ウォルフガング・ミッターマイヤー(Wolfgang Mittermeier / Wolfgang Mittermeyer)とは、「銀河英雄伝説」の登場人物。
オスカー・フォン・ロイエンタールと並び、物語の中で銀河帝国側の重要人物として描かれている。
概要
CVは森功至(石黒監督版)、小野大輔(Die Neue These)、関根有咲(幼少期/Die Neue These)。座乗艦は「人狼(ベイオウルフ)」。蜂蜜色のやや癖のあるおさまりの悪い頭髪が特徴的。オスカー・フォン・ロイエンタールとは無二の友人。
艦隊司令官としての能力は、艦隊の機動力を十分に活かした高速移動を得意とする。同盟軍の帝国領侵攻の際、ミッターマイヤー艦隊はその機動力の高さ故に、追撃していたアル・サレム中将率いる同盟軍第9艦隊の後尾を追い越してしまったほどで、それ以来彼は「疾風ウォルフ(ウォルフ・デア・シュトルム)」の異名を持つようになった。また、指揮や戦術・戦略の内容は、迅速かつ合理的である。ロイエンタールは、その用兵ぶりを「神速にして、しかも理にかなう」と評価する。
白兵戦の腕も、同盟軍ワルター・フォン・シェーンコップと互角に戦ったロイエンタールに並ぶ力量を有している。
人格は、大変に清廉で公明正大な人物と評される。その公正さゆえに軍規に厳しく、ブラウンシュヴァイク公の縁者コルプト大尉を銃殺し、門閥貴族の恨みにより謀殺されそうになったことがある。その際に、ロイエンタールがラインハルトに救援を求め、釈放された。後年でも、フェザーン侵攻の際にも、民間人を暴行した兵を極刑に処した。また、異例の速度で出世したものの、貴族に叙せられる意思がない、元帥に昇進した後も一般的な家で暮らすなど、名誉や出世に対する欲はなく、贅沢に身を委ねることもなかった。
物語の中では、夫婦の間に子どもは無かった。その為、ロイエンタールの死後、彼の遺言もあり、彼の遺児をフェリックス・ミッターマイヤーと名づけて引き取った。その際、少年兵ハインリッヒ・ランベルツの保護者にもなっている。
「双璧の争覇戦」こと 第二次ランテマリオ会戦では、無二の友人であるオスカー・フォン・ロイエンタールと砲火を交えた。ミッターマイヤーは戦闘を回避しようとロイエンタールに働きかけるものの決裂。「ロイエンタールの大ばか野郎!」と激昂し、感情的になった。しかし、感情的になったとはいえ、用兵家としての能力が鈍ることは無く、ロイエンタール軍に信頼できる部下がいないことなど弱点を看破していた。実際の戦闘ではバイエルライン分艦隊が大打撃を負うが、ビッテンフェルト上級大将やワーレン上級大将などの合流による数において優位に立つ、グリルパルツァー艦隊の裏切りによってロイエンタール軍を敗走させ、ハイネセンポリスの執務室で親友の死を肉眼で確認した時、黄金獅子旗(ゴールデン・ルーヴェ)を肩にかけた。このときばかりは、「疾風ウォルフ」も親友の死に間に合わなかったのである。
反乱鎮圧後帰途につくベイオウルフ艦橋の隅で、ミッターマイヤーは肩を震わせ嗚咽を漏らしていた。部下のバイエルライン大将の次の言葉がこの出来事の重大さをよく表わしている。
「おれは一生、この光景を忘れられないだろう。疾風ウォルフが泣いているぜ……」
後世、第二次ランテマリオ会戦の勝利者と呼ばれたが、本人は「俺にはワーレンやビッテンフェルトがいた、ロイエンタールにはいなかった」として勝利者としての評価を否定していた。
年表
帝国暦(年齢) | 階級 | 出来事 |
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459年(0歳) | 8月30日に平民階級の造園業者の父のもとに生まれる。 | |
475年(16歳) | 士官学校に入学(兵役不可避のため、士官として従軍したいという志望動機)。 | |
476年(17歳) | エヴァンゼリン(当時12歳)がミッターマイヤー家に引き取られる。 ウォルフガングは、初めてエヴァンゼリンと出会う。 |
|
479年(19歳) | 少尉 | 士官学校を卒業後、准尉任官。少尉昇進。 |
480年(21歳) | 中尉 | イゼルローン要塞でロイエンタールと出会う。 |
同年 | 大尉 | イゼルローン要塞から離れる。 |
483年(24歳) | 少佐 | エヴァンゼリンと結婚。 (このときのプロポーズは、7年がかりであって後の異名である「疾風ウォルフ」とは、 かけ離れたものであった。しかも父親にその現場をはっきり見られている。) |
484年(25歳) | 中佐 | 惑星カプチェランカの戦闘。 ロイエンタールと共に敵中に孤立したものの、奇跡的に生還する。 |
485年(26歳) | 准将 | 第6次イゼルローン要塞攻防戦。150隻を指揮。 |
486年(27歳) | 少将 | クロプシュトック事件(原作)。 ・事件中、略奪のため民間人を殺害した貴族を軍規に基づき射殺。 ・その貴族がブラウンシュヴァイク公の縁者であったために謀殺されそうになる。 ・ラインハルト麾下に付くことになるきっかけ。 |
487年(28歳) | 中将 | アムリッツァ会戦。同盟軍第9艦隊と交戦し「疾風ウォルフ」の異名をとる。 |
488歳(29歳) | 大将 | リップシュタット戦役。討伐軍先鋒を務める。 ・アルテナ会戦で嘗ての士官学校の教官であったシュターデンを撃破。 ・レンテンベルク要塞攻防戦でオフレッサーを捕縛し、当要塞を占拠。 ・ガイエスブルク要塞の戦いに参加。 |
489年(30歳) | 上級大将 | 「神々の黄昏」作戦に参加。 |
490年(31歳) | 上級大将 | ポレヴィト星域制圧。 ランテマリオ星域会戦に参加。 エリューセラ星域制圧。 ハイネセン制圧。同盟政府に停戦命令を出させることに成功。 |
新帝国暦1年(31歳) | 元帥 | 宇宙艦隊司令長官に就任。 |
新帝国暦2年(32歳) | 元帥 | “大親征”に参加。 ・マル・アデッタ星域会戦を前線指揮。 ・「回廊の戦い」に参加。座乗艦に被弾し、戦死の誤報がブリュンヒルトに届く。 ロイエンタール元帥叛逆事件への討伐を総指揮。 ・第二次ランテマリオ会戦を指揮。ロイエンタールと砲火を交える。 ・ロイエンタールの遺児フェリックスを養子に迎える。 |
新帝国暦3年(33歳) | 元帥 | シヴァ星域の会戦に参加。 皇帝ラインハルトの崩御後、帝国首席元帥に叙される。 |
座乗艦ベイオウルフ(人狼/Beiowolf)
石黒監督版OVA設定ではトリスタンの姉妹艦で、彼のシンボルカラーである赤のラインが入っている。艦尾にある垂直尾翼状のフィンが特徴的。推進力が強化されており、ミッターマイヤーの乗艦らしく機動性に優れている。その分、艦首主砲の砲門数は少なめ。
ベイオウルフは多くの戦いに参加し、同盟軍将兵がその姿を確認した際に狼狽するほどの存在である。
その戦歴の中で、アムリッツァ星域会戦にて左舷を、「回廊の戦い」にて右舷を損傷している。
戦闘の履歴
アムリッツァ前哨戦-アムリッツァ星域会戦
帝国暦487年10月10日、同盟軍第9艦隊(司令官:アル・サレム中将)を急襲した。その際にアル・サレム中将に重傷を負わせ、艦隊を敗走させた。
同年10月14日、同盟軍はアムリッツァ恒星系にて集結・再編し、ラインハルト率いる帝国軍の艦隊は10万隻余りを投入した。ミッターマイヤー艦隊は、アムリッツァ恒星系の地形効果を利用した第13艦隊(司令官:ヤン・ウェンリー中将)によって奇襲を受け、ベイオウルフも左舷を損傷するなど多少の損害を受けた。
リップシュタット戦役
アルテナ会戦(帝国暦488年4月19日~)で、シュターデン艦隊16,000隻に対して14,500隻を率いて迎え撃った。ミッターマイヤーが600万個の核融合機雷を敷いて相手の心理的動揺を誘う。3日間機雷原を挟んで対峙したのち、痺れを切らした門閥貴族たちの圧力を前にシュターデンが艦隊を本隊と別働隊の2手に分けて挟み撃ちにしようと動いたが、その動きを読んだミッターマイヤーが先に動いて別働隊8000隻を攻撃。さらに機雷原を時計方向に迂回してシュターデン本隊を背後から急襲した。ヒルデスハイム伯爵率いた別働隊は機雷源に誘い込まれ、ヒルデスハイムは戦死し、会戦でシュターデン艦隊は全軍の70%を失った。
士官学校では、ミッターマイヤーはシュターデンに戦術論を学んでいた。戦術論の教官としては、ミッターマイヤーは「シュターデン教官は知識は豊富でしたが、事実と理論が対立する時は理論を優先する傾向がありました。我ら学生は、『理屈倒れのシュターデン』と呼んでいたものです。」と評価している。
レンテンベルク要塞攻防戦では、ロイエンタールと共に攻略部隊の指揮を執った。レンテンベルク要塞の第6通路はオフレッサー上級大将が指揮しており、その白兵戦の実力の高さに対しては侮蔑を込めつつも評価している。ロイエンタールに「もし一対一でオフレッサーに出会ったら卿ならどうする」と尋ねられた際には、「すっとんで逃げるね」と肩を竦めた。第9回目の突入で、ロイエンタールとミッターマイヤーが囮となってオフレッサーを捕獲した。
人間関係
家族
- 妻:エヴァンゼリン・ミッターマイヤー
- 子:フェリックス・ミッターマイヤー(養子、オスカー・フォン・ロイエンタール長子)
- 被保護者:ハインリッヒ・ランベルツ
部下
- カール・エドワルド・バイエルライン(分艦隊司令、ミッターマイヤーの一番弟子)
- ドロイゼン(分艦隊司令、ミッターマイヤーの二番弟子)
- フォルカー・アクセル・フォン・ビューロー(分艦隊司令、キルヒアイスの元幕僚)
- ホルスト・ジンツァー(分艦隊司令、キルヒアイスの元部下)
- ディッケル(参謀長)
- アムスドルフ(副官)
ニッセンとのコラボ
2014年、銀英伝ファンであるニッセンの中の人のつぶやきがきっかけで、銀英伝とニッセンのコラボが20分で決定。コラボ商品の一つとして、シャープのロボット掃除機「COCOROBO
」に新録ボイスが入ったものが作られた。非売品で、キャンペーン期間中の購入者から抽選で10名に送られるとのこと。
何で売ってくれないんですか! シャープがミッターマイヤーの声でしゃべるロボット掃除機「COCOROBO」疾風ウォルフモデル(非売品)を作る
折角なのでラインハルト、ロイエンタール、ミュラー、画伯、ビッテン(黒色)、ワーレンなどの各モデルを作り、艦隊を編成して協調制御で掃除するようなのが欲しい。当然、ヤンやアッテンボローのボイスが入ったルンバと会敵すれば部屋で艦隊決戦となり、これに元帥(ねこ)がじゃれついて吸われそうになるわけである。
関連動画
ニコニコ動画では、宇宙艦隊司令長官で多忙の中、精神的になった年下の女性に絡まれたり、同盟軍第2艦隊司令官に良く似た社長のスカウトされ、アイドルのプロデュースを行う姿が確認されている。
関連商品
関連項目
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