陸戦型ガンダム

陸戦型ガンダム（RX-79[G] Gundam Ground Type）とは、『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』等の作品に登場する人型機動兵器、モビルスーツの1機種である。

概要

V作戦により開発されたRX-78ガンダムの生産に際して多数生じた余剰パーツを利用して生産された機体。
地上戦に特化した設計となっており、姿勢制御バーニア等の宇宙戦闘用の装備やコアブロックシステムは撤去されている。また、同様の理由からシュノーケルダクトやサーチライト、昇降用リフト等の地上での運用に必要な装備が追加されている他、長期作戦行動用のウェポンコンテナや空挺降下用のパラシュートパックが用意されている。

生産に際して用いられたRX-78の余剰パーツ（主に熱核反応炉や駆動系）は一年戦争当時においては高性能な物ではあったが、品質基準を満たさない規格落ちの物が多数含まれていた。このため、20機以上生産された本機はそれぞれに性能のバラつきが生じている。このため、運用に際しては性能の均一化を図るためにリミッターをかけている。ただし一時的にリミッターを解除すること自体は可能（MAXモード）。
なお、MAXモードはV-MAXやトランザムシステムのような大幅な性能向上をもたらすものではなく、『通常よりも動きが良くなる程度』のものである。そしてそういった理由から、ゲーム等では省略されていることが多い。

このように、戦時急造機としての側面が強い機体ではあるが、その性能はジム以上であり、当然、ザク相手にも互角以上の戦闘が出来るだけの性能を備えていた。というか当時の連邦軍の量産型MSとしてはトップクラスの性能であり、少数生産された機体の中の一部はEXAMシステム搭載機、ブルーディスティニーへ改装されている。

ただし、本機はその性質上、補修用の部品が慢性的に不足しがちな機体である。このため修復の際に陸戦型ジムや撃破したザクの部品等も利用しての現地改修がされることもあり、五体満足な状態で一年戦争終結を迎えた機体は少ないとされる。

武装

殆どの携行火器は陸戦型ジムでも使用可能となっている。

• 100mmマシンガン
  ヤシマ重工製のMS用実弾火器。本機の基本携行火器として位置付けられており、腰部側面に予備マガジンを装備する。
  対MS戦において十分な威力を発揮したが、同じく初期の連邦製MS用火器である90mmマシンガン（ジム・ライフルと機関部を共用する）とは異なり、戦後は殆ど使用されていない。
• 180mmキャノン
  主に長距離支援用に用いられる。マシンガンと比較して大型の火砲ではあるが、ウェポンコンテナに4分割して収容することが可能。
• ミサイルランチャー
  6連装のミサイルランチャー。
• バズーカ
  密林などでの使用を考慮し、RX-78等の機体が用いたハイパー・バズーカよりも短砲身で取り回しに優れた物となっている。
• ビームライフル
  RX-78の物とは形状が異なる。生産数が少ないことから08小隊に配備された数も少ない。
  陸戦型ガンダムの火器としては最大級の威力と射程距離を誇り、『震える山』において、ノリス・パッカードがケルゲレンの脱出において最大の脅威として位置付けている。
• シールド
  密林での使用を考慮に入れた小型のもの。先端部は打突にも使用可能になっており、地面に突き刺して防壁としても用いられる。ちなみに、OPアニメにおいて180mmキャノンの安定脚代わりに使われているかのように見えるカットがあったため、Gジェネシリーズの初期作品では実際にそのようにも使われていた。
  劇中後半においては、追加装甲を備えたバージョンが装備された。
• 胸部バルカン砲/マルチランチャー
  左胸部に各1門内蔵する。
  バルカン砲は構造的に頭部よりも余裕があるため、RX-78と比較して装弾数が大幅に増えているが、コクピット脇という本来なら頑強な構造であるべき場所にこのような火器を備えたため、搭乗者の保護という点では欠点を抱えている。また、頭部と比較して可動域が狭いという欠点もある。
• ビームサーベル
  湯沸かし器。
  RX-78の物とほぼ同様のものだが、バックパックではなく脚部に内蔵する形となっている。これにより、非使用時は装甲で防御されているため戦闘中に損傷するリスクが抑えられた。

関連動画

関連商品

 
 

関連項目

• ガンダムシリーズのMS・MAの一覧
• 機動戦士ガンダム 第08MS小隊
• 機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY
• シロー・アマダ