シトロエン(CITROEN)とはフランスの自動車メーカーである。世界で100万台規模の販売を行う大きな実用車ブランドだが、日本では昔から今日に至るまで変態扱いを受けている。
概要
フランスを代表する自動車メーカーの一つ。法人としては同じくフランスの有名メーカーであるプジョーと共に、持株会社PSA(プジョー株式会社)の完全子会社だが、かつては独立した自動車メーカーであった。小型車から高級車までを用意している。DSやC6といった最高級車は大統領専用車として採用された実績がある。またそれ以外の中型車や小型車も、官公庁の公用車や法人用車として使われている。個人需要においても、作り出す製品がお洒落で実用的であることから、フランスを中心に広く大衆に親しまれてきた。
なお2014年にシトロエンのブランドであったDSは独立して、PSAの一ブランドとなっている。
歴史
1919年、機械部品製造会社の経営者アンドレ・シトロエンが自動車メーカー「シトロエン」を立ち上げた。これが変態の始まり。
WW2前はフォードに倣い、小型自動車の大量生産で企業規模を拡大した。自社製品をハーフトラックに改造した探検隊を組織し世界各地を探検、それをキャンペーンに使うなど変態ぶりを発揮する。宣伝は様々な手法がとられ、エッフェル塔に多数の電球をつけて夜に「CITOROEN」の文字を浮かび上がらせる広告を出すという、「それは私のおいなりさんだ」に相当する自己アピールを行うこともあった。
1930年代には本格的なモノコックボディと前輪駆動など、革新的な技術を誇るセダン「7C」を発売。7Cは11CVなどモデルの拡大と発展を続け、これらはトラクシオン・アヴァン(前輪駆動)として世に知られる傑作車となった。最高級モデルとしてV8エンジン搭載も検討されたことがあるが、諸問題から6気筒の15SIXへと落ち着く。4気筒は大戦期を挟んで1957年まで、6気筒は1956年まで生産され、乗用車需要に対応した。トラクシオン・アヴァンは実用性の高い中型車及び高級車であったが、先述の通り今日の中型セダンにも通じる前輪駆動とモノコックボディの採用など、変態の名に恥じない出来栄えであった。
こうしてシトロエンは自動車市場で確固たる地位を築いたが、経営の方は問題が多かった。アンドレはあまりにも変態すぎ、技術的信頼性も考えないままに当時まだ一般的でなかった自動変速機に発注をかけるなど、数々のプレイで会社を混乱させまくったため経営権を失う状況に追い込まれる。以後は、お節介なレストラン評価本を出す傍らで優れたタイヤを製造・販売する出版社、ミシュランが経営権を引き継ぎ、アンドレの借金を肩代わりした。
第二次世界大戦が始まると、フランスはナチスドイツの侵攻を受ける。壮絶なWW1後の厭戦気分と防御心理からフランスはマジノ要塞を建設したものの、ナチスはベルギーを占領してからアルデンヌの森を機甲部隊で突破し、要塞はまともに戦う前に無力化された。11CVなどシトロエンのセダンはナチスに連行されると、4輪を地面につくという四つん這いの格好を強いられ、 ナチスの制服を着た逞しい肉体を持つ男に乗られるなど、屈辱的な扱いを散々受ける。フランス人はたまにナチスに嫌がらせをするなどしながら、辱めを受けるシトロエンを横目で見るしかない時間を過ごした。
WW2がナチスのボロ負けで終了すると、戦後復興とモータリゼーション拡大の時代を迎えていた。このような時勢下にあって、1949年に全く新しい大衆車が誕生する。それは安価だが頑丈で、サスペンションは良く粘って車体を支え衝撃を吸収するという高い実用性を持つ。それが名車2CVである。 一見すると背の高い奇妙な格好だが、 大人四人が十分に乗ることが可能で、荷物もつめた。構造は簡素で安価で、当初の狙い通り農家などお金がない人たちでも自動車の恩恵を受けられる製品に仕上がった。 2CVはVWビートルと並び、世界の戦後モータリゼーションを担う存在となった。
1955年、シトロエンは又もや革新的な乗用車を発表する。エアロダイナミクスを追求した流麗で斬新なボディ、大人がくつろげる広い室内。そしてガス圧と油圧を利用し緩衝と姿勢制御を行い、油圧をブレーキ及びパワーステアリングの油圧系統と共有するハイドロニューマチックサスペンション。2CVに勝るとも劣らない自動車史に残る傑作、DSである。
変態が変態として生きる様を、再び世界の人に見せ付けたのだ。その奇抜な外見に反して実用性は高く、ラリーでも活躍した。ハイドロニューマチックは油圧系統からの液漏れや、ハイドロポンプの不調によって車高調整の不良が発生するなど独特の構造に起因する弱点もあったが、進歩性と優位性は世界の人々に認められた。マイナーチェンジでは、ステアリングに連動するヘッドライトを採用。ハンドルの舵角にあわせて旋回方向を照らすもので、今日のAFSのご先祖さん。この発想はタッカー・'48(トーペード)の中央ライトが先んじており、さらに遡ればフランスのトラックが世界初らしい。しかしこんな変な車は日本人には思いつかない上に、日本の一般大衆には良く分からないので、日本では変態以外の何者でもない。ハイドロニューマチックはこれ以降のCX、BXなどにも受け継がれていき、今日に至るまでシトロエンの個性となる。全て真面目に実用性を追求したファミリーカーや高級車であったが、一台の例外もなく変態として見られている。
1970年代、ミシュランはシトロエンの変態プレイについていけず、売却先を探していた。そこに名乗りを上げたのが、同じフランスの大メーカーであるプジョー。これ以後は持株会社・PSAの下で、この二社の棲み分けを行いつつ部品を共有するなどし、効率的な経営に勤しむ。PSAは欧州圏ではプジョーとシトロエンあわせて200万台程度を販売し、VWに次ぐ第二位の自動車会社となっている。最近は三菱からOEMを受けたり、トヨタと小型車開発で提携したりと、日本企業と協力して変態でない車を販売することが増えた。
冒頭で述べたとおり、シトロエン単独の全世界での販売は100万台規模であり、一ブランドとしては決して小さくはない。雑誌のインタビューでもシトロエンの関係者は、「自分たちは一部のマニアに向けて車を作るメーカーではない」と明言しているし、現実にマニアックな商品だけで維持していける企業ではない。だがシトロエン自身が真面目に実用性を追求して取り組んでいて、その目的を概ね達成していても、奇抜さ・奇妙さから日本の一般の人には奇妙な目で見られることも多い。「私は普通です」「私は自分なりに頑張っているだけです」と言いながらも、「あいつ、自分のボディを見せ付けるような格好をしてるんだぜ」などと言われる。これを変態といわずしてなんと言おうか。
言うまでもないが、この記事を熱心に読む人も、記事を熱心に書く私も変態だ。
ハイドロニューマチック(Hydropneumatique)
編集者の拙い説明では何を言っているか分からないかも知れないので、詳しくはwikipediaなどを参照のこと。
構造・原理
ハイドロニューマチック(油気圧式懸架装置)はシトロエンの個性ともいえる懸架装置で、パスカルの原理を用いたもの。車輪にかかった荷重により、フルードがスフィアと呼ばれる、膜によって内部が窒素充填槽とフルード槽に仕切られたボールに押し込まれる。するとフルードが膜を介して窒素を圧縮するが、気体は圧縮すればするほど圧力が高まるため、窒素がフルードを押し返そうとする。この一連の働きで、緩衝と減衰ができる。また油圧ポンプを使うことで、油圧回路に流れるフルード量を制御し、車高を一定に保つことが可能。
姿勢維持は、かつては「ハイトコレクター」と呼ばれる部品が姿勢変化によって油圧回路の閉塞と開放を行い、流れるフルード流量を調整する機械式制御が用いられてきた。ハイドラクティブと呼ばれるシステムになってからは電子制御が使われるようになり、回路の開閉はコンピュータが制御している。
機械式制御世代からハイドラクティブⅡ(ハイドラクティブ第二世代)までは、サスペンションの油圧回路はパワーステアリングとブレーキにも繋がっていたが、最新のハイドラクティブⅢではブレーキとパワステは別系統の回路になっていた。但し飽くまでサスとは回路が別ということであり、ハイドラクティブⅢでもパワステフルードの供給源はハイドロニューマチックと同じリザーバタンクであり、またパワステ回路の制御にも共通のコンピューター/ポンプ一体システムを介している。その為、パワステ装置とリザーバタンクの間には、フルードの供給及びリターンパイプが設置されている。
効果
ハイドロニューマチックを用いることで、乗員数や積載量に関わらず車高を一定に保ち、また車輪にかかるの荷重も一定に保つことで車両を安定させる効果がある。さらにハイドロニューマチックは、先述の効果によって安定性を維持しつつ柔らかいバネにすることも可能なので、操縦安定性と乗り心地の両立にも役立つ。
二玄社が発行している自動車雑誌「カーグラフィック」2008年10月号のインタビューに答えたシトロエンの技術者は、ハイドロニューマチックは安定性に貢献する装置であると答えており、飽くまで主目的はシャシー性能の向上にあるとの見解を示した。
ハイドロニューマチックのその他利用例
シトロエン以外では同じフランスのルクレール戦車もこれを採用している。ただし各転輪のスィングアームに油圧ピストンを介してスフィアが繋がっている形になっていて、緩衝と減衰の原理はシトロエンと同じであるものの、油圧ポンプを有しないので姿勢制御はできない。このハイドロニューマチックの利点は、トーションバーとは違い車内容積に影響を及ぼさないことと、モジュール構造にすることで転輪及びサスが損傷を受けた時の交換を容易にできることだろう。
シトロエンのシステムに近いのは、74式戦車以降の陸上自衛隊の主力戦車と、韓国のK1及びK2戦車、スウェーデンのStrv.103戦車である。日本列島や朝鮮半島、スカンジナビア半島は山岳部が多い地形である。この地形で戦う戦車にハイドロニューマチックの姿勢制御が加わることで、戦車の射撃方法であるハルダウン(稜線射撃。稜線の下に車体を隠し、砲塔だけを稜線から覗かせて目標を攻撃する方法)において砲俯角以上の俯角を取る事が可能で、稜線の向こう側にある敵に対してより優位な射撃位置をとることができるのが利点。特に日韓が脅威とする赤い戦車は砲塔が小型であることから仰俯角が小さいので、ハイドロニューマチックの姿勢制御があることで戦闘を有利に進めることが可能。尚、Strv.103はサスペンションだけでなく全体的に個性的な戦車であり、変態としてはなんとなく親近感を感じる。
平成22年度から調達が始まる陸上自衛隊の10式戦車は、アクティブ制御が行われることで路外走行機動性が高まるだけでなく、より強力になった44口径比長120mm滑腔砲の反動を軽量な40t台の車両重量でも適切に抑制することができる。詳しくはそれらの記事を参照。
シトロ菌
アンサイクロペディアに詳しいが、シトロエン信者が完成するという病原菌。類似例→鈴菌
一般的な症状
- ニコニコ動画やyoutubeでシトロエンの動画を探し始める。無ければ探して自分で投稿する。
- 好きな映画は「サムライ」や「ジャッカルの日」、「カリオストロの城」。
- 最新モデルは信頼性が高いのに、なぜかトラブルが多く、また経年劣化で故障が多くなりやすい昔のモデルを欲しがる。
- ハイドロニューマチックファンは、ハイドラクティブⅡ以前のモデルを欲しがるようになり、いつの間にか機械制御時代のモデルを崇めるようになる。
- BMWやアルファロメオなど他メーカーの信者は気にならないが、なぜか身内であるはずの金属バネ派又はハイドロ派がものすごく気になる。「きのこたけのこ」みたいなもの。
- 自宅の車庫や物置に、予備のスフィアが増え始める。
- シトロエンの中古シートでパソコン用の椅子を作り始める。
- 「ボビン」という言葉を聞くと糸巻きよりも計器の方、あるいはその計器を搭載したCXやBXを先に思い出す。さらに「ああ、そういえば糸巻きもボビンって言うんだっけ」など世間とずれた認識を平然と示す。
- 日本国内の脆弱な正規ディーラー網に鑑み、ネットオークションでプジョー・シトロエン用のテスター「レキシア」を落札する。
- 関東圏に住んでいる者を勝ち組と思うようになる。なぜならキャロルやジャベル、シトロエン宮前が圏内にあるから。
- トラクシオン・アヴァンが欲しくなる。
- タミヤはシトロエン派だと思う。なぜならミリタリーミニチュアシリーズで、トラクシオン・アヴァンをモデル化していたから。
- シトロエンがお洒落であるのは自明のことだが、ただそこに良さを集約されるような風聞には釈然としない。
灰泥沼
シトロ菌感染者のうち、ハイドロ信者の状態を示すもの。「ハイドロ」+「泥沼」から出来た造語。ハイドロニューマチックの良さに嵌ってしまい、まるで泥沼に入って深みに沈んでいくが如く、ハイドロの点検・修理をし、交換部品や中古ハイドロ車を物色することからそう名づけられた。
一度灰泥沼状態になると一気に末期症状まで進み、失業や結婚、離婚、子供が生まれる、家を建てる、家族が病気になるなど経済的困窮に陥るまで症状は治まらない。また仮にそれらによって一度は症状が抑制されたとしても完治することはまずなく、経済状態の改善とともに再び発症し、重篤な状態になってしまう。
現行モデル
日本で販売されているモデル
- C3
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DS3
- C3をベースにしたより個性的な3ドアハッチバック。デミオに対するベリーサのようなもの。オデコは無くなっているが、ルーフやボディ、座席、内装の色を複数の選択肢から選べるようになっている。日本人にとって分かりやすいお洒落なおフランス。1.6LのNAと4ATの組み合わせと、1.6Lのターボと6MTの組み合わせが選べる。ライバルはBMWのミニ。WRCにおいてワークスを担うCitoroen Racingのチューンが施された、DS3 Racingも発売される。スバルでいえばSTiモデルのようなもの。
イギリスBBCの自動車番組「トップギア」の司会者でお馴染み、女王陛下のパワー厨であるジェレミー・クラークソンは、このDS3をベタ褒めしている。彼が乗ったのはガソリンターボで、曰く走りが良い、静かで長距離も苦にならないと。あのジェレミーがフランス車をベタ褒めしたのだ。大事なことなので二回言いました。詳しくはコチラの動画を視聴されたし。
- C3をベースにしたより個性的な3ドアハッチバック。デミオに対するベリーサのようなもの。オデコは無くなっているが、ルーフやボディ、座席、内装の色を複数の選択肢から選べるようになっている。日本人にとって分かりやすいお洒落なおフランス。1.6LのNAと4ATの組み合わせと、1.6Lのターボと6MTの組み合わせが選べる。ライバルはBMWのミニ。WRCにおいてワークスを担うCitoroen Racingのチューンが施された、DS3 Racingも発売される。スバルでいえばSTiモデルのようなもの。
- C4
- C4ピカソ
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C5
- 2007年に世界デビューし、2008年に日本でもFMCした上級中型車。C5と命名されたものとしては2代目となる。C6販売終了以後は、シトロエン・ジャポンにおける最上級車種を担う。車体はセダンと、現在は「ツアラー」と呼ばれるステーションワゴンがある。
サスペンションは、シトロエンの個性ともいえるハイドロニューマチックを引き継ぐ。「ハイドラクティブⅢプラス」と呼ばれるそれは、昔とは違い油圧系統はサスペンションのみで使い、パワステやブレーキとは完全に分離されている。これまで発展改良を続けたおかげで、BXの頃までとは違い信頼性が高まっている。このようにシトロエンの個性は保っているものの、海外では先代C5までとは異なり通常の金属ばねのモデルもあること、インテリアは個性はあるものの保守的であること。そして何より外見がアウディやBMWの雰囲気に似ており変態具合が薄いことから、本当はドイツ人の子供ではないかと疑われている。
エンジンはBMWが開発した4気筒の1.6Lターボで、変速機はアイシンAW製の6AT。シトロエン専門の中古・並行輸入車販売店「ジャベル」では、イギリス仕様の右ハンドルディーゼル車の購入も可能だったが、新車販売は終了した。
嘗ては3000ccのV型6気筒及び2000ccの直列4気筒エンジンも正規輸入されていたが、現在では販売を終了している。
- 2007年に世界デビューし、2008年に日本でもFMCした上級中型車。C5と命名されたものとしては2代目となる。C6販売終了以後は、シトロエン・ジャポンにおける最上級車種を担う。車体はセダンと、現在は「ツアラー」と呼ばれるステーションワゴンがある。
日本で販売されていないモデル
特別モデル
- GT by Citroen
過去のモデル
- トラクシオン・アヴァン(7、11、15)
-
2CV
- 1935年夏、当時のシトロエン副社長が夏の休暇を楽しもうと田舎へ行ったとき、彼が目にしたのは人力や牛馬に頼らざるを得ない農家の実態であった。そこで彼は市場を丁寧に調べ、低価格で実用的な小型車が求められていることを確信して新型車の開発をスタートさせた。
その要求はすさまじいもので、乗員の他に50kgのジャガイモまたは樽が積める事(ようするにそれだけのスペースを確保しろとの事)、さらに籠一杯の生卵を積んで農道を走っても卵が割れないぐらい快適な乗り心地であること等、農家に配慮したものであることはもちろんのこと、経済性を考え5リットルの燃料で100km走ること、時速60kmぐらいのスピードは出せること、前年に発売して成功していた高級車のトラクシオン・アヴァンの1/3の値段で作ること、車体重量300kg以下にすること、加えて自動車に疎い年配の女性でも容易に運転できることなどである。
この最高に変態な要求を満たすために開発陣は大いに苦労した。唯一デザインはこだわらないというのが救いだったが、試作品が完成すると190cm以上もある大柄な社長(前述の副社長のこと、2年後に社長になった)自らシルクハットをかぶって乗り、帽子が引っかかったらボツになった。
さらに戦争でフランスがドイツに負けると、社長以下社員はこの車をドイツに渡してなるものかと地面に埋めたり、分解して工場の壁に埋め込んだりした。そのまま忘れられて工場を解体するときにはじめて見つかったものまであった。そして社員はドイツのために極力労働をサボタージュ(サボる、の語源である)し続けた。
フランスが開放され、世界大戦が終わると早速開発は再開された。女性でも簡単に運転できるよう、試作品に秘書を乗せてテストしたりもした。1948年にようやくモーターショーで発表した。
会場はどよめきに包まれ、当時の大統領すら困惑した。軽量化と低コストと強度確保のため波板が使われ、屋根は大きなものを運ぶとき簡単に取り外せるようキャンバス生地を使うなど、実用性を求めた結果のデザインは変態だと嘲笑された。評判は散々だったが、社長はまるで気にしていなかった。変態だk安くて性能がいいのだからきっと売れると確信していた。
実際に販売が開始されると、飛ぶように売れた。安いしメンテナンスも簡単だし壊れにくいし経済的ならちょっとぐらい見た目が変態でも誰も気にしなかった。たくさん売れたので街中でよく見かけるようになると、むしろこっちのほうがいいとまで言われた。フランス人もまた変態だった。
時代に合わせてちまちまモデルチェンジを繰り返し、1990年にさすがに安全基準に適合しないといわれて生産終了するまで派生型を含めると500万台以上売れた。自動車の歴史に残る一台である。
- 1935年夏、当時のシトロエン副社長が夏の休暇を楽しもうと田舎へ行ったとき、彼が目にしたのは人力や牛馬に頼らざるを得ない農家の実態であった。そこで彼は市場を丁寧に調べ、低価格で実用的な小型車が求められていることを確信して新型車の開発をスタートさせた。
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BX
- 中型のハイドロニューマチック車。漫画家・田中むねよしの作品「Bolts and Nuts」でもお馴染み。機械制御ハイドロの最後の世代になる。角ばったボディの5ドアハッチバックで、初期型はCXやGSから続くボビンメーターを採用していた。日本でもかなり売れたのだが、変態以外の人も興味本位で購入していたこと、また時代を経ていることから、現在では優良なタマは少ないと思われる。
DSやSM、CXといったハイドロニューマチックの先達と同様にラリーにも投入されたが、先達とは違い、故障ばかりで散々な結果に終わる。出場したのがキチガイ染みたグループBだったのが悪かったのか、単にシトロエンの開発やチーム運営体制が悪かったのか、それは定かではない。シトロエン自体は昔から今日に至るまで最強のラリー車メーカーの一つだが、そんな同社にあってグループBのBXは黒歴史のようなものだろう。
日本では西武自動車販売が輸入・販売してた他、マツダが5チャンネル販売網と言う死亡フラグを立てていたときにはユーノスでも販売されていた。先述のように沢山売れたわけだが、特にユーノスではシトロエンという機械に習熟していない整備士が商品を扱わされることもあり、客・販売店双方に嫌な思いを残すこともあったらしい。編集者はシトロエン取扱時代のユーノスを知っているマツダ販売員に話を聞く機会があったが、故障が多くて苦労したとのこと。現行のハイドラクティブⅢ程の信頼性はなく、また機構は現在のそれより複雑で、整備士の習熟度が機械のコンディションを左右した時代故であろう。
- 中型のハイドロニューマチック車。漫画家・田中むねよしの作品「Bolts and Nuts」でもお馴染み。機械制御ハイドロの最後の世代になる。角ばったボディの5ドアハッチバックで、初期型はCXやGSから続くボビンメーターを採用していた。日本でもかなり売れたのだが、変態以外の人も興味本位で購入していたこと、また時代を経ていることから、現在では優良なタマは少ないと思われる。
- タイプHフルゴン
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SM
- いくらなんでも、SMはそっちの意味じゃない。SMは「Sport Maserati」の頭文字で、文字通りマセラティの技術を取り込んだスポーツモデルである。シトロエンがマセラティの経営権を獲得するという死亡フラグを立てたので、レーシングカー工廠として名を馳せたマセラティのエンジン技術を取り入れ、後の日本で言うソアラやレパードのような車を作ろうとした。 デザインも個性的だが、DSで採用されたご先祖AFSやハイドロニューマチックの採用など、メカニズム面でも個性的。つまり、言わなくても分かりますよね?。ちなみにこの頃はマセラティでも、シトロエンとの協力の下で新世代クアトロポルテを作ろうとした時期でもある。
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