宝塚記念 単語

599件

タカラヅカキネン

6.1千文字の記事
  • twitter
  • facebook
  • はてな
  • LINE
これはリビジョン 3045089 の記事です。
内容が古い・もしくは誤っている可能性があります。
最新版をみる

競馬ファンの皆さん、どうでしょうか。
今年もまた、あなたの。
そして、わたしが走ります。


上半期最終GI競走
宝塚記念
阪神競馬場・芝2200m


宝塚記念(たからづかきねん)とは、6月阪神競馬場で開催されるJRAGI競走。ローカル競馬場戦場が移る季の始めに行われる、シーズンの締めのGIである。

概要

沿革

の総決算として有馬記念のようなレース関西にも、というの元、1960年に創設された。レース名は阪神競馬場所在地である兵庫県宝塚市に由来する。

有馬記念と同じく、ファン投票によって優先出走権が与えられる。そのため「有馬記念グランプリ→版・有馬記念→宝塚記念=グランプリ」という認識がファンマスコミの間で浸透しているが、正式にグランプリの副名称が付いているのは有馬記念のみで、宝塚記念は厳密にはグランプリではない。正直、今となってはどっちでもええわ、という人が大半かもしれないが……。

天皇賞(春)と並ぶ上半期におけるビッグレースであり、長距離中心であった時代では中距離がその本領を発揮できる数少ないレースの1つであったが、中距離の上に別定戦だった故に八大競走には数えられず、グレード制導入前の1983年以前は現在スーパーGⅡ相当の格付けのレースという見方がされていた。5冠シンザンは本競走を勝っても「6冠」とは言われなかったし、騎手が「天皇賞勝ち抜けしたので有馬記念しか出るレースがない(から海外遠征する)」とコメントしたテンポイントの事例などから、往時の扱われ方が伺える。1984年グレード制が導入され、GIに格付けされた後も他の古馬王道GIべて格下扱いされる時代が長く続いた。

しかし時は流れ、長距離から中距離流が移った近年では、距離適性の不適を理由として天皇賞(春)を回避し、安田記念ドバイ香港に向かった実達が出走してくるため、名実ともに上半期の総決算と呼べるレースになりつつある。
ただそれでも、開催時期がにとって厳しい梅雨の蒸し暑い時期であること、クラシック路線標とする3歳にはスケジュールがキツイことなどの理由により、フルゲートで開催されることはほとんどない。創立以降、フルゲート18頭が出走したのは2007年2020年のみ[1]。登録数の過多による除外が発生したのは2022年の第63回(20頭登録)が初である。

2017年からは産経大阪杯GIへ昇格したことに伴い、大阪杯天皇賞(春)・宝塚記念の春古馬三冠を形成して、秋古馬三冠と同様にこれらのレースを三連勝したには褒賞が与えられることになった。ただこちらも、宝塚記念の出走率の低さと、春天の長すぎる競争距離が相まって、達成産経大阪杯時代に遡っても現れていない。

出走ファンファーレ1999年の第40回開催から通常の阪神GI曲に変わり、一般募によって選ばれた宝塚記念専用曲が用いられるようになった。数少ない「一年に一度しか聞けない」ファンファーレである。

過去最高のファン投票数を獲得したのは2022年タイトルホルダー2位エフフォーリアとともに、それ以前の1位だった1990年オグリキャップを上回った。

あなたの夢はなんですか?

本記事冒頭の一文は、元関西テレビアナウンサー杉本清の名調子であり、宝塚記念を徴するフレーズである。もともとは1977年有馬記念の特別実況にて使った『あなたの、そしてわたしが走っています』というフレーズであり、これを気に入った杉本アナ宝塚実況でほぼ毎回差し込むようになったのである。

とはいえ、いい加減マンネリを感じてきたので91年からはやめとこう、と考えていたらしいのだが……。杉本アナはつい、ゲートイン直前に例年通り『今年もあなたの、そしてわたしが走ります』と喋ってしまった。そしてそれを取り繕うために『あなたのメジロマックイーンライアンかストーンか』人気を取り上げた後、わたしはバンブーです』いらんこと自身の本命をってしまう。
その「わたし」・バンブーメモリーは最下位大敗し、先輩からも叱られたので翌92年こそは自重したところ、今度は視聴者から「なんで言わんかったんや!」と苦情が殺到。かくして93年以降は『あなたのわたし』が宝塚実況の名物として定着したのであった。杉本アナ引退した現在でも、往年の競馬ファンには染み深い。

ということで、来そうで来ないを選んでいた」ためでもあるのだが、『わたし』に名されたたちの好走率は妙に低く、一種の死亡フラグ扱いされることもしばしばであった。関係者からも疫病扱いされており、武豊は「(杉本アナは)に◎を打たないで欲しい」と愚痴っている。

おそらくもっとも有名なくだりは、99年のものであろうか。98年度優勝サイレンススズカは同年の天皇賞(秋)予後不良安楽死となっていたが、杉本アナはあえてこの場にいない同を『わたし』に選び、在りし日の姿をんだ。杉本アナが非出走を取り上げたのはこれが一だった。

変わったところでは、2000年の『わたし』は「直線、沈黙の実況」だった。杉本節の代表格「もう言葉はいらないのか!」と同じく、言葉も発せないような息詰まる名レースを期待したい、という意味であったが、本番ではテイエムオペラオーがいつもと同じようなパターンで僅差圧勝し、杉本アナもごく普通実況に終始。またも『わたし』は撃沈したのであった。ジョービッグバン(3着)の名前は最終直線で一度も呼ばなかったけど

レース傾向

内回りコースを使用し、スタンド前直線の最右端から発走する。最初の直線は525mと十分に長く、順の有利不利はあまりない。小回りコースで行われるレースらしく、先行が積極的なレース運びをして緩みないペースになることが多い。一方で梅雨時ということもあり、馬場状態は渋りやすく、見た以上にタフレースになりがち。自の高いが勝つ、較的堅い決着が多い。

第7回、10回、15回、17回、32回、36回、47回は阪神競馬場修工事や災害で使えなかったので、京都競馬場の芝外回り2,200メートルで行なわれた。
第21回は京都競馬場修工事の振り分け開催の都合上、中京競馬場の芝2,400mで行われた。

出走資格
サラ系3歳以上 地方・外調教も可
負担重量
定量 3歳53kg、4歳以上58kg、2kg減
本賞金
1着2億円、2着8000万円、3着5000万円、4着3000万円、5着2000万円
出走可頭数
18頭
出走選定方法
  1. 特別登録を行ったJRAのうちファン投票上位10頭
  2. 残り8頭は「通算収得賞金」+「過去1年間の収得賞金」+「過去2年間のGI競走収得賞金」の総計が多い順に選出

主な前走・前哨戦・関連競走

競走名格付施行競馬場施行距離間隔
ドバイ・ミーティング GIGII メイダン競馬場 レースにより異なる 12週
香港チャンピオンズデー GI 沙田競馬場 レースにより異なる 8週
天皇賞(春) GI 京都競馬場 3200m 8週
ヴィクトリアマイル GI 東京競馬場 1600m 6週
目黒記念 GII 東京競馬場 2500m 4週
安田記念 GI 東京競馬場 1600m 3週
鳴尾記念 GIII 阪神競馬場 2000m 3週

宝塚記念の優勝には同年中の際競走への優先出走権が与えられる。しかし両競走ともJRA下半期開催のGI競争と時期がかぶってしまうため、実際にこの制度を利用して海外遠征したは非常に少ない。むしろ凱旋門賞の前戦と見做されている感がある。

競走名格付施行競馬場施行距離制度開始年
ブリーダーズカップ・ターフ GI 開催年により異なる 芝12ハロン(約2400m) 2011年から
コックスプレート GI ムーニーヴァレー競馬場 2040m 2019年から

歴代優勝馬

回数開催日優勝性齢勝利騎手勝ち時計動画
第63回 2022年6月26日 タイトルホルダー 4 横山和生 R2:09.7
第62回 2021年6月27日 クロノジェネシス 5 C.ルメール 2:10.9 sm38947722exit_nicovideo
第61回 2020年6月28日 クロノジェネシス 4 北村友一 2:13.5 sm37104919exit_nicovideo
第60回 2019年6月23日 リスグラシュー 5 D.レーン 2:10.8 sm38840943exit_nicovideo
第59回 2018年6月24日 ミッキーロケット 5 和田竜二 2:11.6 sm33415240exit_nicovideo
第58回 2017年6月25日 サトノクラウン 5 M.デムーロ 2:11.4 sm31457331exit_nicovideo
第57回 2016年6月26日 マリアライト 5 蛯名正義 2:12.8 sm29126555exit_nicovideo
第56回 2015年6月28日 ラブリーデイ 5 川田将雅 2:14.4 sm26589369exit_nicovideo
第55回 2014年6月29日 ゴールドシップ 5 横山典弘 2:13.9 sm23890072exit_nicovideo
第54回 2013年6月23日 ゴールドシップ 4 内田博幸 2:13.2 sm21185151exit_nicovideo
第53回 2012年6月24日 オルフェーヴル 4 池添謙一 2:10.9 sm18181044exit_nicovideo
第52回 2011年6月26日 アーネストリー 6 佐藤哲三 2:10.1 sm14856989exit_nicovideo
第51回 2010年6月27日 ナカヤマフェスタ 4 柴田善臣 2:13.0 sm11208174exit_nicovideo
第50回 2009年6月28日 ドリームジャーニー 5 池添謙一 2:11.3 sm7475341exit_nicovideo
第49回 2008年6月29日 エイシンデピュティ 6 内田博幸 2:15.3 sm3806611exit_nicovideo
第48回 2007年6月24日 アドマイヤムーン 4 岩田康誠 2:12.4 sm1315437exit_nicovideo
第47回 2006年6月25日 ディープインパクト 4 武豊 2:13.0 sm3796514exit_nicovideo
第46回 2005年6月26日 スイープトウショウ 4 池添謙一 2:11.5 sm6594373exit_nicovideo
第45回 2004年6月27日 タップダンスシチー 7 佐藤哲三 2:11.1 sm3756125exit_nicovideo
第44回 2003年6月29日 ヒシミラクル 4 角田晃一 2:12.0 sm1809199exit_nicovideo
第43回 2002年6月23日 ダンツフレーム 4 藤田伸二 2:12.9 sm3536731exit_nicovideo
第42回 2001年6月24日 メイショウドトウ 5 安田 2:11.7 sm3762848exit_nicovideo
第41回 2000年6月25日 テイエムオペラオー 4 和田竜二 2:13.8 sm3784760exit_nicovideo
第40回 1999年7月11日 グラスワンダー 4 的場均 2:12.1 sm3762883exit_nicovideo
第39回 1998年7月12日 サイレンススズカ 4 南井克巳 2:11.9 sm3784710exit_nicovideo
第38回 1997年7月6日 マーベラスサンデー 5 武豊 2:11.9 sm3762834exit_nicovideo
第37回 1996年7月7日 マヤノトップガン 4 田原成貴 2:12.0 sm3754286exit_nicovideo
第36回 1995年6月4日 ダンツシアトル 5 村本善之 2:10.2 sm6168120exit_nicovideo
第35回 1994年6月12日 ビワハヤヒデ 4 岡部幸雄 2:11.2 sm4060262exit_nicovideo
第34回 1993年6月13日 メジロマックイーン 6 武豊 2:17.7 sm3754215exit_nicovideo
第33回 1992年6月14日 メジロパーマー 5 山田 2:18.6 sm3760978exit_nicovideo
第32回 1991年6月9日 メジロライアン 4 横山典弘 2:13.6 sm3761068exit_nicovideo
第31回 1990年6月10日 オサイチジョージ 4 丸山勝秀 2:14.0 sm3234812exit_nicovideo
第30回 1989年6月11日 イナリワン 5 武豊 2:14.0 sm5221442exit_nicovideo
第29回 1988年6月12日 タマモクロス 4 南井克巳 2:13.2 sm24428320exit_nicovideo
第28回 1987年6月14日 スズパレード 6 蛯沢 2:12.3 sm3908454exit_nicovideo
第27回 1986年6月1日 パーシャンボーイ 4 柴田政人 2:14.4 sm24428275exit_nicovideo
第26回 1985年6月2日 スズカコバン 5 村本善之 2:15.9 sm24428214exit_nicovideo
第25回 1984年6月3日 カツラギエース 4 西浦勝一 2:12.4 sm5230333exit_nicovideo
第24回 1983年6月5日 ハギノカムイオー 4 伊藤清章 2:12.1 sm6783041exit_nicovideo
第23回 1982年6月6日 モンテプリンス 5 吉永正人 2:12.6 sm24215380exit_nicovideo
第22回 1981年6月7日 カツアール 5 樋口 2:14.1 sm24215325exit_nicovideo
第21回 1980年6月1日 テルテンリュウ 4 西浦勝一 2:31.9 sm24215259exit_nicovideo
第20回 1979年6月3日 サクラショウリ 4 小島太 2:12.4 sm24215169exit_nicovideo
第19回 1978年6月4日 エリモジョージ 6 福永洋一 2:14.2 sm22680854exit_nicovideo
第18回 1977年6月5日 トウショウボーイ 4 武邦彦 2:13.0 sm7633556exit_nicovideo
第17回 1976年6月6日 フジパーシア 5 大崎昭一 2:17.5 sm24215069exit_nicovideo
第16回 1975年6月1日 ナオキ 6 佐々木昭次 2:16.7 sm24215026exit_nicovideo
第15回 1974年6月2日 ハイセイコー 4 増沢末夫 2:12.9 sm24214979exit_nicovideo
第14回 1973年6月3日 ハマノパレード 4 田島良保 2:12.7 sm24214891exit_nicovideo
第13回 1972年6月4日 ショウフウミドリ 6 松本善登 2:19.9 sm24184329exit_nicovideo
第12回 1971年5月30日 メジロムサシ 4 横山富雄 2:17.3 sm24184291exit_nicovideo
第11回 1970年5月31日 スピードシンボリ 7 野平祐二 2:13.3 sm24184182exit_nicovideo
第10回 1969年6月1日 ダテホーライ 4 宇田 2:16.1 sm24184273exit_nicovideo
第9回 1968年5月26日 ヒカルタカイ 4 野平祐二 2:14.7 sm24184219exit_nicovideo
第8回 1967年7月2日 タイヨウ 4 内藤 2:19.4 sm24183949exit_nicovideo
第7回 1966年6月26日 エイトクラウン 4 内藤 2:15.0 sm24183863exit_nicovideo
第6回 1965年6月27日 シンザン 4 栗田 2:06.3 sm24183777exit_nicovideo
第5回 1964年7月5日 ヒカルポーラ 5 高橋成忠 2:03.3
第4回 1963年6月30日 ユウフオーレル 4 宮本 2:02.1
第3回 1962年7月1日 コダマ 5 栗田 2.03.4 sm17333573exit_nicovideo
第2回 1961年7月2日 シーザー 4 伊藤 2:04.6 sm17333532exit_nicovideo
第1回 1960年6月26日 ホマレヒロ 4 近藤武夫 1:49.6

関連ピコカキコ

宝塚記念ファンファーレ
掲示板>>115より)
21249

関連コミュニティ

関連項目

脚注

  1. *参照:netkeiba.comexit2010年2022年フルゲート開催だったが、発走直前の出走取消や体故障によって(それぞれコパノジングーオーソリティ)17頭立てになっている。
関連記事

子記事

兄弟記事

  • なし

おすすめトレンド

ニコニ広告で宣伝された記事

記事と一緒に動画もおすすめ!
山口剛央[単語]

提供: 山元ビニター

もっと見る

急上昇ワード改

最終更新:2024/04/27(土) 16:00

ほめられた記事

最終更新:2024/04/27(土) 16:00

ウォッチリストに追加しました!

すでにウォッチリストに
入っています。

OK

追加に失敗しました。

OK

追加にはログインが必要です。

           

ほめた!

すでにほめています。

すでにほめています。

ほめるを取消しました。

OK

ほめるに失敗しました。

OK

ほめるの取消しに失敗しました。

OK

ほめるにはログインが必要です。

タグ編集にはログインが必要です。

タグ編集には利用規約の同意が必要です。

TOP