バーザム(BARZAM)とは、『機動戦士Ζガンダム』に登場するモビルスーツ(MS)。ティターンズ最後の量産型MSとして名高い。
型式番号はRMS-154、全高24.2m、頭頂高19.4mと、直前のティターンズ量産機であるマラサイと比較してかなりの大型機であり、この後の時代のMSの大型化の先駆け的存在といえる。
しかしそれは設定上の話で、実際には大型に描かれないことのほうが多い気がする。
長年、商品化回数と露出の少ない不遇機として有名になっていたが、今やアニメでの活躍に似合わない人気モビルスーツとして扱われることも多くなった。
概要
BARZAM バーザム |
|
---|---|
型番 | RMS-154 |
全高 | 24.2m / 19.4m(頭頂高) |
重量 | 40.1t / 62.3t(全備)※一部資料で異なる |
出力 | 1,670kw |
推力 | 80,400kg |
装甲 | ガンダリウム合金 |
搭乗者 | ハミル |
兵装 | ビーム・サーベル×2 |
ビーム・ライフル | |
バルカン・ポッド・システム |
他のMSに似ない奇妙な外見で知られる。
ずんぐりした胴体を中心に、長い手足、巨大なカカトを持ち、腰のパーツらしいものが存在せず、足の付け根が見えにくいため胴体からニョッキリ伸びているように見える(見えるだけであり、実際の腰部の構造はズサやメタスなどと大差ない)。
頭部のデザインも独特で、変なモノアイを独特の「ひさし」で覆ったようになっており、フェイスはジム系と似ていなくもない。
頭頂部にはティターンズの象徴のイーグルを思わせる鶏冠があり(ただしデザインモチーフはサメらしい)、全高と頭頂高の差4.8mはこの鶏冠である。股間部にはハイメガキャノンのようなものが設置されているが、このパーツの機能は公式にはよくわかっていない。
武装は腕部に内蔵されたビームサーベルと、ハサミのようなデザインの専用ビームライフルを所有しているほか、頭部にガンダムMk-IIと酷似したバルカンポッドを装備できる。
鶏冠とカラーリングのおかげで、バーザムはひと目でティターンズのMSだと認識できるにも関わらず、全体としては他のどのMSにも似ていない。
特異な外見は生産性を重視した結果だという資料もあるが、逆に独特の構造のせいでに本格的な量産には至らなかったような記述しているものもあったりして、デザインと設定が切り離せないようになっている。
登場はZガンダムの番組後半から。登場頻度自体はまあまあなのだが、アッシマーやギャプランといったインパクトのあるMSとは異なり、有名なパイロットが搭乗したことがなく、見た目の割に特徴的な武装もなく、大した活躍もしないまま最終話を迎える。
だが主に奇抜なデザインに起因して、異常な量の研究・考察がされるなどし、単なるマイナー機とは一線を画した存在感を確立している。
愛嬌のあるフォルムや表情豊かな顔、むき出しのフレームなど、その独特なデザインは少なからず評価されるようになっており、もはや単なるネタ人気ではなくなってきている。
股間部
公式・非公式問わず二次創作、各種バリエーション、模型作例にガレージキットその他あらゆる媒体で、バーザムの股間部はだいたいハイメガキャノンのような形状として描写されてきた経緯がある。アニメの映像でも平らに見えるカットはあまりない(ないわけではない)。だがこれは元の設定画の解釈ミスで、本当は「六角形の板で、左上に丸い突起物がある」との説が放送終了から20年以上経った2009年ごろに突然ささやかれるようになった。
これについて、「板状」に造型された有力な模型作例が発見され、当時の貴重な立体商品(森永チョコスナック版)もこの形状だったことが確認されている。
この発見以降、メカニックデザインを行った岡本英郎氏の意図は「板状」だったことが有力視されていたが、最終的に2015年に本人から確認されるに至っている。
機能的にはエネルギーチューブを接続する給油口のようなものであり、メンテナンス用にイメージされたものだったらしい。この情報は翌年の『ガンダムビルドファイターズトライ アイランド・ウォーズ』にすぐさま反映され、股間部にベース・ジャバーから伸びたケーブルが接続されていた。
機能が判明していない期間についても、2010年以降には「板状」の公式商品、カードイラストがハイメガ型と混在しはじめ、2014年の時点でROBOT魂では股間部選択式としていた。そしてとうとう2017年のHGUCで板状に一本化され、説明書にも「ソケット状のパーツ」と明記されるに至った。
こうした動向より、今後も板状が主流となっていくことが予想されるが、デザイナーの意図が確認された後の2016年のA.O.Z Re-bootでも両タイプの股間が登場しており、いまだ「選択式なのではないか?」という抵抗は続いている状態にある。
ガンダムMk-IIとの関係
現在、非常に多くの資料でバーザムはガンダムMk-IIの影響下にある量産機であることが示されているが、バーザムのデザインにMk-IIとの共通点はほとんど無い。頭部のバルカンポッド以外に関係を示すものは無く、後付けではないかとみんなが思っていたのだが、デザイン段階でMk-IIとの関係が伝えられていなかったことは2017年にデザイナーの岡本英郎のインタビューで確認されている。知ってた。
これにより、デザイン後に後付けされた公算が強まったものの、その経緯はいまだ不明点が多い。
最初にMk-IIの量産型という扱いをしたのはどうやら後述の「近藤版バーザム」が最初であるらしく、これについては、近藤和久が自分で設定を考えたことを示すインタビューも存在する。(ややこしいことに近藤版は放送と平行して登場しているため、後付けと言っても放送中の出来事である)
文章設定として世に出たのも、遅くともZガンダム放送直後に出た別冊「PROJECT Z」にはさかのぼれる(問題の股間部の作例が載った本)。しかしこれが正確に近藤漫画の影響を受けて書かれたものであったかは、はっきりしていない。
とにかく、かなり早い段階で存在していた設定であることは確かである。この程度の後付けは他でも行われているのではないかという疑問もあるのだが。
現状では後付けの可能性が知られるようになったせいか「Mk-IIをベースにした」という程度の記述のほうが支配的になっており、直接の量産機とみなす資料は少なくなっているのだが、関係そのものは肯定的な情報のほうが多い。
比較的Mk-IIとの関係が薄いと考えられていた「ADVANCE OF Z」においても、最新設定で「ガンダムMk-IIのフレームをベースにした量産機」(※ガンダムMk-II自体の量産機ではない)であることが確認されている。
HGUCバーザムの説明書でも「Mk-IIの後継機」という珍しい表現が選ばれているが、キット自体には両者の繋がりを意識したかのように、リバイブ版ガンダムMk-IIのバックパックを無改造で取り付けられるようになっている。
なおこれも2017年のインタビューで判明したことだが、デザインにあたって意識されたのはZガンダムの「二等辺三角形のフォルム」で、脚部がそのラインを保ちつつ機体中央を丸い形にし、Zと少し違うという「異質感」を狙ったデザインなのだという。
デザイン関係の情報
デザインは岡本英郎で、おおざっぱな部分から細部に至るまで岡本デザインであるとほぼ間違いなさそうだが、Zガンダム登場機の例に漏れず別の情報もあり、堀口滋(堀口大明神)が「メタスやバーザムのラフを描いた」と発言したことがある。
ただし岡本氏は発注時にラフが存在していたことを証言しているが、ほとんど見ていなかったようで、現在のデザインにはあまり影響していないと思われる。
また岡本氏はバーザム関係で没になったデザインを幾つか公開しているが、パワーアップ版だったり、可変機のような構造が見えるものがあったりもした。バウはバーザムの可変案から変化したデザインなのだという。
ちなみに設定画の頭部がやけに大きいのは、アニメの作画時に小さくできることを見越しているためで、これも岡本氏に言明されている。(バーザムは特に大きく見えるが、他の機体でも多少そういう傾向はあると思われる)
奇抜なカラー設定については岡本英郎のものではない。岡本氏は銀色やオレンジのバーザムを描いたこともある。
バリエーション
厳密にはカトキデザインのものだけでも最低5種類あるが、そういう細かい分類は行わないことにする。
近藤版バーザム
ガンダム漫画で有名な近藤和久が手がけた漫画版「機動戦士Zガンダム」に登場したバーザム。全体的にガンダムMk-IIっぽくなっており、「ガンダムMk-IIをベースとした量産型」という設定の起源ではないかと推測されているのだが、はっきりしたことは言えない。
後のセンチネル版と似た部分も多いが腰は無く、TV版の面影も色濃く残っている。センチネル版に受け継がれなかったガンダム風デュアルアイも特徴。
ちなみにこの漫画はオリジナル要素が多く、バーザムだけが特別扱いされているわけではない。
なぜか他の近藤漫画には出てない模様。当時描かれたカラー画もあるが、白黒画のものとデザインが違っている。近藤版だけでも2種類存在するのである。
センチネル版バーザム / バーザム改
「ガンダム・センチネル」でカトキハジメの手によってリファインされたバーザム。ガンダムMk-IIの量産機という設定を明確にした機体。のちにGUNDAM FIX FIGURATION(GFF)で再デザインされ、バーザム改という名を得た。
かなりガンダムMk-IIに似ているがHGUCのプラモレベルで部品流用は難しい程度に違っており、GFFでも結構な量の余剰パーツが出る。センチネル版は人間型から離れた体格をしていたが、GFF版ではMk-IIと同じ体格になっている。
オリジナルデザインとかけ離れた姿をしており、その評価はバーザム界隈でも賛否分かれている。またライバルでも乗っていそうな雰囲気とは裏腹に大した活躍もしない、というより、ストーリー上はどっちかというと味方側のMSで、やられ役として配置されたジムみたいな扱いをされている。
後になってカトキハジメがリデザインしたTV版バーザムが登場したため、カトキ版と呼びにくくなった。
本来は「ガンダム・センチネルにおいてデザインが変更されたバーザム」という扱いだったはずだが、いろいろあってバリエーションの「バーザム改」として独立しかけている。それでも今はまだセンチネル以外にちゃんとした設定はなく、「バーザム改」としての設定は明確ではない。
ちなみに、近年ではバーザムと共演する作品も出ている。
AOZ版バーザム
「ADVANCE OF Z ティターンズの旗のもとに」で藤岡建機が描いたバーザム。ファンからは建機ザムという略称で呼ばれることもある。
体型が大きくアレンジされているが、手足の多くのパーツはTV版のデザインと大きく違わず、外見上はMk-IIとの関連を強調しないものとなっている。しかし胴体に限ってはTV版ではなくバーザム改に似ている。この胴体には脱出ポッドである「プリムローズⅡ」が内蔵されていることが後に判明した。
「A.O.Z Re-boot」においてデザインの変更とともに、膨大な規模の系譜が公開され、次世代量産機ヘイズル・アウスラの次の段階にあるガンダムTR-S[ヘイズル・フレア]の簡易量産機であると同時に、Mk-IIの系譜を含むTV版バーザムのほとんどの既存設定を内包し、バーザム改の存在をも肯定したうえガンダムTR-6とも密接な関係がある、あらゆるティターンズ技術の権化のようなモビルスーツであることが明らかになった。
そんなすごいメカだったのか。
TR-Sから可変機構をオミットした結果、胴体が独特な形状になってしまったらしい。また、ヘイズル・アウスラとは高性能センサーユニットや脹脛のスラスター、増加スラスターを装備しハイヒール状になった足などにつながりがみられる。また、脚部にはホバーユニットを増設可能である。バックパック上部のラッチを介して様々なオプションの追加も可能。アクアユニットのように重量のあるオプションは、胴体のドラムフレームを介して接続される。
火星のジオン系組織「レジオン」においては単なる量産機ではなく、特務部隊に与えられる象徴的な機体として登場した。これは総帥のTR-6とバーザムの系譜が近いためである(また、レジオンはジオン系機体の使用を嫌っている)。
技術的にはF91やゴッゾーラにまでリンクしており、またグラン・バーザムと呼ばれるあからさまなネーミングの形態が登場したことで、今までネタと思われていたグランザムの系譜も射程内に入った。
アクア・バーザム
上記A.O.Z Re-boot版バーザムとアクア・ハンブラビⅡが合体した水中戦用バーザム。お馴染みティターンズカラーと赤いレジオンカラーが存在。
背部から左右に大きなバインダーが伸びたその姿は、さながら水中戦版スーパーガンダムといったところ。
バーザム(SSD鹵獲仕様)
グリプス戦役後にエゥーゴによって鹵獲され、改修されたバーザム。カラーリングはグレーと紺に変更されている(ゼータプラスC1やデルタプラスを明るくしたような配色)。
頭部はバイザータイプに変更され、背部にはフレアユニットが追加されている。
バーザム高機動仕様"バーベイン"
ハイゼンスレイⅡの脚部に換装した姿。頭部にはアンテナが一本追加され、胸部には増加装甲を備える。武装はスーパーナパームらしきものを備えたロングライフルと、キハールⅡと同型のシールド。
AOZ2のバーザム
同じAOZでも「ADVANCE OF Ζ 刻に抗いし者」で登場したのはテレビ版に準じたものだが、作例はAOZ版のデザインが一部反映されたまた独特のデザインになっていた。こちらもバーザムについてやたら掘り下げられており、「グリプスの主力機計画をニューギニアが引き継いで開発した機体」とされる。
「刻に抗いし者」では、バーザムの開発が行われたニューギニア基地での戦闘が描かれており、そこでバーザムの試作機が登場した他、メガランチャーやシールドを装備した機体、名前や明確なプロフィール設定のあるパイロットが登場し、更にジェットストリームアタックを用いてエゥーゴのエースパイロットと渡り合い、戦後はエゥーゴ解散後の連邦軍にまで使用させる特段の優遇がされている。
「刻に抗いし者」の作者の神野淳一氏はガンダムのTRPGでバーザムを愛機としていた経験からバーザムについて思い入れが強く、単行本のあとがきの四分の一を使ってバーザムのHGUC化をバンダイに懇願するほどであった。というか明らかに贔屓していた。
本作のデザイナーの片貝文洋氏も、バーザム自体には特に関わっていないが、反響が大きかったことを後に語っている。
バーザムII
「A.O.Z Re-boot」に登場したガンダムTR-6の新形態。ウーンドウォートなど他機種由来の装備が多く、純粋なバーザムのバリエーションではないが、名の通り通常のバーザムの上位機的存在も兼ねている。[ハイザックII]と同様に、一般兵用に性能を落とした形態とされるが、頭部には他のTR-6にない固有の機能「エレノアサテライト・リンクシステム」が搭載されており、ユニコーンガンダムよろしくツノが割れてガンダム顔に変化する。
ストーリー上も他のバーザムを指揮する特別な機体として登場する。
ティターンズ仕様ではTR-1の四肢が予定されていたが、レジオン仕様はバーザムの手足がそのまま使われている。機能的には同じなんだそうである。パーツのバーザム率が高くなっているためか、レジオン仕様の型番はバーザムに準拠したARZ-154BZ2となっている。
バージム
グリプス戦役後、歴史から消えたと思われていたバーザムだが、エゥーゴ(カラバ)と地球連邦軍がジム系のデザインに近づけたバージムを使っていたとする説もある。
登場したのは漫画『ダブルフェイク』。冗談みたいな名前と設定だが、半公式くらいの存在でゲームにも一度だけ出演している(モノアイをジム系センサーに変更したティターンズ系MSは他にも「機動戦士ガンダムUC」のバイアラン・カスタムがあり、同様にアッシマーの後継機であるアンクシャもセンサーをモノアイからジム系センサーに変更されている。そういう意味では、これらの機体群の元ネタと言えなくもない)。
ちなみに漫画には登場しているが全く活躍しない。設定もろくに存在しない。開発経緯などが書かれていたらたぶん独自考察や俺設定なので注意しよう。
実はジェガンとバーザムには腰やバルカンポッド、モノアイ風カメラなど、デザイン上の類似が見出せる(特にジェガンの初期デザインのラフには、腰の部分にバーザムについて言及がある。内田健二プロデューサー(当時)の指示らしい)。
ジェガンは連邦系量産機の集大成らしいということもあり(またジム系の直系と考えるには差異が目立つこともあり)、バーザム(バージム)はジェガンに影響を与えた先祖の一つだと考える人もいる。
とか言ってたらAOZでバーザムとジェガンとの関係も明記していた。
『ダブルフェイク』は扱い上に何か難しい点があるらしく、バージムを始めとする一部MSの画稿はかなり古い本にしか収録されていない。バージム以外のメイン機体も「MS大全集」シリーズ以外にはほとんど載っていない。
しかしこのバージム、「RGM-87」という非常に重要な型番を使ってしまっており、バージム自体の存在はあやふやになっているが、この型番に他の物を後付けすることも難しいと思われる。
スーパーバーザム
バーザムはMk-Ⅱの量産型なので、Gディフェンサーと合体できる...はず、という非公式の妄想形態。そもそもティターンズのバーザムとエゥーゴのGディフェンサーが合体するようなことはない...のだが、ガンプラやフィギュアでは再現できるようにわざわざ設計されていたりする。
刃斬武将軍(バーザムしょうぐん)
「SDガンダムフォース絵巻 武者烈伝 武化舞可編」に登場するキャラクター。SD作品でのティターンズ機は敵のモブや幹部を務めることが多い中、本作では黒幕に大抜擢された。
その正体は天翔狩人摩亜屈(マークツー)。だが実は本来の摩亜屈ではなく、その弟の逞鍛(ティターン)。Mk-Ⅱ(ティターンズカラー)がバーザムを演じるという構図である(ゆえに刃斬武将軍はツインアイ)。本来の摩亜屈は物語開始以前の戦いで死んでいる。逞鍛は兄の死をきっかけに絶望し闇堕ち。武者頑駄無たちを裏切ったという設定である(その目的などは媒体によって多少異なる)。
ゲーム等での登場
一部のゲーム(『第2次スーパーロボット大戦α』やアートディンクが開発した一連の『ガンダムバトル~』シリーズ)ではセンチネル版が「バーザム」として当然のように登場し(またテレビ版バーザムを不当に下げるような俺設定が流布していたこともある)、根深い反発があった。これはセンチネル版が嫌いということではなく、まずTV版を出すのが筋だろという意味である。
とはいえ大抵のゲームではTV版が登場しており、凡庸な量産機ながら細々と出続けており、特に目立ちはしないが冷遇されているわけでもなかった。
『GジェネF』ではユニットとしてはTV版しか使えないが、センチネルのムービーシーンでユニットとして存在しないSDのカトキ版を見ることができる。
2017年、『ガンダムオンライン』で、初めてこの両者が別個の機体として共存している。
関連動画
カトキ版バーザムが原作通り特に活躍しない貴重な映像。グレネードからビームが出ているミスがある。
バーザムのMMDモデル(2010年のB-CLUB版のデザイン)
ROBOT魂バーザム改の発売に合わせ、ガンダムオンラインに実装された「バーザム改」。「バーザム改」名義で登場したゲームは初めて。ガンダムオンラインではHGUCバーザム発売に合わせてテレビ版バーザムも実装され、ゲームでは初めて二大バーザムが共演することになった。
関連商品
リアル・SD問わず商品化が少ない不遇機だったのも2013年までの話で、2013年後半にAOZ版がガシャポン戦士NEXTプレミア(WEB限定)で登場して以降、TV版の新規アレンジがROBOT魂Ka Signature(WEB限定)、GUNDAM CONVERGE、バーザム改に換装できるMS少女ガンダムMk-II、バーザム改のROBOT魂、改とTV版が混ざったMACHINE HEADと、2016年後半まで立て続けに商品化されていった。
何の活躍もない量産機としては異例なほど立体化される機体となっている。
そのまま勢いに乗って、2017年5月にはHGUCが発売される運びとなった。アニメに登場してから実に31年が経過していた。
2017年5月20日発売。KPS素材によるフレーム構造と、思い切ったパーツの振り方の多色成型ランナー、繊細かつ豪快なパーツ分割により、驚異的な可動範囲とほぼ完全な色分け、組み立てやすさまで実現している超傑作キット。設定より大きすぎたROBOT魂と比べても設定に近いサイズに仕上がり、造形も現時点でのバーザムの「正解」と断言できるものになっている。
何の前触れもなく突然発表された商品化だったが、revive版Zガンダムに発売タイミングを合わせており、43話でZガンダムに接近戦を仕掛けるどうでもいい場面名シーンの再現を売りにしている。
ボックスアートは『ビルドファイターズトライ』第10話に登場した「HGUCガンダムMk-IIをパロディしたバーザムの箱」をさらにパロディして再現したものになっており、半ば宇宙世紀の枠からはみ出したアイテムともなっている。そう考えると前年の「アイランド・ウォーズ」でかなり目立っていた無名バーザムの商品化と見ることもできるかも?「バトローグ」にはエゥーゴのMk-Ⅱのような色のヴァイスバーザムが登場し、プレミアムバンダイ限定で商品化している。
商品仕様として、なぜかバックパックがrevive版ガンダムMk-IIと交換可能になっており(説明書にも明記。他にも共通規格のストライクフリーダムなどと交換できるが、Mk-IIは規格外)、HGUCのGディフェンサーがあればスーパーバーザムの実現も可能だ。ただし対応しているのはrevive版のバックパックのみであり、無改造でやるには新しいMk-IIと古いスーパーガンダム(バーザムより15年も前のキットである!)の両方買う必要がある。捏造形態のためにそこまでやるか
もう刃斬武将軍(バーザムしょうぐん)しかプラモがないと言われていたのも遠い昔の話である。
バンダイ以外では1980年代に森永チョコスナックの付属プラモとして(ものすごく小さい)ラインナップされていた。2000年頃に復刻版が出たがさすがに入手困難。
モデルグラフィックス2017年8月号では、「HGUCバーザム」をテーマとした巨大特集を敢行している。
刃斬武将軍を含む豊富な作例、スラムバーザムのガシャポンまで網羅した立体化の歴史、股間部から背中のグレーの部品まで細部のデザイン理由が明かされる岡本英郎のロングインタビュー、さらには「43話のバーザム」を売り込まざるを得なかった企画担当に、生産チームのインタビューまで載っており、結果的にアニメのデザイン発注から生産に至るまでの全てを追いかけた「ガンプラができるまで」の優れた証言集となっている。
そして2021年4月1日にはプレミアムバンダイ限定でなんとA.O.Z Re-boot版バーザムのHGキット化が告知され、エイプリルフール企画なのか?バーザムだしまさかガチなのか?とファンを困惑させた。予約開始時刻になってようやく本当だとわかった。A.O.Z Re-boot初のキットがバーザムとは誰が予想しただろうか。
キットはなんと完全新規(オリジナルと並べるとわかるが、かなり細部が異なるため仕方ない)。ティターンズ機とレジオン鹵獲機の同時受注。初のレジオンガンプラがバーザムとは(ry
内部のドラムフレームはもちろん、レジオン機ではホバーユニットや股間のハイメガキャノンまでしっかりと造形されており、オリジナル版のHGUCバーザムに負けず劣らずの力の入れようである。やはりプリムローズⅡはオミットされている。
ちなみに、ティターンズ機とレジオン機が斬り合うサンプル画像がまるで作中名シーン再現であるかのように使用されているが、A.O.Zにそんなシーンはない。どうでもいい場面どころか名シーンの捏造までしだした。
ちなみに、あと少しパーツがそろえばバーザムⅡが再現できる。今後の展開に期待。
2023年3月9日にはHGアクア・ハンブラビⅡが発表&受注開始。バーザムと組み合わせることでアクア・バーザムが再現できる。
バーザムショック
上記HGUCバーザムの発売によって一番衝撃を受けたのがほかならぬバンダイである。
バーザム発表の際、実は本命はRE/100ハンマ・ハンマであったのだが、バーザムのあまりの反響の大きさに困惑したという(本命がハンマ・ハンマというのもそれはそれでどうかと思うが)。
そして予想に反してバーザムは爆売れ。それ以降、どんなマイナー機の企画でも通りやすくなったという。事実、HGUCバーザムを筆頭にHGACリーオーやマグアナック、SDCSシスクード、HGFCデスアーミーなど冗談ではないようなMSが一般販売されている。
詳細はバーザムショックの記事を参照してほしい。
関連静画
関連項目
- 機動戦士Zガンダム
- ADVANCE OF Ζ
- ティターンズ
- TR計画
- ガンダムMk-II
- ガンダムTR-S[ヘイズル・フレア]
- ガンダムTR-6[バーザムⅡ]
- ジェガン
- ガンダムシリーズのMS・MAの一覧
- バーザムショック
- 14
- 0pt