バスラットレオン(Bathrat Leon)とは、2018年生まれの日本の競走馬。鹿毛の牡馬。
馬名の由来は「母名+レオン。獅子のように強く、走ってほしい」。
GⅠの舞台で盛大な出落ちをかました1頭として有名。
主な勝ち鞍
2021年:ニュージーランドトロフィー(GⅡ)
2022年:ゴドルフィンマイル(GⅡ)
2023年:1351ターフスプリント(GⅢ)
父キズナ、母バスラットアマル、母父New Approachという血統。
父は第80代ダービー馬。ダートでもテリオスベルをはじめとした重賞馬を出しており、昨今のダート界を支える一頭。母はアイルランドからの持込馬で、その母父はエプソムダービーなどGⅠを5勝している。
近年躍進著しい浦河・三嶋牧場の生産。一口馬主クラブ・広尾レースに購買されると、その広尾レースとの相性がいいといわれている矢作芳人厩舎に入厩。藤岡佑介とのコンビで7月終わりの札幌での新馬戦に挑み、逃げ切りで新馬戦勝ちを収める。
その後坂井瑠星に乗り代わるも勝ちきれず、札幌2歳S(GⅢ)はソダシの3着、秋を迎えて挑んだ京都2歳S(GⅢ)はハナを切らず先行したが6着、朝日杯FS(GⅠ)もグレナディアガーズらに敗れ4着……ともどかしい結果で2歳のシーズンを終える。
明け3歳の緒戦となったシンザン記念(GⅢ)はピクシーナイトにハナを奪われて3着。その後、3月の中京開催の1勝クラスは月初めにデビューした矢作厩舎所属の女性騎手・古川奈穂を鞍上に挑んだが、そこは唯一の重賞入着経験馬。他馬を相手にせず勝利、古川に初勝利をプレゼントし、自らも無事オープン馬に昇格した。
その後鞍上が藤岡に戻ったニュージーランドトロフィー(GⅡ)ハナを切り巧妙なペース配分で逃げ切り、無事NHKマイルカップ(GⅠ)の優先出走権を手にしたのだが……
そのNHKマイル本番では3番人気を背負っていたが、発走直後躓いて落馬競走中止。ノーリーズンやポルトフィーノを彷彿とさせるまさかの出落ちで終わり、単勝1.2億などが紙屑と化した。去年に続いて無観客で紙馬券は発売されていないので、どちらかというと電子の海に消えたといったほうがいいのかもしれないが…
しかし注目すべきはこの後。藤岡を落とした後の彼は馬群を追走しながら、ゴール板通過後もストレスから解放されたかのように走っていたのだった。結局シュネルマイスターが久々のマル外勝利を収めた以上に話題になり「かわいい」「楽しそう」「馬券紙屑になったけど見てたら癒された」などの言葉とともにTwitterトレンド入りを果たした。
日本ダービー(GⅠ)では逃げるも直線で逆噴射し15着。もっとも、バスラットレオンのダービーは広尾レースの記念出走の意味合いが強いものだった。
夏場を休養に充てて迎えた秋。初古馬対決の京成杯AH(GⅢ)は2番人気も、またもやスタートで躓いてしまう。結果後方からの競馬となり、こうなると逃げ馬の彼の見せ場はなくブービーの15着。再び鞍上に坂井を迎えた富士S(GⅡ)では上手く出て前に取り付くも、ロータスランドにハナを奪われ2番手からの競馬となる。直線では他馬に囲まれ、そこから掛かって後退し12着に終わった。
陣営は次走にダートの武蔵野S(GⅢ)を選択。坂井はこの年の3歳ダート戦線で活躍していたスマッシャーの方を選んだことから、菅原明良が手綱を握った。このレースでは課題とされたスタートも折り合いもうまくいったが、直線で脚が止まり13着に敗れた。
年内はこれを最後に放牧。
年が明けて4歳は京都金杯から始動。サトノフェイバーとともに好スタートを切るとそのまま逃げる形になり、第4コーナーから直線に入っても先頭で粘るも、やがて失速し最後はザダルの9着に沈んだ。
次走はドバイミーティングのダートマイル戦・ゴドルフィンマイル(GⅡ)。2月のサウジカップデーにも遠征していた坂井瑠星がドバイへも帯同し鞍上を務めた。2度目のダート挑戦、初挑戦の武蔵野Sは13着となれば無謀とも思える挑戦である。残念ながら日本では馬券発売がなかったが、イギリスのブックメーカーでは単勝67倍がついていたそうな。
レースが始まる。思いっきり出遅れ……たのは久々の復帰戦になったフルフラットの方で、バスラットレオンは押して先手を切り逃げを図ると、なんと他馬を全く寄せ付けないまま鮮やかな逃げ切り勝ち。ゴドルフィンではなく広尾レースの青い勝負服が先頭を譲らずゴール板を駆け抜けたのであった。
日本馬のゴドルフィンマイル勝利は2006年のユートピア以来2頭目。キズナ産駒としては3頭目の海外重賞制覇となった。
今後は僚馬キングエルメスと共に欧州に遠征し、夏にかけて英GⅠのサセックスステークスから仏GⅠのジャック・ル・マロワ賞のローテが決定。海外重賞で覚醒の兆しを見せる中、更なる勲章に向けての遠征は続く。
そのサセックスステークスのメンツだが、
というメンツが揃い、G1級の馬5頭を含む7頭立てとなった。果たして、良い走りをして、勝利できるだろうか?実績が全くないこともあり現地では最低人気に(67倍)。そうして発走したサセックスステークス。逃げる逃げるバスラットレオン。終盤残り1ハロンを過ぎるまでは粘ったがアルコールフリーから短アタマ差4着に終わった。1着はここまで無敗のバーイードで、これで連勝を9に伸ばした。
ここでの戦いを終えフランスに渡ったバスラットレオン。ジャック・ル・マロワ賞の相手は、
となり、G1級の馬5頭を含む9頭立てになった。バスラットレオンの馬番は1番、ゲート番号は6番となった。レースはやはりバスラットレオンがハナを切る展開に。残り400mあたりまでは粘るも最後は失速。7着に終わった。矢作調教師は息を入れるところが全くなかったところを敗因としてあげている。直線競馬の難しさが出たレースとなった。
国内戻っての初戦は昨年惨敗した武蔵野ステークス。人気は7番人気と低めであった。ハナを切って逃げる展開に。ゴール直前まで粘るも最後は力尽き、レモンポップとギルデッドミラーにかわされて2着のレモンポップに半馬身差の3着。4着とは2馬身半差つけた。1着はギルデッドミラーで、レモンポップとほぼ並んで入り、ハナ差差し切った形となった。この1年の成長を見せつけた形になるだろうか。
2022年のラストは鞍上を川田将雅に変え阪神カップ(GⅡ)に出走。レース序盤で先行争いに加わるもハナを奪えず4番手の位置で追走、直線を向いたときには前三頭が壁となる厳しい展開となっていた。前が開くと一気に抜け出し先頭に立とうと試みるも4着に終わった。1着はこのレースがラストランの芝1400mで無類の強さを誇ったダイアトニックであった。
2023年に2022年ロンジンワールドベストレースホースランキングが発表され、バスラットレオンは201位タイのレーティング115ポンドと発表された。なお、これは芝・ダート双方のマイルでどちらも115ポンドである。確かに、芝特化であればセリフォスに7ポンド(着差換算3馬身半)、ダート特化であればジュンライトボルトに3ポンド(同1馬身半)劣るものの、どちらでも115ポンド以上叩き出したのは、芝もダートも両方走れるという証になるだろう。
5歳の始動戦はサウジカップデーの一つである1351ターフスプリント(GⅢ)に出走、鞍上は坂井瑠星に戻っている。G3とはいえ昨年の安田記念と1351ターフスプリントを制したソングラインやフォースターデイヴハンデキャップやジャイプールステークスなどG1を3勝しているカサクリードなどが出走していた。レースでバスラットレオンはハナを奪い取り先頭に立ったまま直線に入る。2番手の位置で追走していたレシステンシアを突き放し、外からカサクリードが迫ってくるもなんとかアタマ差で逃げ切り海外重賞2勝目をあげた。芝の短距離国際重賞でも勝利したことは彼の適性の広さを改めて示したといえるだろう。
ちなみに同日のサウジカップ(G1)で同じ広尾レース、矢作厩舎所属のパンサラッサが日本馬初のサウジカップ制覇を成し遂げている。それと彼と同じ落馬仲間のシルヴァーソニックもレッドシーターフハンデキャップ(G3)を勝利している。
次走はサウジへ転戦して連覇の懸かるゴドルフィンマイル(GⅡ)に出走する模様。同じ広尾レース所有馬のパンサラッサは当初予定していたドバイターフではなくドバイワールドカップを選択し、歴代賞金1位の座に挑む。同馬もこれに続けるかと期待されたが、最後はついていけずに3着のAtletico El Culanoにクビ差の4着。
その後、日本帰国後の初戦はさきたま杯(JpnII)。まさかの国内のダートグレード競走である。1番人気はここまでJpnIIIを4勝しているシャマル。2番人気は昨年の兵庫チャンピオンシップ3着の新鋭4歳馬コンシリエーレ。彼らに次ぐ3番人気に支持された。先行策をとるも、早めに抜け出したスマイルウィ(船橋)を捕まえることもかなわず、さらに後ろから来たイグナイター(兵庫)にもかわされ、中央勢最先着の3着にとどまった。
ダートで馬券内という事もあり、今後はサセックスステークス(G1)に予備登録したがこちらには向かわずダート路線を継続。始動戦は招待を受諾したコリアスプリント(国際GIII)(ダート1200m)へ向かい4か国目の遠征。逃げる地元のBeolmaui Starの後ろにつける2番手で進めるも、まとめてリメイクに後ろからかわされ3着。
帰国後はJBCスプリント(JpnI)を選択し大井へ。当のバスラットレオンだが近況によるとチャンピオンヒルズに在厩中、入厩していた一頭の牝馬に恋をしていたらしい。秋は同じくダートにも参戦している前年の皐月賞馬ジオグリフと共にダートの第一線で戦う姿を観れるだろうか。恋の病で調子を落とさなければ良いが。結果は7着だった。
その後はマイルチャンピオンシップ(GI)へ。また芝に舞い戻った彼だったが、逃げるもつぶれてブービー15着の惨敗となった。
連覇がかかる格上げされた1351ターフスプリント(G2)は10着、同じく格上げされたさきたま杯(JpnI)は7着。プロキオンS(GIII)へ向かうも最下位16着に沈み、富士S(GII)も最下位17着。JBCスプリント(JpnI)をもって引退と発表された。鞍上は、1勝クラスを勝利して以来の古川奈穂に決まったと報道されている。初勝利をプレゼントした彼女に、今度がGI級競走初騎乗をプレゼントすることになったわけだが、8番人気8着と、人気通りの着順で無事に完走することができた。
そして、11月6日をもって競走馬登録を抹消、引退の運びとなった。今後は繋養先未定だが、種牡馬になる予定とのこと。15もの競馬場を巡った彼の血が広がることを願いたい。
キズナ 青鹿毛 2010 |
ディープインパクト 鹿毛 2002 |
*サンデーサイレンス | Halo | Hail to Reason |
Cosmah | ||||
Wishing Well | Understunding | |||
Mountain Flower | ||||
*ウインドインハーヘア | Alzao | Lyphard | ||
Lady Rebecca | ||||
Burghclere | Busted | |||
Highclere | ||||
*キャットクイル 鹿毛 1990 |
Storm Cat | Storm Bird | Northern Dancer | |
South Ocean | ||||
Terligua | Secretariat | |||
Crimson Saint | ||||
Pacific Princess | Damascus | Sword Dancer | ||
Kerala | ||||
Fuji | Acropolis | |||
Rififi | ||||
バスラットアマル 栗毛 2010 FNo.6-f |
New Approach 栗毛 2005 |
Galileo | Sadler's Wells | Northern Dancer |
Fairy Bridge | ||||
Urban Sea | Miswaki | |||
Allegretta | ||||
Park Express | Ahonoora | Lorenzaccio | ||
Helen Nicols | ||||
Matcher | Match | |||
Lachine | ||||
*ザミリア 黒鹿毛 2001 |
Cape Cross | Green Desert | Danzig | |
Foreign Courier | ||||
Park Appeal | Ahonoora | |||
Balidaress | ||||
Angelic Sounds | The Noble Player | The Minstrel | ||
Noble Mark | ||||
Twany Angel | Double Form | |||
Athy Angel |
クロス:Northern Dancer 5×5(6.25%)、Ahonoora 4×5(9.38%)
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掲示板
127 ななしのよっしん
2024/11/04(月) 20:27:00 ID: M0DN6IKIkJ
128 ななしのよっしん
2024/11/04(月) 22:16:00 ID: Y/UMFaciz8
今日走れるだけの走りは出来てたと思う
阪神C使う可能性も残さず引退確定とは、引退後の進路がしっかりしてそうで安心やね
129 ななしのよっしん
2024/11/05(火) 12:26:34 ID: ksMmZ3JA2l
同期が大活躍してて目立つ馬も多いけど、G1未勝利のこの馬もそれらに負けない個性派だった
実績では見劣りするだろうけど間違いなく世代の代表に数えていい一頭だと思う
お疲れ様でした
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最終更新:2024/11/09(土) 09:00
最終更新:2024/11/09(土) 09:00
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