概要
カール・グスタフ・ユングが作成した概念理論であるユングのタイプ論を基にブリックス&マイヤーズ親子が1962年に作成し、現在は世界45ヶ国以上で活用されている国際規定に基づいた性格検査ツールである。
自己理解・他者理解を目的としており、「自分がどういう人間なのか、どういう特性を持って何が強みなのか」「他者とどう関わっていけばいいか」などを知るために利用するのが望ましいとされている。
あくまで「自分のことをどういう人間だと思っているのか」という自己認知を測るだけであり、性格と自身の能力を結びつけるツールではない。自分の能力と性格を結びつけるのはユングのタイプ論であり、MBTIではないことを留意していただきたい。
日本でもMBTIを基にした性格診断サイトがネットに溢れており、自身のおおまかなMBTIタイプを知ることができる。だが、そのほとんどが正確なものではないので注意が必要である。
また、MBTIに対し「科学的根拠に欠ける」「占い・オカルトの類なのではないのか」という批判も頻出しているため、MBTIを過度に信じるのは控えたほうがいい。MBTIはあくまでツールであるので、適度な距離感を保ちながら友好的に利用するのが望ましい。
余談だが、エニアグラムと結びつけると更に解像度が高まるが今記事では割愛させてもらう。
MBTIは決して自分の嫌いな人間にレッテルを貼るためのツールではない。
4軸の解説
E(外向)とI(内向)
EはExtravertの頭文字で、IはIntrovertの頭文字である
要は「外側に意識・エネルギーが向くか」「内側に意識・エネルギーが向くか」の意識・エネルギーをどこに向けるかの違いを表す軸である。
E型であれば外側に意識・エネルギーを向けるため、以下のような性格・特性になる。
- 社交的
- 自身の思考や意見は完璧に仕上がってなくてもガンガン口に出していく
- 初対面の人間ともすぐに打ち解けられる
- 目立ちたがり屋で、注目されるようなことを進んで行おうとする
- 悩みを人に聞いてもらおうとする
- 新しいもの・ことはいち早く取り入れたり興味を示したりする
- 周囲の人や出来事にドンドン首を突っ込んでいく
- 休みの日は外に出て遊ぶ、行楽地に出向く
I型であれば内側に意識・エネルギーを向けるため、以下のような性格・特性になる。
- 控えめ
- 自身の思考や意見は頭の中で完璧に仕上げてから口に出していく
- 初対面の人間とはなかなか打ち解けられない
- 恥ずかしがり屋で、注目されるようなことを避けようとする
- 悩みは出来るだけ自分一人で解決しようとする
- 新しいもの・ことはなかなか受け入れようとしない
- 周囲の人や出来事からは距離を置いて静観する
- 休みの日は家にこもって休養する
上記のE型・I型の特徴の箇条書きを一見すると「E型は陽キャでI型は陰キャなんじゃないの?」と思いがちだが、E/I軸は性格の陰陽を表す軸ではないため、ボッチ・オタクなE型や交友関係が広い・ミーハーなI型も、もちろん存在する。
S(感覚)とN(直観)
SはSensingの頭文字で、NはiNtuitionの2つ目の文字である。
要は「五感を通して現実的に物事をとらえるか」「脳内で想像して抽象的に物事をとらえるか」の物事の捉え方の違いを表す軸である。
S型であれば五感を通して現実的・具体的に物事をとらえるため、以下のような性格・特性になる。
- ミクロ視点
- 友達にするなら突飛なことを言わない人が良いと考える
- ボトムアップ思考
- 物事を解決するときは使い古された一般的な方法で解決しようとする
- 独特の言い回しや聞きなれない理論は苦手・嫌い
- 実際に今現在起きていることに集中する
- 1つのもの・ことに集中してそれ以外は疎か
- 革命を起こす場合は「一揆」「抵抗」レベルの小規模なものになることが多い
N型であれば脳内で想像して抽象的・大局的に物事をとらえるため、以下のような性格・特性になる。
- マクロ視点
- 友達にするなら細かいことを気にしない人が良いと考える
- トップダウン思考
- 物事を解決するときは独自で考えた型破りな方法で解決しようとする
- 独特の言い回しや聞きなれない理論は気にならない、むしろ自分から独特の言い回しを好んだり聞きなれない理論を提唱する
- 未来の可能性や全体像を考察することに集中する
- 全部のもの・ことを満遍なくこなすが、1つ1つで見ると粗い
- 革命を起こす場合は「反逆」「世直し」レベルの大規模なものになることが多い
上記のS型・N型の特徴の箇条書きを見て分かるように、S型は全体的にしっかり者で地に足がついていて俗物的である。良くも悪くも一般人の枠を出ない型で、世界人口割合でも75%と過半数を超えている。人間社会を運営させるにはすごく必要。むしろS型がいなかったら人間社会が崩壊するレベル。難しい事を理解するのに時間が必要だったり、抽象的なことに興味が無い。
一方N型は全体的に不思議ちゃんでいつも天井を見てボーっとしている感じである。会話には擬音や比喩・暗喩を多用しがちで時には何を言っているのかまるで理解できなかったりする。世界人口割合では25%でありかなり希少。N型がいなかったら高度な文明や娯楽は発明されなかった。人間社会を豊かにし、彩を与える存在。難しい事を頭の中で常日頃から考えており、理解を示す。具体的なことには興味が無い。
また、S/Nの溝は4軸の中で一番深く、J/P以上に分かり合えないことが多い。S型人間とN型人間はお互いを宇宙人みたいな存在と考えていることがかなり多い。そのぐらいS型とN型の物事の捉え方にかなりのズレが生じているということである。
F(感情)とT(思考)
FはFeelingの頭文字で、TはThinkingの頭文字である
要は「集団倫理や快不快で意志決定するか」「公的論理や独自理屈で意思決定をするか」の何で意志決定をするかの違いを表す軸である。
F型であれば集団倫理や個人の快不快で意思決定をするため、以下のような性格・特性になる。
- 倫理的
- 感情的で暑苦しいことは悪いことじゃない
- モノよりヒト
- 相談事を持ち掛けられたとき、慰めや感情面でのフォローを優先する
- オブラートに包んだ言い方をよくする
- 温情や同情を積極的に示そうとする
- 日々の頑張りをほめられることを望んでいる
- 人間関係の調和保持・自己の精神の安定のためなら勝利をつかむための論戦や喧嘩を投げ出しても構わない
T型であれば公的論理や独自理屈で意志決定をするため、以下のような性格・特性になる。
- 論理的
- 冷めてて理屈っぽいのは悪いことじゃない
- ヒトよりモノ
- 相談事を持ち掛けられたとき、解決法の提示や物事が起きた原因の解明を優先する
- 歯に衣着せぬ物言いをよくする
- 温情や同情は不要なものと考えて示そうとしない
- 最良の結果が出たことをほめられることを望んでいる
- 勝利をつかめるのなら激しい論戦や喧嘩もいとわない
このF/T軸は男女の割合が一番わかりやすい軸である。一般的にはF型には女性が多く、T型には男性が多い。F型の男性やT型の女性もいるにはいるが、男性社会または女性社会では少数派になりやすいため、排除されたり見下されがちである。F型の男性は女性的で温和になりやすく、T型の女性は男性的で冷徹になりやすい。
また、上記の箇条書きを一見すると「F型は表情豊か・バカ・感情的でT型は無表情・頭がいい・感情的にならない」と勘違いしがちだが、F/T軸は感情的かどうか・頭脳明晰かどうか・表情の動静を測る軸ではない。無表情でめったに感情的にならない頭のいいF型も、表情豊かで感情的になりやすくバカなT型ももちろん存在する。
J(規範)とP(柔軟)
JはJudgementの頭文字で、PはPerceptionの頭文字である
要は「外界に対して判断的な態度をとるか」「外界に対して知覚的な態度をとるか」の外界に対する態度・接し方の違いを表す軸である。
J型であれば外界に対して判断的な態度をとるため、以下のような性格・特性になる。
- 計画的
- 事前準備をしないと落ち着かない
- 明確な基準・ルールに沿って動きたい
- 締め切り日がある課題は配られたその日に終わらせたい
- 文章の清書を定期的に行うため、文章が綺麗で見やすい
- アドリブ不得意
- 周囲にもしっかりするよう強要する
- 新しい情報が手に入るたびに頭がパンクしそうになる
P型であれば外界に対して知覚的な態度をとるため、以下のような性格・特性になる。
- 臨機応変
- 準備は当日の朝あたりに後回ししがち
- 基準・ルールは無い方が行動しやすい
- 締め切り日がある課題は締め切り日当日までやらない
- 「文章の清書?なんだそれ」なので、文章がゴチャゴチャしてて見づらい
- アドリブ得意
- 周囲にしっかりするよう強要されるとやる気がなくなる
- 新しい情報が手に入るたびに計画を変更する
上記の箇条書きのように、J型は外界に対して判断的な態度をとるため「しっかり者・生真面目」と思われやすいし、実際に生真面目でしっかり者な人が多い。基本的には常識人で、ボケorツッコミならツッコミ担当である。良くも悪くも優等生で融通が利かない。服装もきっちりしている人が多く、パッと見では乱れが一切ないように見える人が多い。
それに対しP型は外界に対して知覚的な態度をとるため「いい加減な人・自由人」と思われやすいし、実際にいい加減な自由人が多い。基本的にはざっくばらんで、ボケorツッコミならボケ担当である。良くも悪くも自由気ままで劣等生・問題児の烙印を押されがち。服装はラフな服装を好み、制服などは着崩していることが多く髪もボサボサなんてことも多々あり、パッと見では乱れっぱなし・だらしないように見える人が多い。
J型とP型はそれぞれ正反対な特徴を持っているため、仲が悪かったりお互いのことをよく思っていなかったりすることが多い。だが、うまく組み合わせれば凹凸コンビになる可能性がある。
心理機能について
ユングのタイプ論を参照。
加筆禁止です。心理機能についてはユングのタイプ論にてお願いします。
16Personalitiesとの差異
MBTIと混同されがちなものとして「16Personalities」が挙げられる。またSNS上で「#mbtifanart」がついているイラストはほとんど16Personalitiesのキャラクターである。
用いる理論は別物。しかし結果表示に使われる文字列がMBTIとほぼ一緒のためややこしい。また「-A」「-T」によって更に意味が変わってくるため、実際は倍の32タイプだと言えるがそんなことを言ってはいけない。
大事なことなので何度も書くがインターネット上にある「MBTI」の多くは16Personalities、あるいは類似の診断WebサイトでありMBTIではない。
違いは以下の通りである。
MBTI | 16Personalities |
ユングの理論が基 | ビッグファイブの理論が基 |
アメリカ (マイヤーズ親娘はアメリカ人) |
イギリス (16Personalitiesの企業はイギリス) |
有資格者と共に行う | 一人で診断可能 |
2時間以上かかる | 十数分程度で終わる |
有料 | 基本無料 |
心理機能の概念あり | 心理機能の概念なし |
-A、-Tなし | -A、-Tあり |
異名なし | 異名あり |
※一番下の「異名」とは「巨匠」「エンターテイナー」等を表す。「異名」は正式名称ではなく、この項目を加筆した者による仮称である。
少なくとも『MBTIタイプ入門(第6版)』に異名は無くISTP、ESFPと表記されている。
即ち「MBTI?俺はエンターテイナーだったよ!」といった発言は非常に危険であるため、迂闊に言わない方が良いだろう。端的に書くと「言うな」。
【異名一覧】(日本語版16Personalities公式HPより)
番人
・幹部(ESTJ-A、ESTJ-T)
・領事(ESFJ-A、ESFJ-T)
・管理者(ISTJ-A、ISTJ-T)
・擁護者(ISFJ-A、ISFJ-T)
探検家
・起業家(ESTP-A、ESTP-T)
・巨匠(ISTP-A、ISTP-T)
・エンターテイナー(ESFP-A、ESFP-T)
・冒険家(ISFP-A、ISFP-T)
分析家
・指揮官(ENTJ-A、ENTJ-T)
・討論者(ENTP-A、ENTP-T)
・建築家(INTJ-A、INTJ-T)
・論理学者(INTP-A、INTP-T)
外交官
・主人公(ENFJ-A、ENFJ-T)
・運動家(ENFP-A、ENFP-T)
・提唱者(INFJ-A、INFJ-T)
・仲介者(INFP-A、INFP-T)
仮にMBTIと同様、タイプ名で言いたいのならば「-A」「-T」まで言うことを忘れずに。
16タイプの解説
SJ型(保護者気質)
ESTJ
【心理機能】
主機能:外向思考(Te)
補助機能:内向感覚(Si)
第3機能:直観(N)
劣等機能:内向感情(Fi)
天性のリーダーは二タイプ存在する。一つはENTJ、そしてもう一つがESTJである。
ENTJと比べ現実的なもの、即ち日常生活や仕事に意識が向きやすい。スケジュール管理をしたり仕事のチャートを作ったりすることを好み、効率よく場を動かす。論理を重視し、決断力も有する。そして謹厳実直であるため他者から頼りにされることが多い。分かりやすく言うと「職場にいるとありがたい存在」。
少々頑固な面もあり、指示やマニュアルに従わない者を快く思わない傾向がある。真剣に集団をまとめようとするが、己の常識を押しつけてしまうことも。
ストレス下では独断が目立つようになったり、他者を威圧したりしやすくなる。当世はハラスメントの概念が広まっているため、パワハラ上司として訴えられぬよう気をつけるべし。
ESFJ
「気遣いの鬼」
【心理機能】
主機能:外向感情(Fe)
補助機能:内向感覚(Si)
第3機能:直観(N)
劣等機能:内向思考(Ti)
日本人の中で最も多いとされるタイプ。面倒見が良く、着実に仕事をこなす。また他者と交流することを好み、積極的に会話をしたりイベントに参加したりする。悪く言うと「お節介」。適切な距離間で付き合えているか否か、時折内省することを強く勧めておく。
調和を重視するあまり他者の意見に賛同しがちだが、時にはしっかりと自分の意見を言うこともある。
相手から認められたり、相手を認めたりすることが活力に繋がる。故に協力関係を築けそうにない環境では生きづらさを覚えてしまう。
既存のルールや伝統を重視する。珍奇なことに手を出しにくいため周囲の人々から信頼されるが、標準的なものを過信する傾向も。
ISTJ
【心理機能】
主機能:内向感覚(Si)
補助機能:外向思考(Te)
第3機能:感情(F)
劣等機能:外向直観(Ne)
責任感が極めて強く自分の役割に忠実。一人で物事を進めることを好み、一歩一歩丁寧に仕事を行う。
インターネット上では堅物扱いされているが、臨機応変な姿を見せる時もある。普段は伝統や既存のルールを重視するが思考停止しているのではない。「上手く機能しているが故に普及しているのだ」と考えているために標準を好むのである。したがって仮に使い物にならなくなった場合は新たなものを用意する、という機転の良さもある。
自分の経験や知識を基に考え、論理的に決断を下そうとする。故に支持を集めやすい。ESTJと同様「職場にいるとありがたい存在」その二である。
ただし論理を重視しすぎて他者の心を傷つけてしまう時もある。人間は機械ほど合理的になれない生物であることを努々忘れぬよう。
ISFJ
「控えめな支援者」
【心理機能】
主機能:内向感覚(Si)
補助機能:外向感情(Fe)
第3機能:思考(T)
劣等機能:外向直観(Ne)
誠実で他者に配慮をしながら意思決定を行うタイプ。具体的かつ明確な事実を好み、詳細にまで目を向けようとするため、リーダーシップを発揮するタイプ(ESTJ、ENTJ)とは別の意味で信頼を置かれやすい。「奥ゆかしい」とはまさにこのこと。
気遣いができることばかり注目されがちだが、先述の通り情報を正確に受け取り、知識として己の糧にできる側面がある。直観型(N型)は無意識のうちに認識を歪めてしまうことが多いため、ISFJは情報共有時の潤滑油となるだろう。
相手からの感謝が活力になる。献身的で細やかな気配りができるが、相手がそれに気づかなかったり「ありがとう」と言ってもらえなかったりする日が続くと劣等機能が勃発。過度な悲観や不眠状態に陥ることも。
SP型(職人気質)
ESTP
【心理機能】
主機能:外向感覚(Se)
補助機能:内向思考(Ti)
第3機能:感情(F)
劣等機能:内向直観(Ni)
「今」に焦点があり、自分のためなら新しいことにも進んで取り組もうとするのが特徴。座学で得た知識よりも実際の経験を重視するため、他者よりもリスクを恐れない。失敗も己の糧にして成長する、という前向きな精神を備えている。
逐一判断を下すよりも状況に合わせて柔軟に対応することが多い。無意味なルールに縛られず、他者に「かくあるべき」を押しつけないという長所がある。
ESTJやENTJほどではないがリーダーシップを発揮し、他者に指示を与えることを好む一面もある。しかし長期的な計画を立てたり、窮屈な役職になったりするのは苦痛を覚えやすいため、基本はチームの一員として働いた方が幸せかもしれない。
ESFP
【心理機能】
主機能:外向感覚(Se)
補助機能:内向感情(Fi)
第3機能:思考(T)
劣等機能:内向直観(Ni)
人との出会いを大切にし、日常生活に楽しみを見出すタイプ。五感に意識が向きやすいためか食べ物や景色、イベントなど日々の活動を楽しむことに全力を費やす。
理論を用いたり考察したりすることはあまり好まないが、それが自分と関連がある場合は積極的に参加する一面もある。また、一人よりも友人と共に勉強すると活力が増加するだろう。
やるべきことにも楽しみを見出し、可能な限り苦痛を減らそうとする傾向がある。自身の待遇よりも周囲の人間関係に焦点が向くため、給料や仕事内容に不満があっても仲間が善人ならば会社に属し続けてしまう場合がある。やりがい搾取の餌食にならぬよう気をつけるべし。
ISTP
「寡黙な狩人」
【心理機能】
主機能:内向思考(Ti)
補助機能:外向感覚(Se)
第3機能:直観(N)
劣等機能:外向感情(Fe)
問題が発生した際、的確に核心を突いて素早く解決を試みる。最少の経費で最大の効果を挙げようとするため、無駄な議論や規則は好まない。ESTPと同様に冒険心があるため、様々な経験を積むことを好む。
積極的に話しかけることはあまりなく、聞き手に回りやすい。黙って話を聞いている時は共感よりも内界で分析をしていることが多い。決して共感できないわけではない。また自分の興味のある話題では饒舌になったり、SNSでコメントを打ったりする一面もある。
不健全時はイライラを表に出しやすくなるため、相手に威圧感を与えてしまう。ISTPは一人で行動することを好むため、下手に他者に頼るとかえって悪化する場合も。このような時は大人しく静養すると良い。
ISFP
【心理機能】
主機能:内向感情(Fi)
補助機能:外向感覚(Se)
第3機能:直観(N)
劣等機能:外向思考(Te)
一人一人が尊重される空間を好み、自らも他者に寛容でいようとするタイプ。自分も大事だが他者も大事であると考えるため、知人の幸福を心から祝福できる。
基本は周囲に合わせるが、自分にとって大事な人や価値観などが脅かされると察した途端、抵抗の姿勢を見せる。常に周囲に合わせているわけではない。
「自分の仕事が誰かの役に立っている」と実感できる環境が最適。感謝の言葉がもらえると更に精力的になる。即ちISFJと同様、そうでない環境はストレスに繋がってしまう。
衝突を避ける目的で他者に賛同したり、サポート役を買って出たりすることが多いため、周囲から過小評価されやすい。ストレスで自身が潰れてしまう前に、時には勇気を出して意見を述べることが大切。
NT型(合理主義者気質)
ENTJ
「生まれた時から王者」
【心理機能】
主機能:外向思考(Te)
補助機能:内向直観(Ni)
第3機能:感覚(S)
劣等機能:内向感情(Fi)
天性のリーダーその二。ESTJと比べ長期的な視野で物事を見るが、必要に応じて短期的なスケジュールを組むこともできる。
無駄(非論理、非効率)なものを見つけることが得意。見つけ次第、最適な環境にすべく率先して働きかける。周囲からは独裁者のように思われる時があるが、ENTJとしては他者や組織の将来を思っての言動であることが多い。
知的好奇心が旺盛。具体的な事実だけでなく複雑な課題や可能性にも興味を示す。他者と議論を行うことは互いにとって有益だと考えているため、苛烈な討論も受け入れようとする。ただしENTJ自身のメンタルが強いとは限らない。
ESTJと同様、相手に威圧的な印象を与えてしまう時もある。事実や理論だけでなく、相手の立場や背景を常に意識して発話すると良いだろう。
ENTP
「困惑させるトリックスター」
【心理機能】
主機能:外向直観(Ne)
補助機能:内向思考(Ti)
第3機能:感情(F)
劣等機能:内向感覚(Si)
周囲にアンテナを張り、新しいアイデアや様々な可能性を常に模索しようとするタイプ。故に他者が見落とした欠陥にもいち早く気づくことができる。好奇心旺盛で、外界で得た情報を基に自身をアップデートする。時には他者が行わないような仕事を引き受ける一面も。
多様性を認めてくれたり、頻繁に変化があったりする環境を好む。他者に寛容で、実りのある議論ならば積極的に参加する。
規則が厳しい組織には生きづらさを覚えるほか、ストレスから自分の力を上手く発揮できない場合もある。特に自身のアイデアを頭ごなしに否定されることが苦手。
インターネット上ではサイコパスと言われているが、それはENTPを精神異常者扱いしていることと同義。本記事の読者(つまり貴方)がそうであったならば直ちに止めることを推奨する。
INTJ
「孤高の猫」
【心理機能】
主機能:内向直観(Ni)
補助機能:外向思考(Te)
第3機能:感情(F)
劣等機能:外向感覚(Se)
先を見通してから「今」の行動を決めるタイプ。問題や改善点を見つけると解決に向かおうとするが、他者と共に案を考えるよりかは一人で枠組みを作ることを好む。
スケジュール管理を厭わなかったり、論理を重視して決断したりするためリーダーの素質もある。ESTJやENTJほどではないが必要に応じて指揮を執ることも。尚INTJがこの役割を好むかは別の話である。
責任感があり自他共に厳しい。インターネット上では悪役と捉えられがちだが、本来は人を騙したり嘘を吐いたりすることを快く思っていない。そもそも大体の悪役は劣等機能が勃発している状態のため、安易なタイプ判定は避けるべきである。
年功序列よりも一人一人の能力に注目するため、立場に見合わない実力を持つ(劣っている)者を軽視する傾向がある。しかし尊敬に値する者には心からの忠義を以て組織に貢献するだろう。
INTP
「めんどくさがりな理屈屋」
【心理機能】
主機能:内向思考(Ti)
補助機能:外向直観(Ne)
第3機能:感覚(S)
劣等機能:外向感情(Fe)
興味のある内容を深掘りし、他者とは違う視点で物事の核心に迫ろうとする。ただしINTPからしてみれば「当然の疑問」と考えている場合も。
既に立証された事実にも疑問を投げかけ、見落とされた部分は無いか注意深く探そうとする。自身の興味・関心に従い、心ゆくまで思案を楽しむ。
抽象的なものに惹かれやすいが、人によってはアイドルや美容などに興味を抱き、己の糧にすることもある。インターネット上のキャラ付けに惑わされぬよう。
基本は一人で行動するのを好むが、必要に応じてグループ内で指揮を執る。ただし規則や納期に追われると分析や探究の時間が無くなったり、焦りからミスが多発したりするためリーダー職になるのは避けた方が良い。
NF型(理想主義者気質)
ENFJ
【心理機能】
主機能:外向感情(Fe)
補助機能:内向直観(Ni)
第3機能:感覚(S)
劣等機能:内向思考(Ti)
相手の気持ちをいち早く察知し、バラバラなチームをまとめることに己の価値を見出す。また、他者の短所ではなく長所を多く見つけようとする。
責任感が強い。若い芽は摘まずに潤沢な援助を行う。調和を重視し、皆が楽しめるよう周囲への気配りを忘れない。ただしESFJと同様、適切な心の距離を掴めなければ「余計なお世話」と言われる可能性がある。
まとめようとする意識のほか、様々な価値観や新しいアイデアに寛容なことからリーダー職の適正がある。しかし規則・論理性と他者の意見がぶつかった場合は後者を優先させようとするため、時には厳しい決断やそれができる腹心が必要である。
対立が絶えない環境では己の力不足を嘆き、悲観的になることがある。このような時は信頼できる第三者に少し相談すると気分が楽になるだろう。
ENFP
「意外と繊細な永遠の子供」
【心理機能】
主機能:外向直観(Ne)
補助機能:内向感情(Fi)
第3機能:思考(T)
劣等機能:内向感覚(Si)
感受性が豊かで人との出会いや新たな刺激を大切にするタイプ。相手を喜ばせることを好み、希望をできる限り応えてあげようとする。またESFJと同様、相手から認められたり相手を認めたりすることが活力に繋がる。
想像力があり、外界で得た情報を基に様々な可能性を見出す。他者では気づかないような繋がりを発見し、それを積極的にを共有しようとする。
同じ作業やスケジュール管理を退屈に感じ、全力でこれらを避ける。普段は即興で様々な仕事をこなせることが多いが、自身が大事にしているものがテーマとなると途端に不器用になる。
ストレス下は注意力が散漫になったり、手を付けたものが多すぎて収拾がつかなくなったりする。そのような時は面倒かもしれないが、物事の優先順位を紙などにまとめることを勧めておく。
INFJ
「正義と悪の二面性」
【心理機能】
主機能:内向直観(Ni)
補助機能:外向感情(Fe)
第3機能:思考(T)
劣等機能:外向感覚(Se)
ふとした時に課題解決法を思いつきやすいタイプ。これは超能力ではなく集めた情報を無意識に分析した結果の産物。現場では情報過多により余計なものに惑わされやすいため、リラックスしている時に理解することが多いのである。ただし無意識下での出来事のため、理解した内容を詳細に説明するのは苦手。
直観で得た考えを分かりやすく説明するのは難しいため、自身の価値観を他者に話すことをあまりしない。反対にINFJがそのような話題を始めたら、その聞き手は信頼されている可能性が多いにあると言えるだろう。
INTJと比べ自身の基準や相手の立場を考慮して判断を下すことが多い。能力よりも己の価値観を支持してくれるか否かが重要で、己の在り方を否定する組織にはたとえ能力を認められていても忠義を示さないほど。
INFP
「心優しい不思議ちゃん」
【心理機能】
主機能:内向感情(Fi)
補助機能:外向直観(Ne)
第3機能:感覚(S)
劣等機能:外向思考(Te)
人の気持ちに敏感で誠実。時には本人でさえ気づかない無意識のサインを察知することもある。普段は柔軟に他者と接するが、本来は独立心が高く一人の時間を欲する。
INFJと同様、自身の内面を見せる時は人を選ぶ傾向がある。これは自身の価値観が己を形成する核だと考えているためであり、拒絶される未来を可能な限り回避しようとする心の表れとも言える。
自分自身も含め、一人一人が尊重される環境を好む。侃々諤々であっても思いやりの欠けた組織には息苦しさを覚える。INFPは優柔不断だと言われがちだが、それは自身の価値観と他者の気持ちを考慮しているために多くの時間を必要としているだけである。
謙虚で周囲に合わせる印象を与えることから、インターネット上では不憫な扱いを受けるイメージが広まっている。しかし自身の核となる価値観や大事な人が脅かされると理解した途端、非協力的態度を示す。普段の寛容さに甘えて下手に馬鹿にするのは止めた方が良いだろう。
相性論について
度々インターネット上で話題になるが、MBTIでは「INTJとESFJは最高の相性」「ESTJとINFPは相性最悪」といった相性論は存在しない。そんなものウチにはないよ…
相性論について語る人は何も考えていないか、ロシアの性格分析ツール「ソシオニクス」と混同している可能性がある。
SNSや動画投稿サイトでは頻繁にランキング動画があるが、大半は再生数目当ての動画であり論拠が不明。「類似性の法則」に則り、主機能が同じタイプ同士は仲良くなりやすいという論もあるがいずれも憶測の域を出ない。畢竟するに鵜呑みは厳禁である。
「あの人との相性はどうかな?」と一喜一憂する暇があるのなら大人しく相手の好きなものや趣味を探り、それを基に仲良くなる方が有意義な時を過ごせるに違いない。貴方が好きなのはそのタイプなのか、その人自身なのか改めて考えてみてほしい。
関連動画
関連商品
関連リンク
- 【MBTI公式サイト】一般社団法人日本MBTI協会
- JPPによる体験セッション(日本MBTI協会認定オンラインMBTI)
- 【16personalities】NERIS Analytics Limited
- キャラクター性格診断スレまとめWiki
関連項目
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