ジンオウガとは、カプコンのゲーム「モンスターハンター」シリーズに登場する牙竜種のボスモンスター。
漢字表記は雷狼竜、略称はオウガ、ジンオウなど。別名「無双の狩人」。
テーマ曲は「閃烈なる蒼光」。
名前は恐らく「速く、激しいこと」を意味する「迅(じん)」に「王+牙」や鬼人などを意味する「Ogre」が組み合わさったもの。
上位武器では名前に「王牙」の文字が付くが、ただ単に当て字の可能性もある。
弱点は氷属性。水や火などもある程度有効。
概要
牙竜種 | |
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ジンオウガ |
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別名 | |
通常種 | 雷狼竜 |
亜種 | 獄狼竜 |
二つ名 | 金雷公 |
登場作品 | |
モンスターハンターのモンスターテンプレート |
モンスターハンターポータブル3rdを代表するモンスターで、パッケージにも描かれている。
元々は霊峰と呼ばれる地に住んでいたが、何らかの要因により移動。ユクモ村付近の渓流に出没するようになったため、村は湯治客の減少に悩まされ、ギルドにハンターの派遣を要請する。これがモンスターハンターポータブル3rdのストーリーで、派遣されたハンターこそがゲームの主人公である。
ユクモ地方に訪れた多くのハンターがジンオウガに戦いを挑んだが圧倒的なパワーとスピードで、悉く返り討ちにされてしまった。この事から、一時は「人間の勝てる相手ではない」と言われ、無双の狩人という異名を持つようになった。
ジンオウガは強力な放電や強靭に発達した四肢、尻尾などを武器にし、ハンターを攻撃してくる。
その放電は雷光虫によるもので、戦闘中に光のようなものを集めているのはそれである。
雷光虫を集め、帯電状態に、帯電状態からさらに集める事で全身に電気を纏った超帯電状態となり、素早さや攻撃力が格段に上昇、使う技も変化する。ちなみに、同じく雷光虫を原理とするシビレ罠に掛けると上記の動作と同じ処理がされているのか通常時、帯電状態では1段階進行し、超帯電状態では全く利かない。
実はこの超帯電状態中にジンオウガを転倒させると、虫あみを使って背中から活性化した雷光虫である超電雷光虫が採取が出来る。
超帯電状態は何度か攻撃を繰り返し、何度か怯ませると解除できる。
部位破壊が出来るのは、角、前足、背中、尻尾。角は2段階破壊なので注意。また、背中は破壊は出来るが破壊報酬が存在しない。※背中報酬は雷光虫達がおいしくいただきました
全ての攻撃が発生が早いが、判定も一瞬でのため、しっかり回避して攻撃を繰り返すというハンターの基本を再認識させてくれる。
MH3G
MH3Gにも引き続き登場。今作では亜種(後述)も登場する。MHP3rdほどではないがシナリオ進行にも少し絡んでくる。村と港の上位・G級で戦う事が出来、下位には存在しない。G級では雷狼竜の碧玉より入手しづらい雷狼竜の天玉が登場。G級のジンオウガ素材から作られる防具の製作や武器の最終強化で必ずと言って良いほど要求されるため、全国のハンターが血眼になって探す。
なお、MH3Gではチャージ時に首を大きく上に動かす事から頭を叩きづらくなっている。また、超帯電状態のグラフィックが美しくなっている。
MH4
MH4にも登場。行動パターンが大幅に見直されており、頭突きから尻尾の振り下ろしに繋げるような連携攻撃を数多く行使してくるようになっている。何より前脚の連続叩きつけ攻撃のホーミング性能はかなり増しており、さらにこれが上位個体となると前脚にもう一度エネルギーをチャージしてからその脚を叩きつけるという新たな戦法も追加されている。
MH4G
4Gに登場するG級個体はさらに叩きつけ攻撃の勢いがダイナミックなものになっている。ところが、それより恐ろしいのは4Gにて新登場したいわゆる“極限状態”のジンオウガであり、この状態だとジンオウガの攻撃力と防御力の度合いが大幅に変化。さらに雷光虫弾の挙動と性質も通常とは異なっているなどめちゃくちゃ戦いにくい難敵と化している。
MHF-G
2015年5月8日に「遷悠種」としてMHFに登場することが発表、同年夏のG8アップデートで実装された。
一時の盛り上がりであったが、コンシューマ(以下CS)モンスターのMHFへの参戦は7年ぶりでプレイヤーを驚かせた。
挑めるランクはHR5(旧100)となっており、月額課金をし始めた人でもすぐに戦うことが出来るようになるが、G級ではクエスト受注にGR100が必要になっており、G級昇格からある程度クエストをこなす必要がある(実装当初はGR500から)。
インフレが激しいMHFでは、メインシリーズのモンスターがそのまま登場しても地味で目立たない存在になってしまうことを鑑みて、一般のG級モンスターの頂点と肩を並べるほどの大幅なパワーアップがされてる。
また、本家MH2の分家であることからターン制の伝統を残すMHFでは、MH3以降のモンスターは(特に獣竜種の動きに関して)敬遠されがちである(獣竜種や海竜種についてもFオリジナルモンスターはターン制にアレンジされている)が、その点がイビルジョーを除き改善されている。
MHFオリジナルフィールドである樹海に登場するが、このフィールドはMHP2Gに登場したことでメインシリーズのユーザーにも知られているだろう。
正式公開前からガルバダオラの烈光のような絶対防御や根性、元気のみなもとを貫通してハンターを即死させる攻撃(MHFではこの手の攻撃をDQの呪文に擬えて「ニフラム」と呼ばれることが多い)を持ち合わせており、ネットカフェ大会で公開されていた。
この技は一定体力(25%)ごとに帯電状態である場合に使用し、ジャンプからの着地後に広範囲に雷光虫を飛ばし本体を中心とした範囲内に大放電を行うというもの。
放電が始まった瞬間に範囲内にいると打ち上げられ空中で超速スリップダメージを受け上述のようになる。
対処としてはガード不能で判定が長いためフレーム回避も不可、緊急回避であれば躱せるもののタイミングはシビアということで範囲外に離脱するのが基本。
発動条件があり、予備動作のジャンプは特有のモーションなので、G級のジンオウガ戦ではこの技を意識しつつ戦っていきたい。
このニフラムだけでなくほかにも2010年実装のデュラガウア剛種からMHFモンスターが標準装備している、一撃目でハンターを麻痺させ二撃目で追撃する根性潰し、お手から派生する打ち上げ根性貫通コンボを持つ。
その他にも数が大幅増加した雷光虫弾や雷光虫を発射しつつ行うタックルなどの既存技の強化、放電を伴うボディプレスやキリン特異個体のような瞬間移動と見紛う超速突進といったオリジナル技と多彩な攻撃を繰り出してくる。
メインシリーズのジンオウガに慣れれば慣れるほど苦戦するという全く別物の存在になっており、運営直々「魔改造」という言葉を使っているほどである。
前述の通りものによっては当たれば即死の激しい連撃を繰り出しつつ、理不尽さはなく確実に対処することで反撃できるというMHFらしい仕上がりとなっている。
また、同時に雷属性やられも導入されており、無対策では【大】、雷耐性10で【小】に軽減、20で無効化という段階があるが、気絶しやすくなるという効果は変わらない。
秘伝書の耐性UPや激励ラスタを用いれば対策は容易。
HR5の時点ではメインシリーズの面影が残っているため倒しやすいが、元気のみなもとが使えない分人によっては剛種よりきついかもしれない。
武器はMH3Gまでの11種はそのまま導入されMHF-Gオリジナル武器種である穿龍棍がオリジナル武器として追加、スラッシュアックスも後に実装されたオリジナル武器種のスラッシュアックスFとして実装されているので全武器種が存在。
遷悠武器というカテゴリに属し、シジルと装飾品をどちらも装着できるほか装備するだけで早食い効果が発動する。
性能の方も他のG級武器に劣らない強力な雷属性武器となっており、ある意味有名なヘビィボウガンも実用的な性能に調整されている。
防具はMHP3のノーマル及びSシリーズのデザイン。
こちらも遷悠防具のカテゴリに属し、1部位装備するだけで雷属性攻撃強化【大】が自動発動する。
ちなみにジンオウガの参戦でMHFはMH3世代に新登場した骨格のモンスターが全て出揃うことになった。
極み吼えるジンオウガ
MHF-G9.1に実装された原種の強化個体。
2014年実装の至天征伐戦以来MHF-Gではお馴染みとなる、G級最前線向けのやりこみモンスターという位置付けになる高難易度クエストとして「無双襲撃戦」というイベントで2016/3/17から配信された。
2015年末にもイビルジョーの強化個体が同様の高難易度という位置付けで配信されており、そちらが2頭クエストだったのに対して1頭でも2頭と同等の難易度とされた。
リオレウス希少種のような白や銀という見た目になっており、最初から超帯電状態で解除は一切されない。
また、これもMHFではお馴染みだが体力が50%を切ると覚醒状態に入り更に強化される。
このイベントではチールGシリーズという防具の素材を入手可能であり、素材が非確定だが撃退で済む「静寂切り裂くは、霹靂の鼓動」と、5部位分の素材が確定するが討伐指定であり達成が非常に困難な「乱れ穿たれし、饗演の幕引き」、という2クエストが存在する。
攻撃面ではミドガロンのような瞬間移動を繰り返し怒濤の連続攻撃で保護スキルやアイテムを貫いてくるのが特徴。
また、既存のG級個体から更に技の派生が増えており、麻痺を含む攻撃も多い。
このため、スキル出の対策に加えて僅かな挙動から技の派生を見切り対処、かつ反撃することが求められる。
とはいえ撃退クエストでは攻撃力もG級個体と大差ないため単発の被弾で即死することもほぼなく、撃退でいいので覚醒状態から少し削ればクリアとなり、制限時間も20分と余裕があるのでMHF-Gの最前線で戦ってきたG級ハンターであればそこまで難しくない。
(初回配信時は前週の不具合の補償で全ハンターに狩人応援コースが付与されていたこともある)
問題は討伐クエストのほうであり、こちらは高い攻撃力で繰り出される怒濤のコンボ攻撃に加えて、耐久力がとても高いためクエストの成功率はかなり低いものとなった。
(このクエストは課金コースの効果や元気のみなもとが無効)
具体的に言うと通常個体がHP27200/全体防御率0.4、撃退個体が27000/0.25のところを、27000/0.05である。
これを他のコンシューマシリーズのMHでざっくりと表現すると、「MHP2GのG級ラオシャンロンの14倍のタフネスと即死攻撃を備えた全力で暴れ回るジンオウガを狩ってこい」という話になる。
更にクエスト時間は10分であるため手数が足りずに時間切れ、もしくは時間がかかるために集中が途切れてコンボに被弾し3乙というのが失敗パターンだったようだ。
モンスターの挙動自体は悪くなかったようで撃退クエストはそれなりに好評を博したが、討伐クエストに関しては高難度の実現方法がイビルジョーと似たような方向であり、そちらの項に詳しいが同様に評判は芳しいとは言えないものとなった。
その後もこういった高難易度クエストは追加されており、それと同時にこの極ジンオウガのクエストも配信されている。
最初に述べたようにモーション自体は好評であったこと、ハンター側がこういった高難易度クエストに慣れアップデートを経て火力やスキルが更に充実していっていることから現在はまた違った評価を受けている。
実装初期は「様子見しようと思ってエリアに入り、気が付いたら(自分が)死んでいた」「撃退だけは出来たが討伐は出来ない」というハンター諸氏でネ実本スレが溢れかえり、YouTubeに初の討伐動画がアップロードされたのは実に実装から3日後のことであった。
MHW:I
たびたび実装を望む声が上がっていたジンオウガだが、2019年8月30日、PV第5弾にて遂に登場。当日のTwitterトレンド第1位となり、ニュースサイトにも取り上げられるなど話題となった。
エンディング後に解放される「導きの地」のほか、調査クエストで「古代樹の森」「陸珊瑚の台地」に姿を見せる。
初登場時のムービーではリオレウス、ディアブロスを相手に三つ巴で縄張り争いを繰り広げる。この時強敵を前に姿を見せたジンオウガはハンターを一瞥するに留まり、人間など意にも介さない「無双の狩人」のかっこよさに惚れ直すプレイヤーが続出した。
攻撃はいずれも力強いもので、更に新技やモーションが追加。
他方、生物としての描写も増え、未警戒状態では悠然とフィールドを歩き回る。特定のポイントでお座りして寛いだり、月が出ていれば月に向かって遠吠えするなど、意外な姿も見られる。
その後、2019年11月24日の「モンスターハンターフェスタ'19-'20東京会場」において開催された「狩王決定戦」終了後にPVが公開。12月5日にジンオウガ亜種が実装される旨が発表され、おおいに盛り上がった。
ぽかぽかアイルー村シリーズ
スピンオフであるぽかぽかアイルー村シリーズでは『ぽかぽかアイルー村G』から登場。以降アイルー村シリーズでは皆勤賞となっている。
アイルー村Gとその移植版のアイルー村DXでは探検クエストで対峙できる大型モンスターの一体として村おこしの終盤に登場。充電してから強力な放電攻撃を放つが、その後には大きなスキができるのでその間に殴って気絶させよう。「雷狼竜の甲殻」を剥ぎ取れば勝利となる。
アイルー村Gではパッケージにも彼の姿が描かれており、更にオープニングムービーでも終盤に咆哮を放つ姿が見られる。
アイルーでパズルーではお祭りモードの途中でランダムで乱入してくる。倒せばプレイアブルキャラとしてひとりで/友達とパズルーで使えるようになる。必殺技は「いかりの放電」。2ターンの間相手の方向キーの操作をシャッフルし、操作をちぐはぐにさせる技。
アーケードゲームのモンハン日記 プリプリプーギーレースではアイルー村コースの難易度「むずかしい」に登場している。
MHST
MHSTでは仲間にできるモンスター、オトモンの一体として登場。ストーリー後半に訪れる「稀の棲みか」などの一帯でタマゴを入手できるが、レア度は★6なのでパーティーに加えられるようになるのはさらに後になる。パワータイプだがスピードも高く、バランスの取れた雷属性の強オトモン。
ライドアクションは障害物を飛び越えられる「ジャンプ」。ドス鳥竜からのバトンタッチにも最適。
アニメ版「モンスターハンターストーリーズ RIDE ON」では、ヒョロのオトモンとして登場した。
モンスターハンターライダーズ
スマホゲーム「モンスターハンターライダーズ」でも、ストーリーズよりオトモンとして続投。今作では常設クエストの「オトモン獲得クエスト」で★3までなら早い段階から仲間にできるほか、★5までの高レアリティは竜騎祭ガチャのおまけとして低確率で入手できる。
ストーリー中ではジンオウ装備を身にまとった女性ライダー、シノのオトモンとして登場。ゲーム的にもお互いにスピードタイプで雷属性のシノとジンオウガの相性は良い。また、ホームタッグにジンオウガを設定することでジンオウガがすやすや眠る姿を拝むことができる(これは他のオトモンも同様)。
雷光虫との関係について
前述の通り、ジンオウガは雷光虫を使って自身の能力を飛躍的に高めているわけだが、なぜ自分とはまったく異なる種である生物の能力を利用することが出来るのか。それはジンオウガと雷光虫との間に相利共生(異なる生物同士が互いに生活することで、どちらも利益を得る共生のこと)の関係が築かれているためである。
雷光虫は発電する性質を持ち、外敵に対してその発電能力を使って攻撃を行う。しかし彼らの天敵であるガーグァはクチバシが絶縁体となっており、放電能力が無効化されてしまうため、一方的に捕食されてしまうのだ。
そこで彼らは天敵に襲われないために、逆にガーグァの天敵であるジンオウガと共生することで自分の身を守っているのである。ジンオウガ自身も雷光虫を身体に纏わせることで能力を強化出来るメリットがある。ジンオウガと共生している彼らは何らかの作用により活性化していて、通常の雷光虫とは色も異なる。雷光虫側の利益が大きすぎる気がしないでもないが、この2種の関係は現実の生物学的に見ても相利共生といえる。
なお自然界ではアブラムシとアリ、クマノミとイソギンチャクなど相利共生関係にある生物は存在するが、自身の能力強化のために他の生物と共生をしている生物というのはあまり例がないだろう。またこの2種の関係はコバンザメとその宿主との関係にも似ているし、そちらの方がしっくりくるが、あちらはコバンザメ側にしか利益がない片利共生である。
武器の由来
下位のジンオウガの武器は全て王の文字と、フウライ、トドロキ、テンライなど雷に関する名前が付けられている。上位では王牙の文字に加え、日本神話の中で黄泉の国にいたイザナミにまとわりついていた八つの雷神(八雷神)の名前が付けられている。
なお、八雷神は古事記の記述に基づいたものであり、どう考えても八つでは足りてないので日本書紀の八色雷公からも一部引っ張ってきている。一部というより、八雷神と被らない名前だけを使うとちょうど全武器がカバー出来る数になるのである。古事記は「イザナミ」、日本書紀は「伊弉冉尊」としておく。
神の名前は下記の一覧を参照。武器順で並べると明らかに足りてなかった感がひしひしと伝わってくる。
- 王牙大剣【黒雷】(くろいかづち。イザナミの腹にいた)
- 王牙刀【伏雷】(ふすいかづち。イザナミの右足にいた)
- 王牙剣【折雷】(さくいかづち。イザナミの陰部にいた)
- 王牙双刃【土雷】(つちいかづち。イザナミの右手にいた)
- 王牙鎚【大雷】(おほいかづち。イザナミの頭にいた)
- 王牙琴【鳴雷】(なるいかづち。イザナミの左足にいた)
- 王牙槍【若雷】(わかいかづち。イザナミの左手にいた)
- 王牙銃槍【火雷】(ほのいかづち。イザナミの胸にいた)
- 王牙剣斧【裂雷】(王牙剣【折雷】と同じ。伊弉冉尊の陰部にいた)
- 王牙棍【雷公】(らいこう。雷神の異称)
- 王牙弩【野雷】(のいかづち。伊弉冉尊の足にいた)
- 王牙砲【山雷】(やまいかづち。伊弉冉尊の手にいた)
- 王牙弓【稚雷】(わかいかづち。伊弉冉尊の背にいた)
亜種
『モンスターハンター3G』で黒い亜種が登場した。別名:獄狼竜。ご苦労竜ではない
通常種は雷属性であったが、亜種は龍属性を纏う。また属性が変わった事で寒暖への耐性を獲得したため通常種が生息しない凍土や火山に出現する。
通常種が雷属性で亜種が凍土に生息し龍属性の雷を落とす点は、MHFに登場するベルキュロスとドラギュロスの関係に似ているが、後にそのMHFには揃って登場することになる。
龍属性を纏うため、ジンオウガ亜種の身体からは禍々しい黒いオーラと赤い雷が迸る。その風貌は地獄の覇者を思わせるという。また、通常種と比べて鳴き声が低くなっており通常種とは一味違う印象を与える。そんなジンオウガ亜種から剥ぎ取れる素材も非常に禍々しい。全ての龍に反旗を翻したかと思わせるほどの迫力を持つ剛角、圧倒的覇者の地位を築くのに十分な威力を持つ剛爪、全ての龍を脅えさせる龍殺しのエナジーが蓄えられた龍殻など恐ろしい説明文が素材に添えられている。
そのためかジンオウガ亜種の素材から作られた防具にも龍の気が宿り、古龍の一撃や息吹から装備した者を守る。ガンナーの防具からは猛獣が怯えるほどの龍の気を発し、打ち出す矢弾に龍の気を込められるという。その恩恵か、龍属性攻撃強化が付く。
龍殺しの実を好む蝕龍蟲を集める習性があり、超帯電状態ならぬ龍光まとい状態になる。通常種と同じようにチャージをするのだがその頻度が半端なく、事あるごとに蝕龍蟲を集めようとする。たとえ疲労状態になっていもお構いなくチャージ。さらに歩きながらチャージを行ったりするうえ、なんと2回のチャージで大体龍光まとい状態となる。そのため龍光まとい状態が非常に長く続く。あまつさえ通常種は超帯電状態になると肉質が軟らかくなっていたが亜種は逆。龍光まといの状態だと肉質が堅くなり、通常時だと肉質が軟らかくなる。また、しょっちゅう龍光まとい状態になるため疲労状態になりづらい(龍光まとい状態だと疲労が無かった事にされるため)。
見た目からはただのジンオウガの亜種を思わせるが、ヤマツカミの大雷光虫ファンネルのようにハンターを追尾する玉を作り出したり(ただし軌道は一直線)、チャージ中に龍の雷を降らせたりとハンターの攻撃を邪魔をしようとしてくる。
ハンターを追尾する玉はハンターだけでなくジンオウガ亜種にも当たるとダメージとなる。
龍属性やられを引き起こす行動が多いので、ウチケシの実が必要である。
瀕死になると、イビルジョーたち獣竜種の巣で休眠を取る。
ちなみに通常種にシビレ罠を仕掛けると長時間拘束できる代わりに電力を吸収されて超帯電状態と化すが、亜種の場合は特に何も変わらないので他のモンスターと同じ感覚でシビレ罠を仕掛ける事ができる。
ジンオウガ亜種の素材から作られる防具は「ジンオウZシリーズ」、もしくは「ゴクオウシリーズ」と呼ばれる。
容姿は通常種の素材から作られるジンオウXと何ら変わりは無いが亜種の体色を反映して全体的に黒くなっている。ジンオウガ亜種は龍属性を扱うモンスターにしては珍しく龍属性に耐性を持っているため防具にも高い龍耐性が付いている。イビルジョー戦などでは大活躍するだろう。しかし雷属性には滅法界弱くなっているので注意が必要。一式全て揃えるとスキル「フルチャージ」が付く。これは体力が満タンの時に攻撃力UP【大】が付くというもの。発動すると左手が龍光を纏う。力の解放、挑戦者と並んで厨二心をくすぐられる。ただし僅かでもダメージを喰らうとフルチャージの効果は消えてしまう。ブナハブラに突かれてもガード削りを喰らっても当然消える。そのため使いどころが難しい。他には集中、回避性能+1、龍属性攻撃強化といった便利スキルが発動する。ガンナーは集中の代わりに装填数+1が付く。
防具の製作にはレア素材である獄狼竜の天玉の他に、何故か雷狼竜の天玉も要求されるので通常種も狩る必要がある。
MHF-G
亜種も7番目の遷悠種としてG10.1(2016/8/3)で狩猟解禁。
ちなみにMHFにおいて〇〇亜種というモンスターの追加は2008年のエスピナス亜種以来となる。
メインシリーズとの違いとしては「龍光まとい状態」が「帯電状態」と呼ばれており、角や爪が赤く光り体毛が伸びて黒く染まるなど見た目が大きく変化することと、G級では龍属性やられのみならず「蝕龍やられ」という独自の状態異常を与えてくることがある。
登場するフィールドは雪山と塔のMHFオリジナル秘境エリア。
HR5の個体はメインシリーズや同じランクの原種と大差ないが、突進や尻尾叩きつけが高速化されていたりお手に横ステップからのお手や尻尾叩きつけへの派生が追加されていたりはする。
MH4GのG級個体をベースに大きく調整しているようで、G級でも基本的には原種に近い立ち回りができるようになっているが、MHFの亜種らしく根本的に原種と違う技も用いるので全く同じ感覚では挑めない。
亜種の代名詞とも言える蝕龍蟲弾もMH4Gベースで、ランク問わず帯電状態の一部攻撃に合わせて発生しハンターに向かって飛んでくるが、メインシリーズに比べて高い位置に発生しそこからの直線軌道であることに加えてスピードも大して速くないので移動で簡単に対処できる。
また、独自モーションとしてその場で頭を上げて大量の蝕龍蟲弾を発生させるものがあるが、数に気を付ければ対処は同じであり発生させている最中の本体は無防備。
G級の帯電状態では蝕龍蟲弾のビジュアルも変化し、これに当たってしまうと龍属性やられと蝕龍やられになってしまう。
オリジナル技としては龍属性の竜巻を二つ発生させ飛ばす技のほか、前方に飛び掛かってから2回回転してハンターを打ち上げ上空に大量の蝕龍蟲弾を放って追撃するコンボ技も持つ。
後者は飛び掛かりに判定は無いが回転はどちらに被弾しても打ち上げられてしまうため2回とも回避する必要があり、2回目の威力が高いことから1回目に当たっていると2回目が追撃になりその時点で根性を貫通されてしまう。
更にとどめの蝕龍蟲弾は複数ヒット判定の上当然蝕龍やられもついているので絶対防御態勢なども無意味。
しかし蝕龍蟲弾は上にしか飛ばさないことから地上に判定は無く、2回の回転をやり過ごせば使用後の隙も含めて攻撃チャンスであるため、予備動作を覚えて対処したい。
高速移動や雷光虫拡散、雷光大爆発(ニフラム)など亜種ではオミットされた技もあるが、その代わりのG級限定最大技も備えている。
こちらも一定体力で使用するが、龍属性エネルギーをチャージしつつ高く跳躍して狙ったハンターにプレスを仕掛け、同時に龍属性エネルギーを解放してハンターに打ち上げ+超速スリップダメージを与える亜種版ニフラムとも呼べる技になっている。
チャージ後に跳躍してから狙いをつけるため原種と比べると予備動作がかなり長い。
ただし、発動時から動かずその場中心に攻撃する原種と違い狙ったハンターにピンポイントで落ちてくる上に有効範囲外にも落雷が発生するため、原種の基本であった距離を取っての回避が難しい。
狙ったハンターの周囲の地面には着地の直前に龍属性色の影が映るので、緊急回避する場合はそれを目安に落雷に当たらないよう爆発の範囲内に飛ぼう。
ちなみに、G級亜種のクエストは基本的に塔だが雪山ではこの技を使わないようだ。
メインシリーズでは作品によって評価に波のある亜種だが、MHF-Gでは原種同様強さと楽しさのバランスを取ってMHFの環境に合うように調整されており概ね好評のようだ。
前述の通りMHFのジンオウガ亜種特有の状態異常である蝕龍やられは、喰らうと画面の端が龍属性に蝕まれるように赤く塗りつぶされ武器の斬れ味と体力が徐々に減っていく。
更に最大の特徴として一定時間ごとに回復薬などの消費アイテムが蝕まれて減っていってしまう。
一般の属性やられではあるのでウチケシの実による解除、龍耐性による無効化は有効。
また、ゲリョスに対する鉱石やメラルーに対するマタタビのように、蝕龍蟲が好む龍殺しの実を持っていると優先的に消費される。
武器は原種同様追加された穿龍棍を含め13武器種全て存在。
基本的に近接武器と弓は龍属性になっているが、双属性が存在しないため双剣も龍属性、ガンランスは最初から龍属性といった仕様の違いによる差異がある。
ちなみに双剣に関してはデザインが片方原種のものだが龍属性のみというアンバランスな状態となっている(一応MHFに存在する複属性には雷+龍の雷極属性もあるのだが)。
また、ヘビィボウガンの武器の名前はMH4系だが、デザインはMH3Gのもの(原種の色違い)となっている。
防具の「獄狼」シリーズのデザインはMH3Gのものであり、1部位装備すると龍属性攻撃強化【大】が発動する。
大蝕龍蟲
MHSTのジンオウガは、通常種が大雷光虫を戦闘中に呼び寄せたり同時出現していたりがあるが、亜種にも同様に戦闘中に呼び出したり同時出現する小型モンスターがいる。それが大蝕龍蟲である。
大雷光虫がそうであるように、大蝕龍蟲は変異で巨大化した蝕龍蟲であり、先の通り亜種との共生関係にいることから登場したものと思われるが、メインシリーズでは今のところ一度も討伐対象にはなっていない。
亜種の武器
通常種同様、ジンオウガ亜種の素材から全種類の武器を作る事が出来る。しかし属性が変わったため命名の仕方が変わっている他、見た目も変わって黒々としている。全ての武器には龍属性が伴っており古龍やイビルジョーと戦う時には心強い相棒となるだろう。ライトボウガンとへビィボウガンは滅龍弾を速射/しゃがみ撃ちが可能。どの武器も最終強化するまでに必ず獄狼竜の天玉を要求されるため全て揃えるのは大変。しかし一度手に入れれば苦労に見合った性能を発揮してくれるだろう。
狼牙○○(武器名)【○獄】と言った具合に命名されている模様。
- 狼牙大剣【辺獄】(大剣)
- 狼牙刀【悪獄】(太刀)
- 狼牙剣【欲獄】(片手剣)
- 狼牙双刀【雷獄】(双剣) - 龍属性と雷属性を合わせ持つ。生産に雷狼竜の天玉と獄狼竜の天玉が要求される。
- 狼牙槌【食獄】(ハンマー)
- 狼牙琴【異獄】(狩猟笛)
- 狼牙槍【怒獄】(ランス)
- 狼牙銃槍【貪獄】(ガンランス)
- 狼牙剣斧【暴獄】(スラッシュアックス)
- 狼牙弩【反獄】(ライトボウガン)
- 狼牙砲【逆獄】(へビィボウガン)
- 狼牙弓【邪獄】(弓)
二つ名個体
『モンスターハンタークロス』では、“金雷公(きんらいこう)”という二つ名を持つジンオウガが登場する。
通常種よりも全体的に黄色味が増しており、さらに頭部の角の片側が微妙に大きくなっているのが通常種との大きな違いで、加えて身体に纏う電光も黄金色に近くなっている。
この個体の最大の特徴は“常に超帯電状態”にある事で、最初から超帯電状態の動きでこちらを翻弄してくる。
それに加えてお手攻撃の回数が増えたり、放つ雷光虫弾が地面に滞留する地雷型になってたり、亜種が使ってきたようなバックボディプレスからのサマーソルトジャンプを繰り出してきたりと、通常種以上に行動パターンが苛烈である。
その上でさらに雷光虫を集め、蓄積した電力が最大に達すると全身が黄金の光で包まれた真帯電状態に移行する。
この形態では攻撃パターンがより一層変化し、お手攻撃の際には落雷が発生してリーチが増大したり、雷光虫弾の発射数と射程距離が伸びたり、そしてお手攻撃の直後にダイナミックなボディアッパーカットを放って来たりする。
ちなみに真帯電状態は怯みだけでなく時間経過でも解除されるが、その瞬間には広範囲に電撃の衝撃波を発生させるため要注意。さらに常に帯電状態という関係上疲労もしない。
余談
『モンハン日記 ぎりぎりアイルー村G』の第12話にて、モンスターでありながら、何故かセリフ付きで登場している。(CV:関智一)
そのアニメでの話によれば、「雷狼竜の碧玉」がある体の部位は…?
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