ハクサンアマゾネス(Hakusan Amazones)とは金沢競馬場所属の現役競走馬である。
中日杯は20年と21年の二連覇と23年の勝利で3勝 百万石賞は21年〜24 年の四連覇 利家盃は21年〜24年の四連覇
父シルポート、母オークヒルズ、母父ブライアンズタイムという血統。
父シルポートは欧州の名馬ダンシングブレーヴの直孫で現役時代はマイラーズカップ連覇含めて中央重賞を3勝している。種牡馬としてはアマゾネス以外には金沢プリンセスカップを勝ったハクサンフラワーがいる。
母オークヒルズは計27戦中、中央で3勝、川崎で1勝をあげており、母としてはアマゾネスを除いた兄弟姉妹8頭が合計して中央で4勝、地方で19勝をあげている。
母父ブライアンズタイムは父としても母父としても芝ダート問わず名馬を輩出してきた大種牡馬である。
競走馬の特徴としては休み明けは走りにくく精神的に脆いという点があり、2ヶ月近く間隔を開けて出走したレースは6つあり、レースの格や相手問わず全て敗北していた。(2024年4月9日のA1で圧勝した。)
また、競走成績は基本的に安定しており、金沢競馬が大半とはいえ現在41戦中29勝(29-5-3-4)という安定感を持ち、馬券外となったレースは下記の秋桜賞という地方重賞以外は全て強い中央馬や地方の精鋭が出走してくるダートグレード競走。それ以外は上記の休み明けで負けたレース含めても2着か3着には残っている。金沢競馬(ダートグレード以外は)で彼女が馬券外に吹っ飛んだらそれは事故だと思っていいだろう。
2017年の3月6日に新ひだか町の三木田牧場で母の6番仔に生まれ、兄弟達と同じオーナーの所有となると金沢競馬の加藤和義厩舎に入厩する。
主戦騎手は金沢だけでなく地方全国で活躍し、後にミューチャリーでJBCクラシックを勝利する吉原寛人騎手となった。
能力試験に合格すると3歳のB4戦でデビュー戦(この時期に3歳新馬、未勝利戦が無かった)を迎える。初出走でありながら元中央の未勝利馬らを相手に一番人気におされると、2着に6馬身差をつけて圧勝した。この時、同日同条件で行われた3歳戦よりも早いタイムを叩き出していた。続けて3歳A5戦に出走すると2歳重賞3着馬などもいたが後方から捲り上げて2 1/2馬身つけて圧勝した。
そのまま地元生え抜き馬限定の3歳牝馬重賞であるノトキリシマ賞に出走。金沢プリンセスカップ2着馬らを相手に先行策から上がり最速の末脚を叩き出して2着に8馬身差をつけて圧勝。重賞初制覇となった。
そしてハクサンアマゾネスは金沢所属3歳馬の頂点に立つ為に3戦3勝という実績を引っ提げて石川ダービーに出走する。出走メンバーはやはりダービーというべきか、これまでの条件戦で勝ち負けしてたような馬とは違い牡牝問わず有力馬が集まっていた。
まず金沢四冠(従来の三冠に石川ダービーが加わってできた)の一冠目北日本新聞杯から勝ち馬フジヤマブシら上位5頭と元中央1勝馬で転入初戦の3歳A1で後述のハイタッチガールに勝利したコードジェニックが、そして牝馬路線から金沢プリンセスカップと兼六國ジュニアカップ(フジヤマブシも出走し2着だった)を勝っているハイタッチガール、3歳A1でフジヤマブシに勝利しノトキリシマ賞2着だったドンナフォルテらが出走していた。
急激な相手関係の変化や距離延長が他馬よりも長いにもかかわらず、ファンはアマゾネスを1番人気に支持しており、ハクサンアマゾネスはそれに応えるかのように終始大外を回りながら豪快な捲りを繰り出して粘るカガノホマレと追い込んでくるフジヤマブシを振り払ってクビ差で勝利。
石川ダービーが創設されて初の無敗石川ダービー馬となった。
ダービー後、陣営は古馬との戦いを視野に入れたのか牝馬限定のB1に出走するがレベルが違い過ぎたか逃げを打って上がり最速の末脚(上がり2位とは1秒差もつけている)を繰り出し9馬身差圧勝。そして他地区の馬と戦うために東海、近畿地区との交流3歳重賞であり、四冠路線の三冠目であるMRO金賞に出走する。
他地区からの参戦馬は東海二冠含めて重賞を5勝している笠松の女傑ニュータウンガール、ぎふ清流カップ勝ち馬の兵庫のコスモピオニール、同じく兵庫馬で兵庫チャンピオンシップ、兵庫ダービー5着のガミラスジャクソンなどが出走。地元からはアマゾネス以外にフジヤマブシにダービー後JRA交流戦を勝ったカガノホマレ、3歳A級戦を2連勝したブルベアカイリなどが迎撃に向かった。
しかしダービーのリベンジに燃えたのか、フジヤマブシが最後方から見事な直線一気の末脚を繰り出して先行策から直線2頭の叩き合いに持ち込んだアマゾネスとニュータウンガールを差し切り勝利。アマゾネスはニュータウンガールにも粘り切られて3着と初の敗戦となってしまった。
レースを見てみれば分かるがハクサンアマゾネスとニュータウンガールが他馬を振り切り女ダービー馬同士の死闘を繰り広げている中で、大外から豪快に突っ込んでいる。金沢競馬場は直線が短いこともあって逃げ先行が有利な事も考えると物凄いことを彼は成し遂げたと言える。
思わぬ敗戦を喫してしまったがアマゾネスは悪い競馬をしていた訳でも無いし立て直せばすぐ勝てるようになる。という訳で3歳牝馬限定の加賀友禅賞に出走。2番手から早めに仕掛けてそのまま逃げ切り楽勝。古馬混合のA1こそ3着に敗れたが先着された2頭は元々古馬重賞で好走していたので恥ずかしい敗戦とは言えないだろう。
再び他地区の馬及び古馬に挑む為今年新設された東海地区との交流戦、古馬混合牝馬重賞お松の方賞に出走する。ここには前年の石川ダービー馬ロンギングルックや昨年の兵庫クイーンカップ2着のスターリングブルス、今年の東海クイーンカップ勝ち馬のビッグバレリーナ等がいたが2着に2 1/2馬身差つけて逃げ切り勝利。牝馬限定とはいえ東海地区と古馬の壁を一つ越えたと言っていいだろう。
他地区の古馬牝馬の壁を越えたアマゾネスは牡馬の壁を超える為に金沢競馬中距離路線の再決算である中日杯に出走する。古馬からは元中央OP馬で利家盃勝ち馬のサノサマー、かつては南関重賞で好走していた金沢スプリントカップ2着馬のジャーニーマン、今年の利家盃3着、百万石賞2着のトウショウデュエル、昨年覇者のティモシーブルー、A級3連勝中のファストフラッシュなどが、3歳馬はMRO金賞後西日本ダービー3着に入ったフジヤマブシが参戦した。
レースは単騎逃げに持ち込むと後続の追撃を一切許さず突き放していき4馬身差つけて圧勝。名実ともに金沢競馬現役最強馬となった。
その後ハクサンアマゾネスはこの年3歳最大レースの石川ダービー、四大重賞の内の一つである中日杯、[2]他地区交流のお松の方賞など重賞5勝、複勝率100%、収得賞金2350万8000円と第1位であった事から2020年金沢競馬年度代表馬となった。
4歳になったハクサンアマゾネスだがここで船橋競馬場の矢野義幸厩舎に移籍する。[3]
吉原寛人騎手も川崎競馬に一時的に移っての移籍初戦は浦和競馬のA2下の2000m戦。金沢での実績を評価されて1番人気だったが同じ移籍組で元中央3勝馬のスターライトブルーの2着に敗れる。陣営はここを一叩きとして次走をエンプレス杯(JpnⅡ)に定める。…のだがなんとここで鞍上が船橋競馬場所属の小杉亮騎手乗り替わりとなる。(理由知ってる方いたら記載お願いします)
しかもこの時のメンバーは中央は前年のJBCレディスプレリュード(JpnⅡ)勝ちやJBCレディスクラシック(JpnⅠ)3着、本年のTCK女王盃(JpnⅢ)を勝ち、後に今年のアメリカのブリーダーズカップディスタフ(G1)を勝つ名牝マルシュロレーヌ、2年前の覇者で牝馬ダートグレード競走4勝しているプリンシアコメータ、前年のレディスプレリュードとJBCレディスクラシックで2着に入った昨年のTCK女王盃覇者マドラスチックが、南関からは昨年から大井に移籍しそこでダートグレード重賞含めて3勝した女傑サルサディオーネ、前年のJBCレディスクラシック4着馬でそこから東京シンデレラマイルを勝利したダノンレジーナ、サルビアカップ勝ち馬のヒキュウと精鋭揃い。流石に相手が悪すぎたか、後方から捲り上げて先行勢を交わそうとするが直線で末脚が伸びず7着に昇るのがやっとだった…それでもプリンシアコメータら中央馬2頭に先着したのは金沢競馬の意地だろうか。
春になって金沢競馬の開催が始まったのでアマゾネスは加藤和義厩舎に再移籍。
今年は2013年から8年ぶりにJBCが開催される事を祝い、JBCイヤー記念というこの年限りの重賞が施行される事になったいたのでアマゾネスの新年初の金沢競馬をそこに選んだ。
…え?重ねて行う賞だから重賞だろって?地方競馬公式は各競馬場において重要な位置付けとされるレースって言ってる
から重要なレースなら重賞なんだよ!JRAも特別競走の中で重要な意義を持ったレースって言ってるし!
話を戻すとアマゾネスは初の古馬短距離重賞で相手も中日杯2着のトウショウデュエルや白銀争覇2着のファストフラッシュなどがいたが逃げて4馬身差圧勝。次走の徽軫賞(ことじしょうと読む。牝馬限定戦)[4]は先行差し切りを図るも高知、金沢で4連勝中の上がり馬ネオアマゾネスに逃げ切られて2着に敗れる。(ちなみにネオアマゾネスはこの来年もこのレースを勝利する。)
しかしここでスランプに陥らずに立て直すが女傑の強さ、牡馬混合重賞の利家盃→百万石賞→北國王冠と王道の先行策で3連勝。ファストフラッシュら金沢の重賞級やA級馬らを楽々と倒して見せた。
こうして牡馬相手に重賞三連勝を決めて立て直しに成功したアマゾネスは中央にリベンジする為、上記のある通り今年は地元の金沢競馬場で開催されるJBCシリーズ、その中のJBCレディスクラシックに出走を決める。
中央馬はレディスプレリュード組は勝ち馬のレーヌブランシュ、2着馬テオレーマが、ブリーダーズゴールドカップでマルシュロレーヌと接戦を繰り広げたリネンファッションなどが、地方からはスパーキングレディーカップ(JpnⅢ)→スパーキングサマーカップ→日本テレビ盃(JpnⅡ)とダートグレード含めて重賞3連勝してきた女傑サルサディオーネ、名古屋の秋桜賞を圧勝しレディスプレリュードでも5着に入ったクランデストラーダ、エンプレス杯4着のダノンレジーナなどが迎撃に向かった。今回は地元の総大将として相棒吉原寛人騎手と共に戦う事になったが…
レースはゲートこそしっかり出たが両隣の馬に前を塞がれて後方3番手に置かれる。そこからなんとか先行馬達を交わそうと2コーナーから位置取りを上げていき捲ろうとするが…届かない。大外を回されてロスした不利もあるのだろうが、それでも前の馬達はアマゾネスより遥かに速い上がり3Fでゴール板に突っ込んでいく。結果はテオレーマが金沢1500mのコースレコードを叩き出して初のG1級レース勝利を飾る中で12頭中の11着と惨敗に終わってしまった。
筆者個人の感想だがこの敗戦に関してはアマゾネスや吉原寛人騎手に非は無いと思う。まず序盤は前を塞がれてしまって逃げや先行、中団待機を取ることができなくなっていたし大外を回って早めに捲りを入れようとしたのは施行距離も直線距離も短いので、成果を出すなら後方待機を続けて直線勝負に賭ける事は出来ないからだろう。現に馬券内の馬達は先行策か中団後方からの捲りでレースをしている。
アマゾネス自身もそんな苦しい状態から金沢1500mの上がり3Fの最速タイムを更新しており、敗因があるとしたら『ホームの上でも勝てないほど相手が強かった』だと思う。
エンプレス杯に続けて悔しい敗戦となってしまったがまだ今年の金沢競馬は終わってはいない。
陣営は12日後の読売レディス杯に出走する。[5]
メンバーはリベンジ相手ネオアマゾネスにお松の方賞3着のデビルスダンサー、金沢移籍前は大井所属で昨年のクイーン賞で4着に入った事があるマルカンセンサーなどがいたが2番手追走から直線で1 1/2馬身差付け、1500mでのレースレコードで快勝。重賞10勝目を飾ると同時に女傑健在であると示した。
そして連覇を狙い、年末の中日杯に出走。メンバーはリベンジを狙う2年前の覇者ティモシーブルー、重賞未勝利ながら今年の金沢四冠レースをそれぞれ2着→3着→5着→2着と掲示板を外さず、近走のA級戦を3戦連続連対してきたフューリアス、昨年の中日杯以後スランプに陥っていたが近走のA級戦を連続2着してきたフジヤマブシなどが出走してきた。
レースは大外枠から出遅れるという幸先悪いスタートを切ったが直ぐに先方3番手に付ける。3コーナーで逃げ馬を交わすとリードを広げて逃げ切りにかかる。トップロイヤルが追撃にかかるが上がり3F最速の脚で1 1/2馬身差つけて勝利。金沢競馬史上5頭目の、牝馬としては初の中日杯連覇を成し遂げた。[6]
ダートグレード競走を除いて金沢競馬では、7戦6勝、完全連対を成し遂げ四大重賞の打ち合わせダートグレード競走の白山大賞典(JpnⅢ)除く全てに勝利した事、収得賞金が3020万円と第1位であった事から昨年に続いて2021年金沢競馬年度代表馬に選出された。[7]
5歳になったアマゾネスは前年の様な他地区への短期移籍や遠征はせずに春からの開催を待ち、4月の金沢スプリングカップに出走。ネオアマゾネスやファストフラッシュに加えて準重賞を勝ってきたスキルショットに前年のサラブレッド大賞典及び加賀友禅賞勝ち馬で笠松の重賞を3戦し2着2回、5着1回と実績を積んできたベニスピーチなどが出走してきた。
レースはアマゾネスはゲートを出遅れてしまうが直ぐに立て直して逃げ馬を行かせた3番手に付け、3コーナーでジェネラルエリアを交わして逃げるファストフラッシュに迫る。しかし、ファストフラッシュが直線半ばで再加速を始めてアマゾネスを突き放し、そのままゴールイン。アマゾネスは4馬身差も離された2着に敗れてしまった。
幸先の悪い出発(それでも連対はしているのだが)になってしまったが次走の利家盃では強気に逃げの手を打ち追いかけ続けるファストフラッシュの追撃を許さず沈め、追い込んできた2着馬に2 1/2馬身差を付け、レースレコードで完勝。スプリングカップのリベンジを果たした。
続く百万石賞もここには利家盃上位3頭にトウショウデュエルにスキルショットなども出走していたが、好スタートを切ってハナをぶん取り、そのまま並びかける事を一切許さず、3コーナーから一気に加速し終始アマゾネスのマークに徹し必死に追いかけるファストフラッシュを嘲笑う様に上がり最速の末脚で7馬身差付けてぶっちぎり、2100mでのレースレコードを叩き出して勝利した。
完全にスプリングカップの憂さ晴らしです本当にありがとうございました。
こうして前半の金沢四大重賞を制覇したアマゾネスは地元金沢の最大のレースにして、唯一勝利していない金沢競馬四大重賞である白山大賞典(JpnⅢ)に出走する。
中央からはレパードS(G3)勝ち馬カフジオクタゴン、前年覇者のメイショウカズサ、今年の兵庫チャンピオンシップ(Jpn Ⅱ)勝ち馬でジャパンダートダービー(JpnⅠ)3着のブリッツファング、佐賀記念(JpnⅢ)を連覇してきたケイアイパープルなどが参戦。地方勢は昨年の戸塚記念覇者で今年のダイオライト記念(JpnⅡ)でミューチャリーやダノンファラオらG1馬に続く5着に入ったセイカメテオポリスにトウショウデュエル、徽軫賞を連覇してきたネオアマゾネスなどが迎撃に向かった。
レースではアマゾネスが好スタートからハナを切るが、メイショウカズサにピタリと後方につけてマークされ中央勢が仕掛けてペースが上がるとスタミナが切れたのか3コーナーからズルズルと下がって行ってしまい12頭中の11着に惨敗してしまった。
昨年のエンプレス杯、JBCレディスクラシックに続く悔しい敗戦となってしまったが陣営は続けてアマゾネスをお松の方賞に出走させる。ここには今年の石川ダービーを始め重賞を5連勝した女傑スーパーバンタムやサラブレッド大賞典2着馬マーミンラブなどがいたが後方三番手からの捲って勝利。また、タイムは昨年不在だった時に勝利したハイタッチガールが出したタイムと全く同じだった。
そして金沢競馬史上初の三連覇がかかった中日杯。笠松サマーカップと金沢A1を連勝したファストフラッシュや北國王冠5着馬ブレイブユニコーンなどがいたが堂々1番人気に支持されていた。
レースも好位先行策から3コーナーで逃げ馬を交わし、そのまま逃げ切る勝ちパターン。しかし、中央からの転入組であるヴェノムがじわじわと迫ってアマゾネスに並びかけてくる。一度はアマゾネスが制して前に出るがヴェノムがそこから負けじと差し返し、そのままゴールイン。結果はクビ差で敗れて2着。三連覇の夢は途絶えた。[8]
今年は6戦3勝(四大重賞を2つ含めた重賞3勝)、2着2回と優秀な成績を残していたが、今年の3歳馬で石川ダービー馬のスーパーバンタムに賞金や重賞勝ち数で負けていた事から3年連続金沢競馬年度代表馬に選出される事は叶わなかった。
6歳になってもアマゾネスは現役を続行。開催明けのA1 1400m戦から始動を始めた。しかし、ここで元中央OP馬の珍名馬オヌシナニモノの2着に敗北してしまう。中央での実績馬相手でかつ距離適性的には彼のが有利だったとはいえ、またスタートから躓いてしまう結果となった。
そして一叩きした次のレースに金沢競馬移転50周年記念という重賞に出走する。[9]ここには準重賞を8馬身差圧勝したソーラーフレアや昨年のサラブレッド大賞典勝ち馬のスターフジサンなどがいたが、逃げてから上がり最速の末脚を叩き出して5馬身差圧勝。
そして三連覇がかかる利家盃と百万石賞。まず利家盃は元中央OP馬のトランスナショナルや50周年記念2着馬エムティアンジェ、スターフジサン、条件戦三連勝中のベルクハイムなどがいたが、逃げを打つとマークしてくるエムティアンジェを3コーナーで振り落としそのままグングンと突き放していって7馬身差圧勝。
百万石賞も元中央馬で金沢スプリングカップ3着のガムラン、50周年記念2、3着のトランスナショナルとソーラーフレア、B1を連勝した10歳馬スギノグローアップなどがいたが再び逃げてから3コーナーで他馬を千切り捨てて2着につけた差は2.9秒差。要は大差勝ちであり、この勝利によってアマゾネスは同一重賞三連覇を二つの重賞で果たした。[10]
その後陣営は再び他地区の強豪とぶつかる為に園田競馬場に遠征し、アマゾネスをグランダムジャパン古馬シーズン競走の一つである兵庫サマークイーン賞に出走する。
地元兵庫からは新春賞の1、3着馬のアキュートガールとクリノメガミエース(後にジャパンカップにも出走する)に関東オークス(JpnⅡ)5着のマルグリッド、重賞2勝のニネンビーグミなどが、南関からは昨年のロジータ記念2着のティーズハクアや佐賀ヴィーナスカップを勝ったジュランビルが参戦していた。
初の園田遠征であることや相手関係の強化があったが、金沢だけとはいえ重賞17勝という実績が評価され単勝1.5倍の圧倒的支持を得る。レースではアマゾネスは先行策を取り、道中向こう正面で後続が捲りを始めた事もあってペースが上がったが持ったままで問題無く付いていき、4コーナーになってからようやく追われるとグングンと突き放し、クリノメガミエースの追込もジュランビルの追撃も振り切り3馬身差付けて圧勝。6歳にして始めて他地区の重賞を勝利することが出来た。
兵庫サマークイーン賞後、少しの休養を経て陣営はアマゾネスを名古屋競馬場で行われる同シリーズ重賞の秋桜賞に出走させる。ここにはサマークイーン賞組の他に地元重賞のトリトン争覇をコースレコードで勝利したブリーザフレスカやアマゾネス不在の読売レディス杯で2着に入った高知のアンティキティラ、読売レディス杯昨年勝ち馬で今年は3着だった大井のグランパラディーゾが参戦していた。
そんなメンバー相手でもアマゾネスは圧倒的1番人気に支持されていたが地元のブリーザフレスカが2.1秒差の大差圧勝を飾る中で先行策から3コーナー辺りでズルズルと下がっていき、殿負けという大惨敗を喫してしまう。
加藤和義調教師は「休み明けはいまひとつ。精神的にもろいところがある心配点が出た感じですね」と語っている。またレースを見てみるとコーナーを曲がる際に大きく外に振られているので、もしかしたら弥富のコーナーが苦手なのかもしれない。
それでも陣営はめげずに他地区遠征を続けることにし、一度地元のA1を9馬身差圧勝で叩きとするともう一度アマゾネスを園田競馬に送り込み、兵庫クイーンカップに出走させる。ここにはアンティキティラやクリノメガミエースの他に今年の兵庫ダービー馬で重賞3戦含めて4連勝中のスマイルミーシャが迎撃に現れた。秋桜賞の大惨敗もあってスマイルミーシャに一番人気を譲ったが。レースでは逃げ馬を行かせた2番手に付け、アンティキティラとスマイルミーシャに左右後方からの厳しいマークを受けた上でも楽々と突き放し、3馬身差を付けて圧勝した。
復活勝利で遠征を成功させたアマゾネスは年末の中日杯に凱旋する。今年のメンバーは古馬はB1を2連勝した12歳馬サクラルコール、A級戦を3連勝し前走は8馬身差で圧勝したテトラルキア、同じようにA級レースを2連勝(それも圧勝)して来たセブンダートオー、笠松のオータムカップとA1を連勝してきたトランスナショナル、百万石賞3着のサンレイファイトなど。3歳馬からは今年のサラブレッド大賞典を勝ったダイヤモンドラインと10戦10勝無敗で石川ダービーを制し、黒潮盃6着、西日本ダービー1着、ロジータ記念5着と南関東をはじめとした他地区の強豪相手に好走したショウガタップリがアマゾネスを討とうと参戦してきた。
主戦騎手の吉原騎手は11月に門別競馬場で行われた道営記念の落馬事故によって負傷したので、鞍上は代理として堀場裕充騎手が起用された。
レースは逃げ馬を行かせた2番手追走から早めに仕掛けて並ぶ間も無く抜き去ると、そのまま後続を完全に振り切り、同じ上がり3Fの脚で捲って来たテトラルキアに3馬身差圧勝。勝ちタイムは2、3年前に自分が出したタイムより1秒近く速い2.07.4であった。またこの勝利によって、アマゾネスは名古屋競馬のカツゲキキトキトが樹立した日本平地重賞最多勝記録に並ぶことになった。
さて今年はA級平場負けや秋桜賞惨敗があるとはいえ、他地区の重賞や三連覇達成の偉業を含めて重賞6勝してるし年度代表馬待った無し…では無くまだ今年のアマゾネスはレースを続行する。
中日杯勝ったしもう今年の重賞金沢には無いだろう?とお思いかもしれないが、今年は金沢競馬移転50周年。なんと2つ目の新設重賞としてファン投票と記者推薦によって選抜された馬達が走る、グランプリレース『移転50周年記念金沢ファンセレクトカップ』が開催される事になっており、アマゾネスは最後にこのレースに出走して2023年を飾る事にした。[11]
他の出走馬は春のA級戦後金沢スプリングカップと日本海スプリントという重賞2勝含めて5連勝を飾っていたオヌシナニモノや中日杯4着のダイヤモンドライン、中央からの移籍馬で移籍後2着1回と5連勝(C級とB級)してきた記者推薦馬ジェネロジテ、ファン投票1位のヤイバなどが集まっていた。
レースはアマゾネスがマークしてくるオヌシナニモノを引き連れた逃げを打ち、3コーナーで後続を突き放し、直線でオヌシナニモノとのリードを広げて4馬身差圧勝。ちなみにオヌシナニモノも3着ダイヤモンドラインに6馬身突き放していた。
また、この勝利によってカツゲキキトキトが達成した日本平地重賞20勝の記録を越え、日本平地重賞最多勝記録を更新した。
今年の10戦8勝2着1回(内重賞7勝)、収得賞金1位が評価されて2023年金沢競馬年度代表馬に選出され、名実ともに金沢競馬現役最強馬へ返り咲いた。
また、アマゾネスのこの偉業は全国区でも評価されており、選出こそされなかったもののNARグランプリの4歳以上最優秀牝馬の候補としてあげられ、投票において2票得票していた。
7歳になったハクサンアマゾネスの初戦は1700mのA1特別戦。ここには百万石賞2着のガムランや元南関馬で前走A1 2着のエムティアンジェがいたが楽々と逃げて2着ガムランに7馬身差圧勝。
ガムランもこのクラスでなら普通に勝ち負けできるタイムなのにカワイソス
7歳初戦を楽勝したアマゾネスは次に利家盃に出走する。ここにはガムランに加えてダイヤモンドライン、元中央3勝馬サジェス、金沢スプリングカップ3着のエイシンアンヴァルがいた。
レースはしっかりマークをしてくるガムランを尻目に逃げ、3コーナー前でガムランを振り切りそのままリードを楽々と広げていく。そしてそのままほとんど追われないまま2着に8馬身差を付けて楽勝。利家盃四連覇を達成した。(日本平地重賞最多賞記録も更新し、5年連続重賞勝利記録を作った。)
その次は利家盃同様四連覇がかかる百万石賞に出走。ここにはダイヤモンドラインやエイシンアンヴァルが出走していた。レースでは絶好のスタートを切って外枠の不利を打ち消しハナに立つと向こう正面から後続にリードを広げていき、そのままノーステッキ、馬なりのままダイヤモンドラインに7馬身差を付けて圧勝、これでジャングルスマイルを越える百万石賞四連覇と二つ目の同一重賞四連覇を達成し、日本平地重賞最多勝記録も更新した。[12]
(タイムも一昨年より0.2秒しか差がない2100m施行の中では歴代2位だった。)
こうして新たな偉業を達成したアマゾネスは兵庫サマークイーン賞連覇を目指して再び園田競馬場に遠征する。ここには昨年も出ていたクリノメガミエースやアンティキティラ、東海の牝馬重賞を2勝しているグレースルビーなどがいた。レースはアンティキティラが強気に飛ばしていく中を3番手で追走し、直線に入ってもアンティキティラの脚色が衰えない中を何とか上がり最速で差し切り勝利。兵庫サマークイーン賞連覇を達成。タイムは昨年と比べて1.8秒も速い物だった。
こうして他地区馬を再び撃破したアマゾネスは金沢凱旋として全国交流の牝馬重賞読売レディス杯に出走する。ここには園田で撃破したアンティキティラやサーフズアップ、アキュートガールらと有力馬は兵庫サマークイーン賞とあまり変わらなかった。しかし、アンティキティラとボヌールバローズが強気に逃げるとアマゾネスはそれに先行するというより引っ張られる形になってしまい、吉原騎手も必死に追うが垂れたボヌールバローズを交わすのがやっとでサーフズアップにも差される3着に敗れてしまった。
次戦は秋桜賞(全国地方交流名古屋SPI)。キャリックアリード(大井、エンプレス杯(JpnII)3着、スパーキングレディーカップ(JpnIII)2着)に4番手から上がり最速の37.1秒を出されて1分46秒3のレコードを出されてしまっては、9番手から上がり2位の38.1秒を出しても届くわけもなく7馬身離され、3着のグレースルビー(大井)に1馬身差つける2着に入るのがやっとであった。
その後、園田の兵庫クイーンカップに遠征すると、出遅れもなんのその、終わってみればスマイルミーシャに2馬身半差をつけて勝利し、重賞勝利数を25に上積みした。これはばんえい競馬のオレノココロに並ぶ日本一である。今のところは年内で引退し繁殖入りを予定しているとのことで、12月の中日杯(金沢)へ向かい、それをラストランにするとのことである。ここを勝って単独日本一になれるか。
こうして迎えたラストランの中日杯。ここには中央からの転入後無敗で金沢二冠を達成したナミダノキスや昨年2着のテトラルキアを抑えて圧倒的な1番人気に支持される。
スタートはあまり上手く出なかったものの2番手を確保し、逃げ馬を見ながらの競馬に徹し3コーナーの手前から捕まえに行く。これはアマゾネスの勝ちパターン、後は並びかけて差し切るだけ…と思いきや逃げ馬のマリンデュンデュンが止まらない。それどころか吉原騎手が必死に追う中更に脚を伸ばしてリードを広げていき、最終的にアマゾネスに2馬身差を付けて大金星を挙げた。[13]
アマゾネスは後方から捲ってきたナミダノキスの猛追を何とかハナ差で凌ぐ2着。日本競馬重賞最多勝記録更新はならなかった。
2024年、7歳になって日本競馬の平地競走馬における重賞最多勝記録を残し、長年金沢競馬の顔役として走ってきたハクサンアマゾネスは引退する。しかし彼女の馬生はまだまだ続く。
陣営は彼女を繁殖牝馬とする事を表明しており、これからは母としての戦いが始まるのだ。7歳という高齢な事もあって他の牝馬よりもハンデはあるが3歳時に無敗で石川ダービーを勝つ早熟性、そこから7歳まで重賞を勝ち続ける持続力や成長力が引き継がれれば強い産駒も出せるだろう。
また、サンデーサイレンスは遠く母系もブライアンズタイムが近い位で主流血統にはやや遠く様々な配合を試せるだろう。もしかしたら芝馬が出てくるかもしれない。
2023年の金沢競馬競走中照明消灯事案や2024年の正月に起きた令和6年能登半島地震などで金沢競馬場や地元石川県に暗い影が落ちてしまったが、そんな時こそハクサンアマゾネスやかつてのショウガタップリ、オヌシナニモノやマリンデュンデュン、ナミダノキスの様な地元のスターホースや次世代を担うであろう彼女の産駒に頑張って光を灯して欲しいと勝手ながら筆者は思う。
そしてアマゾネスの引退の翌年、金沢競馬場にて新しく作られた重賞金沢クイーン賞の副題に『ハクサンアマゾネス記念』が付けられ、同レースを相棒だった吉原騎手が勝利した。勝った馬はリケアマロンといい、同レース含めて重賞を4勝した金沢牝馬の有力格。彼女は吉原騎手を背にどこまでアマゾネスに近づけるか楽しみである。
| シルポート 2005 鹿毛 |
ホワイトマズル White Muzzle(英) 1990 鹿毛 |
ダンシングブレーヴ Dancing Brave(米) 1983 鹿毛 |
Lyphard 1969 鹿毛 |
| Navajo Princess | |||
| Fair of the Furze | Ela-Mana-Mou | ||
| Autocratic | |||
| スペランツァ 1998 鹿毛 |
サンデーサイレンス Sunday Silence(米) |
Halo | |
| Wishing Well | |||
| フジャブ Hujjab(米) |
Woodman | ||
| Winters' Love | |||
| オークヒルズ 2005 鹿毛 FNo.1-l |
ブライアンズタイム Brian's Time(米) 1985 黒鹿毛 |
Roberto | Hail to Reason |
| Bramalea | |||
| Kelley's Day | Graustark | ||
| Golden Trail | |||
| バロネッセ Baronesse(米) 1996 鹿毛 |
Theatrical | Nureyev | |
| ツリーオブノレッジ | |||
| Baroness Direct | Blushing Groom | ||
| Avum |
他にも圧巻のレース多数
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最終更新:2025/12/06(土) 06:00
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