サンダーフォースとは、
- 1983年に発売されたテクノソフト制作のパソコン向けシューティングゲーム「THUNDER FORCE」、及びシリーズ作品である。本項目ではこちらについての解説を行う。
- 遊戯王デュエルモンスターズに登場するモンスター「オシリスの天空竜」の攻撃名「超伝導波(サンダー・フォース)」。
作品概要
サンダーフォース
1983年にX1版が発売された後、多くの機種に移植された。
記念すべきシリーズ第一作。ゼビウスの影響を大きく受けつつも、グラフィックの貧弱なパソコンで8方向高速スクロールを実現するという独自性を持った名作シューティングゲームである。
オリジナルのX1はPCGという機能を持ち、フルカラーの高速スクロールを見事に実現させたが、他機種にはこのような機能はないため処理速度を稼ぐためにグラフィックは退色され、大幅に劣化してしまっている(MZ-1500を除く)。
PSGで音声合成されたゲーム開始時の「サンダーフォース」コールも話題となった(X1版とMZ-1500版のみ)。
また、MZ-1500版とPC-6001mkII版には、倒した敵に応じて難易度が変化する自動難易度調整が搭載されている。開発を担当した吉村功成によると、このシステムが搭載されているMZ-1500版が最もベストな出来との事。
1984年からはマップ作成機能が追加された「コンストラクション」も発売されている。
サンダーフォースII
前作を踏襲した全方位スクロールステージに加えて横スクロールステージが導入され、交互して進行する。以後シリーズおなじみとなる追尾弾「ハンター」等の多彩な武器を駆使したり、自機を中心に回転しつつ防御と攻撃を行う支援装備「クロー」が登場するようにもなり、III以降のフォーマットとなる。主人公機についても、本作ではSTGの続編お約束の「同型のバージョンアップ機」ではなく「見た目も武装も違う新型」という伝統も作ったりした。
翌年にはメガドライブ版「サンダーフォースII MD」が発売された。ROM容量やハードの性能の関係上グラフィックやサウンドの劣化やステージのカットなどのマイナス点はあるが、MD初期にしてはかなり頑張った移植と言える。このMD版II以降、テクノソフトは商業展開を主にセガハードで広げていくことになる。
サンダーフォースIII
前作で全方位スクロールがかなり不評横スクロールステージが好評だったことを受け、全方位スクロールステージが廃止になる。また、本作から前半のステージ選択や機体スピードの任意変更が可能になった。
ゲームバランスはシリーズ屈指と言われるものの、ステージ中のギミックが多彩化した結果、初見では避けるのが殆ど無理なものも多く、「覚えゲー」とも揶揄される。
サンダーフォースAC
同年、アーケードゲームとして稼動開始。
「III」をアーケード向けに調整した物で、グラフィックがやや綺麗になっていたり、一部ステージが差し替えられていたり、1UPが少ない代わりにシールドが多くなったりしている。
こちらをスーパーファミコンに移植し、改題したのが東芝EMI発売の「サンダースピリッツ」である。
しかし、処理落ちの頻発やパペパプーな曲の劣化などが見られ、ファンからは黒歴史として扱われる傾向にある。
とはいえSFCの超低速CPUは元々シューティングに向かないのもまた事実であり、スピリッツならではのオリジナル要素を入れる等の頑張りも見られ、再評価される傾向があるとかないとか。
ちなみにこちらもテクノソフト開発。
サンダーフォースIV
メガドライブの限界まで駆使したグラフィックや演出面の強化、ハードロック・ヘビーメタル調の重厚な楽曲群、攻略パターンの多彩化等から評価は高い。特にグラフィックに関しては当時のアーケードゲームに見劣りしないほどのレベルであった。
その反面、敵のパターン複雑化や後半以降の「サンダーソード」を前提としたバランス=敵の耐久力の上昇等による難易度の高騰、前作よりも癖のある武器、ステージの増加によるプレイ時間の延長、メガドライブの限界を突き詰めた描画に伴う処理落ちの多発(とされているが、本当は意図的にウェイトコントールを掛けていたらしい)といった問題も見られる。シリーズ最高作と評価する意見もあるが、ワゴンの常連だったという苦い思い出も。
サンダーフォース ゴールドパック1、2
1996年、旧作をまとめたパック版2本がセガサターン用ソフトとして発売。
「ゴールドパック1」は「II MD」と「III」のカップリング。基本ベタ移植だが、効果音が削られていたり、BGMが1ループ仕様のCD-DA収録となっている。
「ゴールドパック2」は「AC」と「IV」のカップリング。IVでSTYXが使えると言った追加要素もあるが、こちらも効果音の劣化等が見られ、やや残念な出来である。
サンダーフォースV
1997年、セガサターン用ソフトとして発売。
実はこの以前にもMD用として開発されていたがお蔵入りしている。(本作の5面BGM「Steel Of Destiny」は元々MD版Vの1面BGMとして用意されていたもの)
新システムとして、「クロー」の耐久力を犠牲にする代わりに武器を一時的に強化出来る「オーバーウェポン」を搭載。ステージ中に見られる(攻略上の)仕掛けは大幅に減ってしまったものの、3Dグラフィックを活かした支援装備とのドッキングシーンや前作の主人公機との戦闘といったより強化された演出、過去作のフレーズを盛り込んだ楽曲などから高い評価を得る。実際、発売当時のセガサターンマガジンではユーザーランキングにおいて6週連続1位という快挙を成し遂げた。
武器は5種類用意されているが、中でも「フリーレンジ」が雑魚はおろか大半のボスさえも瞬殺してしまうほど突出して強く、ゲームバランスは悪いと言わざるを得ないが、その強力さがこのゲーム独特の爽快感を生み出すことにも繋がっており、賛否両論ある。
また、ステージ構成はプレイヤーを極力飽きさせない工夫はされているものの、地形が殆ど無いこともありやや大味な印象を受ける。
とは言え、同時期に発売されたGダライアス・レイストーム・アインハンダー等のタイトルと並び称される名作として、現在も根強い人気を誇っている事に間違いはない。
翌年、プレイステーションでタイムアタックモードや隠し機体を加えた「Perfect System」を発売。機種間の仕様の違いの関係上、画面描画がSS版と比べ劣化しており、音楽や効果音も微妙に違っているが、処理落ちやスコアが簡単にカンストする問題が解消されている。
2008年以降、本作の動画に「サンダーフォース完結作」というタグを付けられる事が多くなった。理由は言うまでもない。
2010年2月24日、PS版がゲームアーカイブスで配信開始された。
オマージュ、二次創作作品
R-720 (セガガガ)
2001年、セガから発売されたドリームキャスト用ソフト「セガガガ」に収録のオマケシューティングゲーム。
サンダーフォースシリーズを髣髴とさせる演出やBGMが使用された他、TFファンであるGarow氏の二次創作小説に登場する機体「FIRE LEO-05P SYRINX」が、氏の制作したイメージムービー付きでゲスト出演を果たしている。
これが元となって「テクノソフトがDCでサンダーフォースVIを開発していたが、結局中止となった」「SYRINXが自機として登場する予定だった」という噂も広まったが、この時点でテクノソフトはゲーム開発事業から撤退してしまっている為、そういった事実は無い。
Aqua Cube
サンダーフォースVをかなり意識…というかまんまコピーした様な内容となっている。現在は公開が終了しており、入手不可。
尚、本作の作者である片切氏は、現在「THUNDER FUTURE」でプログラミングを担当している。
サンダーソーサラー
ファンタジーアースゼロを題材にして作られた二次創作ゲーム。
オープニングを始め、随所にサンダーフォースシリーズのパロディが見受けられる。プレイするにはアクションゲームツクールプレイヤーが必要。
こちらも配布が終了しており、現在は入手不可。
詳しくは「サンダーソーサラー」の記事を参照。
ASCII FORCE
Shooting Game Builderで制作された二次創作ゲーム。
自機、弾、敵、背景といった全てのグラフィックがフォントのみで構成されているのが大きな特徴。
Thunder Faith
サンダーフォース+東方な二次創作ゲーム。 早苗さんダーフォース。
システムは基本サンダーフォースVがベースだが、自機や敵が東方キャラになっている他、弾幕要素もある。
THUNDER FUTURE
仕事をしながらの制作作業という事もあってか、なかなか進展は見られないものの、ゆっくり着実に完成へと近付いている模様。
ストーリー
初代 ~ IV
プレイヤーサイドは「銀河連邦(地球側ではVastianと呼称)」として描かれ、敵勢力「オーン帝国」と争う。「サンダーフォース」という単語は銀河連邦軍における作戦名として使用される。大体は「オーン帝国が新兵器こさえて攻めてきちゃった→ピンチだー→じゃあサンダーフォース作戦発動しよう」の流れ。ちなみに、設定によるとこれを100年くらい繰り返している。
「IV」のゲーム中盤には、新たな敵勢力「ファウスト」がオーン帝国の戦艦を叩き落し登場、そのまま銀河連邦軍とファウストとの戦いに縺れ込むという新展開を見せたが、「V」で舞台が地球へと移った為、ファウストの正体や目的等は不明のままになっている。
V
舞台が変わり、遠い星の宇宙戦争から我々の住む地球が戦場になる。プレイヤーサイドは地球統合軍、敵勢力は「Guardian」と呼ばれる人工知能。RYNEXの残骸が太陽系に流れ着き、RYNEXこと「Vasteel(Vastian's Steel)」を解析して超技術「Vasteel-Technology」を手に入れるも、Vasteel-Technologyを管理する高性能人工知能「Guardian」が突如として暴走、戦争状態に陥る。
なお、本作では「サンダーフォース」の単語は作戦名ではなく、プレイヤーが隊長を務める特殊部隊の名称「Thunder Force222」として用いられる。
歴代主役機
サンダーフォース
サンダーフォースII
- FIRE LEO-02 EXCELIZA
要塞戦艦「プレアレオース」攻略を目的として開発された戦闘機。
全方位ステージと横スクロールステージでは武装が大幅に異なる。
また多彩な武装や支援兵器「クロー」は後の機体に継承される。
なお、X68000版とMD版では一部武装が異なる。
ゲーム中ではあまり触れない設定だが、「IV」までの男女との相乗り(複座型)という伝統を作った最初の機体。
サンダーフォースIII(AC・スピリッツ)
- FIRE LEO-03 STYX
無人防衛システム「ケルベロス」の対策として開発させた機体。
戦艦並の火力を持ちつつ、大幅な機体のダウンサイズに成功している。
R-TYPEの主役機R-9の様に機体前面に大きく張り出したコクピットと、機体左右のスラスターと一体化した火砲が印象的なデザインは後の機体に受け継がれていく。そこ、サンダークロスのブルーサンダーとか言わない!
他のFIRE LEOシリーズと比べると武装面では使い所がハッキリとしていて癖が少なく、比較的扱いやすい。
IVにおいては量産化されており(名称はFIRE LEO-03MP STYX Mass Product)、SS版で使用可能。サンダークロー無しのRYNEXとは違うのだよ。
実は当機の武装「セイバー」「ランサー」はTYPE-MOON制作のゲーム「Fate/stay night」に登場する同名サーヴァントに引用されている。この事は奈須きのこも言及している。
サンダーフォースIV
- FIRE LEO-04 RYNEX(「V」ではVasteel Originalと呼称)
次期主力戦闘機の試作型、未完成状態のまま出撃するハメになる。
武装は癖が強いものが多く、「STYX」に比べると若干扱い辛くもあるが
前半ではSTYXと同様のクローを装備するが、後半からは「サンダークロー」および「サンダーソードユニット」を搭載することにより暫定的な完成型になり、蓄積したエネルギーを放射する最強装備「サンダーソード」を使用できる様になる。
オーン帝国の残党、そして突如介入してきた謎の勢力「ファウスト」と立て続けに戦い勝利するも、機体は爆発に巻き込まれて大破してしまう(パイロットはコックピットを切り離した事で助かっている)。
「V」では、そのRYNEXの残骸が地球に「Vasteel-Technology」をもたらしたオーパーツ「Vasteel」として登場、ストーリーの中核となる。
ゲーム後半では「Guardian」にコントロールを奪われた状態でRVR-02と交戦。本来の武装だけではなく、RVRシリーズの「BRIGANDINE」に相当する巨大な支援ユニットをとっかえひっかえしつつ、RVR-02に襲い掛かる。その結果、回収も封印もされる事無く完全に破壊された。
サンダーフォースV
- RVR-01 GAUNTLET
「Vasteel Original」(IVの自機「RYNEX」)の模造品。RVRシリーズのカラーリングはFIRE LEOシリーズで一貫してた赤+白ではなく青+白。一部パーツやロゴがSガンダムを思わせる。
RVRナンバーの正式名称は「Refined Vasteel Replica」。また、機体名称が全て防具からの引用という法則がある。
過去作から武装を継承しているが、性質が大幅に変わっていたりゲームバランスすら破壊する威力になっている。
最大の特徴として、「サンダーソード」の代わりに支援装備「クロー」の耐久力を犠牲にして強力な攻撃を放つ「オーバーウェポン」を使用することが可能。
マイナーチェンジとして高速型の「RVR-01His」(赤)、強化型の「RVR-01Ex」(黒)、量産型の「RVR-01E」(緑)が存在し、PS版では裏技で使用可能。また、量産型はSS版・PS版共にステージ5の背景に登場し、撃墜されているシーンが確認できる。
尚、Vのレポートにて全機が破壊された事が確認されている他、設定上「Vasteel-Technology」は地球上に痕跡以上の物は残っていないなので、再生産などは有り得ない話である。
単座型なので女の子との相乗りは出来ないが、代わりにプレイヤーキャラが女性である。
また、RVRシリーズには「Reffi」というナビゲーションシステムが搭載されているが、こちらがFIRE LEOパイロットのオペレーターと言うポジション。 - RVR-02 VAMBRACE
ゲーム後半において使用することになる機体。「Vasteel-Technology」と地球の最先端技術を融合した機体。ゼータプラスに見えなくもない。
RVR-01に対して一部武装が強化されており、攻撃力やクロー回復速度も少々強化されているが、性能を追求するあまり量産に致命的な問題が発生しており、プレイヤーが駆る試作機のみしか現存しない。
ガーディアン戦役終戦の後、パイロット共々行方不明になっている。 - RVR-02B BRIGANDINE
RVRシリーズ用支援パーツ「BRIGANDINE」とドッキングした状態、どう見てもデンドロビウムだが、モチーフは実はゼータプラスのバリエーション機ハミングバード。
巨大かつ鈍重であり、使用武器も制限されてしまうが、単体で大気圏を離脱でき、高い耐久力を誇るシールドを標準装備し、「オーバーウェポン」が使い放題という強行型の特性を持つ装備。
決して単なる大気圏突破用ブースターではないので、すぐにパージしたりすべきではない。
尚、V発売当時の雑誌やテクノ公式サイトでは「ブリガンディ」と表記されており、一応こちらが公式名称の筈なのだが、現在は「ブリガンダイン」と呼ばれる事が圧倒的に多い。
2010年4月には、Vの自機3種類をまとめて立体化した「シューティングゲームヒストリカEX サンダーフォースV」がタカラトミーより発売されている。カラーバリエーションで「His」「Ex」も展開された。
設定通りGAUNTLETとBRIGANDINEの接続も可能だが、一部パーツを外さなくてはいけない。
ピコカキコ
THUNDER FORCE
Thunder Force - メインBGM(PC88SR版) |
THUNDER FORCE II
Thunder Force II MD - Death face's | |
Thunder Force II MD - Death face's(モジュールFM版) |
THUNDER FORCE III
Thunder Force III - Hunger made them desperate |
THUNDER FORCE IV
関連動画
歴代シリーズ
本シリーズの楽曲
二次創作作品
関連商品
関連項目
- テクノソフト
シリーズ全作(I~V)の制作・販売元。
既に倒産しており、現在は元社員の松岡和江(II・Vのボイスも担当)がライセンスを所有している。
殆ど忘れられているが、同社から発売された「スターフリート/B」及び「プラズマライン」と世界設定を共有していた。
本作に関わったスタッフが他に制作していた作品はこちらを参照。 - セガ
主にシリーズ展開を行ったハードの開発・販売メーカー。「AC」では販売元も勤めた。
2008年には「サンダーフォースVI」という名の史上稀に見るシリーズレイプをやってのけている。詳細は下の記事で。 - BROKEN THUNDER
2007年頃に発売され、多くのユーザーの心をブロークンしたアレな同人ゲーム。
「サンダーフォースVI」に関してはこの記事を参照。
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