私立彩陵高校超能力部とは、石田あきらによる日本の漫画作品。ペンギン書房「COMIC SEED!」で2002年から2005年、後に一迅社「月刊ComicREX」で2006年6月号から2008年10月号まで連載された。単行本は全7巻。
概要
「まおゆう魔王勇者」や「Fate/Apocrypha」のコミカライズなどで知られる漫画家石田あきらの商業デビュー作品。
超能力が身近に存在する世界、学校内の超能力者が集まる「超能力部」を中心として物語が展開する学園コメディ漫画。基本的に部活内外で起きる超能力に関係する騒動や問題を部員やそれに近しい人々が解決するために奔走する姿が描かれる。学校の外の超能力者によって事件が引き起こされることもあり、超能力者同士のバトル漫画としての側面も持つ。
連載開始当初は当時としては珍しいWEBコミック誌「COMIC SEED!」で連載されていたが、提供元のペンギン書房が2005年11月に破産。COMIC SEED!もその際休刊になってしまった為、2006年6月に一迅社の「月刊ComicREX」に移籍した[1]。移籍後は4巻まで刊行されていた単行本を新装版として毎月発売[2]。月刊ComicREXで新たに連載した分を含め全7巻で完結した。2024年現在は電子書籍版が配信されている。
単行本は移籍前、移籍後共に「ダブルカバー」と呼ばれる本の半分ほどを覆う外側のカバーが付属する2種類のイラストが用意された仕様となっている。外側のカバーは表紙のキャラクターの首下辺りまでになるように置かれ、カバーをめくるとキャラクターの服装が変わるように調整されている。その為外側のカバーを外したまま失くしてしまうとまずいことになる
(特に3巻)ので注意が必要。また2枚のカバー下にもおまけ漫画が描かれている。
COMIC SEED!上で第1話をもとにしたWEBドラマが公開された他、後に未配信話を含めた全9話でドラマCDが発売された。
あらすじ
新入部員急募――!
私立彩陵高校超能力部はいきなり廃部の危機に瀕していた。部活動の規定人数の5人を割ってしまい、1週間以内に新入部員を確保しなければ彼らの未来はない!
ひと癖もふた癖もある超能力部の面々が繰り広げる愛と青春の超能力学園コメディ!
登場人物
作者による「異世界感を出したい」という方針により登場人物の名前は全てカタカナで表記され、キャラクターのセリフや単行本のキャラクター紹介なども含め漢字表記は作中に登場しない。しかし後に読者からは「名前を覚えにくい」、「キャラと名前が繋がらない」と不評だったと最終巻のあとがきで語られた。その際作者により一部のキャラクターの漢字表記が公開されている。
彩陵高校
超能力部員
- ヨイチ ミコト/与一命
- 声 - 豊口めぐみ
- 彩陵高校超能力部部長。2年生。身長156cm。
- 行動力溢れる性格を持ち控えめな他の部員たちを引きずり回す。特に超能力に関する問題には周囲の制止を振り切って首を突っ込み、自身の超能力を乱発して被害を拡大させるトラブルメーカーなところもあるが、部員からの信頼は厚い。オミナエシのことが好きで彼の前ではいつもの威勢の良さが鳴りを潜め大人しくなる。後にオミナエシに告白し付き合うことに成功。7巻書き下ろしのエピローグでは2人で海外留学している。
- 実は大企業のお嬢様だが、本人はおくびにも出さず、実家から離れて一人暮らしをしている。
- 癖は人を指さすこと。座右の銘は「百聞は一見に如かず」。
- 持っている超能力は「念動力」と「瞬間転移」。念動力は範囲内の物体を手を触れないで自在に動かすことができる能力で、1つにつき5kgまでの物体を10個まで動かすことが出来る作中でもかなりの汎用性を持つ。瞬間転移は自分一人しか出来ない上に一度使えば倒れてしまう程消耗してしまう為滅多に使わないが、サキとは違い完全な形での転移が出来る。
- カシムラ マサト/樫村正人
- 声 - 朴璐美
- 超能力部副部長。2年生。身長178cm。
- いつもはやる気の無さそうな態度を取り部活中も他の部員が働く中昼寝をしたりしていることが多いが、部員が騒動に巻き込まれた際には率先して動くなど責任感はある。また取っつきにくい性格ではあるものの思いやりを持ち、何気ない会話で見せる優しさに救われる人も多い。そのせいか本人にはその気がなくとも異性から好意を寄せられることが多々ある。現在は一人暮らしをしているが、電気代を節約するために真夏でもクーラーを付けないなど貧乏している。ガテン系のバイトをしていることもありスポーツ経験がないものの部員の中では体力がある。
- 1年生の時にチキから気に掛けられ、一時期付き合っていた。家族と離れて沈んでいたマサトに笑顔が戻ったのは彼女のおかげ。
- 癖は頭をかくこと。座右の銘は「成るように成る」。
- 持っている超能力は「偶然」。通常起こりえない事が偶然に引き起こされるというもので、作中世界の超能力における3つの分類すべてに当てはまらないものの、ESPテストで729兆分の1の確立を引き当てたことにより超能力認定された。系統外故かオミナエシの「統合」の力からも逃れている。自分の意思では操れず、周囲を含めて発動したこともわからない。またどんな事象が引き起こされるかもまちまちで、適当に埋めた答案が全て正解だった、じゃんけんに6連続で負けると言ったものから街中で突然野犬に襲われると言った危険なものまである。昔妹と事故に巻き込まれたことがあり、このことが現在家族から距離を取って1人暮らしすることに繋がっている。
- フジミヤ サキ/藤宮咲
- 声 - 田中理恵
- 超能力部部員。1年生。身長158cm。
- 部員の中では普通と言ってもいい性格で、そのせいか部内では突っ込み役に回ることが多いが、時々突飛な行動をとって周囲を巻き込むこともある。部員が足りなくなった超能力部の勧誘を受け、当初は自分の超能力の能力を嫌っていることもあり断っていたが、ミコトの説得の末入部した。料理の腕が壊滅的で、彼女の作った料理には毎回モザイクが掛かっている。意外にもサバイバルゲームが趣味で、校外のサークルに所属しており射撃の腕は高い。
- 趣味は料理。座右の銘は「百聞は一見に如かず」。
- 持っている超能力は「集団転送」。自分が認知している対象を他の場所へ転移することが出来る。また転送するためのエネルギーは対象者の生命力を使う為、ミコトと違い連発することが出来るという作中1、2を争う強力な能力。しかし逆に言えば生命力を持たないものは転送できないため、能力を発動すると自身を含め転送後に全裸になるという致命的な弱点がある。後にシロウの力を借りて全裸になることは避けられるようになった。
- 本人は超能力にコンプレックスを持っていてこれまで殆ど使用しなかった為、入部当初は上手く発動できず、度々暴走して他の部員を巻き込んでいた。
- スガワ フミヲ/須川文緒
- 声 - 井上麻里奈
- 超能力部部員。1年生。身長144cm。
- 物静かで表情が変わらないため中々表に感情が出てこないが、無感情というわけではない。部内では1番身長が低く華奢な体格だが超能力者になる前に空手で大会準決勝に進出した経歴を持ち、マサトに並ぶ体力を持つ。マサトとは中学が同じで、その時から無自覚に気になっていた。恋愛感情を自覚してからは積極的になりつつある。キリとは同じ相手を好きになったライバルだが、2人共々告白を試みる度に毎回彼の「偶然」の前に機会を奪われている。
- 中学時代は空手に打ち込むスポーツ少女だったが、超能力者に認定されたことにより準決勝まで進出していた部活の大会に出られなくなり、それ以降空手からは離れていた。後に同じ境遇のアキタカと戦い自分の気持ちに向き合った結果、山井の下でもう一度空手を始めることになった。
- 7巻書き下ろしのエピローグでは変わらずマサト、キリの後輩になっている。
- 癖は右手で左腕を握ること。座右の銘は無し。
- 持っている超能力は「鋭敏感覚」。五感全てが大きく強化され、空気の流れや微細な音を拾って相手の動きを察知したり、目を閉じたまま戦闘したりしていた。また鋭敏化した感覚に反応するために身体能力が引き上げられる副次的な効果を持ち、超能力を使っている間は元ボクサーのアキタカが驚くほどの速さで動くことが出来る。
- ササキ シロウ/佐々木四郎
- 声 - くまいもとこ
- 超能力部部員。1年生。身長158cm。
- 生真面目な性格で、なかなか動かないマサトに代わって他のメンバーを宥めて抑えに回ることが多い。能力が戦闘向きではなく本人の身体能力も高いわけではないため、騒動時は地味な役回りになることが多く各々トラブルを呼び込む超能力部においては相対的に影が薄い。サキとは幼少期に同じ超能力者向けの研修に参加していた為超能力者であることを知っていて、彼女を新しい部員候補としてミコトに紹介した。終盤では部活を卒業するミコトに次期部長に指名される。部費が少ない超能力部の為に毎年の夏合宿にササキ家の別荘を提供している。
- 趣味は読書。座右の銘は「少年老い易く学成り難し」。
- 持っている超能力は「生命転送」。自らの生命力を手の触れた対象に送ることが出来る。あくまで生命力を分けるだけであるため、怪我を治すなど対象の体に直接影響を及ぼすことは出来ない。ちなみに無生物に送ると熱が発生し、作中ではこれを生かして熱燗を作ったりしていた。
- ホリィ/帆莉威
- ミコトによって超能力部部員にされた猫。生後9か月。メス。
- 夜の学校に迷い込み幽霊騒動を起こした末、ミコトの念動力で自身の力を打ち消されて捕らえられた。その際割れたガラスからかばってもらったフミヲに懐いている。ホリィという名前もフミヲに付けてもらったもの。
- 夏休みなどの長期休暇の期間は部員がそれぞれ交代で世話を受け持ったが、フミヲ以外の家では悉く酷い目に遭っている。
- 持っている超能力は「念動力」。ミコトの力には及ばず、正面からぶつかると抑え込まれてしまう。
- ミカサギ アズサ/御笠木梓
- 最終話に新入生として登場。自分が超能力者であることを話すと周りから一歩引いた態度を取られるため、超能力を嫌っていた。
- 7巻書き下ろしのエピローグでは部長となっている。
- 持っている超能力は「念動力」。
- キムラ
- 第1話で転校していった2年生。彼が転校したことで超能力部の部員数が5人に満たなくなり、勧誘の末サキが入部するきっかけとなった。
- 前年の学園祭の回想にも登場したが、ウサギの被り物を被っていた為容姿は分からないままだった。
生徒会
- オミナエシ トオル/女郎花透
- 声 - 斎賀みつき
- 彩陵高校生徒会長。2年生。身長174cm。
- 常に微笑を浮かべ穏やかな態度をとっているが、自分に思いを寄せるミコトに学校内の問題を解決するよう仕向けるなど中々に強かな性格をしている。自分の超能力で全世界の超能力を統合するという目標を持ち、それを実現するためマサトの「偶然」に注目し、学校行事や合宿に理由を付けて同行している。バレンタインにミコトから告白され、それ以降彼女と付き合い始めた。
- 7巻書き下ろしのエピローグではミコトと共に海外に留学している。
- 特技はスキューバ。座右の銘は「一期一会」。
- 持っている超能力は「統合」。他人の超能力を読み取り再現することが出来る能力。また読み取った能力を合成・強化したり複数の系統の能力を同時に使用することもできる。全世界の超能力を統合する為にマサトの「偶然」を取り込もうとしているが、系統外の能力故か現状読み取ることが出来ていない。対外的には自分の超能力は弱い念動力だと偽っている。
- カスガイ キリ/春日井季理
- 声 - 高橋美佳子
- 副生徒会長。2年生。身長160cm。
- 生真面目かつ堅物な性格と眼鏡をかけた容姿から、本人は違うにもかかわらずクラスでは「委員長」と呼ばれている。ミコトとは中学校からの仲だが性格が正反対ということもあって全く馬が合わず、ことあるごとに対立し、チャンスがあれば超能力部を廃部にしようと狙っていた。マサトとは1年生の時からのクラスメイトで、席が隣同士になった事がきっかけでマサトを意識するようになり、後に思いを寄せるようになったが、彼の「偶然」に告白の機会を潰され、未だに伝えることが出来ずにいる。フミヲとは同じ相手を好きになったライバル同士。
- 7巻書き下ろしのエピローグではマサトと同じ大学に進学している。
- 癖は胸の下で腕を組むこと。座右の銘は「失敗することを恐れるよりも真剣でないことを恐れたい」。
- 持っている超能力はミコトと同じく「念動力」だが、自身及び自身が触れたものに対してのみ最高出力が発揮されるという違いがある。あくまで念動力であるため、姿勢を変えずに自分自身を移動させたり、指先を触れさせただけで人一人を持ち上げたりすることが出来るなど応用力は高い。自分の体重を含まない形での動かせる物体の重さは最大100kg。持続時間は最大5分。
その他の生徒
- キヌタ コウタロウ
- マサトとキリのクラスメイト。2年生。身長168cm。
- サキの歓迎会に超能力部ではないにもかかわらず参加しようとするなどフランクな態度が目立つ少年。
- 男子高校生らしく煩悩にまみれた発言が多い。突っ込みをするときは関西弁が混じる。
- 特技は服の上から女の子の3サイズを当てること。座右の銘は「かわいいは正義」。
- サカシマ シン
- マサトとキリのクラスメイト。2年生。身長183cm。
- コウタロウとは対照的に物静かで古風な趣味や言動をする。剣道部所属。
- 古美術品が好きで特技は目利き。
- 趣味は盆栽。座右の銘は「臥薪嘗胆」。
- ニカイドウ ルミ
- ミコトのクラスメイト。2年生。身長151cm。
- 長い髪をツインテールにしている少女。球技大会ではミコトと抜群の連携を見せた。
- 趣味は喫茶店巡り。座右の銘は「上を向いて歩こう」。
- 映画研究会
- 超能力部の隣に部室を構えているが、主にミコトによって引き起こされる騒音に悩まされている。
教師
- シャクジイ キョウコ
- 彩陵高校養護教諭。身長166cm。
- 働くのが嫌いでいつもタバコを吸っているやさぐれ保険医。「ブラックジャックで医者を志した」と語り、ミコトに嘘の癌の告知をしてからかっていた。
- 学園祭では予言者一行が起こした騒ぎにより保健室に続々と怪我人が運び込まれ、「保健室を何だと思っているんだ」と見当違いの怒りを露わにして突っ込まれていた。
- 特技はUFOキャッチャー。座右の銘は「ブルーマンデー」。
生徒の関係者
- ササキ チキ/佐々木千希
- 超能力部前部長。シロウの姉でマツリの双子の姉。身長160cm。
- 現部長のミコトを超える程の傍若無人な性格で、部長時代に様々な問題を引き起こして今年度の超能力部が目を付けられる原因を作った。入学当初のマサトを「ほっといたらスグ死んじまいそう」と気にかけ、一時期付き合っていた。
- 双子の妹のマツリとは今でこそいつも一緒に行動するほど仲がいいものの、幼少期は常に自分の感情を読み取って自分と同じ言動をとるマツリを嫌っていた。しかし喧嘩をした際に逆に流れ込んで来たマツリ自身の感情に接したことで分かり合うことが出来た。現在は自分の感情を否応なく読み取ってしまうマツリの為にどんなことも楽しんでやることに決めている。
- 特技は時計を見ずに時間が分かる。座右の銘は「エンジョイ&エキサイティング」。
- 持っている超能力は「念動力」だが、ボール1つ動かせないくらいの出力しかない。代わりに空気に対して能力を発揮でき、周りの空気を固めて相手を動けなくしたり、空気の無くすことで真空を作り出すこともできる。マツリとの精神直列状態では大幅に出力や範囲が広がる。チキはこの状態の念動力を特に「大気固定」と呼んで区別している。
- ササキ マツリ/佐々木万津理
- 超能力部前副部長。シロウの姉でマツリの双子の妹。身長160cm。
- チキとは違い眼鏡をかけ、普段の言動も対照的でクールだが、チキが引き起こす騒動に異議を唱えず乗るなど根は同じ。大雑把なチキと違い洞察力に優れる面もある。
- 幼少期は自分の能力により流れ込んでくるチキの感情と自分の感情の区別がつかない時期が続き、チキの感情に反応して同じ言動をとっていた。それをチキが嫌って喧嘩になった時に初めて自分の意志を見せ、以降少しずつ自分の人格を確立し現在に至っている。
- 趣味は読書。座右の銘は無し。
- 持っている超能力は「読み取り」。周囲の人間の思考を読み取ることが出来る能力。特にチキに対しては双子故かチキの側にも自分の感情を送ることが出来、2人の精神を同調させて1人の人格にする「精神直列」という能力を使うことが出来、チキの念動力の出力を大幅に引き上げられる。
- しかしその反面現在でもチキからだけは距離関係なく感情が流れてくる状況が続いていて、過去には賭けの勝利条件としてマサトと別れるようにチキに要求したこともあった。
- ササキ モモカ/佐々木百香
- 海外で働く両親に代わりササキ家の家長を務める長女。身長163cm。
- 妹たちとは違っておっとりした性格をしているが、天然ボケでドジっ子な面もあり、時々壊滅的な被害をもたらす。ミコトが赤点の危機に陥った際には教師志望としてミコトに勉強を教えて学年3位を取らせた。合宿の際は年長者として保護責任者を引き受け車の運転手として合宿に同伴している。作中一番の巨乳。
- 趣味は小石集め。座右の銘は「笑う門には福来る」。
- カンジによれば超能力者であるとのことだが、作中では使っている描写は無かった。
- ミヤマ
- 空手をやっていた時のフミヲのライバルだった女子生徒。フミヲが超能力者だとわかって不戦敗となった試合の相手だった。ミヤマ自身はフミヲの事情を知らず、真相を聞くため彩陵高校を訪れた。
- その後再び空手を始めたフミヲの元に現れ、前回会った時のことを謝罪した後、実現しなかった決着をつけて先に進むために勝負を申し込む。
- 山井
- 動物病院を開いている傍らで空手を教えている甚平姿の壮年の男性。フミヲからは今でも「先生」と呼ばれている。アキタカたちとの一件後空手を再開したいと述べたフミヲを再び自らの道場へ招き入れた。
- 本編内で病院の看板として名前の漢字表記が登場した唯一の人物。
- カスガイ アサコ
- キリの妹。品行方正なキリとは正反対な性格で、度々マサトの事を考えて家で挙動不審になるキリに突っ込みを入れている。
- カシムラ アカリ
- マサトの妹。以前マサトの「偶然」によってマサト共々事故に巻き込まれ、その際の傷跡が今も額に残っている。家族を巻き込まないために距離を置くマサトとの家族の距離を元に戻すべく、マサトの元を訪れた。
- ヨイチ アヤコ
- 自由奔放なヨイチ家の面々に振り回されているミコトの母。ミコトが一人暮らしをしていることに納得がいっておらず、ミコトを実家へ連れ戻そうとする。
- ヨイチ ゲンゴロウ
- 最近米寿を迎えたミコトの祖父。現在は隠居している。ミコトとは連日ネットゲームで遊ぶ仲。
学校外の人々
- リーゼント
- 超能力部に勧誘してくるミコトから逃げていた際にサキがぶつかった不良グループの1人。追いついてきたミコトに引っ掻き回された挙句念動力でブロックをぶつけられて逃げられた。後に制服からミコトを彩陵高校の生徒であると突き止めお礼参りをしようとしていたが、偶然会話を聞いていたマサトに倒される。その後マサトとはゲーセンで遊ぶ友人同士になり、髪型から「リーゼント」という渾名で呼ばれている。
- 海ボーズ
- 超能力部に勧誘してくるミコトから逃げていた際にサキがぶつかった不良グループの1人。サングラスを掛けたスキンヘッド。ミコトにお礼参りをしようとするリーゼントに付き合い、同じくマサトに倒され、現在は友人同士。マサトからはその容姿から「海ボーズ」の渾名で呼ばれている。
- オオト アツシ
- 元空手道中学選手権重量級優勝者。身長185cm。大柄な空手家。
- フミヲやアキタカとは違い能力を隠したまま公式戦に出場し能力を悪用していた。現役時代は軽量級の選手もチェックしており、その為当時軽量級で活躍していたフミヲの事を知っていた。
- アキタカとは違い超能力者であることに肯定的で、自暴自棄になっていたアキタカが超能力を使って喧嘩を始めるきっかけを作っている。
- マサトを超能力を使って一方的に攻撃するが、人間離れした頑丈さを持つマサトを倒し切れず、反撃を受けて敗れた。
- 趣味は音ゲー。座右の銘は「迷わず行けよ、行けばわかるさ」。
- 持っている超能力は「遠隔接触」。拳を振る動作をそのまま遠方に飛ばす事が出来る。肘の先からも飛ばすことが出来るほか、指先から小さな衝撃を飛ばすなど応用もできる。元々は離れたところに触れるという念動力に近い力だが、アツシの空手の実力が合わさり拳撃を飛ばす強力な能力となった。
- ミブ アキタカ
- 頭にバンダナを巻いた少年。身長160cm。小柄な元ボクサー。
- 超能力者であることを隠してジムに通いデビュー寸前まで漕ぎつけたが、土壇場でばれてしまい夢を諦めざるを得なくなった過去を持つ。ジムをやめ自暴自棄になった末。アツシとシノブを引き連れ自らの夢を阻んだ超能力を使って町の不良や超能力者に見境なく喧嘩を仕掛けていた。止めるために現れたフミヲと戦った末敗れ、諭されて改心した。それ以降フミヲが気になっている。
- 趣味はゲーセンのカードゲーム。座右の銘は無し。
- 持っている超能力は「瞬間移動」。自分の目に見える範囲にしか移動できない代わりに、ミコトと違い連続で使用することが出来る。目を向けて転移先を決める関係上一定以上の実力者からは転移先を予測される弱点があるが、頭のバンダナで目を覆うことである程度対策している。
- ナツキ シノブ
- 中性的な容姿の女性。身長170cm。3人組の中では唯一スポーツ経験が無い。
- アキタカの家の隣に住んでいる幼馴染。ボクサーになる夢を絶たれて自暴自棄になるアキタカを励まし、超能力を使ってストリートの頂点を目指すアキタカに付き合って喧嘩を仕掛けていた。いつも中性的な服装を着ていることもありアツシを含め殆どの人間に男だと思われていたが、学校の制服としてセーラー服を着たり、夏祭りに浴衣で現れるなど全く女性的な服を着ないというわけではない。アキタカには割とはっきりと好意を表しているが、照れ隠しもありなかなか相手にしてもらえていない。
- 町で自分たちを探していたミコトやマサトを誘導し、自身はミコトと対戦。念動力で様々なものを操るミコト相手に超能力を駆使して優位に立っていたが、弱点を見破られて瞬間転移の奇襲を受け倒された。
- 特技はカロリー計算。座右の銘は「命短し恋せよ乙女」。
- 持っている超能力は「未来視」。可視範囲の現在と2秒後の未来を見ることが出来る。現在の像と2秒後の像を見比べて相手の行動を予測し、相手の動き出しに合わせてカウンターをぶつけることで3人の中で唯一スポーツ未経験の中多くの相手を倒していた。弱点は可視範囲に無い位置からの攻撃に弱いこと。相手が2秒後も静止状態だと像が重なってしまい区別がつかないこと。
予言者とその仲間たち
- タチバナ シオリ/橘栞
- 常につっけんどんな口調で話す車椅子の少女。身長160cm。
- 小学校時代に超能力が制御できず、それが原因でいじめに遭っていた。施設を脱走後に自分たちを率いる何者かがいるという未来を予見し、その人物を探す為他の5人と様々なところを渡り歩いていた。学園祭前に彩陵高校に下見に行く道中でマサトに会い、当日の案内を取り付けマサトとキリの二人と行動を共にする。学園祭の騒動後は知り合ったキリを頼り、大学へ進学するために予備校に通い始めた。
- 7巻書き下ろしのエピローグでもキリとの友情は続いている。
- 持っている超能力は「予見」。左目で見た未来の映像が現実になる能力。いわゆる予知ではなく自分の都合に合わせて未来を改変することが出来る。その為不用意に発動しないように左目に眼帯を付けている。小学生時代は上手く操れず同級生が事故に遭う未来を予見してしまった。また車椅子になる原因となった交通事故も超能力が原因であると思われる描写が存在する。
- マキハラ カンジ
- 5人の中では1番の小柄な男子。身長159cm。
- 学園祭に訪れた矢先にセイジュウロウと共に別行動し自分の探知能力で探し出したフミヲとササキ家3姉妹と交戦する。身体奪取の力でチキを操り人質にとるが、精神直列で二人分の精神を束ねたチキに支配を脱され、目を閉じても戦えるフミヲに圧倒される。最後には戦闘終了後にモモカに消火器で殴られて気絶してしまった。
- 座右の銘は「お前のものは俺のもの」。
- 持っている超能力は「能力者探知」と「身体奪取」。相手の体の自由を奪い意のままに操ることが出来る。ただし操れるのは1人だけで超能力を使わせることも出来ず、目を合わせないと発動できないという弱点もある。
- カナヤマ セイジュウロウ
- オカマ口調の大柄な男。身長187cm。
- 別行動をとるカンジと共に超能力者を探し、カンジが不利になった所で助太刀に入ったが、チキの大気固定によって真空を作り出されて能力を封じられ、フミヲによって倒された。
- 趣味はアンティークドール。座右の銘は無し。
- 持っている超能力は「発火」。何もないところから炎を出して意のまま操ることが出来る強力な力だが、生み出した炎自体には超能力は作用しておらず。真空状態では消えてしまうなど普通の炎と同じ対策が取られてしまう弱点がある。
- シラキ ジュン
- 6人の中では特に好戦的かつナルシスト。身長168cm。
- 先に彩陵高校に潜入していたヤソベにサコンと共に接触、翻意を促すヤソベを裏切者として倒した後、ヤソベから情報をもらい待ち構えるミコトたちと部室で戦う。マサト以外の部員全員を相手にしても余裕を崩さなかったが、シロウと組んだサキの集団転送で1人だけ全裸にされた挙句放置されてしまった。
- 趣味は超能力を使うこと。座右の銘は「最強」。
- 持っている超能力は「空間掌握」。自分の周囲2メートルの空間を支配下に置き、範囲内に入った物質を捻じ曲げて自由に操ることが出来る。攻撃、防御とも完璧にこなせる強力な能力だが、効果範囲が短いので自分から相手に近づく必要がある。
- 能力名は自分で考えて付けたもの。それ故仲間からは中二病扱いされている。
- アオイ サコン
- サングラスを掛けた男。身長180cm。
- 好戦的で協調性がない一行のまとめ役。自身の超能力の力を使って仲間と共に施設から脱走し、以降も自分たちが捕まったり警戒されたりしないようにしていた。
- 相手を探る能力は持っていないものの人物眼には自信があり、オミナエシが何かを隠していることを見破り彼から統合の秘密を引き出すことに成功。オミナエシこそがリーダーになる人物だと確信し勧誘するが、断られてしまった。
- 騒動後はオミナエシと「これ以上ちょっかいを出さない」と取引したということもありシオリに対して消極的に組織作りを辞めるように進言している。
- 趣味は旅行。座右の銘は無し。
- 持っている超能力は「認識障害」。人の知覚に働きかけ任意の物体や情報を認識できなくすることが出来る。これには姿だけではなく音や記憶まで含まれ、自分の姿を消して行動したり、部室の場所を忘れさせて人払いをしたりすることも出来る。攻撃性能はないが、能力を使って手に入れたと思われる拳銃を見えなくした上で所持している。
- ヤソベ セイ
- 第26話で彩陵高校への転校生として登場。正体はシオリたちにより超能力部の面々を調べるために先んじて送り込まれた超能力者。一行の中では最も社交的ではあるもののミコトの挑発に簡単に乗ってしまうなど好戦的なのは同じ。サキとは幼少期に同じ超能力者の研修で会ったことがある。
- 学園祭当日にシオリたちが来た際に超能力部に手を出さないよう説得したことでジュンに裏切り者として倒される。以降は超能力部に仲間の情報を渡し勝利に貢献した。
- 学園祭の騒動後は再び転校している。
- 持っている超能力は「念動力」。1度に20kgまで持ち上げられる上にミコトより精密な動きをさせることが出来る。
用語
- 超能力
- 作中世界の超能力は念動力や瞬間転移などの概ね他の対象物に変化を与える能力、透視や肉体強化などの内的変化を与える能力、テレパシーや予知などの情報を読み取る能力に大別されている(マサトの偶然など例外はある)。
- 超能力が発現する時期に関してはまちまちであり、物心つく前から使えたマツリから訓練して覚えたミコトまでさまざま。同じ系統に含まれる能力に関しては訓練次第で素質を伸ばして使用できるようになる可能性があり、作中では念動力と瞬間転移が使えるミコト、能力者探知と身体奪取が使えるカンジが登場する。
- 超能力、超能力者について作中世界では法律などが定められているようで、スポーツなどのプロ選手、政治家等を始めとする多くの職に就くことが禁止されている。その為時に超能力者と能力を持たない一般人とのいざこざが発生する。
- その他日本では超能力での医療行為が禁止されており、ヒーラーであるササキ家の両親が国外で働く原因になっている。
- 彩陵高校
- 作中の舞台となる私立高校。超能力が存在するこの世界では超能力科なる専門のカリキュラムが存在するが、彩陵高校は超能力者こそ在学しているものの現実と同じ普通の高校として描かれている。
- 進学校であるため部活、生徒会活動共に2年生で引退となり、3年生が在籍している部活動は殆どない。また部活は最低5人以上の部員を必要とし、掛け持ちは禁止されている。
- 超能力部
- ヨイチ ミコト率いる彩陵高校の超能力者たちによる部活動。しかし彩陵高校には元々超能力科が存在しない、部員が存続ギリギリの小人数しかいないなどの理由により存続に疑問符が投げられよく廃部にされそうになっている。
- 現部長のミコトが度々事件を引き起こす他、前部長のチキと副部長のマツリが起こした様々な騒動により生徒会に目を付けられることになり、学校行事の直前には生徒会から様々な禁止事項が通達される事態に陥っている。
- 予言者とその仲間達
- 他の超能力者よりも危険度が高い能力であるとして矯正施設に入れられていた者達で、総勢十数名ほどの集団。サコンの能力により脱走し、シオリが予見の力で見た「自分たちのリーダーとなるカリスマ性を持った超能力者」を探して彩陵高校学園祭に現れた。超能力を制限する教育を受けていた為、その反動からメンバーは総じて超能力を使いたがり、また性格も好戦的な傾向が多い。最終的に超能力部と生徒会によって倒され、部室に被害を出したことでミコトにお化け屋敷の出し物に協力させられた。
関連動画
関連商品
漫画
ドラマCD
関連項目
脚注
- *なおCOMIC SEED!単体は黒字であったことから後に双葉社に引き継がれて2008年6月まで存続した。この期間に連載された作品はつぐももなどがある。
- *4巻まで収録された内容は月刊ComicREX本誌には掲載されなかった。この為5巻収録分の話にはキャラクター紹介や4巻分までに起きた出来事の解説が差し込まれている。