アルバニア(Albania)とは、正式名称をアルバニア共和国(Republika e Shqipërise)とする、東欧バルカン半島の南西部に位置する国家。
概要
基礎データ | |
---|---|
正式名称 | アルバニア共和国 Republika e Shqipërise |
国旗 | ![]() |
国歌 | 国旗への賛歌 |
公用語 | アルバニア語 |
首都 | ティラナ(Tiranë) |
面積 | 28,748km² |
人口 | 約286万人 |
通貨 | レク(ALL) |
古代イリュリア人の流れを汲むとされ、アルバニア語を母国語とする国家。長らくオスマン帝国の支配下にあったため、イスラム教の影響が強くイスラム教徒が全体の7割を占める。残りは東方正教、カトリック。
第二次大戦後の無宗教政策により宗教弾圧が行われたため宗教的厳格さは薄く世俗的である。
旧社会主義国としては異例の存在であり、冷戦中ソ連と敵対し共産圏からも孤立し続けた。戦後ソ連の後押しで首相になったエンヴェル・ホッジャがスターリン原理主義的な思想の持ち主であり、相手が共産国であっても非スターリン的と判断すれば批判・敵対したためである。
フルシチョフ政権下のソ連と敵対し、文化大革命収束後の中国を非難し、他国の共産党が現実路線に転換するたびに批判し続けた結果、共産圏にすら味方がいなくなり、1980年代には事実上の鎖国状態になっていた。
経済状況は最悪で、欧州最貧国と呼ばれた。それはホッジャの死後、1992年に民主化するまで続くことになる。
1997年にはねずみ講により経済が破綻寸前まで追い込まれ各地で暴動が発生した(後述)が、現在は世界銀行・IMFの指導下で経済自由化・安定化を目指した改革プログラムを実施し高い経済成長を見せている。
主要産業は農業、鉱業、繊維業。鉱物資源は豊富であり、特にクロムは有数の埋蔵量を誇る他、ヨーロッパでは数少ない原油産出国である。ただし生産性は低い。
日本とは戦後1981年になって外交関係を再開したが、大使館は置かれず、在イタリア大使館が兼轄していた。2005年アルバニアは東京に大使館を開設、2017年日本もアルバニア首都ティラナに大使館を開設した。
他に石川県金沢市に名誉アルバニア領事館が置かれている。
マザー・テレサはアルバニア出身ではないが、両親はアルバニア人である。
国家的英雄に、オスマン帝国の支配に抗したスカンデルベグがいる。
国名
国名のアルバニアとは、地質的に石灰岩が多く岩肌や地面が白く見えたことから白い大地を意味するラテン語に由来する。
ただし、アルバニア語では英語表記と別にシュチパリアと呼ぶ。これは鷲の国を意味し、アルバニア人が鷲の子孫であるという伝説に由来する。また、鷲は国旗のデザインにもなっている。
地理
東ヨーロッパのバルカン半島南西部に位置し、北はモンテネグロ、東は北マケドニアとセルビア、コソボ、南はギリシャと接している。また、西はアドリア海に面し、その対岸はイタリアである。沿岸部以外は山地であり、北部東部の国境地帯は2000m級の山脈になっている。
言語
アルバニア語はインド=ヨーロッパ語族の中でも最古に分派した言語の一つであり、言語学的に重要な言語である。使用人口は推定500万人、アルバニアの他コソボや北マケドニアなど周辺地域でも使用されている。
歴史
西暦 | 出来事 |
---|---|
紀元前 1000年頃? |
バルカン半島の西部にイリュリア人が国家を建設する。 |
紀元前 100年代 |
この地域がローマ帝国の支配下になる。 |
1444年 | オスマン帝国のワリ(太守)スカンデルベグが反逆し、独立を宣言。(アルバニア王国) |
1468年 | スカンデルベグがマラリアにより死去。 |
1479年 | アルバニア王国が滅び、オスマン帝国の支配下になる。 |
1912年 | 11月28日、アルバニアがオスマン帝国から独立。 |
1914年 | ドイツからヴィルヘルム・ツー・ヴィート公を迎えアルバニア公国になる。 |
1925年 | アルバニア共和国成立。アフメド・ゾグーが初代大統領に就任。 |
1928年 | ゾグーが王位に就き、アルバニア王国になる。 |
1939年 | イタリア軍が侵入し、イタリア国王を君主とする同君連合国になる。 |
1943年 | 第二次大戦下でイタリアが連合国に降伏し駐留軍が撤退するが、今度はドイツ軍に占領される。 |
1944年 | 11月29日、パルチザンとソ連軍により解放され、社会主義臨時政府が立つ。 |
1946年 | アルバニア人民共和国成立。エンヴェル・ホッジャ首相による共産党政権樹立。 |
1967年 | 無神国家宣言。あらゆる宗教、神を否定する人類初の試みであった。 |
1968年 | 中国・ソ連の対立でソ連を非難してワルシャワ条約機構を脱退。中国に接近しソ連と敵対する。 |
1971年 | 国連に中華人民共和国を加え、中華民国を排除する決議案をアルバニアが提出、可決させる。(アルバニア決議) |
1976年 | 国名をアルバニア社会主義人民共和国に変更。文化大革命収束後の中国を非難し関係悪化。 |
1980年頃 | 欧州各国の共産党の現実協調路線を非難し孤立無援になる。以後、事実上の鎖国状態になる。 |
1985年 | 国内が経済の行き詰まりと反政府暴動で混乱する中、ホッジャ第一書記長が死亡。ラミズ・アリアが後継者になる。 |
1990年 | ソ連崩壊を受けてアリアが開放改革路線に転化。 |
1992年 | 1992年、総選挙で民主政権が誕生。民主制に移行。 |
1997年 | ねずみ講が爆発的に流行し経済破綻。各地で暴動が発生。沈静化のため総選挙・憲法改正が行われる。 |
2000年 | WTO加盟。 |
2006年 | EUとの間で安定化・連合協定(SAA)に署名。 |
2007年 | 政局の混乱から大統領選にどの党も立候補者を出せず5回延期される。その後も新大統領就任まで混乱が続く。 |
2009年 | EUに加盟を申請。 |
2014年 | EU加盟候補国に入る。 |
アルバニアのねずみ講問題
通常、ねずみ講とは会員への配当金が新規参入者の加入金を上回った時点で破綻するが、当時がボスニア・ヘルツェゴビナ紛争の真っ最中であったことが事情を異にした。
ねずみ講投資会社が集めた資金で武器を購入し、価格に上乗せして紛争当事者に売りつけるという「投資」で配当金を増やしていたのである。そのため、ねずみ講の規模が大きくなっても破綻せず、悪性の伝染病のように国内に蔓延する結果となった。
旧社会主義国で国民が経済に疎かったのも影響し、最終的にはアルバニア国民の半数が関与したと言われている。これは国際的にも例がないほどの規模である。
その後、紛争終結より武器投資ができなくなると、ねずみ講は当然のごとく破綻。国内経済は大きく傾き、全国で武器を使用した暴動が頻発した。この時の武器の流入やマフィアとの繋がりが現在でもアルバニアに影を落としていると言われている。
当然だが、ねずみ講とは必ず破綻するシステムであり、日本を含め世界中どこの国でも違法行為である。間違っても勧誘されてほいほいついていったり、必ず儲かる投資話などと言って親類や友人を誘ったりしないこと!
ハーツオブアイアンⅡにおけるアルバニア
ハーツオブアイアンⅡにおいてアルバニアは土地二カ所、工業力4、初期労働力-20という人を産んでも畑に消えていく国であり、最難関プレイの一つである。
イタリアと強制的に戦争状態になるイベントがデフォルトで用意されているため、まったり内政プレイすら不可能。
しかし、その弱さ故に何処の同盟に居ても史実の流れにはあまり影響がないため、架空戦記シリーズのネタにしやすいという面を持つ。
ヨーロッパユニバーサリスⅣにおけるアルバニア
ヨーロッパユニバーサリスIV(Europa UniversalisIV)もHoIⅡに似たり寄ったりな状況である。人的資源は一万も居るのでまだましだが、土地は一カ所。同盟国は無し。相対的な国力はHoiよりましかもしれないが、開始時点(1444年時点)で、隣が成長中のオスマン帝国でかつ初期から戦争中だ。こちらの兵力は3000だが、相手は三万弱の軍勢を有する。誰がどう考えても詰んでいる。だが、君主スカンデルベグの能力はかなり高いのでプレイの仕方次第で希望は有る。
1.12から開始戦争状態ではなくなった他、いくつか独立小国家に有利な仕様変更があったため生き残りやすくはなった(それでも土地は一州で、経済的な困難や兵士数の少なさは否めず、暫くすれば地図から消えている)。
オスマン帝国を知らない人に説明しておくと、ゲーム内において、オスマン帝国はフランスやモスクワ(ロシア)とも渡り合える陸軍国家で、人的資源は豊富。しかも、欧州列強と違い、始めた段階では、周辺に自国を上回りうる国もない。間違いなく最強国家の一つに名が上がる。特にプレイヤーが入ったときの強さは異常。史実でもティムール朝の衰えが始まる15世紀の中頃から第二次ウィーン包囲失敗の17世紀の終わり頃まで、アジア、アフリカ、ヨーロッパに拡大を続けた大帝国である。
また、難関として知られる滅亡直前のビザンツ帝国プレイの初動において、アルバニアトラップという戦略がある。これは早いうちにアルバニアと同盟し、アルバニアがオスマン帝国を疲弊させているのに便乗して序盤の苦境を乗り切るという戦略である。実際のところ、スカンデルベグは相当強いので2倍3倍程度の兵力差ならば割と何とかしてくれる。
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