※この項目では、『艦隊これくしょん~艦これ~』における「潜水艦」及びその支援・指揮を行う艦艇について、
史実解説を中心に記述しています。
『艦これ』には2022年5月現在、大日本帝国海軍所属だった潜水艦15隻(巡潜型8隻、海大型1隻、潜特型2隻、潜高型2隻、その他2隻)、大日本帝国陸軍所属の輸送用潜水艦1隻、ドイツのUボート1隻、そしてアメリカ海軍所属のガトー級潜水艦1席の計15隻が実装されている。
※合計隻数が合わないのは、ドイツのUボートやイタリア潜水艦が日本の潜水艦になっているため。長らく、全艦が最終的に日本の潜水艦だという編成であった。詳しくは後述。
『艦これ』での艦種としては、その名の通りの「潜水艦」と、潜水艦ながら水上機を扱える「潜水空母」の2種類となっているが、本ページでは両者を併せて解説する。
そもそも、現実の潜水艦の最大の強みは、「どこにいるか判らない」ことにある(そのため、「究極のステルス兵器」との異名もあり、現代において軍用潜水艦の建造ノウハウは各国ともトップシークレットとしている)のだが、最初から全艦が見えているゲームデザインの『艦これ』では、その強みを表現することは難しかった。そのため、『艦これ』では潜水艦を
というゲームデザインとし、他の艦種との差別化を図っている。
これによって潜水艦は、他の艦であれば大打撃を受けるであろう敵の戦艦、重巡洋艦、正規空母の攻撃を一切無効化することが可能(ただし、艦載機を搭載した航空戦艦、航空巡洋艦の攻撃は受ける)であり、さらに攻撃を受ける艦種については、優先して自身が攻撃を受けることから、他の艦は攻撃されないという副次効果を産み出すに至った(さらにソナー・爆雷といった専用武装が必要になるため、攻撃艦側の装備のスロットを圧迫することになる)。
前者を生かしたものとして、いわゆるオリョールクルージングが挙げられ、後者を生かしたものとしてはレベリングのデコイ役が挙げられる。
ただ、現在の『艦これ』において、潜水艦は海域突破の戦力という点においては、あまり使われることはない。
2016年6月に新システム「対潜先制爆雷攻撃」が実装され、ソナー装備かつ対潜値が100以上(五十鈴改二、龍田改二、夕張改二丁、J級改、Samuel B.Roberts、Fletcher級は常に)ならば、潜水艦に対して先制攻撃がかけられるようになった。その後、対潜値の条件が60となっている海防艦が実装、軽空母も対潜値7以上の艦攻、カ号、三式指揮連絡機のいずれかを装備し対潜値が65以上(零式水中聴音機装備なら50以上)なら先制可能になった(ただし素の対潜0ではこの条件を満たせないので実質護衛空母カテゴリの軽空母のみ)。深海棲艦側にはこの能力は実装されていないが、実装されたら潜水艦が多大なビハインドを負うため、(先制雷撃が深海棲艦に実装されないのと同じ理由で)おそらく深海棲艦側には実装されないのではないか、と言われている。2017年2月現在では深海棲艦側も一部の駆逐艦が対潜先制爆雷攻撃を使用する事が判明している。実はすでに深海棲艦側の対潜先制爆雷攻撃は確認されていたが、この時は潜水艦が滅多に使われない海域での実装だったため気づく提督は少なかった。2017年冬イベントでは潜水艦隊での出撃が推奨される海域のボスマスで対潜先制爆雷攻撃を使う敵駆逐艦が登場したため、多くの提督に敵側でも対潜先制爆雷攻撃が実装されたことが知れ渡った。また、2017年春イベントでは対潜先制爆雷攻撃を使う敵軽空母も登場した。現状ではこれら対潜先制爆雷攻撃を使用する駆逐艦や軽空母は通常海域には出現せず、イベント海域にしか登場していない。
なお、通常は昼戦の砲撃戦で行動することはない潜水艦だが、2016年3月に追加された装備「特二式内火艇」を装備しており、敵に陸上型深海棲艦がいる場合のみ行動するようになる。この時に攻撃対象にするのは陸上型のみで、水上艦を狙うことはないため、陸上型を破壊してしまえばそれ以降は通常通り行動はスキップされる。
一方、デザインで目を引くのは、日本の潜水艦は全員提督指定の水着(要はスク水)を着用しているという点である。
※例外的に、ドイツのU-511はウェットスーツを着用しているが、日本に帰化(?)して呂500を名乗るようになってからは、同じようにスク水になっている。
史実の日本海軍の潜水艦は全て伊呂波+艦番号で個別の艦名は付けられていないが、『艦これ』では、まるゆとU-511/呂500を除く全員に艦番号の語呂合わせ的なニックネームが付けられている。
→ 伊168(艦これ) も参照
太平洋戦争の開戦前、日本海軍は潜水艦に対して二つの役割を考えていた。
一つが、主に偵察と通商破壊を目的とし長い航続能力と偵察機を搭載した巡潜型、そして艦隊と行動を共にし、艦隊決戦時に敵の戦闘艦を直接攻撃する海大型(海軍大型潜水艦)である。ちなみに海中型も存在しているが、これらは分類上、呂号潜水艦になる。
その海大型でも、VI型(6型)と呼ばれるシリーズは、日本がロンドン軍縮条約から脱退後に建造され、海軍が海大型に求めたスペックが結集した潜水艦となった。特に重視されたのが巡航速度で、洋上を進む水上艦と行動を共にするために、浮上速度23ノットを達成している。このVI型とその改良型であるVII型(7型)が、太平洋戦争で主に実戦投入されることになる。
しかし、結局のところ太平洋戦争では、元来想定していたような艦隊決戦はほとんど発生せず、そのために建造された海大型も、ほとんど活躍することはなかった。また、浮上速度23ノットでは戦艦はともかく空母を主力とした機動艦隊からするとまだ物足りない速度であり、結局これを満足させる速度を潜水艦が持つことが出来るようになったのは、太平洋戦争が終わり原子力機関が実用化された後である。
さらに言えば(海大型だけでなく巡潜型にも言えるが)速度と引き替えに潜水艦の命とも言うべき静音性に欠けるようになっており(潜水艦先進国のドイツからは「水中でドラム缶でも叩いているのか」と呆れられている)、連合国側が高性能なソナーを開発・配備してからは立場が一転して狩られる側になってしまった。
海大型潜水艦の数少ない戦果に、伊168(海大VI型a)の正規空母ヨークタウン撃沈や伊175(海大VI型b)の護衛空母リムカス・ベイ撃沈が挙げられる。
ちなみに、元々海大型には50番以降の番号が割り当てられていたが、その後1~50番までに割り当てられていた巡潜型の建造数が増加して収まらなくなったため、海大型で、この時点で運用されていた艦の艦番号にはすべて+100する、という措置が加えられている(この時点で退役済みだったり既に沈められていた艦はそのまま。また伊176以降は上記の措置が執られた後の建造だったため、最初からこの番号で改名はしていない)。
『艦これ』では、最初に登場した潜水艦であるイムヤこと伊168がこの海大型(海大VI型a)であり、特徴としては、改造しても潜水空母にはならない、という点が挙げられる。これは、航空戦力が持てない替わりに燃費もほとんど変わらないことに繋がる。なお、現時点でイムヤ以外の海大型潜水艦は実装されていない。
→ 伊8(艦これ)
伊19(艦これ)
伊26(艦これ)
伊47(艦これ)
伊58(艦これ) も参照
※巡潜甲型改二については、その目的や建造経緯を鑑みて、潜特型の節で解説する。
前述の通り、長い航続距離と水上機による偵察能力を重視して設計されたのが巡潜型(巡航潜水艦型)である。海大型と比較すると、基本的に単独行動を行うため、速度はそれほど重視されなかったが、それでも最終的には海大型なみの高速を出せるようになっていた。また、通商破壊のために軽巡なみの14cm主砲を装備していたのも特徴。
(とは言っても、日本海軍はそれほど通商破壊には重きを置いていなかった)
細かく巡潜型潜水艦の系譜を分けると、まず最初の巡潜1型から始まり、改良をして3型まで、そこから用途別の3種類(甲・乙・丙)へと分岐する。
巡潜甲型は潜水艦隊旗艦の機能を持つ指揮型。
巡潜乙型は甲型から潜水艦隊旗艦の機能を除外した型で、巡潜シリーズでもっとも多く建造された。
巡潜丙型は乙型からさらに水上機の運用機能を除外し、その分雷装を強化した型。
これらの甲乙丙型は、水上速度も20ノット以上と海大型に匹敵するものとなり、海大型の存在意義を失わせることになった。
このため、純粋な「巡潜型」は前述した1型から3型までとして、その後の甲乙丙型は巡潜型でも海大型でもない別の型(甲型潜水艦・乙型潜水艦・丙型潜水艦)に分類する研究者もいる。
太平洋戦争で戦果を挙げた艦も多い、というか、戦果のほとんどは巡潜型が挙げたといっても過言では無い。特筆すべきとしては、伊19(巡潜乙型)による一斉射での空母ワスプ轟沈・戦艦ノースカロライナ中破・駆逐艦オブライエン大破(のち沈没)や、伊26(巡潜乙型)の空母サラトガ中破・軽巡ジュノー撃沈、伊58(巡潜乙型改二)の重巡インディアナポリス撃沈などが挙げられる。
また、唯一遣独潜水艦作戦を成功させた伊8(巡潜3型)もこの巡潜型である(伊8を含め、5回行われた作戦はすべて巡潜型が使用されている。ちなみに伊8以外の派遣艦は全て巡潜乙型もしくは丙型だった)。
それ以外では、不幸エピソード満載の伊33(巡潜乙型)が挙げられる。
戦争末期の1944年11月からは、"アレ"こと人間魚雷「回天」が実用化されるにあたり、その母艦としても運用されることになった(回天母艦になったのは巡潜型のみでなく、海大型や輸送用潜水艦の丁型なども母艦に改造されている)。
現在、『艦これ』の潜水艦ではもっとも多い5隻がこの巡潜型に分類される。細かく言えば、はっちゃんこと伊8が巡潜3型、イクこと伊19とニムこと伊26が巡潜乙型、ゴーヤこと伊58が巡潜乙改二型、ヨナこと伊47が巡潜丙型となる。ちなみに伊58は巡潜乙型シリーズの最終艦、つまり乙型姉妹の末妹である。
ちなみに、上記した「巡潜型は1~3型まで」という分類にすると、伊8のみが巡潜型で、伊47が丙型、それ以外の3人は乙型、ということになる。(図鑑を見ても判る通り、『艦これ』では「巡潜乙型」「巡潜丙型」としている)
『艦これ』での特徴としては、巡潜型と巡潜乙型は改造するといずれも「潜水空母」に艦種が変わること。「潜水空母」に改造するメリット、デメリットがそれぞれにあるので、改造は計画的に。なお、前述の通り巡潜丙型は搭載機を削ってその分魚雷を増やした、という史実に基づいて、改造しても潜水艦のまま、という仕様になっている。
→ 伊400(艦これ)
伊401(艦これ)
伊13(艦これ)
伊14(艦これ) も参照
この型に分類されるのは伊400型のみであるが、それに準じる型として巡潜甲型改二についてもこの節で解説する。
当初はアメリカ東海岸(ワシントンD.C.やニューヨーク)を直接攻撃することを目的として建造されたこの伊400型は、巡潜型譲りの長大な航行能力(無寄港で地球一周半が可能)に加え、水上攻撃機「晴嵐」を3機搭載し(巡潜型が搭載していた水上機は偵察機で、基本的には戦闘能力はない)て、当初から対地攻撃を念頭に置いていたが、3隻建造されたいずれもが、竣工がいずれも1944年の年末から45年にかけて、と遅すぎた。
その目的も、当初のアメリカ東海岸攻撃から、ドイツの降伏後、大西洋艦隊が太平洋に出てくるのを妨害するためのパナマ運河攻撃に切り替えられたが、それすらも時期を逸していた。
結局、その力を発揮することなく、伊400と伊401はウルシー泊地攻撃作戦のための移動中に、伊402は空襲被害の修理中に終戦を迎える。
ちなみに、伊400型は一般的に潜水空母と呼ばれることもあるが、実際には上記の通り水上機を3機運用できるだけであり、「潜水可能な水上機母艦」と呼ぶ方が適切である。なお、空母のように飛行甲板から艦載機を発着艦させることが出来る潜水艦は、現在に至るまで実現出来ていない(フィクションでは存在しているが)。
『艦これ』ではしおんこと伊400と、しおいこと伊401が実装されている。史実の伊400型が潜水空母と呼ばれたことにちなんで、当初から艦種が「潜水空母」である唯一の存在であった。なお、艦これの実装はしおいが先で、しおんが実装されたのはしおい実装から実に4年後の2017年11月となった。
また、2013年12月に「蒼き鋼のアルペジオ」のコラボイベントでイベント期間のみ使用出来たイオナも、モチーフになったのは同じ伊401である(あちらは、言わば潜水超戦艦とでも言うべきスペックだったが)。
潜特型は当初、18隻を建造する予定だったが、次第に計画は縮小され、最終的には5隻のみの建造となった(戦争中に完成したのはそのうち3隻)。その代替として、既に存在している巡潜甲型の設計を元に、「晴嵐」を2機搭載できる格納庫を装備した潜水艦を作るプランが浮上し、実行に移された。こうして誕生したのが、巡潜甲型改二(伊13型)で、こちらは4隻の建造を予定していた。
しかし、伊400型と同様に伊13型も1番艦である伊13の竣工は1944年12月、2番艦の伊14のそれが1945年3月と、本来の目的に従って活躍させるには遅すぎた。3番艦である伊15以降に至っては、終戦まで未完成のままであった。完成した2隻も、前述したウルシー泊地攻撃の準備として偵察機「彩雲」をトラック泊地に輸送する作戦がただ一度の実戦であり、しかも伊13はその作戦中に撃沈され、伊14は送り届けた先のトラック泊地に停泊したまま終戦を迎えた。
2017年2月に行われたイベントがその輸送作戦をモチーフとしたもので、この機会を得て伊13と伊14が実装された。こちらも当初から「潜水空母」であり、かつ改造すると潜水艦初の3スロット艦となる。同型艦ということもあって、非常によく似た容姿でデザインされている。
米軍の対潜能力が向上するにつれ、従来の潜水艦ではそれに対応することが難しくなった。これに対するプランの一つとして、潜水中の速度を上げることで、攻撃から逃げてしまおうという考え方があり、それに従って設計されたのが潜高(せんたか)型とも呼ばれる伊201型だった。設計には当時の技術が惜しみなく注がれたが、流石に軍からの要求だった水中25ノットは達成出来ず、それでも最終的には水中19ノットを叩き出した(ちなみにゴーヤこと伊58が6ノット、イムヤこと伊168が8ノットである)。
しかし、1番艦伊201が竣工したのが1945年2月であり、その頃は既に日本の潜水艦が活動できる場所などなかった。結局終戦までに竣工できたのは伊203までの3隻のみで、実戦に参加することもなく訓練のみで終戦。その後米軍によりすべて海没処分となっている。
また、戦時急造でありプロトタイプでもあったことから欠陥も多数あり、調査した米軍からは「危険極まりない潜水艦」と評されている。
『艦これ』では、2021年5月に伊203ことフーミィが、2022年5月に伊201ことフレイが実装された。その出自からスピードにはこだわりをもっており、特に伊203は同じくスピードを誇っている島風が気になる模様。
→ 呂500(艦これ) も参照
同盟国であり、潜水艦の建造・運用については第一次大戦からのノウハウを持つドイツから、日本海軍は2隻のUボートを譲り受けることになり、呂号潜水艦として自軍に編成した。ドイツとしては、日本にこれを大量に量産してインド洋での通商破壊を行って貰うことを期待していたのだが、受領した側の日本は受け取った2隻のUボートを解析した結果、技術力に差がありすぎて、日本でこれを建造するのは不可能、と結論づけた。
また2隻のうちの1隻(呂501=U-1224)は日本にたどり着くこと無く、大西洋にて轟沈され、日本にたどり着いたもう1隻(呂500=U-511)も、その後実戦に出ることはなく、練習艦として終戦を迎えることになる。
『艦これ』では、U-511に2回目の改造を行うことで、呂500になる。儚げで人見知り気味なU-511から無邪気で明るい呂500への変貌振りに戸惑う提督が多数出た。伊168と同じく、改造しても潜水空母にならず潜水艦のままである。
→ 伊504(艦これ) も参照
ドイツの降伏によって、インド洋から太平洋に掛けて商船への攻撃を行っていたUボート部隊の存在は宙に浮いてしまい、それらの潜水艦は結局日本海軍が接収する、という形となり、便宜上「伊五〇〇型」とされた。
とはいえ、元々潜水艦先進国であるドイツで建造されたUボートは、先の呂500の例でも判る通り、日本で扱えるものではなく、また日本側も既にのんびりと異国の潜水艦の扱い方を学んでいる余裕などない時期であり、いずれもほとんどが港に繋がれたまま終戦を迎えることになった。
そのうちの1隻に、元イタリアのコマンダンテ・カッペリーニ改め伊503と、ルイージ・トレッリ改めドイツのUIT-25改め伊504がいた。3カ国を渡り歩くという数奇な運命を辿った潜水艦たちである。
『艦これ』では、コマンダンテ・カッペリーニとルイージ・トレッリを3回改造を行うことで、それぞれ伊503/伊504となる。
→ 千代田(艦これ) も参照
一般的に「特殊潜航艇」というのは、泊地攻撃や工作員の潜入などに使われる軍用の小型潜水艦を指す。
太平洋戦争が始まる前、対米戦争を睨んで様々な戦術が練られ、兵器のアイデアが集められた。その中に、「魚雷に人が乗って操縦し、確実に目標に命中させる」というものがあった。
乗員の帰還が見込めないこの案は当然ながら却下されたが、アイデアそのものは変更され、「小型の潜水艦で相手に必中の距離まで接近の上で魚雷を撃つ」というものになった。
こうして開発がスタートした小型潜航艇は、計画がバレるのを防ぐ意味で表向きは新型の訓練標的を作る計画とされ、名称も「甲標的」となった。問題点があったとすれば、設計メンバーに潜水艦の設計者がおらず魚雷設計者のみで開発したため、これが後に色々な運用の問題が発生する遠因となった。
しかし、正式採用が1940年11月で、開戦となった真珠湾までは僅かに1年。その期間でこのまったくの新兵器(しかも不具合続出)の使い方をモノにするのはどだい無理があった。が、なんとかそれをやり遂げ、真珠湾攻撃には甲標的母艦千代田から発進した甲標的5隻が参加し、そして1隻も戻らなかった。
その後も改良型含め100隻近くが量産されたが、思うような戦果は挙げられていない。その余りの使い悪さが、搭乗員達をしてアレの使用に踏み切らせた、という説もある。
『艦これ』では甲標的は艦娘ではなく装備の一つとして、甲標的の甲型が実装されている(史実の甲標的には乙型、丙型、丁型もあり、特に丁型は「蛟竜」の名で知られている)。数値上では強力な魚雷といったところだが、特殊能力として、「甲標的を装備すると、先制雷撃を行える」というものがある。これは、甲標的で敵に接近した上で雷撃を行う、という動きをゲームで表現したものであろう。
甲標的を運用出来る艦は、千歳、千代田、瑞穂、日進といった水上機母艦(いずれも改以上)、大井、北上、木曾といった重雷装巡洋艦、軽巡洋艦阿武隈改二・由良改二・夕張改二特・矢矧改二乙、特殊改装航空巡洋艦最上改二特、そして潜水艦と潜水空母である。ただ、潜水艦と潜水空母では、概要で説明したとおり甲標的無しでもLv10以上で先制雷撃は可能なため、水上艦に乗せることが多いと思われる。なお、これらのうち史実で甲標的を搭載できたのは、実は千代田のみである(千歳、瑞穂は計画のみ)。
→ まるゆ(艦これ) も参照
太平洋の各地に散らばる島嶼にも陸軍の拠点が置かれ(当時、基本的に海兵隊などという存在がなく、島といえど陸上戦になると陸軍の管轄になっていた)、そしてその島嶼への補給が急務となっていた。しかし、次第に連合軍の物量に押されはじめた海軍は、陸軍への補給を手伝う余力も無くなっていく。
そうした局面となり、陸軍は独自に補給手段を講じることになり、輸送用の潜水艦を独自に建造する。これが陸軍三式潜航輸送艇、通称「まるゆ」である。当然ながら艦船、それも潜水艦の建造のノウハウなど持たない陸軍が、さらに各造船所が海軍の艦の建造や修理で手一杯な状況で潜水艦を造り上げるには、想像を絶する苦労があった。
こうして誕生したまるゆだったが、いかんせん小型で航続距離も短かったため、目的の輸送任務について言えば焼け石に水であった。それでも貴重なノウハウを得た陸軍は、さらに大型の輸送潜水艦を計画したものの、そこで終戦となった。
『艦これ』では、他にない「同型艦全てを1隻で表現する」形となっている。このため、様々な史実のエピソードを一人で表現する形となっている。
戦力としては基本的にほとんど無力な存在であるが、「近代化改修に使用すると運が上がる」という独自の仕様を与えられている。
→ U-511(艦これ)
UIT-25(艦これ) も参照
ドイツ語でUボート(Unterseeboot)というのは普通名詞で潜水艦のことを指すが、一般的にUボートといえば、第一次大戦から第二次大戦の間、ドイツで使われた潜水艦を指す。
ドイツ海軍のUボートは、基本的に通商破壊のために使用され、敵軍艦と戦闘することは考えられていなかった、という点で日本海軍の運用方法とは一線を画している。というか、そちらの方がスタンダードであり、日本海軍の潜水艦の使い方は、「古今東西の戦争史において、主要な兵器がその真の潜在威力を把握理解されずに使用されたという希有の例を求めるとすれば、それはまさに第二次大戦における日本潜水艦の場合であろう」(Byニミッツ提督)と敵から言われているくらいである。
閑話休題。ドイツのUボートによる通商破壊作戦は、第一次大戦でも猛威を振るったが、アメリカの客船を沈めてしまい、激怒したアメリカが参戦したことも要因の一つとなって敗北を喫する。とはいえ有効な手段には違いないと、第二次大戦においてもドイツは再びUボートを量産し、通商破壊作戦に打って出るが、連合国側も次第に対潜戦略を構築し、一方的にやられるだけではなくなっていった。とはいえ、大西洋航路では甚大な被害を受け、それがトラウマとなったためか、戦後になっても長らくドイツは潜水艦の保有を認められず、許可されたのは冷戦終結後であった。
『艦これ』では、前述の通り日本に譲渡されたU-511が実装されている。2段階目の改造をすることで容姿や性格が全く変わってしまうことから、性能的な不利は承知の上で改造せずに使い続ける提督も多いらしい。
また、イタリアの降伏に従ってドイツの潜水艦となったUIT-24・UIT-25も実装された。
→ スキャンプ (艦これ) も参照
第一次世界大戦、および第二次世界大戦の序盤まで、大西洋で猛威を振るったドイツのUボートに対抗し、アメリカも潜水艦の研究に没頭した(と言いつつ、他の兵器も普通に進歩し続けるのが米帝)。
そして、太平洋戦争でその研究結果が猛威を振るうことになる。ガトー級及びその改良型であるバラオ級は完成系の量産型潜水艦として、日本の血脈を握っていた輸送船団を群狼作戦で文字通りに蹂躙し、大戦末期に至っては日本の内海と言える瀬戸内海にまで出没して、軍民問わず数多くの船舶を撃沈し、文字通り日本の息の根を止めた。
戦後、その反省をもとに、自衛隊は世界最高峰レベルの対潜能力を持つに至るが、それはまた別の話である。
艦これにおいては長らく潜水艦は枢軸国側(それも、主に日本海軍)の所属ばかりであったが、2021年の12月になり、初めて連合国側の潜水艦として、ガトー級潜水艦SS-227スキャンプが実装された。
→ 迅鯨(艦これ)
長鯨(艦これ)
大鯨(艦これ)
香取(艦これ)
大淀(艦これ) も参照
潜水艦には基本的に余分なスペースというものが一切なく、燃料・弾薬・食糧といった消耗品も必要最小限しか積んでいない。このため長期間の作戦行動を取る場合は、前線基地や泊地においてそれらを補給する必要があり、その潜水艦への補給作業に特化した補助艦艇を「潜水母艦」という。
日本海軍においては、従来は商船を改造した艦がその任務に就いていたが、新たに専用の潜水母艦として迅鯨型2隻(迅鯨・長鯨)が建造された。しかしこれはその後建造された大型の伊号潜水艦に補給するには力不足であったため、さらに剣埼型潜水母艦2隻、さらに大鯨型潜水母艦1隻が建造される。
しかし、これら3隻はいずれも空母に改装され(剣埼→祥鳳 高崎→瑞鳳 大鯨→龍鳳)、結局潜水艦への補給任務には、迅鯨型や旧式の軽巡、商船改造の特設艦などがあたることになった。(うち「平安丸」が2024/03実装済)
『艦これ』では、祥鳳、瑞鳳は最初から軽空母として登場するため、潜水母艦の頃の話はエピソードの一つとして出る程度であった。このため、後に実装された大鯨が、『艦これ』では初の「潜水母艦」という艦種となった。
だが、『艦これ』はゲームデザイン上、補給は母港に戻って行う(給油艦速吸による洋上補給が実装されたのはさらに後だった。ただし、前述の通り史実の潜水母艦は泊地で補給する艦艇であり、洋上補給は行わない)ことから、潜水母艦が補給を行うことはなく、かといって当然ながら戦闘能力は低いわけであり、現時点では宙ぶらりんな存在となってしまっている。
ただし、任務で「潜水艦隊「第六艦隊」を編成せよ!」 があり、これは潜水母艦と潜水艦4隻以上で編成する形になっている。
その後、2020年6月には迅鯨が、2021年8月には長鯨が実装された。大鯨は改造すると空母龍鳳になるため、艦これでは迅鯨と長鯨が「最後まで潜水母艦」という存在になる。
当初、潜水艦は各艦隊に所属する潜水隊として編成されていたが、太平洋戦争開戦の1年前となる1940年11月に第六艦隊として統合される。第1から第3までの潜水戦隊を取りまとめる第六艦隊総旗艦となったのが、練習巡洋艦香取であった。これは練習巡洋艦ゆえに艦上に司令部を置く余裕があったことが買われてである。(同様の理由で妹艦の2番艦鹿島は第四艦隊旗艦に、3番艦香椎は南遣艦隊旗艦になっている)
以降、香取はトラック島空襲で沈むまで第六艦隊旗艦として潜水艦達の指揮を執ることになる(正確には、旗艦任務を解かれたわずか2日後にトラック島空襲に遭遇した)。ミッドウェー海戦で伊168が空母ヨークタウンを撃沈したのも香取の指揮下だった。実は香取は練習巡洋艦としてよりも、第六艦隊旗艦としての方がずっと長いのである。
『艦これ』実装潜水艦で史実上香取の指揮下にあったのは、伊8、伊19、伊26、伊168の4人(それに加えて大鯨と軽巡五十鈴が、それぞれ第1潜水戦隊(のち第3潜水戦隊)、第2潜水戦隊の旗艦として、総指揮官香取の配下にあった)。伊47、伊58や潜特型の面々が戦列に加わったのは香取の沈没後で、呂500や潜高型はそもそも戦場に出ていない。
『艦これ』では2015年2月の冬イベントにて香取が実装された。トラック空襲で共に奮闘した駆逐艦の舞風や野分には言及するセリフがあるが、現在のところ潜水艦に絡むようなセリフはない。また、上記の第六艦隊編成任務でも、総旗艦なのに必要メンバーに含まれていない(大鯨+潜水艦4隻が最低条件なので、自由枠の1隻に香取を入れて史実の第六艦隊編成にすることは可能だが、旗艦は大鯨にしないと任務が完了しないので注意)。
一方で、海軍は艦隊戦を行う潜水艦隊の旗艦として、あらかじめ司令部機能と、偵察用水上機の搭載機能を持った艦を計画・設計した。前述した第六艦隊総旗艦の香取の代替ではなく、その配下で実働する潜水戦隊の旗艦を想定した艦である。
こうして誕生したのが大淀型軽巡洋艦である。
しかし、1番艦大淀は搭載予定だった水上機「紫雲」の開発失敗や、戦局の変化により、ついに当初の目的だった潜水艦隊の指揮を執ることは無く、輸送任務や連合艦隊旗艦といった想定外の任務を経て、呉で空襲により大破着底し、そのまま終戦を迎えた。また、2番艦の仁淀に至っては起工前に建造中止となっている。
『艦これ』では、いわゆる「任務娘」の時代を経て、2014年8月のイベントにて軽巡「大淀」として実装されたが、このような史実を考慮してか、潜水艦について語ることはない。ただ、軽巡洋艦としては珍しく対潜能力が低いという点は、何か思うところがあるのかも知れない。
日本海軍においては、潜水艦を基準排水量別で以下のように分類していた。
また、伊号を一等潜水艦、呂号と波号を二等潜水艦と分類していた。
一応正式には上記のようになっているのだが、実際の状態をみると、どうやら1,000トンをちょっとばかり越えても呂号に分類されているようで、伊号に分類された潜水艦は排水量が2,000トン近くからになっている。
ちなみに余談だが、この基準では1,000トン級の元ルイージ・トレッリも呂号になるはずが「伊」504になっているのは、同時に接収した3隻の潜水艦が「伊号」の基準を超えており、4隻まとめて伊501~504と名前を付けたためとのこと。
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