Kerbal Space Program(カーバル・スペース・プログラム)とは、ロケット建造・打ち上げ・宇宙探査を自分の手で行える、宇宙開発シミュレーションゲームである。
動画タグはスペース無しでつなげた「KerbalSpaceProgram」、もしくは略称の「KSP」の方が多い。
概要
ゲーム情報 | |
---|---|
ジャンル | シミュレーション |
機種 | PC (STEAM) |
開発元 | Squad |
販売元 | Squad |
発売日 配信日 |
2015年4月28日 |
価格 | ¥ 3,980 |
その他 | -- |
ゲームソフトテンプレート |
宇宙のどこかにある惑星「Kerbin」を舞台にした宇宙開発シミュレーションゲーム。メキシコに本社のある「Squad」という会社が開発・販売している。
プレイヤーは、惑星Kerbinの知的生命体Kerbals(通称「緑」)の宇宙開発総責任者となり、自分の思い描く宇宙船を設計・建造し、自分の思い描いた計画に基づいて宇宙船や探査機を打ち上げ、運用することができる。
宇宙船といってもロケットだけでなく宇宙ステーションやローバー(探査車)を作ったり、プレイヤーの技量次第で惑星・衛星の資源採掘と燃料精製ができる基地の建造まで行える。
ジェットエンジンや主翼など大気圏内用の各種パーツと滑走路も用意されているため、飛行機やSSTO(宇宙へ行ける飛行機)も建造できる。
ゲームの最大の特徴は、物理演算を利用したリアル&シビアなロケットシミュレーターであり、簡単に失敗することだ。現実のロケットと同じく重すぎれば飛ばないし、エンジンが貧弱だとやっぱり飛ばない。燃料不足で墜落や帰還不能は通過儀礼、発射と同時に強度不足でロケット崩壊爆散など日常茶飯事。
だからこそ、初めて周回軌道に到達できたり、月面着陸に成功した瞬間の喜びは格別なのだ。
そして失敗を繰り返して試行錯誤するうちに、プレイヤーは「推力重量比」「デルタV」「ホーマン遷移軌道」などなど、一般人には馴染みのない概念に精通するようになる、ロケット技術者育成ゲームでもある。
ゲームエンジンにはUnity 3Dが使用されており、MODも公式対応しており、MODから正式に導入されたパーツもある。(FL-T100 Fuel Tankなど)
日本時間2015年4月28日に製品版(Ver.1.0)がリリースされた。
更に2017年5月25日リリースのVer.1.3で日本語に公式対応。
アップデートは実に製品版発表から6年間、21年6月まで行われた。新しい惑星や新しいパーツが追加され、ゲームエンジンが改良され、新しい機能が追加された。NASAやイーロン・マスク(スペースX社のCEO)、ESAもこのゲームに関心を示しており、アップデートによってNASAのAsteroid Redirect Mission(小惑星捕獲ミッション)を基にしたパーツが追加された。
現在、無料のデモ版が公開されており、ゲームはSteamでも購入可能である。
続編の「Kerbal Space Program 2」が2023年2月にsteamのアーリーアクセスでリリースされているが、評判は芳しくない。[1]
動作環境
物理演算を使用したシミュレーターなので、カジュアルな見た目に反してスペックはそれなりに必要。
メモリ推奨4GBとか書いてるけど8GBでも足りない、なんてことが稀によくある。
最低環境 | 推奨環境 | |
---|---|---|
OS | Windows Vista/7 | Windows 8/10 (64bit) |
CPU | Intel Core2 Duo | Intel Core i5 |
メモリ | 3GB RAM | 4GB RAM |
グラフィック | シェーダーモデル3.0 VRAM 512MB |
シェーダーモデル4.0 VRAM 1GB |
HDD | 空き容量 4GB | 空き容量 6GB |
ゲームモード
サンドボックスモード
パーツが最初からすべて使用可能で、制約なく自由に機体を組み上げられる代わりに、目的や目標がなくゲーム的な要素は少ない。実験的な飛行機やSSTOはこのモードで試作・試験飛行してみるとよいだろう。
また全パーツが最初から開放されているため、初心者にはどのパーツを選べばいいのかさっぱりわからない。各パーツの性能や用途を理解した中~上級者向けのモードである。
サイエンスモード
KSPのメインモード、初心者向け。
最初は基本的なごく一部のパーツだけしか使えないが、宇宙探査で「サイエンスポイント」を稼ぎ、それを消費して「開発」を行うことで、より複雑で高度なパーツが使用できるようになるモード。
宇宙開発の基礎から徐々にステップアップし、また各パーツが少しずつ使えるようになっていくため性能や用途を学びやすい。初心者ならこのモードで始めよう。
サイエンスポイントは観測機器(気圧計や温度計など)での観測結果や乗組員のクルーレポート、地表サンプルを採取することなどで得ることができる。もちろん観測・採取しただけではダメで、データやサンプルを保持したまま無事に帰還する必要がある。データを持ち帰るまでが宇宙探査です。
そうして獲得したサイエンスポイントを、研究開発センターで消費することで研究が進み、より高度で強力なパーツが使用できるようになる。
キャリアモード
キャリアモードは上記サイエンスモードの発展版。サイエンスモードの要素に加えて、任務とコスト、搭乗員のレベルアップや施設のアップグレードの概念が追加される上級者向けのモードである。
ミッションコントロールセンターで様々な契約機関から依頼される任務をこなして黒字にしながら、かつサイエンスポイントも収集する必要があり、さらに契約の成否によっては評価も変動する。
ロケットの各パーツもコストが設定され、大掛かりなロケットや計画には巨額の予算が必要になる。
施設やカーバルたちも最初からすべての機能や能力は使用できず、資金や経験値をためてレベルアップし、各種機能・能力を獲得していくことになる。
企業から依頼されるミッションは「宇宙空間に到達する」から始まり、「観光客を乗せて指定の軌道や天体に訪れ、帰還する」「指定パーツを組み込んだ宇宙ステーションの建設」「置き去りになってしまったカーバルの救出」などなど、非常に多彩でフレーバーテキストも楽しい。
「性能の良いロケット」だけではなく「効率の良いロケット建造と打ち上げ・任務運用計画」まで考える必要がある、歯ごたえのあるモードになっている。
サイエンスモードで全パーツ解放してしまった人のほか、KSPの世界観を楽しみたい人向け。
緑
Kerbol系第三惑星Kerbinの住民「Kerbal」。緑色の肌を持つ2等身の生物であり、プレイヤーは彼らの宇宙開発総責任者となる。
ニコニコ動画や2ch、KSPwikiなど日本のKSPコミュニティではKerbalたちは「緑」「緑くん」と呼ばれている。由来はまんま見た目から。名前も個々に自動生成されるが、姓は全員共通で「カーマン」。
アップデートで女性も追加された(違いは外見だけだが)。
皆一様に宇宙に憧れており、どれだけ打ち上げに失敗しようが、どんなに危なっかしい計画であろうが、彼らは喜んでロケットに搭乗する。
緑は生存に水も食料も酸素も不要で、10年単位の惑星探査ミッションでも平気だったり、コクピットだけで宇宙を年単位漂っている緑の救出ミッションがあったり、4000m上空から海に単身ダイブ(パラシュートなし)しても生き残ったりと異常に頑丈にできている。
しかし、ゲーム内ではそれ以上にムチャなプレイヤーの実験機で、数多くの緑が爆散していくハメになる。
またゲーム内でいくらでも補充が利くため、命の軽さに定評がある。
そもそもプローブコア(無人操縦装置)が開発できるのが中盤以降であり、ゲームに慣れていない序盤に有人ポッドしか使えないのも大きな原因だが…
ただし、キャリアモードでは緑は高コストであり、よくニコニコ動画に上げられているKSP動画みたいにホイホイ使い捨てられない。
緑を大切に。緑命軽視、ダメ。ゼッタイ。
職業
緑たちには3+1種類の職業のどれかに設定されている。キャリアモードにのみ経験値とレベルがあり、周回軌道に乗る・他天体に着陸する等の飛行経験によって経験値が入ってレベルアップする。サンドボックス・サイエンスモードではレベルは最初から最大値。
パイロット
コマンドポッドやコックピットに乗り込んで、機体を操縦することができる。プローブコアが開発できるまでは、パイロットが乗り込んだコックピットかコマンドポッドが、機体に1つ以上必要になる。
パイロットは機体の姿勢制御に重要なSAS(姿勢安定装置)を使用でき、レベルが上がると機体方向を順行・逆行、ターゲット方向などに自動で合わせてくれるようになる。ランデブーやドッキングには是非欲しい能力である。
遠隔誘導ユニットが開発できれば殆どの機能を代行できるようになるのは内緒
エンジニア
搭乗していると、資源採掘や鉱石の変換時の効率が上がる。レベルが上がると変換効率のボーナスが強化される他、展開済みのパラシュートを詰め直したり、破損した着陸脚やホイールを修理できるようになる。
科学者
使用済みの科学観測装置(「goo格納ユニット」、「サイエンスJr.」)にEVA(船外活動)で近づいて操作することで再使用が可能になる。一回のフライトでサイエンスポイントが大量に稼げるため、新たな衛星・惑星探査の際には是非連れていきたい。
また、探査で得た科学データを科学者が搭乗した「移動研究室」で徹底的に分析することで、得られるサイエンスポイントを数倍に増やすことができる。レベルが上がると、移動研究室でのデータ解析速度にボーナスが付く。
旅行客
キャリアモードにのみ登場。宇宙旅行のミッションを受けると、搭乗させる緑のリストに旅行客が追加される。もちろん特別な能力は何もない。このミッションでは彼らを指定された星や軌道につれていき、無事生還させることになる。快適な宇宙旅行を楽しんでもらおう。
上記三種の職業と同様に経験値が入りレベルアップもするが、レベルが上がっても何かできるようになるわけではない。
旅行客は宇宙船の外に出られないのでEVA(船外活動)は通常できないが、拷問椅子コマンドシートに乗せて…つまり最初から船外に出した状態で打ち上げれば可能。たぶん快適ではない。
その他にも、緑たちには3種類の能力が設定されている。Courage(勇気)、Stupidity(バカっぽさ)、Badass(強気)である。現在のバージョンではこれらはフレーバーに過ぎないが、飛行中の表情などに影響する。
KSPでは緑の名前や能力がランダム生成されるが、最初から生成される4人だけは名前と能力が固定で宇宙服もオレンジ色になっている。
Jebediah Kerman(ジェバダイア・カーマン)
オレンジ服のうちの一人で略称はジェブ(Jeb)。Badass属性を持っており爆発でも起こらない限り笑顔である。四人のうちパイロットはJebとValentinaだけなため、初期設定で始めると、ロケットにはたいてい彼が乗っている。(割り当てなおすことも可能)
実家はロケット部品も製造している模様。
Bill Kerman(ビル・カーマン)
オレンジ服のうちの一人で略称はビル(Bill)。4人のうち唯一のエンジニアであり、車輪やパラシュートを直すことができる。スチームトレカには「何かがおかしいっていつも思っている」というセリフが書かれている。
Bob Kerman(ボブ・カーマン)
オレンジ服のうちの一人で略称はボブ(Bob)。4人のうち唯一の科学者であり、船外活動(EVA)で実験装置を初期化させることができる。スチームトレカには「彼が帰っていないことに今気づいた」と書かれており、Duna軌道上に漂っている様子を見ることができる。
Valentina Kerman(バレンティナ・カーマン)
オレンジ服のうちの一人で略称はバレンティナ(Valentina)。女性パイロットであるがこちらもBadass属性を持っている。元ネタはおそらくワレンチナ・テレシコワ、世界初の女性宇宙飛行士であり、「私はカモメ」で有名である(実際のところ「カモメ」はただのコールサインであり、単に通信で「こちらカモメ」と応答しただけのセリフだったりする)。80歳近いが火星片道旅行へ参加しようとしているらしい。
Wernher von Kerman(ヴェルナー・フォン・カーマン)
メガネとヒゲ、白衣を着たチュートリアルの先生役。研究開発施設の"Science Archives"画面でも出会うことができる。
元ネタはおそらくヴェルナー・フォン・ブラウン。V2ロケットを設計した他、初期のNASAを牽引した人物として有名である。
関連動画
続編制作決定!
関連項目 |
関連リンク |
脚注
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- アンチャーテッド
- トリオ・ザ・パンチ
- クーロンズ・ゲート
- 神宮寺三郎
- ウルフファング
- Tennis for Two
- DEATH STRANDING
- VA-11 Hall-A
- ゲバラ(SNK)
- Stray
- アトミックハート
- メグとばけもの
- 野狗子: Slitterhead
▶もっと見る
- 18
- 0pt