Dies iraeとはキリスト教における終末論の一つ。「怒りの日」と和訳されることが多い。
- Dies irae - 上記の終末思想。キリストが過去を含めた全ての人間を復活させ、その生前の行いを審判し、天国に住まわせ永遠の命を授ける者と地獄で永劫の責め苦を加えられる者に選別するという思想である。
- Dies irae - それを題材としたクラシック音楽におけるレクイエム。かつてはカトリックにおける葬儀ミサの正式な典礼文であったが、現在はそうではなくなっている。詳しいことは怒りの日の項目を参照。
- Dies irae -Also sprach Zarathustra- - 2007年に発売され、色々と騒動を巻き起こしたエロゲ。本項にて解説。
- Dies irae ~Acta est Fabula~ - 上記のゲームの完全版。2009年に発売された。本項にて解説。
では一つ、皆様私の歌劇をご観覧あれ。
その筋書きは、ありきたりだが。
役者が良い。至高と信ずる。
「Res novae――」
ゆえに面白くなると思うよ。
「Dies irae」
概要
Dies iraeとは、ユーザー怒りの日のことであった。
きちんと説明すると、2007年12月21日にlightから発売された正式名称『Dies irae -Also sprach Zarathustra-』という18禁アドベンチャーゲームのことである。
2006年冬の日本を舞台にナチス・ドイツにより生み出された魔導兵器「聖遺物」を操る者たちの死闘を描いた伝奇バトルアドベンチャーゲーム(いわゆる伝奇モノ)であり、体験版の出来の良さや同社の『PARADISE LOST』を担当した正田崇氏がシナリオを担当するとあって、発売当初から並々ならぬ期待が寄せられていた。
しかし、度重なる発売の延期、攻略キャラと思われていたキャラが攻略できない、公式HPにあったCGがゲーム中に存在しない、シナリオライターが実は複数いたことがEDで判明するなどなど、とてもではないが完成したとは言えないできであったために、ユーザーからは「怒りの日」と呼ばれ、地雷認定を受けてしまった非常にもったいないゲーム。いわゆるOP詐欺ゲーの一つに数えられていた。
ただし、世界観とCGの出来は良い、という意見も多く、「最高の素材を調理し損ねたいい例」として引き合いに出されることも多い。なお、ディエス・イレとはラテン語で「怒りの日」を意味し、奇しくもタイトルそのものがユーザーの気持ちを代弁するものとなり、この事件は「怒りの日事件」と俗に呼ばれるようになり、一時は地雷ゲーのことをゲームの用語を使って「スワスチカ」と呼ばれるほどであった。
その後、ユーザーの強い希望もあってか完全版の製作の告知が行われ、2009年7月24日にマリィ・香純ルートを大幅に加筆・修正した『Dies irae Also sprach Zarathustra -die Wiederkunft-』が、2009年12月25日に全ルートを収録した『Dies irae ~Acta est Fabula~』が発売された。
シナリオの加筆や修正、設定の変更だけでなく、新規CGやBGMが追加されており、2007年版とは比較にならないほどの出来に仕上がっている。どちらも2007年版のユーザーIDとパスワードがあれば無料でアップデートでき、ファンにとっては待ち望んだ未知が実現されたのである。
ゲームの構成としては、香純・螢→マリィ→玲愛の順で√ロックがかかっており、全ての√を終えることで全ての伏線が回収され、クライマックスを迎えるという形になっている。なお、推奨ルートは香純→螢→マリィ→玲愛の順。また、初回特典に付属した画集+設定資料集の通称:白本には、作中では語られない設定が数多く盛り込まれたファンにとってはたまらない仕様となっている。現在、初回版がロットアップしたこともあってか、オークションなどでは高値がついている。
その内容故にCS化は困難と思われていたが、2012年6月28日にドラマCDの内容を収録し、様々な加筆・修正が施されたPSP移植版『Dies irae ~Amantes amentes~』が発売され、移植版のPC版も同年8月31日に発売された。
なお、2011年9月30日に発売された『神咒神威神楽』は本作のIFを描いたものであるが、実質的な続編とも言える内容となっており、『PARADISE LOST』と合わせて『神座万象シリーズ』を構成している。
メディアミックス
2015年4月24日、light設立15周年記念事業の一環として、アニメ化企画が進行中であることが発表(公式HP)。Dies自体が古い作品となっていたタイミングでのアニメ化だったため、今まで応援してくれたファンの意向を確認し、またアニメそのもののクオリティアップを図るために3,000万円を目標としたクラウドファンディングが実施された。
業界でも珍しかったため注目を集めたこのCFは、2015年5月9日の開始日1日目にして目標の3,000万円の支援を達成し、最終的に5,187人の支援者から9,656万858円の支援金を集め、作品そのものの根強い人気を証明することとなった。この成功を受けて同年12月に正式にアニメ化が発表された。
そして、2017年10月6日より地上波及びネット配信にてTVアニメ『Dies irae』が放送予定である。アニメーション制作はACGT、監督は工藤進が担当。全18話で構成され、地上波で12話を放送したのち、残り6話を配信予定。ニコニコ動画でも配信予定とのこと。
また、アニメとは別にスマホアプリ『Dies irae PANTHEON』が開発中である。こちらはDiesだけでなく神座万象シリーズのソーシャルゲームであり、歴代神座のキャラクターが総登場する言わば「スーパー神座大戦」になるとのこと。
ストーリー
1945年5月1日、ドイツの首都ベルリン。陥落寸前のこの街においてある儀式を行う者たちがいた。 彼ら・・・『聖槍十三騎士団』は、戦争の犠牲となった夥しい数の民衆を儀式の生贄に捧げていたのである。 諏訪原市に暮らすごく普通の学生藤井蓮は親友の遊佐司狼と、殴り合いの喧嘩を起こし、2か月もの入院生活を送ることとなった。 その後退院し、幼馴染の綾瀬香純や先輩の氷室玲愛と共に元との学園生活に戻りつつあった。 そして、12月。 諏訪原市では首が切断されるという連続殺人事件が発生していた。 蓮はその頃から、毎日のように自分が断頭台で首を刎ねられるという夢にうなされるようになった。 しかしそれは、これから起こる狂った日常への序章に過ぎなかったのだ・・・ |
登場人物
以下、原則として完全版の設定を述べることとする。なお、キャストは左がPC版、右が移植版。
- 藤井蓮(CV:先割れスプーン / 鳥海浩輔)
- マリィ(CV:榊原ゆい)
- 綾瀬香純(CV:佐本二厘 / 結下みちる / 福原綾香(アニメ))
- 櫻井螢(CV:かわしまりの / 瑞沢渓)
- 氷室玲愛(CV:雛見風香 / 生天目仁美)
- 遊佐司狼(CV:ルネッサンス山田 / 前田剛)
- 本城恵梨依(CV:皆美伊吹 / 牧野芳奈)
- ラインハルト・トリスタン・オイゲン・ハイドリヒ(CV:トム・クノレーズ / 諏訪部順一)
- ウォルフガング・シュライバー(CV:日椰たぬき / 環有希)
- ゲッツ・フォン・ベルリッヒンゲン(CV:左高蹴 / 安元洋貴)
- エレオノーレ・フォン・ヴィッテンブルグ(CV:谷口ケイ / 矢口アサミ)
- ヴァレリア・トリファ(CV:青島刃 / 成田剣)
- ヴィルヘルム・エーレンブルグ(CV:杉崎和哉 / 谷山紀章)
- ルサルカ・シュヴェーゲリン(CV:木村あやか / いのくちゆか)
- リザ・ブレンナー(CV:彩世ゆう / 羽吹梨里)
- トバルカイン(CV:??? / 安元洋貴)
- ロート・シュピーネ(CV:三川春人 / はらさわ晃綺)
- メルクリウス(CV:先割れスプーン/ 鳥海浩輔)
- ベアトリス・ヴァルトルート・フォン・キルヒアイゼン(CV:かわしまりの / 瑞沢渓)
- 櫻井戒(CV:石川ゆうすけ / 寺島拓篤)
用語
制作スタッフ
主題歌
- Also sprach Zarathustra、die Wiederkunft 主題歌:『Einsatz』 - 歌:榊原ゆい
- Acta est Fabula 主題歌:『Gregorio』 - 歌:榊原ゆい
- 挿入歌:『Shade And Darkness』 - 歌:石橋優子
- ED:『Über den Himmel』- 歌:榊原ゆい
関連動画
関連チャンネル
関連項目
関連サイト
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かつて在籍 | 戦乙女 - 太陽の御子 - 死を喰らう者 | |
その他 | 超越する人の理 - 狼を司る者 |
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