「人間か・・・・・・」
「この記事をよみな・・・ ニコ僧!」
うしおととらとは、藤田和日郎により1990年から1996年まで『週刊少年サンデー』に連載された妖怪アクション漫画である。
普通の少年だった主人公蒼月潮と、あらゆる化け物を打ち滅ぼす獣の槍、金色の大妖とらたちの戦いと出逢いの軌跡を描いた物語。
荒々しくも迫力があるグロ描写。独創的な妖怪のデザイン。そして少年マンガの王道を守りながらも高いストーリー性から、文化庁メディア芸術マンガ100選で20位に選ばれるなど高い評価をされており、未だに数多くの根強いファンを持つ。
一方でマイナーな作品であると認識されることも多いが、単行本全33巻(+外伝1巻)で累計3000万部超の発行部数は、連載時にTVアニメ化されなかった作品としては上は数える程しかない大ヒット作といえる。代わりに連載時からOVA全10話、ゲーム(FC、SFC)、小説4冊が発売されている。また1996年のサンデー連載終了後、次回作からくりサーカス連載までの実に32回、連載を振り返る特集記事うしおととら風雲録が設けられた(完全版に再収録)。
2009年には画集「藤田和日郎魂」刊行。2013年、東日本大震災の復興支援プロジェクト「ヒーローズ・カムバック」の一環として、「うしおととら」新作が『週刊少年サンデー』2013年4・5号及び6号に前後編「火炎特急『不知火』」が掲載された。連載終了から数えて、実に17年ぶりの新作である。この番外編は後に「ヒーローズ・カムバック」の単行本に収録されているが、うしとら単体の単行本には現在も未収録のままで完全版の収録対象からも外れている。
2015年、連載終了から19年目にしてTVアニメ化された(詳しくは後述)
「だから弱っちくてキレエなんだよ 人間は」
CV:大塚周夫 / 小山力也
金色の毛を持つ大妖怪。500年もの間、獣の槍に封印されていた。強力な雷と炎を放つ能力を持つ。うしおを喰らうために共に行動し、あくまで味方同士ではないと主張するが「二体で一体の妖」と呼ばれるほど息の合った戦いを見せる。人肉を食べるかわりにはんばっかを食べて我慢している。3回あった人気投票ではうしおを押さえ常に1位だった。
古代中国にて白面の者を打ち滅ぼすために生まれた、意思を持った槍。その意思とは、白面の者に対するある者の怨念そのものである。妖に対して絶大な威力を発揮するが、その代償として使い手の魂を削り続け、最後には妖化させてしまうという、扱いの難しい槍。うしお以外の者には力を引き出せない。たまにはムシボシしなきゃね。 |
この項目は、ネタバレ成分を多く含んでいます。 ここから下は自己責任で突っ走ってください。 この項目を飛ばしたい人はこちらをクリック |
「……やっつけてくれよ…」 「約束は守るさ…」
自宅の寺・芙玄院の蔵に、地下に通じる扉を見つけた蒼月潮。そこには、赤い布を巻かれた槍によって封印された金色の妖がいた。蔵の扉に閉じ込められた妖気を解放してしまったことで小妖怪が引き寄せられ、うしおの幼馴染の中村麻子と井上真由子が襲われる。女を救うために槍を抜けと要求する金色の妖。抜いたら人を食おうとするかもしれない。戸惑いながらも、うしおはその槍を抜いた…
「あんたは今まで死にたがっていた、一人ぼっちだからって。でも今はもう一人だなんていわせんぞ」
死にたがりの羽生と呼ばれる同級生の娘がいた。彼女・羽生礼子に近づいた者は、皆奇妙な事故に遭い大怪我を負うという。それ故に他人と交わろうとせず自殺未遂を繰り返す礼子は、うしおの憧れの画家・羽生道雄の娘だった。そして事故の原因が、鬼と化した父・羽生道雄によるものであり、それが彼女の笑顔を奪ったことを知ったうしお。「ごめん、もう、こんなことないから…」死にに向かおうとする礼子を止めるため、うしおは彼女、そして鬼の棲む家屋敷へと走る。
「はい。ハンバーガーっていうのよ。人間よりきっとおいしいよ。」
人が便利に生きていくには手を加える必要がある。それはこの街でも例外ではなかった。道路拡張工事のため、「要石」と呼ばれる大岩を除去する作業員たち…しかし、それは「我眠様」と呼ばれる妖怪を封印するためのものだった。「七度生まれ変わろうと必ず我らが食ろうてくれる」自分達を封印した日崎御門の首を執拗に求める妖怪達は日崎御門によく似た娘、井上真由子に目をつけたのだった。
香港――九竜。金をもらって妖怪を殺す符咒師の鏢は今日も子供食いの妖怪を殺す。15年前、妻と娘を食い殺した妖怪に復讐するため、バケモノを殺す術を身につけた男。「こいつらでもなかった…」化物を殺す度繰り返す虚無感の中、流れるニュースを眺めた鏢はとらの姿を目にする。こいつだ!こいつだ!!右目の浄眼に復讐の炎が燃え上がる…。
「なら…それは、ただのトランシーバーさ。」
夏休み、海に向かううしお達を迎えたのは、子供のいたずらだった。2年前に母親を亡くしてからイタズラばかりするようになったタツヤ。うしおはかつての自分とタツヤを重ね、タツヤの行動にイラダチを覚えていた。その後海に潜む巨大な妖怪あやかしに、、麻子、タツヤ、とらまでもが飲み込まれてしまう。彼女らを救うため、自らあやかしの腹の中に飛び込んだうしおは、怖がるタツヤに語りかけた…
獣の槍が引き抜かれました―――。その言葉に光覇明宗の上僧たちは衝撃を受ける。精神力も体力もずばぬけた選ばれた者のみが扱える伝説の槍。「息子が無能にして妖怪が邪悪なら、その始末はわたしがつけましょう。」不適任な者に獣の槍は渡せぬと激昂する上僧に紫暮は己の決意を口にする。間違いは許されない… お役目様の言葉に紫暮は静かに頷くのだった。
「わたし…だって泣いてる…ばっかりじゃ…いやだ!」
ひと月前、ある旅客機が墜落した。世間では、自衛隊のジェット機が旅客機に近づきすぎたことが原因と騒がれた。しかし、ジェット機のパイロットである厚沢は見ていた。旅客機に巻き付く巨大なバケモノ「衾」を。
それから一ヶ月後、うしお、厚沢、そして旅客機のパイロットの娘桧山勇らを乗せた旭川行きの飛行機に、再び「衾」が襲いかかる。
「雷信兄さんやかがりとずうーっと、三人で暮らせたらいいなあ」
凶羅を辛くも撃退したうしおととらは、雷信、かがりと名乗る鎌鼬の兄妹と出会う。2人は三兄妹の次男であり、人間の殺戮を繰り返す十郎を殺してくれと依頼する。人間たちに棲み家を追われた悲しい鎌鼬兄妹の境遇と、増え続ける犠牲者。人殺しを止めようとするうしおに十郎の鋭い鎌が襲い掛かる。
「ご…ごめ… バカね。」
傷を癒すために湯治にふけるうしおととらの耳に入ったのは、綺麗な声の童歌だった。秘湯で出会った白髪の少女小夜は、鷹取家の繁栄のために囚われている座敷わらしのオマモリサマをなぐさめる役割を担っていた。小夜の体からうしおたちの匂いを感じ取ったオマモリサマは、彼らが自分たちを解き放つと予感した。
「なまはげでもない、猿でもない…おまえはそこでかわいてゆけ。」
東北地方で若い女ばかりを狙う連続猟奇殺人事件が発生する。目撃者は近くで「なまはげ」の姿を見たという。同行の大学生香上、片山と青森の旅館に泊まったうしおは、おかみの史代と娘の詩織と触れ合う。その夜、なまはげの姿をした妖怪が現れ、人間に化けるため、詩織の皮を剥ごうとして襲い掛かった。その化け物は、史代の小さなころの唯一の友達だった猿と同じ鈴を付けていた…。
「寒戸二等通信士…最後の命令をする…オレたちの分まで生きてくれよ。」
槍をもった少年が来る…その少年と船に乗っておくれ… 船を愛した男がいた…毎晩のように夢に見る、かつて共に海を渡った仲間たち。死者の後悔は迷い出る、ならば生者の後悔は何をなすのだろうか。海に魂を囚われた人々のSOSが霧の中に木霊する。
「おまえは子供を殺した…理由は、それで十分だ……」
40年前、妻と子供を目の前で殺された男がいた。自分の腕の中で体温を失っていく妻と子供。老人は符咒師に懇願する。「あの吸血鬼を殺してください、お願いです。妻と娘を奪ったあいつを――」 金は払ってもらう。そう言い残し鏢は夜の闇に溶けていく。
「オレは…オレは…まっすぐ…立ってるか…?」
旭川を目指すうしおは、バスの中で温かい人々の笑顔に一時の平穏を感じる。しかし急停止したバスの前には霧の妖シュムナが立ちはだかっていた。逃げるバスを追いかけるシュムナ。霧でできているため獣の槍が通じない相手に、うしお、東京からきたヤクザ徳野は冥界の門にシュムナを閉じ込めようとする。
「よい剣を…つくってくださいましね」
獣の槍に魂を奪われたものの、麻子たちの手によって元に戻れたうしお。旅の目的地である旭川に着いたうしおととらは、時逆という妖に連れられ、2290年前の中国へと導かれた。ジエメイ、ギリョウの家族と出逢った2人は、ここに白面の者が現れたという話を聞く。やがて正体を現した白面の者によって招かれる悲劇。そしてうしおは、獣の槍の生まれる瞬間を見る。そして母・須磨子の真実も――
「みんな…仲良うせんと――あかんよ――」
四人目の獣の槍伝承候補者は九印というホムンクルスを連れたキリオという子供だった。光覇明宗の本山が襲撃されたことを紫暮に聞かされたうしおはキリオとともに本山へと向かう。そこで初めてお役目様と対面したうしお。また時を同じくして、白面の者の分身くらぎを前にしたキリオは怪しく笑っていた。
「また、嘘なんだね」
「エレザールの鎌があれば獣の槍はいらない」そう主張するキリオの賛同者は日増しに増えていった。そして赤い布を持ったキリオの手によって獣の槍は奪われ、キリオの住む「囁く者達の家」にて獣の槍破壊の準備が進む。キリオを陰で動かす斗和子という女は何者なのか。うしおは関守日輪と、とらは秋葉流と共に囁く者達の家へと向かった。
「オバケ…質問に答えるわ。 泥なんて…何だい、よ!」
パーティーの招待状をもらいデパート最上階に出掛けた真由子。しかしその会場は、人の死に興味を持った妖怪『などか』と『たゆら』が問い掛けをするために設けられたものだった。助けに来たとらを階下に叩き落した『などか』と『たゆら』は戯れとして、真由子が一階降りるごとに一人解放することを約束する。「満足する死とは、何だ?」その答えを胸に秘め、真由子はとらと共に階下へ急ぐ。
病院で目の見えない少年ミノルに出会ったうしお。ミノルは飛行機事故で父親を失い失明した。しかし事故後発見されるまで、死んでいたはずの父親と森で暮らしていたという。その父親代わりをしていたのは妖怪さとり。ミノルの眼が視えるようになるには彼に適合する人間の目玉が必要だと考えたさとりは、人の眼球を鎌で切り取って集める連続殺人事件を引き起こしていた。「ミノルが笑うと、なんか嬉しいんだ…ヘヘヘ…」 説得に耳を貸さず人を襲い続けたさとりに、うしおは獣の槍を投げた――
「あなたの山に、お還りなさい。」
日本の西の国の妖怪たちが白面の者への総攻撃を仕掛けようとしていた。うしおの旅により、それが愚かな行為であることを知る東の長は説得を試みるも幽閉されてしまう。助けを求めに来た雷信、かがり、イズナ、一鬼、威吹と共に、うしおととらは九州は高千穂へと向かった。
全てを失い、目的もなくキリオは放浪を続けていた。浜辺で偶然キリオと出会った真由子は、いとこが妖に狙われていると彼に助けを乞う。初対面の自分を怪しく思うこともせず必死に頼む真由子にキリオは心を動かされる。その妖は昨晩戦って敗戦した狒狒に違いない。「こよいこんばんこのことは…しっぺい太郎に知らせるな。」狒狒の残した言葉を頼りに、キリオはしっぺい太郎を探すが見つからない。目の前にいるのはタローと呼ばれる、飼い主を失いずっと同じ場所に座り続ける老犬だった。「ねえ、九印。これは…しっぺい太郎じゃないよね。これはぼくさ…」
旅行先で鏢と再会し、共に自宅へと帰ってきたうしお。そこにとらによく似た妖怪4匹が現れる。鏢によるとそれらは皆『字伏』(あざふせ)という妖怪で、とらもその一種であると語った。とらが字伏達と小競り合いをしている最中に、もう一匹黒塗りの字伏が現れる。名を紅蓮。圧倒的な強さを誇る紅蓮を前に、鏢は笑みを浮かべながら語りかけた。「いきがってるじゃないか…捉影…」
「今、オレ達は・・・ 太陽と一緒に戦っている!」
4月。麻子の願い通り、うしおは麻子と同じクラスとなった。礼子の家で教えてもらいながら刺繍した、うしおの名前入りの袋。その帰り道の桜の舞う公園前で、うしおと麻子は偶然会う。最初はいつも通りの喧嘩になってしまう2人。だが白面との戦いを控えた自分にはこの「いつも」がいつまで続いていくかも分からないことにうしおは気づいた。「あ…なんだ…暗いしよ…仕方ねえから送ってやらあ」「…うん!」
…その時、風が吹いた。
本編から離れたところで有名なのが単行本の巻末オマケである。10巻までは人気投票が載った程度のものだったが、11巻よりなぞなぞコーナーがスタート。なぞなぞでは秋葉流から鏢、ギリョウ、白面の者に至るまで多くの者がキャラ崩壊を起こし、ヒーローババーン(©雷句誠)といった謎のキャラが登場するなど爆笑の出来である。
作者本人とアシスタントの登場するマンガもいくつか収録される。断崖絶壁アタマの片山ユキオ、屈託なしの雷句誠、元賽銭泥棒の井上和郎など、キャラの濃いアシスタントが多かったことが伺える。
また印刷による大量製本が主流の現代において、当作品の製本が作者とそのアシスタント達によるハンドメイドであるという、衝撃的な事実もこの巻末のオマケページにて公表された。
これを象徴する事柄として1巻の初版本には一部写植の貼り付けミスがある。
また、単行本以外では1冊毎の収録話数を多くしたワイド版に収録。6巻からなぞなぞコーナー開始。
上記のとおり「文庫版(全19巻)」「完全版(全20巻予定)」には収録されてないので注意。
なお、サンデーコミックスの通常単行本以外の版では一部のコマでトリミングが施されている。
2015年7月3日からアニメが放送開始。2クール+1クールの全39話で完結予定。アニメーション制作はMAPPA & studio VOLN。クリエイティブプロデューサーには丸山正雄、監督に西村聡、シリーズ構成に井上敏樹というマッドハウス時代から付き合いの長い面々が集結している。
全39話とあってカットされる原作エピソードはあるものの、アニメ化される話の選択は原作者の藤田が選んだ、とインタビューで答えている。
後にアニマックスでも全話放送されているが、その際に原作者自ら番宣CMに登場し「ひとつもイメージが違わない、とっても面白いアニメ」と太鼓判を押している。
放送局 | 放送開始日 | 放送時間 | 備考 |
---|---|---|---|
TOKYO MX | 2015年7月3日 | 土曜 22:30~23:00 | |
サンテレビ | 2015年7月6日 | 月曜 24:00~24:30 | |
KBS京都 | 月曜 25:30~26:00 | ||
テレビ愛知 | 月曜 26:35~27:05 | ||
BSフジ | 2015年7月7日 | 火曜 24:25~24:55 | |
配信サイト | 配信開始日 | 配信時間 | |
バンダイチャンネル | 2015年7月8日 | 水曜 12:00 | |
ビデオマーケット | 不明 | ||
楽天ショウタイム | 水曜 12:00 | ||
GYAO! ストア | 水曜 12:00 | ||
DMM.com | 水曜 12:00 | ||
UULA | 2015年7月10日 | 不明 | |
PlayStation(R)Video | 2015年7月15日 | 不明 |
さてさて…これにてうしおととらのながぁい記事はおしまいだ。
あん、何?寂しいって!? ニコニコから読むものがいなくなって悲しいと…あんたらはいうのかい…
ふっふっふっ いいかね、よォくお聞き。
ニコ百はネタに生まれてネタに死ぬ…ネタが切れれば、この記事に再び帰ってはこない…
にもかかわらず…… そのネタ切れからさえこの世に立ちかえってくるもの。
それが、ニコ厨なのだよ。
だからさ、ひょっとして…いつの日か…
「行っくぞーっ、とらーっ!」
「うるっせーんだよ、うしおーっ!!」
掲示板
2150 ななしのよっしん
2024/02/15(木) 22:56:46 ID: /Cyc/ODLRs
「うしおととら」がNHK「アニ×パラ」でアニメ化、藤田和日郎自らネームを作成
https://
藤田和日郎「うしおととら」がパラスポーツの魅力を伝えるプロジェクト「アニ×パラ」の第17弾でパラアーチェリーとコラボ。
アニメ「アニ×パラ『パラアーチェリー×うしおととら』」が2月27日15時30分よりNHK BSにて放送される。
2151 ななしのよっしん
2024/02/16(金) 11:57:13 ID: BDQ9Ami/LW
数年前のアニメは終盤EDソングの『決戦前夜』が物語の理解度高すぎて今でも好きな歌だ
2152 名無しのよっしん
2024/04/01(月) 13:39:05 ID: fJPOJBgzZ0
外伝に収録されてる麻子が紫暮に、嫁との馴れ初めを聞く話って、本編だとどの辺りか分かる人おる?
麻子が子供っぽいというか、潮が居ない所だと紫暮にウザ絡みするくらい懐いてたんだって、ちょっと意外だった。
急上昇ワード改
最終更新:2024/12/21(土) 22:00
最終更新:2024/12/21(土) 22:00
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