TSFとは、
本記事では2について説明する。
Transsexualとは性転換の事で、それらの後天的に変化するフィクションや創作物をTSFという。
「TSもの」「性転換もの」などの呼称がある。
TransSexual Fiction の頭文字を取った所が名称の語源となっているが、TransScience Fictionにちなんでいるとも言われ、その他人によって様々な解釈があることから正式はものは定まっていないとされる。また、海外においてはTransGender Fiction (TG) と表記される。
TSFを説明するとすれば、「創作作品において性別が変わること、そういう作品」という一言だが、細部の解釈や概念については個人で様々な意見があり、議論が多い。人に説明する際、わかりやすい例としてよく挙げられるのが『らんま1/2』である。古代ローマ神話や北欧神話などにもそのような設定の神話が散見されるなど何気に歴史自体は古い。
非常に裾野が広いTSFという分野だが、ここではその一般的解釈と思われるものを記す。 単にTSFと言えば、ふつうは「男が女に変わる」ことを指している、また、TSFと呼ばれるものの大部分は男→女を扱っている。「女が男に変わる」ものは「男装の麗人」という既存の概念が需要を満たすためかごく少数であるが、それがツボの人もいる。
『TSF』の用語自体の発祥は、90年代からTSFの情報を収集して個人サイト&小説投稿サイトの母体だった『八重洲メディアリサーチ』によれば個人小説サイト『月華のサイト』の管理人の月華としている。
「女体化」(にょたいか;にょた)という類似の用語もある。詳細は該当記事に譲るが、「女体化」の場合は”最初から女だった”という先天的、いわゆるキャラ設定の根本からの変更に対しても使用されることが多い。ある意味では青セイバーなどの「人物に対する萌え擬人化」とも言え、ニコニコ動画ではキョン子を例に挙げるのが最も分かりやすいだろう。 キョン子を題材にした作品は「ハルヒの事象改変でキョンが女性化」というものより「生まれつき女だった」という設定変更ものが多い。ニコニコ動画でもしかりである。
対して、「TSF」とは、”朝起きたら女になっちまってた!”(あさおん)などの後天的な異性への変化のみ指し、"最初から女だった"という設定変更ものはTSF要素が薄い為TSFとして扱わないのが一般的である。この比較で浮かび上がるが、ここがTSFというジャンルの肝に当たる部分だ。つまり、TSFとは性別が変化し、それによって引き起こされる主人公や周囲の人物の心の変化や反応に主眼を置き、楽しむジャンルと言える。 そのため"最初から女だった"という設定変更ものではTSFとは言い難く、またたとえ性別が変化しても登場人物たちがあまりそれに反応しなければTSF色が薄いとみられる。
ちなみに、「女体化」はもともと女性向けジャンルとしての発達をしており、「TSF」はどちらかといえば男性向けジャンルとしての発達をしてきている。前者の理由としてはやおい的カップリングで受け側を女性にする事でアブノーマルさが薄らぎオリジナル展開を続けやすくなること等が挙げられる。
「TSF」と「女体化」を使い分けるために”最初から女だった”という場合のみを「女体化」と表現しようと提唱されている場合もある。しかし実際には、「女体化」は"後天的に変化する"つまり上記の定義で言う所の「TSF」に相当するジャンルに対しても使用されることも多い。たとえばTSFの代表的作品と見なされる「らんま1/2」について「女体化」と表現されている例は多数見られる。また、TSFに相当する内容を扱っていながらも「にょたいかっ。」というタイトルの漫画作品もある。
なお、ややこしい事に、「女性化」はTSF側の表現であるとされる。(ごく少数だが「女人化」という表現もある) また、「性転換」はどちらについても言うことがある。
魔法、薬、呪い、病気、科学、超自然的な力などきっかけは様々だが、現実には不可能な男性から女性の完全な変身がなされるところがキモである。
変身者は肉体の性の差の象徴的な部分(乳房や性器など)にある!ない!一喜一憂し、現実には女性にしか(社会的に)認められない服装(スカートなど)や文化が数多くあり、変身者は男性の意識を有したまま、それらを体験することになる。
また異性への変身は単に体の作りが変わるというだけの話ではない。社会における関係性にも変化をもたらす。典型的な例としては変身前の同性の親友がそうだ。変身前は気兼ねなく話し合える仲間だったのに、変身して異性という関係になり親友から変身者への見る目が変化し、恋愛対象と捉えられたりもする。逆に変身者は恋愛観が男性のまま故に、(肉体的には)同性愛者として振舞うことになるというケースも。
多種多様な変化の分類(後述)によってそれぞれ変化の度合い・状況が異なりTSF愛好者によって好みの分かれるところである。
また、その変身の設定が可逆・不可逆(元の性別に戻れるかどうか)、強制・非強制(誰かに無理やり変身させられるか否か)によって物語における変身の深刻度が違っており、TSFというジャンルに何を求めるかで見る側の評価が変わってくるだろう。ものによっては精神までも女性化が進み、元の男性の人格を完全に忘れてしまうパターンもある。
元に戻ることが困難である場合に、その変身を変身者が受け入れるかどうかというのも愛好者の注目する部分である。
…ただ、その辺りの恋愛模様が「普通のBLとどう違うのか」と指摘されて忌避されることも少なくなかったりする。女体化と混同される事情もあってか、TSF好きの人はBLと同一視されることを非常に嫌う傾向にある。
…というか受け入れられない人にはいくらTSF好きな人が宣伝しようがばっさり切られてしまうジャンルである。ある意味で創作界隈の市民権だけで言えば下手をすれば単純な同性愛より見る目が厳しいとも言い切れない。さらに近年WEB系の商業進出作品に必要性が感じにくいTSF要素が混じることが増えたせいで、ことさら嫌悪感を煽っている公算がむしろ高くなっている。
なお、海外やPIXIVではビジュアル的にわかりやすいからか「シークエンス」とも呼ばれる徐々に性転換していく過程を絵で表現したものが多く、WEBノベルなどでは上記に挙げた性転換後の自他の関係や心理の変化を重視する作品が多い。ただしシークエンスを扱う作品は絵はPixiv内では近年減少しており、どちらかといえば同人誌や有料サービスに進出しているケースが目立つほか、Pixivでも日本人作者より海外作者による投稿の方が比率が増えている。
TSF同様の倒錯系アブノーマルながら、「ふたなり」や「男の娘」はそれなりに萌えジャンルとして市民権を得ている。両者に比べるとTSFはまだまだマイナーなジャンルと言えた……のだが「ふたなり」に関しては題材上はどうしてもエロにせざるを得ないせいか一般商業向けではほとんど使えず、「男の娘」にしても一定の勢力は保っているが全盛期に比べると作品数の割合は減少しているため、相対的に「TSF」の方が商業作品では近年目立つようになってきている。
というかTSFに関しては頻繁に男の娘と混同されている(萌えシチュとしては男の娘よりも女装の方が近い)。これはよく知らない人にも当てはまるのだが、ネット界隈でもかつての最大手だったTSF小説投稿サイトが、女装・男の娘のみのSSに関しても基本は非推奨ではあったが取り扱っていたり、女装ベースで不完全な性転換(遺伝子上は男性のまま)というシチュエーションもTSF界隈で市民権があったりしたので、TSF愛好家だと全部イケる人が割と多かったのも混同される要因かもしれない。
理由として、「一目でそれとわかるインパクトよりも段階的な変化を重視する」傾向がその一因として挙げられている。上述の2つは「ナニが生えている」「実は生物学的に男」という一発でどのようなものかわかる属性なのだが、TSFは性転換の過程やその後の描写こそが最大のキモなためどうしても1発のインパクトに欠けるのだ。
3者の共通点としては、外見上は女性だが男性的な要素を内部に含んでいるという点があげられる。逆に、こちらのアンデンティティは上述の多種多様性ゆえに基本部分さえ押さえておけば、様々な萌えシチュエーションとの複合が可能という点。実際、TSF以外の萌えシチュエーションやフェチズムを同時に愛好している人は結構多かったりする。
一方で「女装(男の娘)」と「TSF」を同時愛好する人が多いのは上述したとおりだが、逆に混同されるのを極端に嫌う人がいるのもこの界隈の業の深いところであり、女装主人公が登場する「おとぼく」ではTSF要素を取り合えずぶっこんだ結果、その部分だけで地雷扱いして嫌悪した人もいるほどである。
性別に関する周囲からの扱いが入れ替わるという意味では「貞操逆転世界」等の男女の価値観が入れ替わる作品も類似ジャンルと言える。TSFとの違いは、変化したのは主人公ではなく世界の方だという点である。周囲の女性たちが男性的な、男性たちが女性的な振る舞いをする中、主人公だけがそれと異なる価値観を持つ故のすれ違いを描く作品だが、性別そのものは変化していないので問題なく異性愛者として振舞うことが出来るという大きな違いもある。
先述したように、TSF願望(美少女になりたい)とホモの違いは人によってはすんなりと分かるのだが、分からない人にはいくら説明しても理解できないようである。
簡単な説明は難しいからか、物事を厳密に分類することができず大雑把な人間ほど下記の説明をしてもなおも納得しないようである。なお、この説明はあくまで一例であり。他にも様々な説明方法があるがここでは筆者の見解を述べたい。
一部の派閥は美少女になって男に犯されたいと思う人がいるが、これはホモとは似て非なる概念である。実際の所こう思ってる人でもホモはほとんどおらず、普通に女性を求める男性が多い。
それというのも今の自分はれっきとした男性であり、今のところは男性である以上女性を求めるわけである。さて、彼は美少女になりたいわけであるがもちろん女装や男の娘等ではダメである。美少女になったら当然性別は女性になるため、男性を求めるのが自然だからである。
また、もっと簡易な説明では磁石のN極(男)とS極(女)にも例えられる。美少女(S極)になることに憧れるものの、今の自分(N極)のまま男を求めるのはゴメンであるというわけである。
性同一性障害ともまた異なる、むしろ上記の説明を見て分かるように、むしろ性別が曖昧なのではなく、かなり厳格である。
というか理解してくれない人には『結局のところ全部ホモでは…?』でバッサリ切られてしまうため、永遠にわかり合うことはできないと思われる。ネタというか様式美的な意味でホモだと言っている人もいたりするが。
商業作品としてはニッチジャンルのせいか、TSFが主題の作品の場合は書籍化にはこぎつけても、アニメ化まで行き、多くの人の記憶に残る人気作・大ヒット作となるケースは極めて稀である。
複数回映像化されている『おれがあいつであいつがおれで』(映画『転校生』原作)や、記録的な大ヒットとなった『君の名は。』は完全な例外と言ってもいいぐらいであり、他のメジャー級タイトルは近年では存在しない。また、これら2作品は「入れ替わり」によるTSFであり、入れ替わった男女の関係性をメインに描くボーイミーツガール作品の要素も強い。……というか「入れ替わりではない」メジャー作品は半世紀以上のアニメの歴史でさえ『らんま1/2』ぐらいであり、異世界転生ブームの到来によって『幼女戦記』等のTS転生作品が登場したことでようやく一ジャンルとして注目され始めたのが現状である。
基本的にはインターネット黎明期からWEB創作では見かけることができ、初期は個人運営の商業TSF情報交換サイト『八重洲メディアリサーチ』のサブサイトである投稿サイト『少年少女ギャラリー』(2023年でも現存)に投稿されたイラストを元にした二次創作が多かった。
1997年頃に八重洲メディアリサーチのサブサイトとして、全年齢向け小説投稿サイト『少年少女文庫』が開設されオリジナルがメインとなり、2005年前後までは界隈的には活気があり、TS辞典や1つの題に応じた競作企画が企画されることもあった。運営はメール投稿方式でボランティアによる運営委員による編集が入っていた。全年齢向けのみで挿絵が付けられたことも限定的ながら存在した。
ただし2代目管理人に移行しサイトも2代目管理人保有の自主サーバーに移転したが、2007年ごろから失速を始めると、2010年代に入り関連する個人サイトの減少と連動するように急速に衰退。
やがて2代目管理人の音信不通が顕著となり、サイバー攻撃により、掲示板が機能不全に陥るほか投稿システムと停止してしまう状態が続き、事実上2014年に最大手だった小説投稿サイト『少年少女文庫』の無期限更新停止をもって一つの時代の終わりを告げることとなった。(閲覧は可能)
なお同サイトは移転後のサイトが22年には完全に利用不能になったことが確認されており、現在は閲覧すらできなくなっている。初代管理人の八重洲は問い合わせに応じて、閉鎖宣言を行っている。
初代八重洲メディアリサーチ時代の跡地と、運営委員が開設した第2掲示板のみ稼動している状態となっている。
少年少女文庫時代のクリエイターは八重洲メディアリサーチのリンク集にある個人サイトやpixiv等に移行し、FANZA、DLsite、同人誌即売会等で活動を継続している者もいる。
現在国内におけるメインの創作の場はほぼPixivが唯一といっても過言ではなく、TSFの味付けが薄いSSの一部が大手の小説系SNSで目立つ程度である。また2ch発祥のTSF系のSS避難所も細々と続いているが、一番活気があったころと違って検索避けがされているためか単純な検索ワードだと辿り着けないケースが多い模様。
また一部のイラストレーターは同人における個人出版だけでなく、パトロンサービスを利用しているケースもある。
本人の性別のみが変化する場合を指す。
この場合、本人の記号(髪型や顔など)を残しつつその性別ならではの変化(男性から女性であれば、全体的に丸みをおびるなど)が発生する。周囲の人間はその変身者が同じ人物と認識できるものの、性別が変わるというだけで社会における立場は大きく変化してしまう。その本人や周囲のとまどいが注目のところとなる。
性別の変化の仕方は様々であり、例えば「性別が変わってしまう」というTSF作品にとって都合の良い病気にかかってしまった場合、病状の進行に伴ってだんだんと肉体が変化していくパターンが考えられる。また神様の力や現代医学を超えた謎の薬、その他のアイテムなどで瞬時に性別変化するパターンもある。総じて変化の過程の描写が作者の腕の見せ所、だと思う。また性別が固定で生まれてくる世界観のため、第二次成長期に性別が決まるというパターンも存在する。
性別変化した人物に身近な女性(母親や姉妹、女の幼馴染みなど)がいた場合、多くはその人物のよき理解者となるが、中には理解がありすぎて女物の服をどっちゃり持ってきて性転換した人物を着せ替え人形状態にさせてしまう事も・・・。
かつてのTSFのネット界隈では変身とともに長らく最主流だったが、近年のSNSでは最主流からは外れている影響で割合としては減少しており、近年の性別変化の作品は無料のネット小説やイラストより有料の同人活動やパトロンサービス、漫画アプリなどで活路を見出そうとしている作者も見かけるようになっている。
これらをメインに描いた作品としては
『らんま1/2』、『問題ないねヒデユキ君』、『かしまし ~ガール・ミーツ・ガール~』、『境界の無いセカイ』、『シムーン』、『お兄ちゃんはおしまい!』
などがある。
まったく違う(もしくは新しい)存在の異性になる場合を指す。例えば、今日はパロディとしてもよく使われる「男性が魔法少女に変身してしまう」などもそうだろう。上記の性別変化と違い、変身者は変身前と同じ人物と認識されない純粋な異性になることになる。
性別変化同様にTSF好きからは人気の高いジャンルであり、かつ一時期はアニメ化などでメディアに多く上がる機会もあったが、現在は性別変化と同様に最主流ではなくなっている。
これらをメインに描いた作品としては
映画『SWITCH』、『俺、ツインテールになります。』、『けんぷファー』
などがある。
複数の人間(男女)の「肉体」という入れ物と「魂(記憶・精神)」という中身が交換される場合を指す。
この変身の特徴として変身者は入れ替わった相手の社会的立場もひっくるめて得ることになってしまうこと。第三者から見て外見上の変化はなく、入れ替わった人物が社会との関わりが深ければその人物としての振る舞いを強制される展開となる。
また複数の人間が巻き込まれるため、ドタバタ感も強く全体としてコメディとしての色合いが強い。上記の性別変化と違って外見上の変化はないため、人間が演じても無理なく導入できることもありこの設定を採用するテレビドラマも多い。一番身近なTSFと言えるのではないだろうか。
単純にして簡単なドタバタを作れることから、ある作品の1エピソードや二次創作などでもよく採用されている。
WEBにおいては少年少女文庫最盛期に投稿された『妖精的日常生活』がシェアワールド化され、その専用投稿サイト『妖精さんの本棚』が開設されていたが、個人サイト衰退の流れには抗えず08年に更新を停止している。以後入れ替わりは主流にならず空白期間もあったが、『君の名は。』が大ヒットした影響もあるのか近年のTSF界隈では主流の一つになっている。
これらをメインに描いた作品としては
映画『転校生』、『僕と彼女の×××』、『山田くんと7人の魔女』、『君の名は。』
などがある。
体から魂という中身だけの状態になり異性の体に入り意のままに操る場合を指す。
また取り憑いた相手の意識のあるかないかで作品の幅があり、相手の意識がある場合は「精神同居」とも呼ばれ、こちらはコミカルに描かれる場合が多い。少なくとも取り憑いている間は相手の意識を完全に押さえ込んでいる場合は主にホラーの文脈で用いられることが多い。後者の場合、図式としては確かにTSFだが、あまりその変化に言及されることが少ない。
相手の立場を得るという意味では入れ替わりに近いものがあるものの、純粋にTSを求めるものからすると入れ替わりの場合、自分になった相手が行動を縛る存在に映る場合があり、それらを払拭し純粋に相手の存在に成り代わる部分だけをクローズアップしたパターンともいえる。
間違って死んでしまって一時的に他人の体を借りて生き返るなどもこのパターンの範疇だろう。
元々はネット界隈だとそこまで主流というわけではなかったが、
近年は『憑依して私の体を楽しむつもりでしょう、エロ同人みたいに!』というシチュエーションが妄想を掻き立てたのか定かではないが、
最近のPixivにおけるTSF作品では入れ替わりと並んで最主流になっている。
これらをメインに描いた作品としては
『おじゃまユーレイくん』、『ボディジャック』
などがある。
転生前と転生後で性別が変化しているもの。記憶が連続していないため性別は確かに変化はしているものの、周辺人物がそれを知らなかったり本人が転生後の性別にすっかり慣れてる場合が多い為、TSFとしての味わいは薄いものがほとんど。人によってはTSFとみなさない場合も。
WEBノベルの設定としては比較的メジャーである。俺TUEEEE形態の派生だったり、2次創作の夢小説における異性のオリキャラ転生・転移や既存キャラへの憑依などがよく見られる。(特に後者は)どちらかといえば特定の描写の為の性転換という口実―「女体化」としての使われ方が多い為、冒頭で述べた描写をそこまで重視しないなら余計なトラブルを招かないためにTS作品と呼称しない方がいいかもしれない。(メディアとネット上での「壁ドン」の用途の違いみたいなものである)
ただし転生でも艦これに代表されるような『擬人化された美少女』の世界の擬人化女性キャラに転生した、または作品のテーマがTSFキャラの性別に対する葛藤という場合は普通にTSF作品とみなされることが多い。これはTSF好きに性別変化に近い印象を与えやすいのが大きいと思われる。
WEB作品出身のTSFを伴う転生・転移作品は
『幼女戦記』、『賢者の弟子を名乗る賢者』
などそれなりに多く、近年のアニメ化されるTSF作品では主流を占める。
言及されることが多い大まかなジャンルは上記の通りだが、さらに細分化されたものとしては大体以下のものがある。
可逆・不可逆
男⇔女を行き来できるジャンルを可逆と言い、逆に戻れないケースを不可逆という。創作界隈では古くから不可逆のTSFのほうが人気が高く、可逆のTSFに対してはむしろ邪道とみなす勢力の方が割合としては優勢であり、実際に創作全体で見ても不可逆のほうが現在でもやや多い。逆に商業作品では可逆のほうが多いという逆転現象が起きていたが、近年はSNSから商業作品に進出するWEB作品が増えた影響もあり、こちらでも結果的に不可逆の作品のほうが割合として優勢となりつつある。
強制TSF
本人の意思が切っ掛けとしては介在しないTSFを指す。商用・非商用問わず、この界隈では長らく覇権を握ってきたシチュエーションである。近年は最初から主人公の意思でTSFする作品の割合が上昇に転じているものの、逆転するまでは至っていない。
仮想TSF(仮)
(正式な呼び名は特に決まってません。)VRやARに関連したTSFを指す。基本的には性別変化や変身の亜種だが、VR世界の現実化を伴う場合は転生や性別の最適化、現実改変の要素を含む場合があり、その場合は現実でもTSFしてしまうケースが多い。いずれにせよ書籍化された作品の大半で同人やSNSの界隈においてTSFを作り込んでいる作家でもない限りTSF要素は薄味であり、生粋のTSF好きからの評価は極めて低いどころか、一般にも同性愛や性別詐称を想起させるせいかウケがいいとは言い難い。なおTSFのみならず、中性的な要素を持つメインキャラ率が高く、ある意味で作者の業の深さがある意味でうかがえるジャンルであったりする。ちなみに大百科に記事がある作品として「Only Sense Online」がある。
バ美肉
厳密にはTSFではなくネット上において男性が女性のアバターを使うこと。女性が男性アバターを使う場合は逆バ美肉と言い換える場合もある。主に自分の性別とは逆の性別を演じるバーチャル配信者を指すことが多い単語だが、創作においてバ美肉するのは男の娘や両声類、中世的な容姿のいずれかを持つ場合が多い。なおバ美肉をゲーム内で強制解除させられた作品としては「ソードアート・オンライン」が有名。
着せ替え
着る服によって性別が変化するTSFを指す。変身の亜種で比較的古くからあるカテゴリーではあるが、作品数の割合自体はさほど多くない。近年はさらにここから派生したジャンルである「皮」や「仮想TSF(仮)」に立場を奪われ、さらに減少傾向にある。
皮(かわ)
異性の皮を装着すると、その皮の元の人物に体型が変化しその人物になるというもの。上記でいうところの変身に近いものだが、皮という艶かしさ・アイテムによって変身する要素が一部の人間を惹き付け、言及されるようになった。近年のPixivや同人といったTSF界隈では人気が高いジャンルの一つ。
女体化
上の概要でも説明されているが、広義ではTSFのジャンルであることも間違いないのだが、タグが機能するサイトでは変則的なBLに近い意味で扱われていることがほとんど。基本的に作品名に関しては簡単な検索除けが掛けられているものの、例としてPixivで女体化のタグで検索するとその方面の方々に人気の作品が大量に引っかかる。逆にPixivでこのタグが機能してる作品にはTSFのタグはほとんどつかないため、このことを覚えていると検索サイトでは役立つ……かもしれない。最近はこのタグによる細分化があまりされていないため、Pixivではタグ別による棲み分けが機能しているとは言い難くなっている。
オメガバース
TSFを指すジャンルではないが、基本的な世界観として同性愛・同性妊娠・ふたなり等を含むため、副次的な要素としてTSF要素を内包している作品が必然的に出やすい。ただしTSFの要素を含んでいても、大抵は同性愛の一ジャンルと見なされることがほとんどである。
融合/合体/捕食/コピー
2人以上の人物が何らかの形で一緒になることで、性転換するケース。基本的には変身や性別変化の亜種だが、近年はスライムなどの異形の生物が、人間を次々取り込んで性転換するシチュエーションが比較的人気。なおスライムが捕食してチート速度で強化されていく設定はWEB小説では比較的メジャーである。
ちなみにTSFではないが、元男性が女性をベースとした姿を手に入れた作品として『転生したらスライムだった件』がある。
部分入れ替わり
異性と体の一部分だけを交換するというもの。体をパーツのように扱うというまさに漫画の世界だが、ダイレクトに見た目が気持ち悪くなっている場合が多い。異性の体を得たという意味では間違っていない。なおこれを徐々に進行させることで、最終的に完全な入れ替わりとする亜種も存在する。
扱った作品は
『ドラえもん』の1エピソード『体の部品とりかえっこ』
などがある。
立場交換
異性と立場だけを交換するというもの。入れ替わりの亜種だが、このパターンの場合は少なくとも最初期は男が到底似合わない女装をしているというシチュエーションがある種の醍醐味であり、しかも周りは(場合によっては本人も含めて)誰も気付かないという奇妙な現象が起こる。その後の展開は作者ごとに異なり、入れ替わった性別に近づく形で徐々に性転換する、元の立場に戻る、最後まで外見は元の性別のままといった3パターンに落ち着き、一番人気が性転換が徐々に進行していくといったところである。
現実改変
これ単独ではTSFとして扱われないが、キャラクターがTSFした後の世界を正常な世界であると改変してしまうジャンル。主に立場交換(入れ替わり)で使われるジャンルだが、変身や性別変化でも時折使われる。なおこのジャンルの場合、当人でさえ元の性別を忘れてしまうケースも少なくない。
肉体交代共有(仮)
(正式な呼び名は特に決まってません。) 一つの体に複数の人間を有していて、なんらかのきっかけで肉体と記憶がその内の一つのものに替わるもの。肉体が異性に変化しているのは間違いないのだが、同時に中身もその性別のキャラになっているため、TSFの味わいは薄い。
扱った作品は
『おれ、夕子』、『シンデレラボーイ』、『ToLOVEる』に登場するキャラクター・レン(ルン)
などがある。
刷り込み/思い込み(仮)
(正式な呼び名は特に決まってません。)何らかの形で違う異性であったという記憶があること。転生/転移/憑依の一種として使われることが多いが、パラレルワールドの異性の自分と入れ替わる、単に思い込んでるだけという厳密にはTSFですらないといったパターンもある。どちらにせよTSFとしての味付けに乏しく、特に後者がヲチで判明したりするとTSFスキーにとって賛否両論まっしぐらになるケースも。
最終的に後者のパターンと判明した例として『天使な小生意気』がある。
性分化疾患
基本的に創作界隈においては性別変化の亜種。主に扱われるのは女性仮性半陰陽である。ただしこの疾患は見た目は男性であっても、医学的には元から女性であるため、厳密に言えばTSFとは異なる。男性仮性半陰陽は需要的な意味で扱われているケースは少なく、仮に扱われたとしても女性仮性半陰陽とセットにされることがほとんど。
仮性半陰陽を扱った作品としては
『革命の日』
などがある。
なお創作界隈においては元から数があまりないジャンルなのだが、『少年少女文庫』の更新停止以降はさらに激減。現在のTSF創作のメインの場であるPixivでは仮性半陰陽が壊滅的に人気がないこともあって、創作界隈ではほぼ絶滅危惧種。
なお真性半陰陽(いわゆるふたなり)は変身や性別変化でTSFとして扱われるケースが無いわけではないものの、大抵は単なるふたなり作品として世に出ることがほとんどであり、Pixivで見かける半陰陽はほぼこちらである。
掲示板
894 ななしのよっしん
2024/10/21(月) 23:41:13 ID: gf8GdAR7U1
あのやぶうち優先生が本格的なTSFモノ始めてたの今更知った…!
この手の漫画の大ベテランだけあって、抑えどころが完璧すぎるというか、過去作の集大成感すらある
ちょうど今なら全話読めるぞ!!
https://
895 ななしのよっしん
2024/11/06(水) 15:30:13 ID: 3eXeQ0hipp
>>893
ブレイブルーやったことないけど元男ならあの格好が男からどう見られるか分かった上で着てるって考えると来るものがあるな
896 ななしのよっしん
2024/12/22(日) 23:38:51 ID: hsMK8SP88V
藤子・F・不二雄の『バケルくん』は「変身」要素なのだが、大変珍しいことに原作とTV版でTSF対象が違う。
原作・TVとも「変身人形の鼻を押すとパーマンと逆に自分がその人形になる」なんだが、原作だと小学生男児が主人公なのに対し、TVは女子高生が主人公のため、表題のバケルくんは原作だと性別変化なし、TVだと男の子にTSF。
(逆にバケルの姉のユメ代に変身すると原作だとお姉さんにTSFだが、TVだと変化が少ない。)
このため「ユメ代の姿でいた際男子に惚れられる」のニュアンスが原作とTVでだいぶ違う。
急上昇ワード改
最終更新:2024/12/26(木) 23:00
最終更新:2024/12/26(木) 23:00
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