妖怪惑星クラリスとは、かつて配信されていたスマートフォン向けMMORPG。
人類の苛烈なるDNA変異実験の舞台となった、遥か彼方の惑星・クラリス。そこでは多くの人類が実験体にされ、本来の姿を喪い、恐ろしい化け物の姿となってしまっていた。
その発見者にして名付け親であるクラリス博士はその星の非人道的実験に反対した一人であったが、結果、彼女もその実験に巻き込まれてしまった。
2017年12月より配信が開始されたMMORPGで、運営はKola Entertainment。この運営元はこれまで知られておらず、妖怪惑星クラリスが初の案件と思われる。
謎の異星「クラリス」で様々な生命体が繰り広げるストーリーを追いながら、戦闘を繰り広げていく。戦闘システムにリアルタイムのパネル連鎖パズルを導入しており、レイドボス相手にはマルチプレイで如何にコンボを繋げられるかが鍵となる。登場する妖怪たちは敵味方含めて全て元人間であり、その苦悩などの描かれたシナリオは意外にも骨太だったり、IQゼロだったりした。
異様で近づき難いビジュアルとは裏腹に、キャラクター名の公募やゲームシステムを借用したオリジナルシナリオの投稿プラットフォームなどプレイヤーとの距離感が異様に近く、なんなら公式シナリオの一部もプレイヤーに近い立場の人が書いていたという。
その背景には素朴というか……杜撰というか……な運営の実態があり、結果として核となる開発者が離脱するなどして志半ばで空中分解、2018年2月23日に予告から1分と満たずに全サービスが終了。終わってみれば発表から1年弱・リリースから2ヶ月余の、長かったようで短い生であった。
来春リリース予定!スマホMMORPG妖怪惑星クラリス公式Twitter担当「コラ」です!( ˘ω˘)リリースまでクラリスの最新情報をお届けしたりユーザーさんとも仲良くしていきたいのう!ゲームに関する問い合わせはこちら:(現存しないメールアドレス)
2017年2月、突如Twitterに彗星の如く、怪しげな日本語、怪しげなキャラクタービジュアルを伴って地球人の前に姿を見せた謎の惑星、名を妖怪惑星クラリス。Kola Entertainmentなる謎の提供元で、公式ホームページなども用意、2017年5月のリリースを予定して事前登録も始まっていたのだが、もうその少し公開されている見て呉れだけで漂う胡乱さに、当初から一部の胡乱なゲームを愛好するゲーマーの界隈で話題となったりしていた。
何もかも訝しいゲームの情報の中でも特に強烈なのがキャラクタービジュアルで、異星の妖怪という銘に偽りなく、どこかから素材を集めて継ぎ接ぎしたのではという邪悪でトンチキな仕上がり。モチーフがどこかで見たことあるような気がする、よく見れば塗りが雑だったり線がチープだったりしている、可愛いはずなのにアンバランス、etc…。事前登録の人数達成でプレゼントが決定される「激レア召喚獣」ですらそんな感じの有様で、常人には事前登録のメリットや購買意欲が感じられないのではないかという形相であった。
2017年2月13日にはプロモーションムービーの第一弾が公開された。その後公開された第二弾ではゲームのプレイ内容が紹介されており、冗談や釣りの類いでは無さそうな雰囲気が漂い始めた。
そして同日、実質的にこのゲームの運命を決定づけたといっても過言ではない一つのイベントが勃発する。キャラクター名の公募である。
この見るからに禍々しいドーナツの魔物に対しては早速に多くの反響とさまざまな名前の応募が相次ぎ、中でも人気の4候補でツイッター投票による決戦が行われた。この頃にはウォッチャーの母数も凄まじく増えており、18993票もの投票が集まった結果は次のようになった。
チンポンデリング | ||
---|---|---|
81% | ||
クリーピーグリームドーナツ | ||
7% | ||
揚菓子虫 | ||
4% | ||
ミドナツガルオルム | ||
8% | ||
Twitterのユーザーにこの選択肢で呼びかけたらそりゃそうなるだろう。日本語が怪しくネットカルチャーに疎そうなコラちゃんはこの名前をそのまま通してしまった。これによって妖怪惑星クラリスの奇名は一躍知れ渡ることとなったわけだが、その後コラちゃんは運営に叱られたらしく、次のように発言していた。
おはよう!✨昨日Twitter公式として悪のり多かった、申し訳ないです!🙇♀️みなさん、そもそも下品な言葉はよくないよ、ダメ、ゼッタイ😷我々はまだ地球にいるんだよ❗️まだ惑星クラリスに移住していない、まだウイルスに感染されていない‼️ちゃんと地球のルールを守ってくださいね😇
運営に叱られてしまったコラちゃんだったが、その後も懲りることなくチンポンデリングと同じスタイルでキャラ名の公募・投票を進めた。魑魅魍魎がごった煮状態の妖怪惑星において、今更キャラクター名に異星のデブリが混入するくらいどうということもなかったのかもしれない。瞬く間に下ネタ大好きな人たちやアングラなインターネットミームの住民が、まだ地球にいるはずなのに良いおもちゃを見つけたという体でこのゲームを汚染しに集まり、次々と最悪な妖怪ネームが決定していった。
例えば、顔が花になっている着物の女性キャラクターには「美ラビラマン娘(むすめ)」という名前がついた。見るからにピコ太郎の模写に猫をかぶせたようなキャラクターには「ペンケツマン・コーチン・ポーペン」なる名前が最有力候補とされ、コラちゃんは「イタリアっぽい名前」と評した。そうか……?
一方、美脚のハゲ頭キャラに対しては「生足魅惑のバーコード」とちょっと気の利いた名前がつくなど、ごく稀にまともなネーミングが採用されることもあった。
ただ、そんな単純な下ネタならまだよかったが、次第にニコニコ動画の例のアレカテゴリで見られるようなスラングや誹謗中傷由来のミームなどを孕んだ名前も多くなり、雲行きが怪しくなっていく。
またこの頃にはゲームキャラクターのトレパクも発覚していた。ただでさえ鵺のようなキャラクターしかいないので、いざ発覚しても納得しかされない段階ではあったが、メインヒロインのクラリスでさえ顔が他ゲームのキャラクターのトレパクと発覚した際には流石に差し替えが行われた。焼石に水のようだったが…。
なんなら当記事冒頭に引用した初ツイートの文面も他ゲームの公式アカウントの初投稿のコピペ改変で、語尾などがそのままになっているという適当さ加減であった。
ただでさえゲテモノのようだった妖怪惑星クラリスはかくして手のつけられないほどにカオス化しており、この世のものとは思えない、現代に巣食うダークマターを煮詰めたような状態だった。そんな中でも2017年4月1日には「究極!ニパ子ちゃん」と「超銀河船団∞-INFINITY-」の2コンテンツは、この運営とコンタクトをとり、エイプリルフールの宇宙コラボを敢行している。
ニパ子ちゃんの証言によればこの際、妖怪風のキャラクターデザインについて細かい指示があったそうで、この見て呉れに対して相当なるこだわりが持たれていたことが明らかとなっている。
さて、様々な騒動を起こしながら2017年5月のリリースを予定していた妖怪惑星クラリスだったが、5月には「6月末」と延期が行われ、その上で6月が終わりかけても終わってもリリースの気配がない。Twitterではそんなことを毛ほども気にしていないかのようにキャラ名投票が敢行され続け、次々に新キャラクターが決定していく。
やはり釣りだったのではないか、そう笑い飛ばすプレイヤーをあざ笑うように7月7日ごろに発表されたのがクローズドβテストのテストプレイヤー募集であった。iOS・Androidのストーアでの審査通過も同時に発表されたので、審査に時間がかかっていたのでは、との憶測もあった。
これには待機していた多くのプレイ予定者がこれに参加を表明。7月中に結果が決定されるとのことだったが遅れ、なんだかんだとキャラクター名募集でお茶を濁しながら8月23日にテストの開始が告知。
この時、BCCとToを間違えてメールアドレスが全テスターに漏えいするというアクシデントが発生したり、またリリース前にもかかわらずシナリオプレイ映像や裏設定っぽい雰囲気の世界観設定テキストを公開するなどし、やっぱりこの運営ダメなんじゃないか…?という空気のもと、しかしテストは進められていった。
さらに9月5日〜9日には、声優の募集が開始。声優ではなく声優志望の人をターゲットとし、出演報酬はノーギャラという募集形態だったが、先着順で誰でも採用されるという間口の広さで人を集めた。そのため、素人声優や駆け出し声優を中心にしてではあったが、フルでのCV実装に成功する。
テストの甲斐あってか開発は進み、2017年12月にとうとうリリースの決定が発表された。
【リリース決定】何度も延期して大変お待たせしました❗️🙏12月10日の前に必ずリリースします‼️✨必ず🙏今回ユーザー全員にプレゼントする召喚獣を一つ公開します〜【チンポンデリング】💕🍝ぜひご期待ください🥂✨#妖怪惑星クラリス
ちょうどその頃には「きららファンタジア」や「どうぶつの森 ポケットキャンプ」「どうぶつタワーバトル」といったスマートフォンゲームが話題となっており、ユーザーは対抗馬と目したり、どうせ配信されないと予想するなど、盛んに話題を沸騰させた。
やがて、Android版が予告通りの10日、iOS版が3日遅れの13日に配信開始(作中シナリオでは告知通り6月192日にリリースされたとかのたまっていた)。まさかの本当にストアの審査をすり抜けてしまった当作は早速話題作として各ストアのアプリランキングで多くの人気アプリを押し退け上位に食い込んだ。
そうしていざ封切りされてみれば、その中身は多くのユーザーの予想を裏切り硬派であった。
ややレスポンスの重さはあったものの、独自性を持ったゲームシステム、奇抜ながら深みのあるシナリオや、オリジナルシナリオ(「自作物語」)の投稿機能、人気の自作物語に対してはリアルマネープレゼントがある、ガチャで属性の確率を弄ることができる、シナリオの公募イベントや有料シナリオのリリースなどシナリオに重きを置いたゲーム運用のスタイルや、運営に直接チャットを送れるなどのギミックなどの独特に行き届いた設計は、下馬評を覆して好評価を集める。
「あなたのスマホが回転寿司!」などに代表される何の脈絡もなく送られてくる謎すぎるプッシュ通知や、ゲーム中に流れる「泥棒かささぎ」「ツァラトゥストラはかく語りき」といったクラシック音楽などもなんとも言えない雰囲気づくりに成功し、無駄に荘厳なガチャ演出も話題となった。
怪しさ満載のテキストや名状しがたいキャラデザイン、公募されたキャラクター名は据え置きということもあり、あまり多くの層を惹きつけることは出来なかったが、ゲームを嘲笑していたユーザーの一部の心さえも鷲掴みにし、むしろそのキャラクターデザイン等に惹かれる者さえ現れ、固定ユーザー(妖怪)の獲得に成功。独特の日本語はそのまま「語録」としてプレイヤーの間で用いられることにもなる。
ちなみに、先述の募集名「チンポンデリング」はリリース時「珍ポンデリング」と変更された。相変わらず焼石に水のような対応である……。
最初にポップする場所。
後述するフィールドと概ねシステムは同じ。異なるのは敵がポップするかどうかぐらい。
同じワールドを選んでいればプレイヤー同士で集まることができるとされており、初期には交流もあったのだが、何故かほとんどの期間では他プレイヤーと出会うことはできなかった(バグと思われる)。たまに他のプレイヤーと思しき妖怪が佇んでいることがあるが、そこに意思はなかった。
NPCとして「クラリス」が立っており、話しかけることでクエストに行くことができるが、メニューの方にもクエストボタンはあるので別に話しかけずとも良い。
マップ上にはこれ以外に何もなかった。メニューから各項目を選択し、操作した。
ゲーム中、仲間とするキャラクターや召喚獣といった妖怪はガチャから集める。とはいっても、事前登録特典の全員プレゼントキャラクターもある程度使えるので初心者も安心。
「ノーマルキャラガチャ」「ノーマル召喚獣ガチャ」はクエストクリア時に手に入る「絆ポイント」を使用、「レアガチャ」「イベントガチャ」系は課金もしくはクエストクリア・イベント配布などで手に入る「ダイヤ」を用いて引く。
キャラクターは現場で実際に戦う妖怪。マップ上のプレイヤーキャラクターにも設定でき、戦闘では色々なモーションでアニメーションしながら戦い、後述するバトルにおいてはパネルとして重要に関わってくるので拘りたいところ。パーティ編成は3キャラ。
それぞれが3つ属性パネルを所持するが、これにもキャラごとに違いがあるので考慮する必要がある。
彼らには、ステータスを向上させる「強化」「進化」システムが存在した。「強化」は、アイテム「強化剤」「ギル」を消費して妖怪のレベルを上げ、ステータスを向上させる。
「進化」は、クエスト報酬やダイヤによる交換で手に入る属性別の「ルーン」によって行うもので、コストも増えるが根底からステータスを向上させ、パネルのクールタイムをどんどん短縮させる。妖怪によって必要とされるルーン属性は異なった。ルーンのレアリティは番号によって、特に飾られることなく簡素に区別されていたが、これによる強化度合いは強烈で、低レア度の妖怪であっても、強力なステータスを獲得できるポテンシャルを有した。
スーパースキルを使ってサポートしてくれる妖怪。同じ妖怪でも属性ごとに個体があり、基本的にその特定属性にしか有効でないので、クエスト毎に属性を切り替える必要がある。そのため、できれば全属性で召喚獣を揃えておきたい。ガチャには属性の確率変更機能があるので、任意の属性を揃える場合にはそれを活用する。
「敵スキル無効」「パネル属性変更」などのスキルを持つ妖怪は強力で、持っておいて損はない。レアリティやレベルによって、スキルのクールタイムに違いがあるため、強い妖怪と戦闘するときには考慮する必要がある。
当初はプレイヤーのレベルに応じたコスト上限が存在しており、キャラや召喚獣はそのコストを考えて組む必要があったのだが、運営によるより良いゲーム性の検討の結果、のちにコスト制自体が撤廃された。なんで?
様々なシナリオや戦闘はこのクエストをこなすことで体験することができる。指定された敵を指定された数倒した時点でクリアとなるが、そのためあえて片方の敵を倒さないことで延々と稼ぐなどといったことも可能。
クリアすると経験値アイテムやプレイヤー経験値などが初クリア時のみ手に入り、ここでは稀にダイヤが手に入ることも。
メインのシナリオを読み進められる「クエスト」、時期によって配信される期間限定の「イベントクエスト」、ストーリーに主軸を置いており、有料のコインを必要とする「ストーリークエスト」の3種があった。
イベントクエストは、単に時事的なものもあれば、強力な敵を相手取る「強敵線」、時に召喚獣が報酬として得られる「連続クエスト」や、アイテム稼ぎのできる「ぬるぬるクエスト」(通称ぬるクエ)など意味あるお得な物も多かった。
クエストに設定されているストーリー。クエストをプレイすると、最初や終わり側にそれら妖怪たちの掛け合いをみることができた。
最終的には3人ほどのライター妖怪がおり、世界観はまばらだったが、いずれも評価は良かった。
さまざまな形状のマップ。敵が屯ろしており、接敵することで戦闘になるいわゆるシンボルエンカウントシステムを採用している。
たいてい、数個のエリアに分かれており、エリアに応じて出現する妖怪が異なるので、プレイヤーはクエストで指定された敵を探して動き回ることとなる。関係のない妖怪もポップする。
クエスト選択時、数個のマップが用意されており、同じクエストで同じマップを選択した場合には他プレイヤーと一緒にフィールドを冒険できる仕組み。その場合フィールドチャットでやり取りもできるし、戦闘中と表示されている他プレイヤーのところに接触すれば最大4人でマルチバトルに挑むことができる。運営いわく、一つのフィールド内に滞在できる最大人数は100人という。
またNPCがおり、話しかけると様々な話を聞くことができる。シナリオに絡むものやライターの裏話などもあり、出来るだけ聞いておきたい。
16枠あるパネルを並べ替え、属性を合わせてコンボを繋げていくことで攻撃が強力となっていくというシステム。コンボが途切れると敵に攻撃される。敵が妨害スキルをしかけてくる上、パネルのクールタイム(レベルが上がる毎にクールタイムが下がる)もあるので、適宜召喚獣のスキルによってサポートを入れていく。コンボの途中に他属性のパネルを入れれば、属性を割り込ませたコンボも可能である。
先述したように最大4人で戦闘が出来るが、その場合一人の入れ替えできるパネルの領域が限定される。その領域で入れ替えを行い、他のプレイヤーと属性を合わせていく。属性の構成が噛み合わなかったときは大変気まずいから、クエストに合った属性のキャラクターを揃えておくのがよい。
なお、キャラクターは攻撃時、 召喚獣はスキル発動時にボイスが流れる。この時のセリフは公募されたものを流用しており、名詞を叫びながら攻撃するシュールな妖怪をみることができる。
他プレイヤーとテキストを用いてメッセージのやり取りを行える、MMOには一般的と思われる機能。ワールドチャット、フィールドチャット、運営チャットの3種があった。
ワールドチャットはクエスト中でもそうでなくても、常にどの場所からもアクセスできるチャットで、最初にプレイヤーが出会う玄関口的なチャット。ゲームと関係ない雑談も多かった。
フィールドチャットは同じクエストの同じフィールドにいるプレイヤーとやり取りできる限定チャット。ログは残らない。他プレイヤーと連携を取る際に用いるが、スピード感をもった攻略をしたいプレイヤーが多かったのかあんまり使われなかった。同じフィールドに大量のプレイヤーで集結するユーザーイベントがあった際も、ワールドチャットが使われていた。
運営チャットは運営と直接やりとりできちゃうチャット。意見募集や不具合報告などを想定していたが、個人的なメッセージに応じてくれることもあった。
有名なエピソードに、このチャットで「誕生日なので何かください」とねだったプレイヤーに課金アイテム「ダイヤ」が与えられた事件などがある(この後、誕生日を自称するいろんなプレイヤーがこぞってダイヤを乞食しにチャットへ押し寄せたらしい。そりゃそうだ)。
このチャットにはワンタップで書き込める定型文が用意されていたが、「笑〜」「レアだ!」「火属性」など、クエスト挑戦中に用いられる前提と思われるものが多く、汎用性には乏しかった。そのくせ、戦闘中は動作が重くなる上、パネルの切り替えやスキル発動に忙しく、チャットを打ったり読んだりする暇などなかったため、暇なプレイヤーがタウンからワールドチャットで意味もなく送りつける文化が生まれていた。
このほか、アナウンスはされていなかったがいわゆる「BBコード」による文字の装飾が可能であった。また、書き込めず他の文字に置換されるNGワードもあった。どういうわけか「運営」もNGとなっていたため、UNEIと表記する必要性が生じていたりした。一方、ゼロ幅スペースは制限されていなかったので、それを使えばNGは容易に回避できた。
ゲーム内のシナリオシステムを利用して、自分だけのシナリオを作成することができる。必要コインを設定すれば他ユーザーからコインをもらうこともでき、ユーザー同士で交流があった。この機能上でしか存在しない本編未登場の妖怪もいた。
「自作物語妖怪」と呼ばれるような自作物語の常連プレイヤーも現れる根強い人気で、シナリオ公募企画が行われたこともあり、採用作は実際にイベントシナリオとして流された(既存のイベントシナリオを塗り替える形での実装であったのが、なんとも雑だが)。
またこの機能には、人気シナリオの作成者にはお金が払われる、という運営による当初以来の公約があったのだが、残念ながらそのボーダーに誰かが達するより早くサービスが終了してしまっている。
「ダイヤ」は課金アイテムで、レアガチャを回したり、キャラクターの強化アイテム「ルーン」を購入したり、ストーリークエストや自作物語の購入に使う「コイン」との交換などに用いるものである。意外と料金体系は渋めだった。
「ダイヤ」の入手方法は課金のほかにはログインボーナスやクエストのクリア報酬があるが、無償ダイヤはコイン交換に用いることができなかった。
幾度も悶着はあったが、その後は固定プレイヤーを獲得して細々と運営が行われていた。むしろ購買の動機となりうる要素を廃してプレイヤーに配慮するなど、商売っ気が無さすぎてプレイヤーに心配されるほどであった。
逐次新機能も追加されていたし、2018年1月にはニコニコ生放送で公式生放送が行われゲームが紹介された。この生放送前には、コラちゃんが候補段階の参加候補者を決定していないのにTwitter上で紹介して関係者に叱られたりしている。あのさぁ……。
この放送では貴重な運営への質疑応答が紹介され、社名「Kola」の由来が「コアラが大好き」だからであることや、「クラリス」が映画「羊たちの沈黙」に由来することなどが明らかとなった。
もしかしたらゲーム中のクラシックBGMも、2001年宇宙の旅など映画に由来しているのかもしれない。世の中にどんな人もいるよね👍
また、Twitterで広報を行なっていたことについて聞かれると、ドナルド・トランプ氏がTwitterを活用して大統領になったのを参考にしたと陳述した[1]。
生放送内では、ついでにキャラクターの名前公募の出張版も行われた。やめとけばいいのに。
話題には事欠かず、更なるゲーム展開のためのクラウドファンディングも開始された。
しかし、2018年2月も半ばを過ぎ、平和的に猫の日イベントが開始されていた次の日・2018年2月23日のこと。
突如ツイッターでサービスの終了が告知され、1分と経たずにゲームサーバーがダウンしてしまった。スクショやプレイヤーとの思い出語り、感傷などに浸る時間もなかった。
さらに、死を受け入れるための時間を与えられず大きく混乱の渦中に陥れられたのはプレイヤーだけでなく、シナリオライターやクラウドファンディングのサービス関係者側にとっても寝耳の水。
ある関係者は激怒し、あるプレイヤーは嘆き悲しみ、あるシナリオライターは給料の未払いを訴え、あるプレイヤーは課金アイテムの払い戻しを求めた。のちにシナリオライターの一人は広報担当のコラ氏らしき人物からお金をいただけたということであるが、懸念されていた商売っ気の無さは案の定響いていたということなのだろう。核となるメンバーが離れたことでゲームの継続が困難になった、と説明しており、惜しまれ憎まれながら程なくして各種ストアからアプリは削除、サイトやアカウントも消滅してしまった。
色々と問題点も評価点もあったこのゲームであったが、その印象は当時のネットユーザーの記憶に鮮烈に焼き込まれたことであろう。また、プレイヤーの意見に極力寄り添ったり、美少女ゲームに画一化された現代のスマホゲームに対してキメラの如き妖怪というアプローチでアンチテーゼを図った点などは、決して軽視できないくさびとして、甚深にスマートフォンゲーム史へと刻み込まれている。
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最終更新:2024/11/07(木) 22:00
最終更新:2024/11/07(木) 22:00
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