひきこもり、注意の低下等の問題に密接に関連することに鑑み、これらの問題に関する施策との有機的な連携が図られるよう、必要な配慮がなされるものとすること。
ネットゲーム依存症対策は、予防から再発の防止まで幅広く対応する必要があることから、県、町、学校等、保護者、ネットゲーム依存症対策に関連する業務に従事する者等が相互に連携を図りながら協して社会全体で取り組むこと。
(県の責務)
第4条
県は、前条の基本理念にのっとり、ネットゲーム依存症対策を総合的に推進する責務を有する。
県は、町が実施する施策を支援するため、情報提供、技術的助言その他の必要な協を行う。
県は、県民をネットゲーム依存症に陥らせないために町、学校等と連携し、幼児期からの子どもと保護者との着の形成の重要性について、普及啓発を行う。
県は、子どもネットゲーム依存症に陥らせないために屋外での運動、遊び等の重要性に対する子の理解を深め、健康及び体力づくりの推進に努めるとともに、町との連携により、子どもが安心して活動できる場所を確保し、さまざまな体験活動や地域の人との交流活動を促進
(学校等の責務)
第5条
学校等は、 基本理念にのっとり、保護者等と連携して、子どもの健全な成長のために必要な学校生活における規等を身に付けさせるとともに、子どもの自立心を育成し、心身の調和のとれた発達を図るものとする。
学校等は、ネットゲームの適正な利用についての各庭におけるルールづくりの必要性に対する理解が深まるよう、子どもへの導及び保護者への啓発を行うものとする。
学校等は、行内にスマートフォン等を持ち込ませる場合には、その使用について、保護者と連携して適切な導を行うものとする。
学校等は、県又は町が実施するネットゲーム依存症対策に協するものとする。
(保護者の責務)
第6条
保護者は、子どもネットゲーム依存症から守る第一義的責任を有することを自覚しなければならない。
保護者は、幼児期から、子どもと向き合う時間を大切にし、子どもの安心感を守り 、 安定した着を育むとともに、学校等と連携して、子どもネットゲーム依存症にならないよう努めなければならない。
保護者は、子どもスマートフォン等の使用状況を適切に把握するとともに、 フィルタリングソフトウェア (少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律(平成20年法律第79号)第2条第9項に規定する少年情報フィルタリングソフトウェアをいう。以下同じ。)の利用その他の方法により、子どもネットゲームの利用を適切に管理する責務を有する。
(ネットゲーム依存症対策に関連する業務に従事する者の責務)
第7条
医療、保健、福教育その他のネットゲーム依存症対策に関連する業務に従事する者は、 県又は町が実施するネットゲーム依存症対策に協し、ネットゲーム依存症の予防等(発症、進行及び再発の防止をいう。以下同じ。)に寄与するものとする。
(との連携等)
第8条
県は、と連携協してネットゲーム依存症対策の推進を図るとともに、ネットゲーム依存症対策に関して必要があると認めるときは、に対し、他の依存症対策と同様に、法整備や医療提供体制の充実などの必要な施策とともに、ネットゲーム依存症の危険要因を踏まえた適切な予防対策の策定及び実施を講ずるようめる。
県は、に対し、eスポーツの活性化が子どもネットゲーム依存症につながることのないよう慎重に取り組むとともに、必要な施策を講ずるようめる。
県は、県民をネットゲーム依存症から守るため、に対し、幼児期からの子どもと保護者との着の形成や安定した関係の大切さについて啓発するとともに、必要な支援その他必要な施策を講ずるようめる。
(県民の役割)
9条
県民は、ネットゲーム依存症に関する関心と理解を深め、その予防等に必要な注意を払うものとする。
県民は、社会全体で子どもの健やかな成長を支援することの重要性を認識し、県又は町が実施する施策に協するものとする。
(町の役割)
第10条
町は、県、学校等、保護者、ネットゲーム依存症対策に関連する業務に従事する者等と連携し、ネットゲーム依存症対策を推進するものとする。
(事業者の役割)
第11条
インターネットを利用して情報を閲覧 (視聴を含む。 ) に供する事業又はコンピュータゲームソフトウェア開発、製造、提供等の事業を行う者は、その事業活動を行うに当たっては、 県民のネットゲーム依存症の予防等に配慮するとともに、県又は町が実施する県民のネットゲーム依存症対策に協するものとする。
前項の事業者は、その事業活動を行うに当たって、著しく性的感情を刺し 甚だしく粗暴性を助長し、又は射幸性が高いオンラインゲーム課金システム等により依存症を進行させる等子どもの福を阻するおそれがあるものについて自的な規制に努めること等により、県民がネットゲーム依存症に陥らないために必要な対策を実施するものとする。
特定電気通信役務提供者 (特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律 (平成13年法律137号) 第2条第3号に規定する特定電気通信役務提供者をいう。)及び端末設備の販売又は貸付けを業とする者は、その事業活動を行うに当たって、フィルタリングソフトウェア活用その他適切な方法により、県民がネットゲーム依存症に陥らないために必要な対策を実施するものとする。
(正しい知識の普及啓発等)
第12条
県は、県民がネットゲーム依存症に陥ることを未然に防ぐことができるよ う 、必要な情報を収集するとともに、 オンラインゲーム課金システムその他のネットゲームに関する正しい知識の普及啓発及び依存症教育を行う。
(予防対策等の推進)
第13条
県は、町、学校等、保護者、ネットゲーム依存症対策に関連する業務に従事する者等と連携し、県民がネットゲーム依存症に対する理解及びネットゲーム依存症の予防等に関する知識を深めるために必要な施策を講ずる。
(医療提供体制の整備)
第14条
県は、 ネットゲーム依存症である者等がその状態に応じた適切な医療を受けることができるよう 、県民がネットゲーム依存症に対す医療提供体制の整備を図るために必要な必要な施策を講ずる。
(相談支援等)
第15条
県は、ネットゲーム依存症である者等及びその家族に対する相談支援等を推進するために必要な施策を講ずる。
(人材育成の推進)
第16条
県は、医療、保健、福教育その他のネットゲーム依存症対策に関連する業務に従事する者について、ネットゲーム依存症に関し十分な知識を有する人材の確保、養成及び資質の向上のために必要な施策を講ずる。
(連携協体制の整備)
第17条
県は、第12条から前条までの施策の効果的な実施を図るため、町、学校等、保護者、ネットゲーム依存症対策に関連する業務に従事する者等の間における連携協体制の整備を図るために必要な施策を講ずる。
(子どもスマートフォン使用等の庭におけるルールづくり)
第18条
保護者は、子どもにスマ一トフォン等を使用させるに当たっては、子ども年齢、各庭の実情等を考慮の上、その使用に伴う危険性及び過度の使用による弊等について、子ども話し合い、使用に関するルールづくり及びその見直しを行うものとする。
保護者は、前項の場合においては、子ども睡眠時間を確保し、規則正しい生活習慣を身に付けられるよう、子どもネットゲーム依存症につながるようなコンピュータゲームの利用に当たっては、1日当たりの利用時間が60分まで (学校等の休業日にあっては、90分まで) の時間を上限とすること及びスマートフォン等の使用 (家族との連絡及び学習に必要な検索等を除く。) に当たっては、義務教育修了前の子どもについては午後9時までに、それ以外の子どもについては午後10時までに使用をやめることを安とするとともに、前項のルールを遵守させるよう努めなければならない。
保護者は、子どもネットゲーム依存症に陥る危険性があると感じた場合には、速やかに、 学校等又はネットゲーム依存症対策に関連する業務に従事する者等に相談し、子どもネットゲーム依存症にならないよう努めなければならない。
(財政上の措置)
第19条
県は、ネットゲーム依存症対策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努める。
(実態調)
第20条
県は、子どもネットゲーム依存症対策を推進するため、この条例施行後3年間は毎年、その後は2年ごとに、本県におけるネットゲーム依存の実態に関する調を行う。
附則
(施行期日)
1
この条例は、令和2年4月1日から施行する。
(検討)
2
この条例の規定については、この条例の施行後2年を途として、この条例の施行状況等を勘案し、検討が加えられ、必要があると認められるときは、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとする。

何故こんな馬鹿な条例が制定されたのか?

この条例を策定した大山一郎香川県議会議長は、典的な親学の信奉者ではないかといわれている。

その大山氏は、約10年ほど前当時小学生だった自身の部屋友人ゲーム中になっていた、という経験が元になり「ゲーム脳」を支持し始めたという事を北海道新聞にてっている[ソース]exit

これだけ聞くとただ子供友達と遊んでいただけのように思えるのだが、そんな彼はよりによって2002年という20年前の仮説である「ゲーム脳」を研究し、条例の参考にしたとのことらしい。(ゲーム脳の詳細はそちら記事へ)

もう一点、条例化に際し推進の根拠としてられているのが、世界保健機関WHO)のゲーム障害認定である。

ICD(際疾病分類)とは、WHO表している疾病や死因などの際的な統計収集の為のカテゴリーであるが、ゲーム障害2022年に発効予定のICD-11の、精神障害の一種であるアルコール物中ギャンブルと並ぶ群に2019年5月25日採用されている。

ICDの他に精神障害際的な分類として普及しているものにアメリカ医学会のDSMがあり、DSM-5にはインターネットゲーム障害が今後の研究課題として記載されているが、これは正式な障害認定にはあたらない。

ICD-10まではなかったゲーム依存症精神障害であると認定させるに至る背景には、依存症などの研究機関でもある国立病院機構久里医療センター樋口進院長の働きかけが大きいとされている。[ソース]exit[ソース]exit 
この件に関わったWHOの関係者は、樋口氏の口からもられているものと思われる、アジアの調の文章をソースとしたとっている。(現在この根拠とした文献の詳細をWHOにしていない)
しかし、ゲーム精神障害の関係に関しては以前より多くの研究者がエビテンス不足で慎重になっており、その根拠の不十分さ定義の曖昧さ診断が乱用される危険性などが摘されている。[ソース]exit[ソース]exit

そもそも、学術的な医学ではない統計分類を根拠とすることに対する疑問も出ている(余談ではあるが、ICD-10までは性同一性障害精神疾患に分類されており、今回のICD-11で疾病から状態を表す項に分類される。実情を反映し訂させるまで非常に長い年を要している)。

ゲーム依存症DSMに採用に至っていない経緯からも未だ研究途上であり、香川県では"正しい知識の普及啓発exit"をめているが、そもそも正しい知識が何であるか、解明をめているのが現在の段階なのではないだろうか。

樋口氏は四国新聞にも識者として積極的にインタビューに応じており、本条例の検討委員会にも招かれている事から香川ゲーム依存症観を形成する要員となっている。

ただ、条例の内容の経緯には不明な部分も多く[ソース]exit樋口氏の提言の趣旨にはい内容も盛り込まれた可は否定できない。

学校や地域でも子どもたちを見守っていけるよう行政導して条例などを設け、社会全体でゲームへのアクセスを制限する環境づくりが欠かせない。

「ゲーム依存」識者インタビュー 久里浜医療センター・樋口進委員長(64)「薬物より治療困難」LINE News 四国新聞電子版 2019年1月7日 09:00付配信exit より 

香川県ではゲーム条例以前から、午後9時にはスマホを取り上げる「さぬきっ子の約束」や、高松市ではこの令和の時代にメディア断食により温かい庭を取り戻す「ノーメディア事業」を行っている。

このようにネットゲームに関する導を香川県は従来より行ってきており、ゲーム条例もその延長線上とも感じられる。一方、メディアリテラシー導に関しては重点を置いていないのかゲーム条例施行時点では立った事業は見つけられなかった。

条例冒頭では「※着の安定」「情豊か」「子の信頼関係」などのワードが使われていることから、客観的根拠より優先される一部の大人の理想とする家庭像なるものが原動なのではないか?と疑われてならない。
(※頻出する「着」とは、近年注される保護者と子供の間に形成される持続的なであり、ネットゲーム依存症の予防にもつながると考えられているものとのこと。[ソース]exit 推進議員の口からはゲーム障害と「愛着障害」との関連性もられているが、これらに関する研究データがありましたらソース貼って下さい。)

このゲーム条例以外に、「教育支援(応援)条例」[ソース]exitといったものが今日にかけて全自治体で制定される動きがあり、この条例の一部には「」などのゲーム条例との類似の価値観が確認されている他、
情観や庭観の押し付けなどが問題視され、岡山県で提案された際には岡山県議会では最多数のパブリックコメントが寄せられ、一部文章の見直しが行われ施行されている。

こうした動きから、ゲームに限らず庭の教育方針に踏み込む地方条例の施行の動きは全に広がっていると考えられる。

確かに、ゲーム頭する子供をどうしつけるか、にとって悩ましい所ではあるだろう。
しかし、ひきこもりや体力・学力の低下は本当にゲーム依存症が原因exitなのだろうか?
ネットゲームを一日1時間とすることと子の情に何の関係があるのだろうか?
令和の世に子供たちをただメディアから遠ざける事は、果たして本当に子を守る事になるのだろうか?

これらの疑問を他所にしながら、2020年4月、条例は施行された。

パブリックコメントの恣意的運用問題

この条例のもう一つの大きな問題に、あまりにも不透明パブリックコメントの運用がある。
こちらのtogetterのまとめexitにも当時の一連の様子がまとめられている。

香川県議会では四国新聞キャンペーンもあり、2019年3月にこの依存症対策を打出す為の議員連盟を結成、2020年1月10日に県議会に素案が提出された。

審議が開始され、全度も高まるさ中の1月23日から県民のを聴取するパブリックコメントが実施される。[ソース]
exit
が、募の募集期間は2月議会提出の直前、それも通常の原則の期間である1かより大幅に短いの2週間で締め切りという、この時点で不安を覚えさせられる内容であった。

このパブリックコメントは事業者以外では県民に限定し、短い期間であったにも関わらず2686(普段はせいぜい数十件)の意見が寄せられ、この84が賛成であったことが報道される。(後に報道関係者はこの見出しを行った事を自省することになったexit

その後、採決前日の3月17日にその概要版exit開されたのだが、

賛成が18項(1ページに対して反対が420項(76ページ

という異様な数字が浮き彫りとなった。

大山議長はこれに「反対意見はほとんどが誤解によるもの」とコメントしたが、そもそもパブリックコメントは意見を送る的のものであり賛否に振り分けることを前提としておらず、このような住民投票のように開する事は想定されていない異例の事である。
この原本は一般開はされないとされたが、塗りが間に合わないという理由で議員にも非[ソース]exitのまま採決の日を迎える。

賛成多数により条例は可決され、採決後ようやく原本の閲覧の機会が議員に与えられることとなったが、待ち構えていたのは「情報漏洩があった場合、閲覧者全員連帯責任とする」という物々しい誓約書であった。

議員達は怒りに耐えかねながらもすごすごと退散する他かったが、この時一署名をし閲覧をした竹本敏信議員のインタビューexitから、当時の異様な様子がうかがえる。

その後4月の施行を待つ形でようやく塗りが了したのか、各所の情報開請4月下旬に通り、各機関パブリックコメント原本の検証が始まる。

その機関の一つであるねとらぼによって誰でも原本を閲覧する事が可能exitとなり、概要版だけでは見えなかったさらなる異常な内容が詳らかになることとなった。(時間があればぜひ上記リンクから実際の内容のご一読を)

賛成する旨の総意見数2269件、賛成率84パーセントの内、いくつかのパターン化された文章(「子供達に与える様々」「判断の乏しい大人」「明るい未来を期待」など)が大量に見受けられ、同じ誤字まで連投されている事が明らかとなった。

これだけでもアストロターフィンを疑うには十分すぎるのであるが、その中でもヘッダ情報の多くにプライベートIPアドレスである「192.168.7.21」を含む192.168.x.x帯が記載されていることがを引き、これがTwitterでも話題となり[ソース]exit、多くの推測が飛び交った。

その後、これらの特定プライベートIPアドレスにて送信された内容は「香川県議会ホームページ内のご意見・お問い合わせフォーム」で投稿したものを印刷したために同様の内容になったと事務局から釈明がなされた。

しかし、そもそもこの「ご意見」による提出は募集要項には記載されておらず3月17日には因果関係は一切不明だがパソコン端末が香川県庁より紛失したことが発覚し話題になるなど、どちらにせよ何かしらの疑惑は免れられない仕様となっている。

パブリックコメント締め切り直後には、ネットメディアであるねとらぼ編集部に名義貸し告発と思われる匿名の投書が香川消印で届く事態が発生する。
その内容の偽は結局現在不明ではあるが、観音寺市合田HPに載せた画像から、独自にパブリックコメントを収集していたことが発覚した。
合田議が集めたものと思われる用コメントのほとんど賛成意見であることも発覚するが、合田議は収集は個人的な議員活動の一環であり、反対運動に繋がる取材は拒否するなどとHP内で強く反発した。[ソース]exit

その後の報道で、パブリックコメントに対する審議ではよせばいいのにパブコメは)賛成多数だから、もう採決してはどうか」などの発言があったことにより議論は20分で切り上げられ、この採決を促すかけを行ったのは氏家孝志議員であったのでないかとも言われている。[ソース]
exit
当然の体で、これら検討委員会の議事録は残されておらず、県民が密室の中の相を公式に知る手立てはい。

パブリックコメント開後、本条例の成立過程において「疑念」があるとして、県議会自民党議員会・リベラル香川共産党議員団の3つの会検証委員会の設置を議長に申し入れたが、大山一郎議長は香川県議会事務局を通して「議長としては、このことに関してコメントしないと申してますので…」と発表。[ソース]exit
4月30日の臨時議会にて検証委員会設置をめる議員団に対して要望を無視しつつ、庭や社会全体が一丸となり、未来を担う大切な子どもたちがネット社会とうまく共存し、健やかに成長できる仕組み作りの契機となりますことを心から念願をいたしております[ソース映像]exitと述べ、
条例制定の目標を達成し、1年の任期を満了した形で退任した。

4月30日に新しく副議長に選任された十河直は検討委員会の委員も務めていたが、パブリックコメントを重視せず審議を行ったと発言。

同じく新しく議長に選任された西川は「副議長がおっしゃるのは、(パブリックコメントを)重視してなかったという今までの慣例に沿った中で、今回のパブコメについても住民投票のような形ではなかったので、重視して話し合った記憶がないという意味でおっしゃっておるんじゃないかと」と、香川県議会では県民の意見は重視せず毎回議論を行っているともとれる発言を行った[ソース]exit

大山氏の後任である西川議長もまた、今回の事例に関しては「議論は必要ない」の一点りの構えを示しており、前任から引き続き検証委設置を否定している。

これらの問題・疑念点について、香川県では議論をかわしつつ全て正当であるとしているが、パブリックコメント普及協会は「パブリックコメントの信頼を損ねる」と意見書を提出[ソース]exit
パブコメが賛否を分けるものという誤解が広まる事や、で組織票が活発化することが危惧される。

その後の反応

この条例は全でも注を浴び、「ゲームよりうどん依存症をどうにかしろ香川県糖尿病ワースト3位)」「うどんには罪はいので丸亀製麺食べて応援します」など、県の特産品を巻き込んで反を呼んだ。

今までうどん県として良くも悪くもそれくらいしかイメージが定着していなかった香川県だが、そこに今回のこのニュースは全ネット民に強い印を与え、ゲームが一日一時間しかできない独裁的自治体というとんだ属性を植え付けることとなった。

これにはうどんに引っ掛けられてやってきたヤドン[ソース]exitも立つ瀬がない。

本件に関して香川県知事である浜田恵造知事の元にも、再議をめる署名などの意見が多数届けられた。
都道府県知事には条例案に対する拒否権、すなわち議会の議決に対して再議をめる権利を有している為である。

が、記者からの質問に対し知事は、議会のやり方に関しては口出しする事は差し控える、との考えを示し、条例が県のイメージダウンにつながるものではない[ソース]exitコメント、最後の砦に縋るしくかき消された。

条例の報道香川県では高松に本社を置く四国新聞が中心となり報じられた。というのも、四国新聞はかねてより打ち出していた「キャンペーン 健康子ども時代から~血液異常ゲーム依存症対策への取り組み~」で2019年度の日本新聞協会賞を受賞しているのである。

報道だけでなくゲーム依存予防事業にも益々精を注いでいるさ中であったが、
この条例にあたっては、四国新聞知事議会が一丸となって制定をしたともとれる発言を推進議員がしている事から、[ソース]exitそうなればそもそも最初から県民の声が介在する余地などなかった性も考えられる。

一方で条例に疑問を呈したのは香川岡山を放送対とするKSB瀬戸内海放送である。

地方局という立場から最前線で取材をし発信し続ける重な報道機関となり、ジャーナリズムを懸けて本件を追及する姿勢を続けている。その結果、2021年には本条例の経緯をまとめた番組「検証 ゲーム条例exit」が民間放送連盟テレビ報道番組部門で優秀賞を受賞。

施行から1年以上が経過した後も条例に関する最新情報を発信し続けている為、現在の条例の動向を知りたい方はKSBサイトexit報道記者SNSなどを利用すると良いだろう。

多くの著名人もこの条例に反応を示す中、国会議員山田太郎もこの条例を批判[ソース]exit更には元総理大臣までマジレス[ソース]exitする事態に発展、ネット民を驚かせた。

おぎの稔大田区議会議員をはじめとする他県の議会議員も条例に反応を示しており、香川の条例に東京の区議会議員らが連名で意見を表明し、条例の全関心度の高さを表した。

当然ながら当事者であるゲーム業界からも困惑を持って条例にリアクション、明を発表している。
条例は必然的に全国区に影響する内容であり、罰則はないものの、検閲表現規制など様々な懸念が摘された。

特定電気通信役務提供者にあたると思われるTRPG大手ツールどどんとふ」の公式サーバーでは、条例に対応する事は現実的に出来ないと判断し、施行日4月1日より香川県民の利用原則お断りを発表。事業者としての苦悩と条例への問題提起を露わにした。[ソース]exit

その他にも香川モード実装するゲームが現れるなど、香川県民差別にならないかという懸念にも発展した。

条例内ではeスポーツにも容赦なく言及しており、ゲームイベントの誘致へのも考えられる。
(皮にも隣の徳島では県がイベントを主催したり、eスポーツ教育効果や地方創生効果を模索するなど県の事業として注しており、サブカルチャーに融和的な土壌を育てている。どうしてこうなった。

条例施行時はコロナ禍中であり、香川においてもそれは例外ではなく、臨時休校ステイホームめられていた。そんな中、ゲーム障害認定した根拠の一つであったWHOは「#PlayApartTogether」、つまりゲームで遊ぶことを推奨するコメントを発表。

しかし、情勢にそぐはない条例ではないか、という意見も結局県に反映されることはなかった。

この条例に関しては事業者の負担だけでなく、様々な子供の権利を侵する可性が摘されており、香川県弁護士会は「この条例は、憲法が保障する自己決定権を侵するおそれがある」などの旨で明を発表した。[ソース]exit

都道府県の条例に対して弁護士会が明を発表するのは極めてまれである。
この明に対しても香川議会はそれまでと同様に意見を斥けたが、条例に関する重要な論点のひとつとなっている。

4月22日、条例に不満を持つ仙台市大学生大山一郎議員のホームページから殺害予告を送り、逮捕される事態が発生する。

5月14日高松市在住の反対署名の提出を行った高校生(該当日当時)とその母親香川県に対し、香川ゲーム条例を違とし、国家賠償請訴訟を起こす考えを[ソース]exit訴訟費用を募るクラウドファンディングを12日間で達成する。

更にその裁判を追い、2021年10月18日には元高校教師をはじめとする県民5人が提訴。[ソース]exit上記原告の賠償請額を上回る県の代理人弁護士への支出にも疑問を呈し、支出返還を要
これより、1つの条例に2つの裁判が同時進行することとなる。

香川県民自ら動いたこの訴訟は2022年現在も続いている他、施行から1年以上が過ぎてもこの条例に関するシンポジウムや講演などが行われるなど、未だなお活発な議論を呼び起こしている。

しかし、条例内には「施行後2年を途として検討を加える」とあるにも関わらず、これに伴い見直しの検討をめる市民の陳情が12月14日採決された際は、共産党議員団、自民党議員会、かがわ立みらいの議員16人を除く起立採決で不採択となった。

2022年8月30日、2年に及んだ憲法を争点とする賠償請は「条例は憲法に反していない」と退けられる。原告は控訴しなかった為、判決は確定している。[1]

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関連項目

脚注

  1. *香川・ゲーム条例、合憲確定 敗訴の原告控訴せずexit 2022.11.1
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