もうひとりの主人公とは、主人公が二人いる作品においてのもう一人の主役格(または準主役格)のこと。
準主人公、副主人公と呼ばれることも多い。
概要
大半の作品の場合、主人公は一人に設定されており、読み手に近い視点で物語を展開していく場合があるが、主人公が二人設定されていて物語を二つの視点で見ていくような作品もある。
「もうひとりの主人公」とひとくくりに言っても、ジョジョの奇妙な冒険第一部「ファントムブラッド」のディオ・ブランドーのように、成長していく善側の主人公と対比し悪側でどのように没落していくかを描いたものや、バディアクション映画「ザ・ロック」のグッドスピードのように、強すぎる主人公と比べ一般人に近い視点で物語を追っていくもの、「デスノート」のLのように物語の途中で退場してしまうモノまである。
他にも「ドラえもん」の野比のび太のように、もうひとりの主人公として設定されているが、作品タイトルに冠されてない為、視聴者には主人公と認識されにくいキャラクターも存在している。
2人の主人公がいる場合でも、下記の「仲間型」とも違う明確かつ完全に対等な「W主人公」として扱われている状態ならば、どちらかがもうひとりの主人公と呼ばれることはない。例えば「仮面ライダー」の本郷猛・一文字隼人がそうである。
一つだけ言えることはいかなる2人の主人公がいる作品でも、キャラクターの性格、設定、そしてテーマが違うことである。テーマがそれぞれ違う2人の主人公を見比べ、考察したり創作の幅を広げるのもいいかもしれない。
また、これから派生しヒロインが二人いる物語の手法もある。
タイプ別分類
※編集者の独断と偏見が大いに含まれます
- 仲間型
- 主人公の隣で同じ道を歩いていくタイプ。親友・相棒ポジションが多い。
主人公と並び立つ存在で、「準主人公」というよりは「W主人公」という扱いのことも多い。
主人公以上の心身の成長率を見せることも少なくない。ライバル型・狂言回し型を兼任している場合もある。
主人公に負けず劣らずの存在感を発揮し、時には主人公以上の活躍をすることから、むしろ主人公の影が霞んでしまって、こっちが主人公と思われるパターンも多い。
- 代表的なキャラクター:ポップ(ダイの大冒険)、フィリップ(仮面ライダーW)など
- 先輩型
- 主人公より先に大成しており、主人公に大きな影響を与えるタイプ。仲間型の亜種。
- 主人公が成長していくにつれて、釣り合いが取れるようになって本格的に「仲間型」に移行したり、或いは先に途中退場してしまい、主人公が残った役割を背負うなど、何かしら関係に変化が生じやすい。
代表的なキャラクター:カミナ(天元突破グレンラガン)、櫂トシキ(カードファイト!! ヴァンガード)など
- 狂言回し型
- ブッ飛んだ性格・能力を有する主人公に対して存在する、一般人(視聴者)視点のキャラクター。
主人公のストッパーだったりツッコミ役だったりする。「主軸」に対する「主役」、語り部型とも。
視聴者の感情移入が強くなるため、視聴者はこのタイプを主人公と認識していることも多い。
このタイプで思い浮かべられることが多いのは涼宮ハルヒの憂鬱シリーズのキョンだが、彼はれっきとした唯一の主人公である。
- 代表的なキャラクター:人吉善吉(めだかボックス)、八坂真尋(這いよれ!ニャル子さん)など
- ライバル型
- 主人公にライバル視される、あるいは主人公に対抗したりしているタイプ。
主人公と同じ目的を持っていても手段が違うというダークヒーロータイプもいる。
最終的にはお互いを認め合って和解したり、「敵が同じだから今だけは手を組んでやるだけなんだからねっ」とかツンデレ発揮して仲間になるパターンもある。
- 代表的なキャラクター:ディリータ(FFT)、カイ=キスク(ギルティギアシリーズ)など
- 宿敵型
- ライバル型と違い、こちらは徹頭徹尾敵。大抵ラスボス。
主人公とは相容れない信念に基づいて行動したりしている。ライバル型が闇堕ち・悪堕ちしてこちらになることもある。
- 代表的なキャラクター:ディオ・ブランドー(ジョジョの奇妙な冒険)、L(DEATH NOTE)など
- サブキャラ型
- 主人公と関係ないところで独自エピソードを展開しているタイプ。
大概行動の結果が主人公に影響を及ぼしている。このタイプが多数いると群像劇となる。
- 代表的なキャラクター:アラゴルン(指輪物語)など
- 後継者型
- 物語が長期に渡った場合、当初の主人公の後継者として登場するタイプ。主人公が死亡した場合や、何らかの理由で物語から脱落した場合に、次の主人公として扱われる。
- 代表的なキャラクター:孫悟飯(ドラゴンボール)、ユリアン・ミンツ(銀河英雄伝説)など
- 複合型
- 上記の類型の複合型
- 代表的なキャラクター:常守朱(PSYCHO-PASS 仲間+狂言回し+後継者)など。
「もうひとりの主人公」キャラクター
※キャラクター名五十音順
「ふたり」以上
※作品名五十音順
関連項目
脚注
- *「レギオンメイト編」でのみ単独主人公になる