この記事は、テレビアニメ・戦姫絶唱シンフォギアシリーズに登場する聖遺物をまとめた一覧記事である。
概要
世界各地の神話や伝承に登場する、超常の性能を秘めた武具を指す言葉。
現在では製造不可能な異端技術(ブラックアート)の結晶であり、
多くは遺跡などから発掘されている。
発掘されても、経年による劣化や損傷から、
かつての状態をそのまま残したものは、本当に希少な存在となっている。
そのため、ほとんどの場合は、
「聖遺物の欠片」として存在している。
基底状態にある聖遺物は、
歌の力によって励起状態となり、その力を解き放つ。
――「戦姫絶唱シンフォギア」公式サイトより
聖遺物一覧
初登場のシリーズ毎に記載するものとする。
第1期「戦姫絶唱シンフォギア」
- 天羽々斬、イチイバル、ガングニール
- それぞれ第1号、第2号、第3号とナンバリングされる聖遺物。
全て欠片の状態であり、櫻井了子によってシンフォギアの形に改修されている。
イチイバルとガングニールは第二次大戦中、同盟国ドイツよりもたらされたもの。
日本政府の管理下におかれていたが、イチイバルは第1期より10年ほど前に紛失。風鳴訃堂が引責辞任に追い込まれる要因となっている。
詳細については個別記事を参照。
- ネフシュタンの鎧
- イチイバルやガングニールと同様、第二次大戦中にドイツからもたらされた聖遺物。
元ネタは旧約聖書に登場する「青銅の蛇」と呼ばれる銅像で、祭礼・復活の象徴とされている。
上記の聖遺物と異なり経年劣化や破損が見られないため、「完全聖遺物」とカテゴライズされているが、便宜上第4号聖遺物としてナンバリングされている。
武装としては、伸張する鞭状の武装や飛行能力、さらには無限の再生能力を備えている。しかし大きなダメージを受けた場合、再生の過程で使用者の体内に侵入し、身体もろとも取り込んで再生を始めるという運用上極めて大きなリスクも存在する。
- 第1話におけるツヴァイウィングのライブはこの鎧の起動実験を兼ねており、会場のフォニックゲインの高まりにより起動自体は成功するが、直後にネフシュタンから膨れ上がるエネルギーを安全弁が抑えきれず暴走。同時に会場にはノイズが大量発生し、混乱の中で鎧は行方知れずとなってしまう。
第3話以降は雪音クリスが鎧を纏って登場し、風鳴翼や立花響と交戦。第7話ではクリスがアーマーパージにより鎧を脱ぎ捨てるが、その後フィーネが回収し自ら鎧を纏うこととなる。
第10話でフィーネが米軍に襲撃を受けた際、自らの肉体に鎧を融合。立花響に次ぐ生体と聖遺物の融合症例第2号となる。
最終話の決戦ではソロモンの杖やデュランダルを取り込み、黙示録の赤き竜として顕現。絶大な破壊力を以て装者たちを追い詰めるが、「無尽蔵のエネルギーを生み出すデュランダル」を「無限の再生能力を持つネフシュタン」にぶつけるという哲学戦術により、2つの完全聖遺物は対消滅することとなった。
- デュランダル
- 第5号聖遺物とナンバリングされる完全聖遺物。
元ネタはフランスの叙事詩『ローランの歌』に登場する英雄・ローランが持つ聖剣。
第1期の数年前、EU連合が経済破綻した際に、不良債権の一部肩代わりを条件に日本政府が管理することになった経緯がある。
その名には「不滅不朽」の意味があり、圧倒的なエネルギーを無尽に生み出す剣として機能する。
当初は特異災害対策機動部二課において基底状態で保管されていたが、周辺に頻発するノイズの発生ケースから政府は永田町への移送を計画。
しかし輸送中にノイズを操るクリスの襲撃を受け、交戦中に響の歌声によって起動してしまう。この際ガングニールがデュランダルと接触したことによる共振・共鳴効果が響の暴走を引き起こし、クリスに牙を剥くばかりでなく戦場となった薬品工場を壊滅させる大惨事を招く結果となった。
不慮の起動というアクシデントにより移送計画は中止となり、再び二課の施設で保管されることになるが、第11話にて二課最奥部に侵入したフィーネの手中に落ち、荷電粒子砲カ・ディンギルを起動させるキーとなる。
最終決戦では再び響が制御を試み、一度は心が闇に飲まれかけるも、仲間たちの声を受け奮起。翼・クリスと共に制御したデュランダルのエネルギーをネフシュタンの鎧にぶつけ、対消滅させた。
- ソロモンの杖
- フィーネの研究目的のため、米国政府より譲渡された完全聖遺物。
元ネタはアメリカの作家ロバート・E・ハワードの小説『ソロモン・ケーンシリーズ』に登場する杖であると思われる。
日本政府の管理外にあるためナンバリングはされていない。
クリスの歌によって起動したが、米国にこの事実は知らされていなかった。
聖遺物としての特長はノイズの任意発生と制御機能である。フィーネ自身もノイズを召喚する力を持つが、その制御までは不可能であり、従来はただ暴れるに任せるだけの運用に過ぎなかった。
しかしこの杖の起動により、フィーネは思うがままにノイズを操ることを可能としたのである。
第1期最終話の決戦後も失われておらず、カ・ディンギル址地より回収された後は日本政府の管理下におかれ、「サクリストS」のコードネームが振られていた。
その後米国連邦聖遺物研究機関(F.I.S.)との共同研究が行われることになり、第2期1話において岩国の米軍基地に搬送されるが、到着直後にノイズの襲撃を受け、F.I.S.所属の生化学者であるウェル博士と共に行方知れずとなってしまう。
しかしこれはウェル博士の自作自演であり、実際はフロンティア計画遂行に向けソロモンの杖を手中に収めるための布石に過ぎなかった。
杖を手にしたウェル博士はノイズ制御機能を用いて殺戮の限りを尽くすが、第12話においてクリスと翼の連携によりついに杖は奪還される。
最終話ではネフィリム・ノヴァを隔離するため、クリスがエクスドライブの出力でソロモンの杖を機能拡張し、バビロニアの宝物庫への扉を開く。そしてネフィリム撃破後、小日向未来の「誰もが戦わなくていいような世界に」という願いに共鳴し、宝物庫の内側から扉を閉鎖。宝物庫や内部のノイズもろとも、暴走するネフィリムの熱量に飲まれ蒸発した。
第2期「戦姫絶唱シンフォギアG」
- シュルシャガナ、イガリマ、神獣鏡、アガートラーム
- もう一つのガングニールと共に、米国連邦聖遺物研究機関(F.I.S.)が所有していた聖遺物の欠片。
F.I.S.と通じていたフィーネにより、日米両政府の与り知らぬ所で秘密裏にシンフォギアとして開発されていた。
詳細については個別記事を参照。
- ネフィリム
- ナスターシャ教授らが蜂起にあたって米国の聖遺物研究機関より持ち出した完全聖遺物。
元ネタは旧約聖書に登場する巨人であり、ネフィリムとは堕ちた巨人を意味するネフィルの複数形。伝承には共喰いを繰り返すことで際限なく巨大化してきたとあり、この個体はすべてのネフィルを取り込むことで、一にして全と完成した「ネフィリム」であると推察される。
QUEENS of MUSICにおける翼とマリアのライブでの起動を当て込んでいたものの、フォニックゲインの総量が不足し起動は失敗。やむなく増殖分裂型ノイズを投入し、響・翼・クリスによる絶唱三重唱「S2CA」を逆利用してようやく起動に成功した。
まるで生物を思わせるフォルムであり、自律型である点が一般的な聖遺物と大きく異なる特徴である。
聖遺物を喰らい、自らの成長の糧とする特性を持つ。
成長したネフィリムは自律稼動するエネルギー増殖炉となり、F.I.S.のフロンティア計画の要となる存在であったため、ウェル博士はさらなる成長を見込んで二課が所有する聖遺物に狙いを定め装者を襲撃。しかし響の右腕を喰いちぎったことでガングニールの暴走を招き、成長途上であったネフィリムは一方的に叩きのめされ炉心解体されてしまう。
その後ウェル博士は奇跡的に形を保っていたネフィリムの心臓を発見し、再び計画を始動させる。浮上したフロンティアの中枢制御装置にネフィリムの心臓を取り付け、さらに自身の左腕にはネフィリムの細胞サンプルから生成したLiNKERを投与することで、左手が接触した箇所からフロンティアを自在に制御できる権限を獲得した。
さらにフロンティアと一体化したネフィリムは守護端末として装者たちの前に立ちはだかるも、70億の絶唱により顕現したエクスドライブモードに敗退。追い詰められたウェル博士が心臓を自らの制御から切り離すと、ネフィリムはフロンティアを取り込みネフィリム・ノヴァとなって暴走する。圧倒的な破壊力と聖遺物を喰らう能力を以て装者たちを苦しめるが、クリスの機転でバビロニアの宝物庫に引き込まれ、6人の装者の合体技「Vitalization」がネフィリム・ノヴァを貫通。束ねたエクスドライブのエネルギーを取り込んだネフィリム・ノヴァはその時点で臨界に到達、巨躯を保つことが出来ずに自壊するのであった。
- フロンティア
- 遥かな昔、カストディアンが異なる天地より飛来してきた際に用いたと伝えられる星間航行船のひとつ。フロンティアとはF.I.S.に与するフィーネが名づけたコードネームであり、正式名称は「鳥之石楠船神」。日本神話に登場する、天翔ける船のことである。フィーネは月の破壊後、このフロンティアを新天地として利用する算段を立てていた。
- 第8話ではF.I.S.が一度封印解除を試みるものの、機械的に出力した程度の神獣鏡の輝き「リムーバーレイ」では目的を果たせずに失敗。その後第10話において、ウェル博士は神獣鏡を纏わせた小日向未来を戦線に投入、人のフォニックゲインにて出力が高められた輝き「流星」をもってして再度封印の解除に挑むこととなる。マリアの機転もあってフロンティアの起動には辛くも成功し、ウェル博士はネフィリムの覚醒心臓を用いてフロンティアの制御権を掌握。自らの意のままに動く破壊兵器として猛威を振るうのであった。
最終話ではウェル博士の制御から外れたネフィリムがフロンティアの船体を喰らい、ネフィリム・ノヴァへと変貌を遂げた。
第3期「戦姫絶唱シンフォギアGX」
- ダインスレイフ
- エルフナインがキャロルの下から逃亡する際、持ち出した匣に収められていた聖遺物の欠片。
「ドヴェルグ=ダインの遺産」とも呼称される。
元ネタは北欧神話に登場する魔剣であり、伝承にはひとたび抜剣すると犠牲者の血を啜るまでは鞘に収まらないとも記される、曰くつきの一振りである。
破損したシンフォギアシステムにエルフナインが修復と改造を施した際に、決戦ブースターとしてギアに追加搭載。装者の心の闇を増幅し、人為的に暴走を引き起こすことでギアの出力を増す決戦機能「イグナイトモジュール」のコアとして利用される。
第4期においても引き続き切り札として活用されるが、呪いの魔剣という性質上、サンジェルマンらが用いる「ラピス・フィロソフィカス」の不浄を祓う力は天敵とされる。
そしてアダム・ヴァイスハウプトとの決戦時、ファウストローブを形成するエネルギーを転用するという響の無茶な作戦を実現するために、本部バックアップによりギアへの負荷をダインスレイフに肩代わりさせることでギアのリビルドに成功。一時的にエクスドライブにも匹敵する出力を獲得するものの、代償としてダインスレイフは焼却され失われることとなった。
- チフォージュ・シャトー
- キャロルの居城にして、ワールドデストラクターの機能を備える決戦兵器。
様々な聖遺物、または聖遺物由来となる異端技術のパッチワークである。
元ネタは15世紀フランスの貴族ジル・ド・レの居城、チフォージュ城と思われる。
その建造背景(とりわけ設計)にはプレラーティが関わっている模様。
城壁にはノイズやアルカ・ノイズ同様に通常物理法則下にあるエネルギーを減衰させる効果があるため、クラシカルな見た目以上の防御性能が備わっている。
また防衛システムにはオートスコアラーの技術が応用的に組み込まれているなど、計画の要である解剖機関を容易に破壊・阻止されないよう、様々な策と技術の集積体となっている。
当初キャロルが制御パーツとして求めていたヤントラ・サルヴァスパは装者との交戦時に失われてしまうが、その後乱入したウェル博士を利用し、ネフィリムの持つ「聖遺物を喰らい、同化する」能力によりシャトーの起動に成功。
東京の中心に空間を破砕しつつ出現し、キャロルの歌と共振・共鳴することでアルカ・ノイズの分解能力をさらに拡大させたエネルギー波を照射。「世界を壊す歌」としてあらゆる物質を分解していく。
だが計画達成も目前という所で、錬金術の行程を逆利用しシャトーの機能を反転するという、ウェル博士の捨て身の「嫌がらせ」により計画は阻止される。同時に無理な運用に耐えられなくなったシャトーは臨界を迎え、理性を失ったキャロルは自らシャトーを破壊。世界分解という野望は瓦礫と崩れ落ちるのであった。
- ダウルダブラ
- ケルト神話の主神、ダグザが用いたとされる竪琴。
聖遺物の欠片として現存しており、キャロルはこれを決戦兵器として戦場に奏でる。
普段は伝承と同じく竪琴の形状となっているが、ひとたびキャロルが弦を弾くと竪琴は変形し、キャロルの身を包むファウストローブとして機能する。
爪弾かれる音色がキャロルの錬金術を増幅するばかりか、しなやかな弦の一振りは強烈な斬撃となって物体を両断、または形状変化による応用戦技と、複数の装者を同時に相手取っても引けをとらない戦闘力を発揮する。
最終決戦ではキャロルの想い出ほぼ全てを戦闘力へと転換錬成し、「碧の獅子機」へと姿を変える。しかしその代償に、キャロルは記憶障害のリスクを背負うこととなった。
- ヤントラ・サルヴァスパ
- 深淵の竜宮に収められていた完全聖遺物。ニャントラ・サラダスパではない。
元ネタは古代インドに伝わる機械装置の百科事典であり、空飛ぶ宮殿「ヴィマーナ」の操縦方法が記されているとされる。
使用者の意思をダイレクトに装置へと繋げ、あらゆる機械装置を意のままに操ることができる代物。
キャロルはこれをチフォージュ・シャトーの完成に必要な最後の部品と当て込んでいたが、基底状態にあったためか装者との交戦時の衝撃で破壊されてしまった。
XD UNLIMITEDのイベント「機械仕掛けの奇跡」では、ある並行世界にてこの聖遺物を実験的に埋め込まれたシャロンという少女が登場。彼女の力は響たちのギアに影響を与え、機械型の敵「オートマシン」を撃破する力を持つ「ヤントラ・サルヴァスパギア」を発動させるが、代償として力を使う度に彼女の体内では聖遺物の侵食が進んでしまい、響たちは彼女を救うために奔走することとなる。
第4期「戦姫絶唱シンフォギアAXZ」
- ラピス・フィロソフィカス
- 賢者の石とも呼ばれる錬金技術の最奥。現代の錬金術師が有する最新叡智の結晶体。
聖遺物とは異なる存在だがその性質は近く、聖遺物同様に高質量のエネルギーソースとなりうる他、あらゆる不浄を焼き尽くす特性を備えている。
詳しい活躍についてはサンジェルマンの記事を参照。
- アンティキティラの歯車
- オートスコアラーのティキを起動させるために必要とされる聖遺物。
元ネタはギリシャ・アンティキティラ島近海の沈没船から発見された歯車であり、古代ギリシャにおいて天体運行を計算するため作られたものであると推測されている。
本編より400年前、フィーネとパヴァリア光明結社との交戦の最中にティキもろとも海底へ沈んでしまう。その後長らく存在は失われたままであったが、現代において博物館の展示品として日本に持ち込まれ、所在を突き止めたサンジェルマンが「アレキサンドリア号事件」に乗じて強奪(XD UNLIMITEDのシナリオ「戦姫絶唱シンフォギア3.5」より)。
そして第4期3話において、バルベルデから回収したティキ像を起動させるに至った。
アプリ版「戦姫絶唱シンフォギアXD UNLIMITED」
アプリ版は並行世界を舞台としていることもあり、本編世界では存在しない(あるいは認知されていない)聖遺物が多数登場する。
※数が多いので折りたたんでいます。スクロールしてご覧ください。
デュオレリック
アプリ版独自の要素に「デュオレリック」がある。
端的に表現すれば「2つの聖遺物を同時に制御する」というもので、発動を成功させるとギアの性能や外見が変化する。
本編で響がデュランダルを制御しようとした際と同じく、発動時には聖遺物同士の反発により強力な負荷が装者にかかることとなるが、その分制御に成功すれば高い出力を得ることができる。
以下、デュオレリックに用いられた聖遺物を記述する。
関連項目