ジャングルポケットとは、
- NHK教育のおかあさんといっしょ内で使用された曲。1980年から使用。
うた:宮内良(歴代のうたのおにいさんらもカバーしている) 作詞:長谷川勝士 作曲:福田和禾子
歌詞は「ジャングルポッケ」だが、曲名は「ジャングルポケット」である。参照:sm5980812(削除済み)
- 1998年産の元競走馬、元種牡馬(2021年没)である。名前の由来は1
- 吉本興業所属、斉藤慎二、おたけ(武山浩三)、太田博久によるお笑いトリオである。2006年結成。名前の由来は2。詳細はジャングルポケット(お笑いトリオ)参照。
- 2を元にした「ウマ娘 プリティーダービー」のキャラクター→「ジャングルポケット(ウマ娘)」を参照
本稿では2を記述しつつも、3についても少し解説する。
密林から飛び出せ
姿はサラブレッド。
だが体内に流れる血は
野獣たちのハイブリッド。オオカミの鋭さ
ピューマの俊敏さ
ハイイログマの剛力で
獲物を狩っていく。
ジャングルポケットとは、1998年生まれの日本の競走馬である。鹿毛の牡馬。
主な勝ち鞍
2000年:札幌3歳ステークス(GIII)
2001年:東京優駿(GI)、ジャパンカップ(GI)、共同通信杯(GIII)
父:トニービン
母:ダンスチャーマー(母父:Nureyev)
僕の棲み家は栗東だ いろんな馬が棲んでいる
父は凱旋門賞馬で、「種牡馬平成三強」の一角にも数えられた名馬。産駒は共通して東京競馬場で強い特徴があり、本馬は中でも特にその特性を色濃く受け継いだ。母は未出走馬で、祖母Sukillful Joyが米重賞馬ではあるがそれほど目立つ血統ではない。母父はNorthern Dancerの直子で仏リーディングサイアーを2回獲得した大種牡馬。日本でも産駒のブラックホークが活躍したほか、母父としてゴールドアリュール、トゥザヴィクトリーなど多数のGⅠ馬を送り出した。
ジャングルポケットを略して「ジャンポケ」又は「ポケ」と呼ばれる事が多い。
あらゆるスタッフがフジキセキと被る。
主戦騎手が角田晃一、調教師が渡辺栄、馬主も同じなので勝負服も同じである。
フジキセキは三冠馬候補とさえ言われていたが、皐月賞を目前に故障引退。スタッフたちはフジキセキで果たせなかったクラシック制覇の目標をジャンポケで達成した。
これにより「ジャンポケの父はフジキセキ」と、掲示板などでよく言われる。
いきなり飛び出すハイレベルな新馬戦
2000年、定年まであと3年と迫った渡辺栄厩舎に入厩。馬体も気性も幼く完成度はフジキセキに及ばなかったがとにかく身体が丈夫だったといい、渡辺厩舎の代名詞である坂路調教で一気に成長していく。
デビューは2歳(旧3歳)9月、札幌芝1800mの新馬戦。後にこの年の朝日杯を勝つメジロベイリーと2着のタガノテイオーが揃う強力なメンバー構成でありジャングルポケットは5番人気の低評価だったが、2番手からタガノテイオーをクビ差振り切って勝利する。このレースを走った8頭は、後に全馬が勝ち上がるという珍しいケースでもあった。
2戦目は新馬戦と同コースのGⅢ札幌3歳ステークス。ここには後の二冠牝馬テイエムオーシャンがいて、またしても5番人気。しかし中団のインから4角スムーズに外に持ち出し、直線上がり最速の末脚で外をぶち抜いて1馬身半差の完勝。2歳コースレコードのおまけつきで重賞タイトルを獲得した。
びっくり仰天・伝説のラジオたんぱ杯
3戦目は年末のGⅢラジオたんぱ杯3歳ステークスに出走。翌2001年に控えた外国産馬へのダービー解放に向けて名付けられ、京都と阪神で芝2000mの2歳レコードを塗り替え連勝中のクロフネ、1勝馬ながら関係者の間で全兄のダービー馬アグネスフライト以上の大器と噂されていた良血馬アグネスタキオンという期待の2頭と初顔合わせとなった。クロフネが1.4倍の断然人気であり、アグネスタキオンが4.5倍の2番人気、本馬は単勝4.8倍の3番人気に接近。4番人気マイネルエスケープが単勝23.4倍なので完全な三強体制であった。なおこのレースから厩舎所属の角田晃一に乗り替わっている。
競馬は札幌3歳Sに近い中団インからのレース運びとなったが、このレースはアグネスタキオンがひたすら強く、3,4コーナーで外をぶん回してあっさり前に出ると直線ノーステッキで後続を突き放す。ジャングルポケットは直線半ばでクロフネは差したが、アグネスタキオンには到底追いつけず2馬身半差の完敗。3着にクロフネが粘り、4着以下は5馬身以上引き離され予想通りに三強の決着となった。3着のクロフネまでがレコードタイムというハイレベルな一戦となり、上位3頭とも後に日本競馬の歴史的名馬となった事から、ただ一度の直接対決となったこのレースはGⅢながらも伝説の一戦として語られる事になる。
牙を剥く同世代ライバルとの戦い
3歳(この年から年齢表記が実年齢に変更)となりGⅢ共同通信杯から始動。アグネスタキオンもクロフネもいないここで負けるわけにはいかんと言わんばかり、中団から格の違う末脚で差し切り完勝。トライアルを挟まないという当時としては珍しいステップで皐月賞に向かった。
この時点で本馬の他にアグネスタキオン、クロフネ、ダンツフレーム、牝馬にはテイエムオーシャンといったタレントが揃っており、この01年世代は当時、最強世代と目されていた。その中でも弥生賞も楽勝し3戦全勝のアグネスタキオンが群を抜いており三冠確実とまで言われ、ジャングルポケットはクロフネと並んで世代2番手の評価とされていた。
皐月賞には外国産馬のクロフネは出走できず不在[1]。そのためアグネスタキオンが単勝1.3倍の圧倒的本命で、本馬が単勝3.7倍の2番人気。3番人気ダンツフレームが16.8倍であり、まさしく2頭かそれ以外かという構図だった。
最内枠をもらったジャングルポケットだったが、スタート直後に大きく躓き後方に押しやられるアクシデントに見舞われる。もとより器用ではないジャングルポケットにとって小回りの中山でこの出遅れは致命的であり、大外から強引に突破を試みるが完璧に立ち回ったアグネスタキオンに全く追いつけず、ダンツフレームとの叩き合いにも敗れ3着。実況にも「アグネスタキオンまず一冠」とまで言われてしまい、この世代の主役が誰なのかを見せつけられたようなレースになってしまった。
もはや誰もアグネスタキオンの三冠を疑わなかったが、そのアグネスタキオンが5月に入り屈腱炎を発症、ダービーに出走することなく引退してしまう。こうなると勢力図はアグネスタキオンとまともに渡り合えたジャングルポケットとクロフネが中心となり、日本ダービーで再び対決することとなった。クロフネは毎日杯とNHKマイルカップを連勝して挑んできたが、本馬が2.3倍の1番人気に支持された。レースは大外18番枠をもらってしまったがスタート後しばらくしてインを確保。直線の入り口で一気に外に振り、伸びあぐねるクロフネを一瞬でかわす。さらに外からダンツフレームも迫ってきたが1馬身半差でねじ伏せて完勝。最強世代のダービー馬となった。陣営の誰もが7年前にフジキセキで見た夢が叶った瞬間だった。
「無事にダービーに出られて勝てたということは、そういうことかもしれないね」
渡辺栄
家中街中大騒ぎ・世紀末覇王オペラオーとの戦い
一躍新たな世代の主役になったジャングルポケットだったが、古馬との初対決となった札幌記念では同期のエアエミネムにちぎられ3着。菊花賞に直行するも折り合いを欠きマンハッタンカフェの4着に敗れる。
次いで挑んだジャパンカップは、GⅠ8勝目を狙う覇王テイエムオペラオーとの対決となった。宝塚記念から3戦連続で先着を許していたとはいえ依然強さを見せつけていたオペラオーが1番人気、本馬はメイショウドトウを押さえての2番人気となった。なおこのレースではオリビエ・ペリエに乗り変わっている。
レースは中団から進み、直線外でゴーサイン。早めに抜け出したテイエムオペラオーが後続をちぎり史上初の連覇達成かと思われたが、直線半ばでジャングルポケットが一気に襲いかかる。3着以下を3馬身離した一騎討ちとなったが、最後にクビ差差し切ってジャングルポケットが勝利。覇王に世代交代を叩きつけ、史上初めてダービーとジャパンカップを同一年に勝利する偉業を成し遂げた。
世代交代劇となったこのレースをJCベストレースに挙げるファンも多く、このあと有馬記念には出走せずクラシックシーズンを終えたが、日本ダービーとジャパンカップの勝利を評価されて2001年JRA年度代表馬に輝いた。
4歳の戦い
4歳になり、陣営はキングジョージなど海外遠征プランを掲げた。しかし紆余曲折を経て小牧太が騎乗した阪神大賞典は99年クラシック三強の生き残りであるナリタトップロードに2馬身ぶっちぎられ2着、武豊に乗り替わった天皇賞(春)は同期の菊花賞馬で有馬記念でテイエムオペラオーを下したマンハッタンカフェにクビ差で振り切られ2着。このあと脚部不安を生じ、宝塚記念も海外遠征も中止となってしまう。
立て直して秋競馬に臨んだが、さらに運が悪いことに、この年の秋は東京競馬場が改修工事中で天皇賞(秋)もジャパンカップも中山競馬場開催であった。不器用で急加速が苦手というトニービン産駒の特性が如実に表れたジャングルポケットにとってこの代替開催はあまりに痛く、案の定ジャパンカップは末脚が間に合わず*ファルブラヴの5着に敗れ連覇を逃す。引退レースの有馬記念はシンボリクリスエスの7着に沈み、これをもって引退、種牡馬入りとなった。
ネタ馬ジャンポケ
ジャンポケは強さもさることながら、ネタ馬として語られることも多々ある。日本ダービーで勝利した後のウイニングランで、観客の声援に驚いて天に向かって雄たけびをあげている。これは別に勝った時だけじゃなく、負けたレースの後でもいなないている。
また、走る最中にあさっての方向を向きながら走っていたり、舌をベロンベロン出しながら走ったり、走り終わった後、目を血走らせながらロンパリになっていたり…
「みどりのマキバオー」との接点
漫画「みどりのマキバオー」の主人公のマキバオーと共通する点が多く、リアルマキバオーと呼ばれることもある。(父がトニービンで同じ。ライバルにカスケード、アグネスタキオンという強い馬がいたことなど)
お笑い芸人の名の由来
ある俳優を志す競馬ファンの青年がいた。彼は文学座を落第したため吉本興業の養成所NSCに転じる。そして2006年、コンビを組もうとしていた2人の青年に加わる形でお笑いトリオを結成、そのトリオの名前に「東京では負けない」という思いを込め、この馬の名前を借りた。
そのトリオこそが冒頭3のお笑いトリオ「ジャングルポケット」であり、「俳優を志すも、芸人としての道を歩んだ競馬ファンの青年」「トリオの名前にこの馬の名を借りた人物」というのが斉藤慎二、そしてコンビを組もうとしていた青年というのがおたけ(武山浩三)と太田博久である。結成直後から一躍実力派コント師として名を馳せるようになった彼らは、活躍と同時に「(競走馬)ジャングルポケットの活躍を超えられるような芸人」を目指し奮闘し続けてきた。その傍ら、3人それぞれがピンでも活動、特に斉藤は2013年からテレビ東京「ウイニング競馬」の司会を務めることとなり、競馬に本格的に携わるようになった。
種牡馬入り後
2006年から産駒がデビューしている。
主な産駒
・トールポピー('07阪神ジュベナイルフィリーズ・08オークス)
・オウケンブルースリ('08菊花賞)
・クィーンスプマンテ('09エリザベス女王杯)
・ジャガーメイル('10天皇賞(春))
・アヴェンチュラ('11秋華賞)
・トーセンジョーダン('11天皇賞(秋))
・ディアドムス('14全日本2歳優駿)
・アウォーディー('16JBCクラシック)
海外の産駒にもジャングルロケット(09ニュージーランドオークス)などがいる。
GⅠ馬を’07~'11の間に5年連続で輩出しており、トニービンの後継種牡馬として活躍している。
しかしながらその中でも父親の暴れん坊ぶりが遺伝したかのような強烈な個性を持った産駆も存在している。
- シェーンヴァルト
- 2歳にして人が乗っただけで射精した。
- タスカータソルテ
- 直線で少しでも坂があると走る気を無くした。重賞3勝馬だがもちろん全部直線が平坦のコース。
- フサイチホウオー
- 重賞3連勝し、皐月賞は3着と敗れたがパフォーマンスが評価され、日本ダービーでは単勝1.6倍の圧倒的な支持を受けたものの7着に惨敗。それ以後は転落。
放牧させたところ寂しさに泣きやまず、厩舎に戻さざる得なくなったエピソードなどから鬱病が発病したせいで走らなくなったと言われている。その後なんとか種牡馬になるも、数少ない産駒から活躍馬は出ず種牡馬も引退。最終的にはリードホースに辿り着き余生を過ごしている。良かった良かった。 - トールポピー
- ↑の全妹。オークスを勝つも、降着になってもおかしくないレベルの斜行をやってしまい、勝利ジョッキーインタビューで騎手を青ざめさせた。その後、兄と同様に転落して行った事から兄妹そろって鬱病が発症したと言われている。
- バトルバニヤン
- 牡馬でありながら同厩舎の牡馬であるニュービギニングに発情。
- ダイワファルコン
- 直線かなりの末脚を使えるが先頭に出たがらない。理由は、最後の直線で寂しくなって隣の馬にすり寄っていくから。
- ジャングルストーン
- キチガイ
なおこれらのエピソードは決して貶しているものではなく、あくまで愛嬌のあるものとして捉えられている。ネタにしすぎないように注意。
数々の個性的な産駒を送り出したジャングルポケットだが、2020年シーズン後に種牡馬を引退。功労馬となるもその年の秋からは体調が悪かったらしく、翌年2021年3月2日に息を引き取った。
上記のように数々のGI馬を送り出したジャングルポケットだがジャガーメイルは乗馬、アウォーディーは現役中にこの世を去ってしまい、後継種牡馬となったのはオウケンブルースリとトーセンジョーダンの2頭のみ(このほかに上記の通りフサイチホウオーも種牡馬になっているが、産駒が4世代合計33頭しか血統登録されておらず、その後継種牡馬もいない)。
そのオウケンブルースリは初年度である2013年は十数頭のみで2年目産駒から重賞馬1頭が出たものの、2020年には種付けが2頭のみとなってしまっている。しかもそれが最後となり2023年1月に用途変更(種牡馬引退)で、功労馬として余生を送ることになった。
トーセンジョーダンは初年度である2015年から4年続けて100頭近く牝馬を集めたものの全く活躍出来ず、2019年には30頭、2020年には遂に0頭となってしまい、2021年からはトーセンの馬主が所有するエスティファームのプライベート種牡馬になるなど、現状後継を継ぐのはかなり苦しい状態になっている(2023年3月現在、一番の稼ぎ頭がグレイトフルステークス(3勝クラス)を勝ち上がってオープン入りし、ダイヤモンドステークス3着に入ったシルブロンであり、重賞常連といった馬は現状出ていない)。
なお、上記のお笑いトリオは死の報に際し追悼するコメントをツイッターで出した。
斉藤慎二がラストクロップの落札に挑戦する企画の契機となり、「ハロウィーンの2020(牝 母父エルコンドルパサー)」を落札した。馬名は持ちネタに因んで「オマタセシマシタ」とした。
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https://twitter.com/chsaito/status/1366697904476356608
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https://twitter.com/janpoke1202/status/1366636343342735363
血統表
*トニービン 1983 鹿毛 |
*カンパラ 1976 黒鹿毛 |
Kalamoun | *ゼダーン |
Khairunissa | |||
State Pension | *オンリーフォアライフ | ||
Lorelei | |||
Severn Bridge 1965 栗毛 |
Hornbeam | Hyperion | |
Thicket | |||
Priddy Fair | Preciptic | ||
Campanette | |||
*ダンスチャーマー 1990 黒鹿毛 FNo.11-g |
Nureyev 1977 鹿毛 |
Northern Dancer | Nearctic |
Natalma | |||
Special | Forli | ||
Thong | |||
Skillful Joy 1979 栗毛 |
Nodouble | Noholme | |
Abla-Jay | |||
Skillful Miss | Daryl's Joy | ||
Poliniss | |||
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